【PS3】Dragon Age: Origins(ドラゴンエイジ:オリジンズ)
発売元 | スパイク (オフィシャルサイト) |
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発売日 | 2011-01-27 |
価格 | 8190円(税込) |
レーティング | 【D】17才以上対象 (CERO について) |
ショップ/リンク | Amazon(廉価版) |
タギングトップ3 | |
タイトル概要 |
■ ジャンル:RPG ■ プレイ人数:1人 【廉価版】 ■ 発売日:2011/12/01 ■ 価格:3,990円 |
GOOD!
オリジナリティー
「正統にして王道の西洋中世ファンタジー」
まるでロード オブ ザ リングの世界がそこにある。これこそが、RPGという言葉の一般的イメージ像だと思われる。
が、しかし、意外とこういうのが最近は少なく、本作のオリジナリティーに高評価を与えねばならないことに一抹の寂しさを感じる。
ストーリー
「幅広く、懐が深いストーリー」
どこだかで大人のためのRPGと宣伝されていた通り、本作で扱われている数々のテーマは、とても広範に渡り人間味に溢れている。昨今のRPGでよく感じる 嘘くささ 幼稚さ ご都合主義などとはほぼ無縁である。
そもそも本作の特筆すべき特徴として、プレイヤーは 実に幅広い選択肢が用意された選択や決断に四六時中迫られる という点にある。
例えば、目の前に悪人がいるとしよう。 彼を殺すか? 赦すか? 利用するか? 無視するか? 赦す・利用するにしてもどの程度か? というような具合だ。
こういった多くの問題に対し、プレイヤーは自身の道徳観・価値観・目算などを総動員させなければならないだろう。この内容・量ともに幅広い選択肢が、本作のストーリーを やりがいのある悩み深いもの としてくれている。(この点につき、オブリビオン フォールアウトを超えている。と自分は思う。)
こう書くと、ひたすら人間のドロドロとした部分を見せつけられるように思われるが、そうでもない。確かに血生臭い解決法もあるが、誰もが納得する聖人が出すような解決法もちゃんと用意されている。(ただし、その方法は恐らくもっとも努力と忍耐が要求されるだろうが・・・)
何にせよ、本作のストーリーは懐が深く、(ごく一部に過激なものがあるが) ほとんどは多くの方に受け入れられるものだ と思う。
グラフィックス
画像の綺麗さについては残念ながら感心するという程のものではない。
演出についても光の明暗や空気感などについては物足りない。
しかし、デザインが良い。本作のデザインは先述したような「西洋中世ファンタジー」を絶対に裏切ることがない。キャラ 服装 武器 防具 敵モンスター etcなどはそれらのセオリーに徹底的に忠実にデザインされている。
見る人が見たらつまらなく見えるかもしれないが、やれグラフィックス向上だの何だので、浮ついたデザインが多い昨今のゲームの中で、本作の姿勢は個人的にはかなり好感が持てる。
サウンド
BGM・SEは普通の域
何と言っても本作のすごい点は、ボイスである。フルボイスの作品は最近では当たり前となってきているが、それにつけてもあの量は自分が今までしてきたRPG(オブリビオン フォールアウト FF13 など)の中でも多分トップだろう。
満足感
今まで自分が思ってきたRPG像をまさに形にしてくれたのが本作
そのため、後述のある一点さえなければ迷いなく5点を挙げたのだが・・・
BAD/REQUEST
「敵・アイテムが復活しない」
熱中度以外の項目に高評価をつけておきながら、熱中度のみ0点としたいびつな評価をせざるを得なかった最大の要因がコレ。
エリア内で、一度倒した敵や入手したアイテムは二度と再出現せず、バトル数や入手アイテムの数は、厳密にはそうでないかもしれないが、実質上は限られている と見ても良い。
これにより次の2点が指摘できる。
1 難易度が高い
これによりRPGでよくされる手法の一つ 「コツコツと敵を倒して経験値・お金・アイテムを稼ぎ、いざという時は物量作戦で押し込む」という手法がとれない。
となると、バトルで詰んだ時はオプションで難易度を下げるか 一からやり直すしかなくなる。
「戦い方を工夫すれば?」と思われるかもしれないが、(アクションゲーム寄りだったデモンズソウルとかと違い)純粋なRPGであるという本作の特性上、育成・セーブポイント・イベント進行などの状況次第では どうあがいても無理 という事態に追い込まれやすい。
何より、いつ強大な敵が出現したり、アイテムが尽きたりして詰んでしまうか と常に怯えながらプレイするのは、自分にとってストイックに過ぎ興ざめしてしまう。
ヌルゲーマーと非難されるのは覚悟の上で言わせてもらうが、このような(数値やパラメータによる調整ではなく、システムや仕様による)難易度の上げ方は苛烈であると思う。
2 作業感
前述の点にはまだ「難易度向上のため」という大義名分があるが、この点はそうでもない。
敵・アイテムを一掃してしまったエリア内の移動は、本当にただの移動であり作業以外の何物でもない。そして、本作の数々の仕様上そういった機会はけっこう多い。
これにより、自分は興奮が萎えてしまった。
(以下は細かい点)
ストーリー
「マルチシナリオではない」
本作のプレイヤーには広範で多岐に渡る選択肢と、それに見合う解決方法と状況変化が用意されている。
しかし、物語を抜本から変えるという程のものではない。
もはや、マルチシナリオという言葉の定義の問題だろうが、何にせよ、過大な期待は禁物だろう。
「・・・疲れる・・・」
決断や選択に四六時中迫られると書いたが、それらのほとんどは即決できるような類の問題ではない。何気ない一言が大変な事態を招くことも多々あるので、なおさらである。
確かにそれらについて頭を悩ませ、決断を下すのは楽しい。だが、同時に疲れるというのも事実だ。
自分は本作を一日一時間以上は疲れてしまって、とてもする気になれない。
もっとも、これはただ単に自分が優柔不断なだけだろう。
自分みたく優柔不断なタイプや考え込んでしまうタイプの人にとって、本作のストーリーは 楽しい と思う以上に 疲れる と感じてしまうかもしれない。
(この点についても「敵が復活しない」ということが尾を引いている。
敵が復活しさえすれば、そういった 疲れ をバトルで発散させることができるのだが)
セーブ
本作のオートセーブはちょっとまずい。
重要なイベント・バトルの前にオートセーブポイントがあるため、何となく察してしまう。
普通にエリアが切り替わるごとに で良かった気がするが。
(愚痴・要望)
とにかく、敵が復活してくれさえすれば良かった。
復活することで、「ストーリーの雰囲気が壊れる」 「難易度低下」といった懸念があるだろう。しかし、
前者について言えば、復活させてもストーリー上違和感の無い敵もいる。(オオカミ クマ クモとか) なのでそういう敵に限ればいいだけだ。
後者について言えば、再出現した敵については 経験値・アイテムドロップ率などを低く調整すれば良いだろう。
次回作が出るなら、そうしてくれないものだろうか。
COMMENT
「無念」の一言に尽きる。
仕様上のたった一点が個人的に合わなかった。というだけで全てが台無しになるとは思ってもみなかった、本作をするまでは。
それさえ無ければ・・・本当にそれさえ無ければ!
クリアしてからレビューすべきと思ったが、先述のようにとても疲れてしまった。
それゆえ、未クリアで挫折。
そういった者のレビューであるということを加味して欲しい。
それでは最後に一言
上述の一点が気にならないRPG好きには大いにオススメするが、その一点が気になる人はもう少し考えた方が良いかもしれない。