【PS4】Dishonored 2 レビュー
発売元 | ベセスダ・ソフトワークス (オフィシャルサイト) |
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発売日 | 2016-12-08 |
価格 | 8618円(税込) |
レーティング | 【Z】18才以上のみ対象 暴力 (CERO について) |
ショップ/リンク | Amazon |
タギングトップ3 | |
タイトル概要 |
■ ジャンル:ステルスアクション ■ プレイ人数:1人 |
- 総合ポイント
- 73
- (難易度)
- 2.75
- レビュー数
- 4
オリジナリティー | グラフィックス | サウンド | 熱中度 | 満足感 | 快適さ | (難易度) |
---|---|---|---|---|---|---|
5pt | 4pt | 3pt | 4pt | 4pt | 2pt | 3pt |
73pt
GOOD!
基本的な部分ですが、ステルス&キルがテーマのゲームは、3人称視点であることが多いと思います。
それは、自分の状況(きちんと姿が見えなくなっているか、など)と敵の状況(今どちらを向いているか、どこへ向かっているか、など)を確認しつつゲームを進めなければならないため、俯瞰視点でないとこれらの状況を確認しづらいからであると思います。
そんな中、本作は1人称視点でのステルスゲームで、マップの表示も無し。
上記のような不便さが、逆にプレイヤーに臨場感を与えます。
物陰に隠れつつ、ちらちらと敵の状況を確認し、華麗にスルー(またはキル)できたときの達成感がひとしおで、達成感があります。
グラフィックがますます進化している現代のゲームに非常にマッチしていますね。
オリジナリティといって良いのかわかりませんが、一人称視点ステルスゲームとして、現状最高の形を提示していると感じます。
そんなわけなので、最初は結構簡単に敵に見つかってしまい、戦闘になることが多いのですが、ここはもうそういうゲームと割り切ってプレイしても楽しいです。
前作から引き続き、主人公が身に着けるスキルが様々で、利用次第で、ステルスにも利用できるし、戦闘にも大いに役立つものも多いです。
一通りプレイした後に、じゃあ2週目はノーアラート&ノーキルを目指そうかな……と素直に思える作り。
オープンワールドではなく、各ステージ毎にきっちりと分かれている作りなので、リトライもわかりやすくプレイできます。
スキルの利用法もさることながら、ステージのクリア方法も多種用意されていて、良いですね。
暗号的なものを解く場合、答えになるものを捜索する方法や、敵を殺して力押しするパターン、自力でパズルを解くパターンなどなど。
世界観も良いですね。
前作同様、ヨーロッパの中世的な雰囲気なのですが、スチームパンク的な要素が加わっており、独特なデザインと、突飛なアイテムや能力などにも説得力があります。
探索中に見つかる書籍やメモ書きなどを読み込むと、細かな設定があることや、本編とは直接関係はないが、関連のあるストーリーが進行していたりと、作り込みも非常に丁寧。
システム周りも前作より洗練されていて、わかりやすくなっています。
こういったブラッシュアップは、ベセスダは本当にうまいですね~うならされます。
難易度も絶妙で、こういったゲームに慣れていない人だと厳しく感じるかもしれませんが、きちんと考えてリプレイを重ねれば、意外とあっさりと突破できるルートが見つかったりします。
BAD/REQUEST
ロードが長いですね。
個人的には、かなりのマイナスです。この部分は本当に何とかしてほしいですね。
初心者の人や、トロフィーを目指すなど、プレイ状況次第では、どうしてもリプレイが多くなるので。
一般人が、ちょっと過敏すぎますね。
いちいちちょっとしたことで突っかかってくるので、一般人にも敵とほぼ同じように対応しなければなりません。
まぁそういうものだと割り切れば良いのですが、どうにも理不尽な気がしてしまいます。
バグでフリーズ、そのまま落ちる、のパターンが若干ありました。
個人的にあまり致命的なタイミングではなかったのですが、これも要改善ポイントですね。
COMMENT
前作を楽しめた人は、より一層の期待を持ってプレイしても、何ら問題の無い出来ですね。
前作はきっちりとオチが付いているので、本作からでも問題はありませんが、余裕があれば、本作の前に1をプレイしても良いと思います。
主人公の性格が若干違うことに違和感があるかもしれませんが……。
とにかく、色々な意味で前作よりもパワーアップしていて、マーケティング的なブラッシュアップは欧米の大きなメーカーのお家芸となっていますね。
面白くないわけがないという内容で、こういった方向性では国産ゲームは太刀打ちできないなーしばらくは、と思わされてしまいました。
オリジナリティー | グラフィックス | サウンド | 熱中度 | 満足感 | 快適さ | (難易度) |
---|---|---|---|---|---|---|
4pt | 4pt | 3pt | 4pt | 3pt | 2pt | 2pt |
65pt
GOOD!
