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【PS3】大神 絶景版

発売元 カプコンオフィシャルサイト
発売日 2012-11-01
価格 3990円(税込)
レーティング 【A】全年齢対象 (CERO について)
ショップ/リンク Amazon
タギングトップ3
タイトル概要 ■ ジャンル:ネイチャーアドベンチャー
■ プレイ人数:1人
■ PlayStation Move:対応



オリジナリティー グラフィックス サウンド 熱中度 満足感 快適さ (難易度)
4pt 4pt 3pt 3pt 4pt 3pt 1pt
総合点
70pt

GOOD!

【グラフィックと世界感】

PS2発売当時から注目されていた日本昔話のアニメの世界に入り込んだような幻想的な世界感が絶景版になり、より色鮮やかに表現されています。
日本画風に描かれる景色やキャラデザインが、リアリティ至上主義のCGとは対照的な柔和な印象を与えてくれます。

また、日本画風にデフォルメされたアニメとは別に、「絵巻」として閲覧できる様々なコンテンツの中(例えばストーリー進行や妖怪データの閲覧)で、日本画風ではなく「日本画」としてしっかりと描かれており、絵心のない私でもその色使いや画力には圧倒されました。

主人公である白い狼のアマテラスの着地の際に足元に広がる草花、ジャンプした際に舞う紅葉、水面を走る際に足元に残る蓮の葉(※水面を走る為の特殊アイテムが必要)、飛び散る水飛沫や疾走感のある風の演出等、様々なアクションで起こる日本画風のエフェクトやBGMが世界感を更に盛り上げています。

【ストーリー】

アマテラス、ヤマタノオロチ、スサノオ、イザナギ、イッスン、ヒミコ、キュウビ、ウシワカ、カグヤ、アベノ(安倍清明)等…日本書紀や古事記などの神話、昔話や寓話を取り入れて構成されたストーリーになっており聞き覚えのある個性溢れるキャラクターが、その逸話に準えて登場してきます。
妖怪によって呪われた土地を浄化して恵まれた自然を取り戻しつつ、その根源を討ち果たすのがメインとなるストーリーですが、それぞれのキャラが巧みにストーリーと絡み合い、心温まるシーンや感動、粋な演出、時にコミカルに描かれています。特にアマテラスの仕草は、犬好きの方には堪らないかと思います。

【システム】

フィールド、ダンジョンでは様々な「筆調べ」と呼ばれる筆を使ったアクションを用いて攻略を進めていきます。
壊れた橋や枯れた木を再生したり、風や氷、火を巻き起こして足場を作ったり、蔓を伸ばしてワイヤーアクションさながらに飛び移ったり、雷を落としてカラクリを発動させたり等々…大きく分けて13種類の筆調べを状況や場合に応じて使い分け攻略するシステムは、当時から評価も高かったようですが、今やってみても新鮮な感じがします。

【戦闘システム】

装備できるのは、鏡、勾玉、剣の3種類。それぞれ「裏」と「表」と装備を入れ替えられ、同じ種類でも違う武器であればアクションも多少変化します。また「筆調べ」を利用した攻撃も可能であり、各種妖怪の弱点や特徴に応じた「筆調べ」を使用することで戦闘の幅を広げ、また各妖怪がアイテムを落とす特定の「筆調べ」が設定されており、それをどううまく発動させるかといった戦闘の楽しみも飽きさせない一工夫であると思います。

BAD/REQUEST

【グラフィック】

日本画風の3Dアニメが特徴とは言っても、やはりイベントシーンやムービーシーンにおける物足りなさは否めません。それと割り切ってしまえばそれほど気にはならないかもしれませんが、技術的なクオリティーをゲームに求める方は気になることと思います。

【ストーリー】

少々コミカルになりすぎているシーンも見受けられるため、興を削がれる方もいるかもしれません。

また、サブイベントは存在しても単発或いはミニゲーム的要素が強く、サブストーリーは皆無と言っていい程存在しないので、1本のストーリーでは少々物足りないと思われる方も多いと思います。

