【PS4】スーパーロボット大戦T レビュー
発売元 | バンダイナムコエンターテインメント (オフィシャルサイト) |
---|---|
発売日 | 2019-03-20 |
価格 | 9288円(税込) |
レーティング | 【C】15才以上対象 セクシャル (CERO について) |
ショップ/リンク | Amazon |
タギングトップ3 | |
タイトル概要 |
■ ジャンル:シミュレーションRPG ■ プレイ人数:1人 |
- 総合ポイント
- 66
- (難易度)
- 2.00
- レビュー数
- 1
スコアチャート
GOOD!
〇安定したシステム
「V」、「X」と続く単発作品シリーズ3作目。
全体的なシステムに変化はなく、ある意味でマンネリ化しつつもあるが、まあ今更スパロボユーザーが目新しいシステムを求めているとも思えない為、ユーザーの求めているものをそのまま出した感はある。
また一部改良された部分もあり、例えば攻撃時に敵を撃墜できる場合は戦闘前に分かるようになった。
これにより撃破できるか分からないからクイックセーブして無理ならクイックロードして……という事がなくなり、テンポが良くなっている。
他にも味方が攻撃される時もギリギリまでダメージをねばれる為、もしもの時の閃きや不屈をかける必要が少なくなり、逆に底力発動の為にダメージを受けやすくなったとも言える。
個人的にはやや簡単になり過ぎた感もあるが、ユーザーフレンドリーには違いない為、いい改善だと思う。
その他システム面については、基本的に前作、前々作からあった要素はそのまま取り入れている。
TacPや非出撃時の合体攻撃、Tacマネージメントなど。
パイロットの経験値や撃墜数、資金などを補強できるサブオーダーについては、前作までは直前の戦闘に出ていないベンチメンバーしか選択できなかったが、今作では出撃したメンバーでも可能になった。
これにより一軍メンバーをひたすら強化するもよし、部隊全体を万遍なく鍛えるもよし、好きなように割り振れるようになっている。
またスペシャルオーダーというものを追加されており、シナリオで特別な事を行うと一度だけ行えるようになり、一人のキャラのステータスを強化できるようになる。
戦闘パートではサポーターコマンドというものが追加され、サポーターによる精神コマンドの支援が可能になっている。
これにより、今まで原作上重要ではあるが戦闘要員ではない為、あまり脚光の当たらなかったキャラにも見せ場が出来るようになったと言える。
前作の頃にこれがあれば、もう少し「ナディア」勢も活躍できたかもしれない。
ただ、それなりに便利ではあるものの、使いどころが限定されており、さらに使わなくてもそこまで差はない、という感じで使うのを忘れがちになる為、この辺の調整はやや甘く感じた。
〇安定したストーリー
「Z」シリーズから続く平行世界ネタが今作は(ほとんど)ない。
一応、「レイアース」や「ダンバイン」など、異世界勢がいる為、多少の異世界ネタはあるものの、困ったら平行世界だ!みたいな展開はない為、「Z」シリーズから続く流れに辟易していたユーザーも嬉しいのではないか。
個人的にはストーリー的に心配だった「カウボーイビパップ」や「レイアース」が比較的上手く世界観に馴染んでいるのが良かったところ。
ビバップ勢に関しては、ぶっちゃけ原作設定がそれほどシナリオには絡んでこない上、登場機体もほとんどないんだけど、スパイクといった面々のアクの強さからか、それほど違和感なく入り込んでいた。
「レイアース」に関しては今作の目玉参戦の一つでもあり、機体の段階強化や戦闘演出など、そこそこ贔屓されているように感じた(ただし機体の強さは凡々といったところ)
その他、オリジナルキャラについて、今作はサラリーマンというところを全面的に押しており、男女主人公に多少の差異はあれど、ややコミカル色の強いキャラになっている。
またオリジナル敵も同様に企業戦士キャラっぽくなっており、戦闘会話で「お世話になっております」とか言われたりして、社会人は結構ツボに入るかもしれない。
〇安定した戦闘アニメ
前作の一番の不満点であった「新規ユニットは武器が少なく、戦闘アニメが地味」という点は多少改善されている。
今作は新規作品自体はそこまで多くないが、「Z」以降に久しぶりに参戦した作品も多い為、戦闘アニメ自体はそこそこ新規が多くなっている。
その為か、前作くらいまでに出てたユニットに関してはほぼ据え置きとなっているが、新規ユニットに関してはそこそこ武装も多く、戦闘アニメも気合いが入っているのも多い。
とはいえ、サブキャラに関しては相変わらず武装は2個程度だし、敵はほとんど1~2個なので、気合を入れるところは入れて、流すところは流す、という感じになっている。
BAD/REQUEST
実のところ、大きな不満点はなく、これといって改善してほしい箇所も少ない。
サブキャラの武装が少ない点についても今更ではあるし、一応、強化パーツで弱い武装でも強化できるようになっている為、どんなユニットでも活躍させられない事はない。
そういう意味ではファンなら満足は出来る作品ではあると思う。
ただしこれは、「スパロボファンなら」という一文がつくだけであって、単純にいちユーザーにオススメできるかと言われると、うーん……という感じではある。
SRPGとしては歯ごたえがある訳ではなく、一周目からでも全SRポイント狙えるレベルだし、難易度面に関してはそこまで突飛な作りにはなっていない。
そもそもスパロボのシステムで難易度を調整すると、どうしても敵HPが増えたり回避が上がって耐久面が上がるか、敵命中率が上がって火力面が上がるかの二択くらいしかない為、現行のシステムを変えるしか方法はないだろう。
そもそもキャラゲーとしての側面が強い本シリーズにおいて、「スパロボを知らないいちユーザー」におオススメする事自体が間違っているのかもしれない。
COMMENT
そういう訳で本作はいつも通りのスパロボであって、好きな人にはオススメだし、知らない人にはいつも通り古臭いシステムのSRPGです、としか言いようがない。
ただこの手のクロスオーバー系のゲームで、それなりにシナリオに力を入れているゲームは他にないという意味ではやはり唯一無二である。
また今作は紙芝居部分も多少改良されており、原作にはない立ち絵なんかも入れ込んできており、原作ファンなら色んな意味で楽しめる部分もある。
個人的にはアキトとユリカが再開するシーンなんかがツボだった。
なんだかんだでシリーズ化せず単発作品のまま続いているので、次回作あたりでシリーズ作品を出すのかもしれない。