前作同様のステルスorぶっ殺しを楽しめちゃう丁寧に作られたアクション。
まあおおよそは前作の流れを踏襲してて、それをより洗練させているので前作プレイ済みならサクッと世界に浸れる。
今回は操作キャラが2人になってるし、特に女の追加は嬉しい限りだ。
舞台もなかなかに広大で、けっこう複雑な地理をしており、アイテムがあっちこっちにあるので探索が単純に楽しい。
とにかく手当たり次第にぶっ殺して行ってハイカオスの派手に無双プレイ楽しむもよし、誰にも見つからず誰も殺さずで彼に隠密プレイをするもよし、それぞれでたのしめちゃうのがなんともいえない。またそのスタイル用の様々な能力があって、強力なものも多いので、うまく使えば難所も簡単に突破していける。
前作についで舞台の雰囲気も良くできてるし、住民らもそれぞれに個性的なので、連中との会話が楽しかったりする。
BAD/REQUEST
ステルスプレイはルートもわからずコツも掴めずでどうしても無双プレイとなるだろうが、逆にルート掴むとサクサク行ってしまうので、ここらで単調に感じがちかもしれない。これは前作も同様だったし、まあステルスもののお約束だろうか。
話などは前作とリンクしているので、前作をやってないとちょっと置いてきぼりを食らうかも
ロードが長いね。前作も以上に長かったけど、今回も長いかな。許容範囲内だけど。
COMMENT
虐殺と隠密の2パターンを楽しめるお得な作り。誰も殺さず見つからずで見事クリアできた時の達成感は、かなりの域でしょう。
自身の上達ぶりを感じることができるはず。
前作は元ps3で出てたが、リマスターがps4でも出てるので、時間や金に余裕あるならまずは前作からプレイした方がより楽しめると思う。
前作同様にDLCが来てくるると嬉しいね。
オリジナリティー | グラフィックス | サウンド | 熱中度 | 満足感 | 快適さ | (難易度) |
---|---|---|---|---|---|---|
5pt | 4pt | 3pt | 5pt | 5pt | 3pt | 4pt |
88pt
GOOD!
