【PS4】428 封鎖された渋谷で レビュー
発売元 | スパイク・チュンソフト (オフィシャルサイト) |
---|---|
発売日 | 2018-09-06 |
価格 | 4104円(税込) |
レーティング | 【C】15才以上対象 犯罪 言葉・その他 麻薬 暴力 (CERO について) |
ショップ/リンク | Amazon |
タギングトップ3 | |
タイトル概要 |
■ ジャンル:サウンドノベル ■ プレイ人数:1人 |
- 総合ポイント
- 91
- (難易度)
- 2.00
- レビュー数
- 1
スコアチャート
GOOD!
シナリオ
正直PlayStation mk2さんのシステムを無視して点数をつけていいならこれだけで100点どころか、120点付けたくなるぐらいの出来。
(正確には前作ではないが)精神的前作に当たる「街」が8人8様の人生が決断する選択がバタフライエフェクトのように他の人生に影響を与える、一部を除いてほぼ接点がない展開が、今作は最初はそれぞれ全くの赤の他人だったのが個々人の出来事がきっかけで気づかぬうちに繋がりが出来て…(以下ネタバレになる恐れあり)
と「街」とはまた違ったアプローチできている。多分BADルートや一部手助けもあっただろうがほぼ一人でこの壮大な話を書いた北島行徳さんは改めて凄いと感じた。
余談だが初作であるWii版の予約特典についてきたメイキングDVDにて中村社長が「当時24にハマってた…」と発言するとおり、時間跨ぎの次どうなるんだろう…この後このキャラはどうなるんだろう…という話の持って行き方は熱中度・満足度5点をつけたい。
サウンド
「サウンドノベル」というぐらいなのでシナリオが大黒柱なら、サウンドはその大黒柱を支えるもう一つの柱だと思う。
おちゃらけたシーンは徹底した間抜けな音楽が、緊張感あるシーンは静かながらも気持ちを貼りつめらせるどの曲も単体で聞いてもゲーム中で聞いても飽きが来ない曲ばかりだった。
後日サントラも買ったがあくまで自分にとっては1曲たりともいらない曲がなかった。
なのでサウンドにも5点をつけました。
豊富な隠し
これはBADにも通じてしまうが、チュンソフト第一弾ソフトであり、サウンドノベル第一弾でもある弟切草から脈々と仕込まれた「○○の栞」という隠し要素。特に第2弾の「かまいたちの夜」の秀逸な隠しがあった為、過去チュンソフトの隠しシナリオはすぐに見つかるものから「攻略情報無しでどうやって見つけろと…」なリバースエンジニアリングでもしない限り見つかりそうもない高度な隠しまで、最後の最後まで飽きさせない作りは素晴らしい。
これもネタバレになるかもしれないが、エンディングを迎えたら大抵の方がそこで終わってしまうと思うが、終わる、と決めたのならそのまま攻略サイトを見て一番近々で見れる隠しだけでも見て欲しい。
そのためシナリオの部分も含めて熱中度・満足度5点としました。
BAD/REQUEST
正直特にない…ではあれなので、確かに問題点ではあるが…な部分をいくつか。
操作形態
サウンドノベルの第一人者であるはずなのに、ユーザビリティには人一倍気付く会社がチュンソフトと思ってるのだが…
ぶっちゃけサウンドノベルは「選択肢を選ぶ上下か左右ボタン2つ」と「選択・改行の1ボタン」の最低3つがあればいい。後は読み返し・早送りやメニュー画面、今では大抵のゲームに採用されてるフローチャート等便利ボタンがあれば快適になる。
だったらコントローラーを片手で持っても進める操作性にしてほしかった。
例えば左手なら十字キー上下で選択・L2で選択。L1でTIPやJUMP呼び出しで十分だと。後は左右対称位置のボタンを同じにしたら右手のみ操作になるわけだし。
早送り・巻き戻し
こちらもチュンソフトの変なこだわりというか、他社は早々に一部を除いてほぼ全ての頁に飛べるがチュンソフトはフローチャートは選択肢&JUMP。読み返し早送りは本マークが出てる箇所のみという邪魔くささ。
何度目だ!?移植
Wii版がSD画質だったのでPS3版で高画質化、PSP版で携帯化という意味のある移植に感じた。
が、PS4だから更にきれいな映像に!!とは流石にならず、10年前のデジタルデータなためか勿論細かな表情はもちろん解るが、ポイントポイントによっては高画質化の恩恵がない箇所も。
ただ「PS4は過去ハードソフトが(一部システムを除いて)使えないから」というだけの移植な気がする。実際PS3/PSP版から隠しが追加されてる様子もないし…
だったら街や428で言われた「読んでる途中で止められるシステムがウザい」という人のためにも、「小説モード」というゲームを完全に捨てた選択肢もなにもない、脚本家・監督が読んで欲しい順番タイミングでENDまで読めるモード。
初回プレイ時に「通常モード」「小説モード」を選ばせ、小説モードは2回目のプレイやただ本として読みたい人が選ぶモード、と警告を出し通常ENDまで改行のみで読めるので本編の攻略にも使える。
他にもまだまだ世に出してないメイキングシーンや(かなり難しいけど)「428座談会」みたいにスタッフ編・キャスト編と短時間でも良いので「PS4版428を買う価値がある追加モード」の一つでも欲しかった。
COMMENT
PS3版を遊んでから数年ぶりにプレイ。
当時も非常に良く出来た作品でラストのあのシーンは「イイ話だな」とは思いながらも普通にプレイできた。
あれから約10年。自分も無駄に歳を重ねたが唯一感受性は成長できてたようで、そのシーンを迎えると涙が止まらなかった。
ベタな言い方だが涙あり笑いありの、人生の中でいつまでも記憶に残る本の一冊を読んだ感がある。
おせっかいを言うなら「うちの子は本を読まねぇ!」と嘆く親御さんは「街」やこの428をプレイさせてみてはいかがだろう?
実際はゲームで遊んでるのに、やってる事は読書と同じ。どちらにとってもwin-winだと思う。
タギングについて。
シナリオは言わずもがな。
前作プレイ推奨は「街」を実際にやらなくても単体でも100%楽しめるが、TIP等DE+5%+10%楽しめるので。
攻略情報は隠し要素の部分のみ。通常クリアはとりあえず選択肢の組み合わせでできるので。