*はじめに これまでにDMCシリーズは全て体験済みで、本作とテイストの似たGOWやBAYONETTA、GODHAND(PS2)等のソリッドなアクションも好んで多々プレイしてきました。 賛否両論渦巻いた本作への最も大きな批判『これはあのDMCではない。』については、私はそもそもDMCの世界観やキャラクターに思い入れが一切なかったため、その観点でのコメントは控えています。 本稿は、あくまでアクション面を主とした"dmc Devil May Cry"の感想・レビューです。 *オリジナリティー 4pt ナンバリングからは外れ、さりとて外伝やスピンアウトのような立ち位置でもなく、パラレルな作品と呼ぶぐらいしかこれまでのシリーズとの関連性を語れませんが、独特のイメージをしっかりと打ち立てたゲームに仕上がったと思います。 天使/悪魔での武器及び操作の使い分け、プッシュ・プルによる3次元を強く意識した戦闘、ファンタジーながら社会風刺や現代性・精神性を感じ取れる舞台設定、そしてシンプルだが人間味に溢れた主要キャラクターたち。そのあたりのブレンド加減が個人的には絶妙でした。 ただ、新規タイトルであればここまで注目されなかっただろうし、やはりタイトルとベースの部分で首をかしげる部分があるのは仕方ないよな…ということで、4ptに。 *グラフィックス 4pt 全体的に滑らかな描写ですし、乾いた空気感や背景(SFっぽかったりおどろおどろしかったり)の質感も見事でした。また、ムービーのリアルさ・秀逸なカメラワークには思わず魅入ってしまうことがしばしばありました(cp3のオープニングなど)。 敵キャラの中に若干やっつけっぽいのがいたり、何体かのボスがとにかく気色悪かったのは、洋の東西による解釈の違いってやつでしょうか。キャットはとても可愛いのですが(笑)。 とはいえ、全体的にはハイクオリティに纏まっていたと思います。 *快適さ 4pt アクションの肝である、操作性=動かしての楽しさという点では、ほぼ満点です。洋ゲーとは思えないほどキビキビとキャラが動きます。 多くの方が仰っている様に、前作までと比較してという但し書き付ですが簡単にコンボを繋げられるのも◎。そこの敷居を上げても今更メリットはないでしょうし、プレイヤーによって色々な戦い方が工夫できるのでは。 武器にもそれぞれ個性があって使えないものがなく、ベヨとゴッドハンドからの影響をモロに感じさせる回避→攻撃の緊張感と、ディレイや溜め攻撃で破壊し尽くす爽快感のハイブリッドには、本作でしか味わえないカタルシスがあります。 ゲームバランスも良く練られていると思いました。シチュエーションも多様で、テレビニュースの中に入ってナレーションを聞きながら戦うシーンには個人的にセンスを感じましたね。
*サウンド 3pt これは本作に限らずシリーズ通してそうですが、個人的にハードロックやメタルサウンドは…です。が、DMCに電子音やアンプラグドも可笑しいですし、可も無く不可も無く、ですね。効果音は違和感無く良かったと思います。 ロックオン機能のオフ、移動の多さ、片方の武器でしか攻撃できない敵なども、私は気になりせまんでした。むしろプレイに幅や奥行きが生まれて自由度が上がった様に思います。 ただ、ボスをあと1、2体増やしてほしかったのと、ストーリーにやはりもう少し説得力がほしかったですね(笑)。QTEや雰囲気を損ねるような過剰演出がなかったのは有り難かったですけれど。 最後に、挑発だけは何としても入れて欲しかった…。
*熱中度、満足感 5pt 率直に、久しぶりに心底楽しめるアクションゲームに出会えました。難易度を調整すれば、強敵相手にもこちらの思い通りの立ち回りでこれでもかと畳み掛けることができ、凄まじく病みつきになる魅力があります。〈現在のモードはSOS → HOH〉 開発のNINJA THEORYには、これまでの作品(HEAVENLY SWORD、ENSLAVED)の印象から密かに期待していたのですが、見事にやってくれたという感じですね。アクションの練度・精度は相当高いです。エンドムービーを見る限り、今回も相当制作費をかけてそうですが…(笑)。 最初に挙げたカプコン系諸作品へのオマージュはそこかしこに見受けられるし、強引とは言えDMCファン心理を掴んだ演出を紛れ込ませさせたりと、これまでのシリーズをリスペクトしつつ新たなアイディアをユーモアたっぷりに盛り込んだ感じが、プレイしていて最初から最後まで非常に楽しかったですね。 一般的には微妙な評価故に続編があるのか、はたまたマンネリ感漂うナンバリングをカプコン製作で進めていくのか、今後どういう展開になるのか分かりませんが、私としては"dmc Devil May Cry"には大満足です。
GOOD!