■進化した暗殺システム&多彩な攻略
本作はステルスアクションゲームですが、物音を立てずに忍び寄って殺すだけではありません。
例えば、本来はプレイヤーの侵入を阻むためのトラップを逆手にとったり、罠を仕掛けたところに音を立てて引き寄せたり、高所から飛び込んで強襲したりと、数え切れないほどの暗殺手段が用意されています。
警備が厳重で、とても背後を取れそうにない状況。それならどうしようか……と周囲をよく観察すると、実に様々な解決方法が用意されており、単にアクションとしての面白さだけでなく、「どうやって突破するか?」というパズルのような楽しさがあり、飽きません。特に、屋根の上などの高所に陣取り、狙撃してから急降下してもう一人暗殺するといったスピード感のある、攻撃的なステルスとでも言うような攻略はディスオナードならではの楽しさです。
また、暗殺をウリにしたゲームではありますが、誰一人として殺すことなくクリアすることもできる攻略の自由度も、大きな魅力だと思います。憎い相手ですが、殺害ではなく別の方法で決着をつけることもできる。どうするかはプレイヤーに委ねられ、その結果は後のストーリーにも影響を及ぼします。基本的なストーリーは決まっているのですが、プレイヤーの意思が介入できる余地があり、一本道という感じはありませんでした。
■魅力的なマップ
本作の最大の魅力だと思います。
どのマップも、隅々まで探索しようとすると何時間もかかります。それでいて、目的までの最短距離を目指すと実は数分で辿りつける。探索しなければならないのではなく、楽しいから、気がついたら探索しているのです。ボリュームと快適さを両立させた、素晴らしい出来だと思います。
また、それぞれのマップが実に個性的で、例をあげると、宝石とまで称される海岸の街、迷宮のような機械仕掛けのマンション、ならず者と兵隊の争う砂塵地帯など。これらのマップの個性は攻略にも反映されていて、湾岸の街では民間人に聞き込みをすると有益な情報が聞けたり、砂塵地帯ではどちらかの勢力に加担することで有利に進めることができたり(もちろん、両陣営と敵対する自由もあります)という具合で、まったく飽きません。
■キャラクターの強化が楽しい
超常能力の獲得はスキルツリー制で、好みに合わせてキャラクターをカスタマイズすることができます。強化に必要なルーンの入手量は限られており、どうあっても完璧なキャラクターにはできません。(後日、強化を引き継いでニューゲームも可能にするそうです)
そのため、どの能力を育てるか悩ませてくれるのですが……これが本当に、実に悩ましい。ルーンの入手量が絶妙なうえに、どの能力も魅力的ですから、一体どうすればいいんだと良い意味で困ります。
また、ボーンチャームクラフトという能力があり、これを利用すると様々なユニークなステータス上昇ができます。例えば、「水を飲んだらライフが回復する」「ステルス状態の移動速度が上がる」「爆発物の範囲が広がる」「首を絞める(気絶させる)速度が上昇する」などなど。こちらも面白く、かつ有益なものが揃っているので、かなり自由なカスタマイズができます。
どういう風に強化していくか考える、RPGのような楽しみがあり、周回プレイにも適しています。
■独特な世界観と雰囲気
スチームパンクと超常能力(魔法のようなもの)が融合した、独特な世界設定です。
突拍子もないように思えますが、鯨油を資源として活用している設定や、作中で至るところに見られるオーディオグラフや鯨の骨、公害に苦しむ民間人の描写などがリアリティを醸し出しています。
ディスオナードの世界、としか言いようがないほど造り込まれた世界はとても魅力的で(住みたくはありませんが)、これだけを目的として購入したとしても後悔はしないのではないでしょうか。
■絵画のようなグラフィック
本作よりもリアルで繊細なグラフィックの作品は、探せばいくらでも見つけることができます。しかし、本作よりも魅力的なグラフィックの作品は、そうそう見つかるものではありません。
本作は独特の油絵風のグラフィックをしています。これが、上述の独特な世界観と非常にマッチしており、ディスオナード独自の世界を感じさせてくれます。どこの場面を切り取っても一枚の絵画のような、というと言いすぎかもしれませんが、オリジナリティ溢れる素晴らしい完成度。
BAD/REQUEST
■ロード時間が長め