レベルが存在せず、攻撃力の上昇は武器のみ(武器の強化と言っても1回のみ)で、戦闘に直結する成長は生命力を上げる程度であり、お金に困ることはそうそうありませんから、苦痛なレベル上げやお金稼ぎといった作業は比較的少なく済みます。裏を返せば無駄な戦闘しなくてもいいという仕上がりになっています。
これの善し悪しは個人差がありますが、成長させるという楽しみは削がれてしまうのでBADの方にあげさせて頂きました。

【難易度】

比較的低いです。
前述したようにレベルや防具の概念がなく武器も数少なく、更に体力が失われても体力を自動で回復、最大で3回被弾するまで体力を削られない“バリア”のような救済システムがあり、回復アイテムは勿論、一定時間無敵や攻撃や防御力アップの道具も安価で開始の町から購入できますから、ゲームオーバーの危険性をクリアまで1度も経験せずに済む方も多いと思います。難易度の設定もありませんから、アイテムの使用や初期武器のみでのクリアなど、自分で制限を掛けることでしか難易度を上げることはできません。

ただ、各妖怪には特定の筆調べの攻撃方法を用いないと、一切ダメージを与えられないことが多いので、そこに気付けない場合一方的にダメージを受け続けるだけの不毛な戦闘にもなりかねません。
しかしながら「妖怪絵巻」を閲覧すればそのヒントが書かれてあり、各種攻略サイトを閲覧していったん攻略法を見つけてしまうと、被弾せずに瞬殺してしまえる程なので、この辺りも人を選ぶゲームかと思います。

またフィールド上でのアクションをする為のキーポイントが発見しにくい場所に多く、移動のタイミングや筆の置き方や線の引き方などシビアな事も多いので、それをうまく攻略できずに心が折れそうになる方もいるかもしれません。

【カメラワーク】

戦闘時のカメラ固定は多少難があるもののそれほど気になりませんが、フィールドでアクションする場合、一部見にくい場面などが多く筆調べをするためのポイントを見つけるのに苦労することもあります。
その為細かな移動や視点変更やカメラ位置を変えることが必然的に増える為、3D酔いしやすい方は特に注意が必要かもしれません。

COMMENT

【総評】

BADにも挙げたように難易度は低く特殊なアクションが多いことから、戦闘を繰り返して敵を駆逐していくアクションゲームではなく、アクションと雰囲気を楽しみながらストーリーを進めていくゲームであり、戦闘はおまけのようなものと思って差し支えないと思います。

周回プレイも可能で、あるアイテムをすべて集めるととんでもないチートプレイができるのも、製作者側にそういう意図があってのことかと感じます。

和の世界観や画風、共に旅するイッスンの粋な生き様や江戸弁で繰り広げられる掛け合い、アマテラスや動物の姿をした神の愛くるしい仕草や微笑ましいシーンが、呪いで暗く淀んでしまった世界に恵みと光を取り戻すアマテラスのように、シリアスなゲームや鬱ゲーなどで緊張し疲れたユーザーに、ほっと息のつけさせるような、そんな粋な作品です。

PS2発売当時は、購入したもののPS2故障の為にストーリー前半で投げ出してしまった作品だったので、HDリマスターと聞いたときからプレイするのを楽しみにしていました。
久しぶりにプレイしてみると日本画風の背景を走り回るアマテラスの動きに懐かしくもあり、新鮮な感覚もあり一息を付きながら楽しめる作品でした。
新品でも3,000円前後とリーズナブルなので、日本画の色合いが好きな方や戦闘よりも冒険や散歩が好きな方、犬が好きな方にはお勧めです。

   
プレイ時間:60時間以上100時間未満(クリア済)
めろりんQさん  [2012-11-06 掲載]

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総合ポイント
81
(難易度)
1.08
レビュー数
13
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【60点以上】
84.6%
【標準偏差】
15.7