*はじめに
これまでにDMCシリーズは全て体験済みで、本作とテイストの似たGOWやBAYONETTA、GODHAND(PS2)等のソリッドなアクションも好んで多々プレイしてきました。
賛否両論渦巻いた本作への最も大きな批判『これはあのDMCではない。』については、私はそもそもDMCの世界観やキャラクターに思い入れが一切なかったため、その観点でのコメントは控えています。
本稿は、あくまでアクション面を主とした"dmc Devil May Cry"の感想・レビューです。
*オリジナリティー 4pt
ナンバリングからは外れ、さりとて外伝やスピンアウトのような立ち位置でもなく、パラレルな作品と呼ぶぐらいしかこれまでのシリーズとの関連性を語れませんが、独特のイメージをしっかりと打ち立てたゲームに仕上がったと思います。
天使/悪魔での武器及び操作の使い分け、プッシュ・プルによる3次元を強く意識した戦闘、ファンタジーながら社会風刺や現代性・精神性を感じ取れる舞台設定、そしてシンプルだが人間味に溢れた主要キャラクターたち。そのあたりのブレンド加減が個人的には絶妙でした。
ただ、新規タイトルであればここまで注目されなかっただろうし、やはりタイトルとベースの部分で首をかしげる部分があるのは仕方ないよな…ということで、4ptに。
*グラフィックス 4pt
全体的に滑らかな描写ですし、乾いた空気感や背景(SFっぽかったりおどろおどろしかったり)の質感も見事でした。また、ムービーのリアルさ・秀逸なカメラワークには思わず魅入ってしまうことがしばしばありました(cp3のオープニングなど)。
敵キャラの中に若干やっつけっぽいのがいたり、何体かのボスがとにかく気色悪かったのは、洋の東西による解釈の違いってやつでしょうか。キャットはとても可愛いのですが(笑)。
とはいえ、全体的にはハイクオリティに纏まっていたと思います。
*快適さ 4pt
アクションの肝である、操作性=動かしての楽しさという点では、ほぼ満点です。洋ゲーとは思えないほどキビキビとキャラが動きます。
多くの方が仰っている様に、前作までと比較してという但し書き付ですが簡単にコンボを繋げられるのも◎。そこの敷居を上げても今更メリットはないでしょうし、プレイヤーによって色々な戦い方が工夫できるのでは。
武器にもそれぞれ個性があって使えないものがなく、ベヨとゴッドハンドからの影響をモロに感じさせる回避→攻撃の緊張感と、ディレイや溜め攻撃で破壊し尽くす爽快感のハイブリッドには、本作でしか味わえないカタルシスがあります。
ゲームバランスも良く練られていると思いました。シチュエーションも多様で、テレビニュースの中に入ってナレーションを聞きながら戦うシーンには個人的にセンスを感じましたね。
BAD/REQUEST
*サウンド 3pt
これは本作に限らずシリーズ通してそうですが、個人的にハードロックやメタルサウンドは…です。が、DMCに電子音やアンプラグドも可笑しいですし、可も無く不可も無く、ですね。効果音は違和感無く良かったと思います。
ロックオン機能のオフ、移動の多さ、片方の武器でしか攻撃できない敵なども、私は気になりせまんでした。むしろプレイに幅や奥行きが生まれて自由度が上がった様に思います。
ただ、ボスをあと1、2体増やしてほしかったのと、ストーリーにやはりもう少し説得力がほしかったですね(笑)。QTEや雰囲気を損ねるような過剰演出がなかったのは有り難かったですけれど。
最後に、挑発だけは何としても入れて欲しかった…。
COMMENT
*熱中度、満足感 5pt
率直に、久しぶりに心底楽しめるアクションゲームに出会えました。難易度を調整すれば、強敵相手にもこちらの思い通りの立ち回りでこれでもかと畳み掛けることができ、凄まじく病みつきになる魅力があります。〈現在のモードはSOS → HOH〉
開発のNINJA THEORYには、これまでの作品(HEAVENLY SWORD、ENSLAVED)の印象から密かに期待していたのですが、見事にやってくれたという感じですね。アクションの練度・精度は相当高いです。エンドムービーを見る限り、今回も相当制作費をかけてそうですが…(笑)。
最初に挙げたカプコン系諸作品へのオマージュはそこかしこに見受けられるし、強引とは言えDMCファン心理を掴んだ演出を紛れ込ませさせたりと、これまでのシリーズをリスペクトしつつ新たなアイディアをユーモアたっぷりに盛り込んだ感じが、プレイしていて最初から最後まで非常に楽しかったですね。
一般的には微妙な評価故に続編があるのか、はたまたマンネリ感漂うナンバリングをカプコン製作で進めていくのか、今後どういう展開になるのか分かりませんが、私としては"dmc Devil May Cry"には大満足です。