地味ながら、本作で一番の残念な点です。
マップを移動した際に10から20秒ほどのロードが入るのですが、こちらは気になる人は少し気にするかも、という程度です。マップ移動はそこまで頻繁にするものではありませんし。
どこが問題かというと、メニューを開いた際にいきなり動作が重くなり、少し間をおいてからようやくメニュー画面が開かれるというレスポンスの悪さです。クイックセーブ&ロード機能があるのですが、メニューを開いてからボタン長押しで使用するため、都合5秒ほどかかります。そこから更にセーブもしくはロードの読み込みが発生するため、更に数秒……と、頻繁に行う動作でこれはちょっと長い。
パッチなどで改善してくれるといいのですが、現在(2016/12/16)はそのような具合なので、これは明確にBADなところです。
■ストーリーによるミッションへの影響が少ない
前作では、殺害数によってストーリーが分岐するほか、殺害しすぎるとネズミによる公害が増加してミッションの難易度が変化したり、ラストミッションで特に大きな変化が見られました。
今作でも、殺害数によって一部キャラクターのセリフやイベントに変化があるのですが、ミッション内での変化はあまり感じられません。もう少し、プレイヤーの選択による変化をわかりやすい形で見せてほしかったと思います。
■序盤の難易度が高すぎる
全体を通して高難易度なゲームではありますが、序盤が特に厳しい。
特に一番最初のミッションでは、超常能力が扱えず、武器も少なく、それでいてストーリー展開上、敵兵はがっつり配置されています。最後までプレイして、一番苦戦したのは圧倒的にこの一番最初のミッションでした。
終盤になるにつれ、強力な超常能力が使えるようになりますし、武器もどんどんアップグレードされていくため、縛りプレイでもなければストーリーが進むにつれて簡単になっていきます。それ自体は、成長を感じられるため一概に悪い要素ではないのですが、しかし初のミッションくらいは簡単にするか、もしくは短くしてほしかった。ここだけはディスオナードの大きな魅力である、豊富な暗殺手段を楽しめないマップですから。
ただ、ストーリーや雰囲気に魅力を感じるけどアクションゲームは苦手で……という方でも、難易度easyにすればゴリ押しすることはできるので大丈夫です。
COMMENT
前作及び、本作は二週クリア済み(エミリー編をハイカオスルート、コルヴォ編をノーキル&ノーアラート)です。
総評としては、前作の優れた部分を進化させつつボリュームアップに成功している傑作だと感じました。
アクションゲームとしてはもちろん、世界観やグラフィックに魅力を感じる方にも、自信をもってオススメできます。キャラクターはちょっと取っつきづらいというか、日本人受けしやすいデザインではないかもしれませんが、クリアする頃にはきっと愛着がわくと思います。
前作をプレイ済みの方だと、コルヴォが饒舌なことに違和感を覚えるかもしれません。しかし、前作とはちょっとイメージが異なりますが、本作のコルヴォも魅力的なキャラクターです。激情家で怒りを隠そうともしないエミリーと、家族や国の行く末を心配する落ち着いたコルヴォで、非常にいい対比だと思いました。
日本での知名度がちょっと低いゲームなのですが、素晴らしい作品なので、是非プレイしてみてください。
Amazonレビュー
レビュー日: 2017-07-21
最初は難しい!となりますし、何度も死んでやり直しです。
でもなぜか死にゲー嫌いの私でも繰り返しが嫌になりませんでした。
そのうちキャラの能力が強化され、自分の腕も上がってくると対処できるようになり楽しくなってきます。
ストーリーは短くシンプルで分かりやすい。
操作キャラを2人から選べたり、プレイ内容によって展開が少し変わるなど変化があるので周回プレイが楽しいです。
探索してアイテムを見つけながら進むゲームですが、探索しないでクリアだけを目指しても何とかなり数時間でのクリアも可能だと思います。
じっくり時間を掛けて探索したり、アイテムを無視して突っ走ったり、ステルスプレイにトライしたり、ガンガン戦って進んだりと様々なプレイ方法があるので繰り返しでも飽きずにプレイできています。
オープンワールドではないのでマップは決して広くないですが、その代わり非常に作り込まれており密度を感じます。
広く薄いオープンワールドにはない良さがありました。
GOOD!
※前作・DLC2・DLC3をPS3版でトロフィーコンプリート済。PS4版は未プレイ。
※隠密系、または隠密要素を含むゲームは、アサシンクリード6作、ウォッチドッグス2作、シーフ(リブート)、ホライズン、クライシス、ラスアスなどをクリア済。
前作の事件から月日が流れ、女王エミリーと王室護衛官コルヴォ(前作の主人公)についての不穏な噂が立つ最中、クーデターが起き、エミリーが女王の座から追い落とされます。
時空を超越した存在で本シリーズの狂言回しでもあるアウトサイダーから魔法力を授かったエミリーは、噂の発端となった、反女王派を狙う殺人鬼「クラウンキラー」事件の真相を端緒に、反乱グループの悪事・秘密を探っていき、王座奪還を狙います。
前作同様の特徴は以下のとおりです。
■各章攻略手順の自由度
本作はアドベンチャー形式で各章に分かれており、ほぼ毎回、アジトでのブリーフィング→街での物品購入→敵基地への侵入→アジトへの帰還、の繰り返しで進行していきますが、街に入った時点からアジトに帰るまでの間は、地形把握、ボス攻略、アイテム収集(盗み)、レベルアップ、これらを消化するタイミングは自由です。ボス殺害などの目的を果たした後も、弾薬購入をしに一旦街に戻り、また基地に戻って敵兵に対処し洗いざらい金品をせしめる、というプレイも可能です。
■経路選択の自由度
隠密ゲームの面白さは、建物構造や見張りの巡回路などの各要素を分析し、「警備の一番のザル部分はどこか」「見つからないのはどのタイミングか」「いかに目線をそらし、その隙にどこに移動するか」などの答えを出す部分にありますが、本作でもそのあたりを突き詰める要素が数多く用意されています。特に、前述のような配管や、床下、天井裏、戸棚の上、机の下など、本作ならではの多様な通り道や隠れ場所に魅力があります。
また、部屋を決まった順番で一つ一つ抜けていくゲームではないので、建物全体、場面によっては街全体を多方面から少しずつ掌握し、吟味していく自由度があります。
■魔法による瞬間移動が可能
敵の動きを観察するための高所への移動や敵の背後への接近が容易であるため、他の隠密作品よりもゲームテンポを速くできます。高さ5mの壁も2アクション程度で登れます。
姿を見え難くして敵の視界内を通り抜けたり、配管の中を伝って別の部屋に行くなどの能力もあります。
魔法使用はマナ(MP)を消費するので、ポーションでの回復が必要ですが、発動後少し待てば自己回復しますので、逃亡などで急いでいるときは瞬間移動を連発してポーション使用、じっくり探索・観察する際はちまちま自己回復しながら、というコスト管理ができます。
■敵兵攻略の自由度
ボスを含めた完全不殺プレイを徹底することも可能ですが、殺害して突破する場合も、その方法は多岐にわたります。拳銃、クロスボウ、地雷など、戦術にあわせた武器があるのはもちろん、魔法を活用して同士討ちを狙ったり、警備機器をハックして罠に転用したり、プレイヤー自身の知恵や「陰険さ」を生かして局面を乗り切ることができます。
前作との違いは以下のとおりです。
■物品購入機会が増えた
前作では、序盤のみ(言わばゲームに慣れるまでの間)街で物品の追加購入が可能でしたが、本作ではほぼ全章で、街の中に闇屋があります。また、街の一部エリアは姿を晒して歩いていても警戒されず、抜刀していても問題ありません。(前作のボイル邸と同じく、画面内で宣言されます)
■気絶させる方法が増えた
前作では高所から敵に「落下致命」を行なうことしかできませんでしたが、本作では「落下気絶」も可能になりました。背後に瞬間移動して首絞めを行なうのに比べて、操作の正確性・敏捷性が求められる代わりに、高速で確実です。
また、パリィから首絞めに移行することもできます。
■ボーンチャームの合成ができる
回復力、移動速度、ボルト回収率(運のよさ)などを上昇させるアクセサリ「ボーンチャーム」の種類が増えました。サーチアイテム「心臓」で場所を特定したときに、高威力なものは「黒のボーンチャーム」、デメリットが並存するものは「堕落したボーンチャーム」(前作DLCと同様)と表示されるので、リスクを負ってでも拾いに行くべきかどうかを判断できます。
また、ボーンチャームのうち低威力なものは、破砕して合成できるようになりました。ひとつのスロットで2つ以上の能力を装備できます(3つ以上の合成は、確率によって堕落します)。ただし、継ぎ木のように使う無能力の「鯨骨」が必要で、道中の探索や、他のボーンチャームの破壊とのトレードになります。
■ジャーナルがより分かりやすくなった
取得文書はすべてストーリーに関係ないものでも参照できる、金庫の番号など明白なものはミッションヒントに再掲される、という前作の仕様は、もちろん踏襲されています。
本作ではさらに、主人公の日記によってストーリーの流れがおさらいできるようになりました。プレイに間を置いてしまっても容易に追いなおせます。
また、前作でのエリア地図は、道中に掲げてあるものを見るしかありませんでしたが、本作では地図を見つけ次第ジャーナルに控えることができ、いつでもポーズして参照できます。
BAD/REQUEST
ところどころ、注意事項を含みます。
■瞬間移動能力「ファーリーチ」の仕様
Rスティックで調整した視線の先にある場所を、魔法力でできた長い腕で掴んで、自分の体を瞬間移動させる、という能力なのですが、
1.レティクルとはずれた場所を狙うことがある
上にずれたり下にずれたり様々です。左右にずれる場合もあります。下にずれるときはあたかも「そこまで行きたいでしょうけど、失速してここに落ちます」というような軌跡が描かれるのですが、もう少しレティクルを上空に向けると、ちゃんと到達できたりします。
2.レベルアップして得る「プル」能力が使い難い
アイテムを掴んで引き寄せる能力「プル」(前作DLCとほぼ同じ)と統合されました。床を掴めば自分が向こうに飛んでいき、物を掴めばこちらに飛んできます。しかし、アイテムを掴めているのか床を掴んでしまっているのか、エフェクトに違いはあるものの、一見して分かりにくいです。また、移動しようと思った先にあった鯨油タンク(衝撃で爆発する)が猛スピードで飛んでくることなどもありました。ファーリーチとプルは、武器ホイール上は別個になっていてほしかったです。
3.足元がすべる、引っかかりやすいなど
前作の「ブリンク」と同様、庇や手すりに向けると、Λ型のマーカーが出てきます。これは、「移動後即座によじ登りますよ」という予告なので、「ずり落ちることなくそこに乗れる」という絶対的な保障にもなっていました。しかし本作では、ところどころであっさりずり落ちます。
また、掴んだ対象までの経路の周囲にワイヤーなどのオブジェクトがあると、ひっかかって空中で叩き落されます。このあたりは、ゲームエンジンを変えたことで前作の挙動が失われたのかもしれません。
ちなみに、路地裏の配管など(おそらく、一定の決まった場所)に乗っている間中、「ぺぺぺんぺんぺん!」と小刻みにジャンプするバグもあり、同根の問題なように思います。
■操作方法が変わった
PS3版の前作を1周ひととおりプレイした直後のプレイでも、キャラクターの操作感は非常に良く似ていてすんなり移行できました。○決定・×キャンセルも良かったです。しかし、
1.前作どおりのボタン設定はない
前作では背後からR1で必殺、R2で首絞めでしたが、逆になりました。L1・L2も逆になっています。不殺を目指してプレイにするには致命的な変更です。やることはまったく逆なんですから。ゲームオプションに操作方法の選択肢は幾つかあるものの、なぜか前作そのままのものはありません。
結局、PS4のアクセシビリティ設定でR1・R2/L1・L2を入れ替えました。これで困るのはポーズ時ぐらいなので、以降は問題なくプレイできました。
2.△+左スティックでの覗き込みがやりにくくなった
前作よりも操作が「ガクガク」しています。特に、ニュートラルに戻すときの挙動が大きく異なります。前作では△なしで左スティックを操作し後方に移動すると、自然にニュートラルに戻っていました。これを前提に「覗き込んだ状態からすっと下がって抜け出して、斜めに前進して敵の背後に」という動きをしていたのですが、本作ではしばらくの間、視線が斜めのままになってしまいます。
同じような感覚に陥った方は、△ボタンのみを一度押して解除するといいでしょう。
■VERYHARDが異次元
前作での VERYHARD がそもそもたいしたことなかったとも言えますが、比して本作は度を越しています。序盤から既に前作DLC3最終面くらいの難易度であると覚悟してください。
COMMENT
ごく序盤だけ初期バージョン・VERYHARD、以降はVersion1.04・Normal。エミリーでのプレイです。コルヴォでのプレイもできるようですが、まだ見ていません。
前作と異なり一長一短な点を補足します。
前作では敵兵を殺すなどしたあと隠すと、別の兵士が順回路を増やす為、安全箇所がなかなか減らないと言う点が面白かったのですが、一度鉄板の場所・方法を見つけると、それを繰り返せば数人やっつけることができてしまう、というデメリットもありました。
本作では普通の隠密系と同様、敵兵の巡回路は一定です(幾つか、前作どおりの場所もあるかも知れません)ので、場所ごとの攻略法をきちんと考えていく必要があります。前作どおり、同じことの繰り返しで攻略したい場合は、爆発音などで無理矢理呼び込めばよいでしょう。
敵の知覚力などの難易度の上昇については、キャラクター能力の上昇とセットになっているものと思われます。
例えば、うっかり見つかって敵兵に囲まれたときに新能力「ドミノ」を素早く発動し、一人に麻酔弾を撃って全員に伝播させ、その場を治めることが可能でした。
隠密失敗後のプレイの選択肢として、アサクリ・ウォッチドッグスとも共通する「素早く殺す」「素早く逃げる」に加え、「素早く気絶させる」こともできるほどに強力なキャラクターになったのは、面白さを追求した結果であり、このキャラクターに対抗させる敵キャラクターもまた強くなるのは、当然だと思います。
序盤は難しいと思いますが、根気良く「ルーン」(能力強化用の消費アイテム)を拾い集めれば、次第に簡単かつ面白くなっていくでしょう。
オリジナリティ:5点。
魔法、武器ガジェット、地形などの要素が充実しているからこそ作られる「多様性」がゲーム全体のテーマとして確立しています。
グラフィックス:4点。
前作と違ってリアル調になっており、非常に美しく高精細ですが、デザインセンスなどには前作の雰囲気を残しており、「綺麗なだけでつまらない」ところには落ちていません。アイテムと背景の境目が前作より分かり難いなど、細かい課題があります。
音楽:4点。
環境音楽やSEなどは前作のものをそのまま受け継ぎつつ、センスの調和した新たな音楽も入れるという、ゼルダのようなスタンスでのサウンドでした。出来は「普通」の3点ですが、続編タイトルとして、真新しさよりもファン向けの安心・安定をとったところに1点足します。
熱中度:4点。
序盤はファーリーチの仕様の欠点などが目立って、楽しめるか不安でしたが、最終的には、前作と同じ頭を使って「隠密パズル」を解くことにすっかり熱中していました。
満足度:3点。
各章ストーリーの展開は面白かったものの、非致死の選択肢が平板で、前作DLCほどの多様さを感じませんでした。ただ、ある章のみ凝った作りにしてあり、別の選択をした場合の展開を楽しめそうです。
快適性:3点。
瞬間移動でのテンポの調整の余地がシリーズの地の強さとして既にあり、かつジャーナルのさらなる充実で加点。その一方で、「ファーリーチ」の仕様の詰めの甘さからくるギャンブル性で、減点しました。
難易度は、FPS操作に慣れていればごく普通です。上述どおり、敵と自分の戦力差はレベルアップによって埋まっていきます。
ただし、ノーキルノーアラートなどのハードルを課したり、または逆に、隠密行動や魔法の活用を度外視して、剣と銃器で暴れながら乗り切るというプレイスタイルでいくのは、すこぶる難しいでしょう。