「キャラデザイン」 いとうのいぢさん。好みはわかれるだろうけど、あちこちでご活躍されている人だけあってさすがの安定感。 ありがちな黒髪ロングのヒロイン(天使)から敵方のダンディ爺さんまで、ちゃんと細部まで書き込まれていて好感が持てる。 「歌」 妖精帝國。圧巻のOPに始まり、イベント、ボス戦、EDまでゆい様一色。 決して万人受けはしないと思うけれども、荘厳なコーラスを引き連れたOPの妖精帝國サウンドはかなり良いと思う。
「キャラクター」 イマイチ。このゲームでは登場キャラのほぼすべてが主人公の潜在的な敵。 潜在・顕在問わず、敵として暗躍するようなキャラには、ライターがよっぽどうまく書かないと感情移入できない。残念ながらこの作品のキャラはわかりやすく味方する若干名を除いて「鬱陶しいだけのモブ」となっているように思う。 また、主人公は小学生か、と疑わしいくらいに頭が悪い。知識的な意味ではなく、知性という意味で馬鹿。 なんでか最近良く見るようになったが、知性のない熱血押し付け人助けマシーンみたいなキャラは、シリアスやリアリティを必要とするストーリーとは徹底して反りが悪い。 主義を声高に主張するだけで、主張の根拠が無い。根拠のない暴論を叫ばれても失笑しか浮かばない。 「シナリオ」 雑に説明すると、「天使と悪魔の戦争に巻き込まれた主人公が、天使を率いる神となり、人々の願いを叶えながら力をつけて悪魔の指導者との決戦に向かっていく」というお話。 徹頭徹尾、ギャグなのかシリアスなのかどっちつかず。 心理状態にせよキャラ同士のつながりにせよ、ずっと説明不足で唐突。 ギャグとしてノリと演出で流すならあり。が、シリアスを1%でも加えるなら、説明不足は断じてアウト。 味方キャラクターの大半が利己主義者。プレイヤー(主人公)に対して上から目線で指示を与え、あるいは都合よく利用するだけで自分はストーリーの大半で何もしない。しかもそれに主人公が怒らない。 互いの本気をぶつけあうようなやり取りの一つもなく、一方的に突っかかられ、騙され、利用され、それでもヘラヘラ笑って済ませているうちになんとなく解決とか、プレイヤーを舐めてるの……? 「システム」 いわゆるローグライクと呼ばれるシステム……もどき。 ローグライクは大体の場合、「取り返しの付かない」冒険を楽しむもの。死んだらそれまでとか、ダンジョンを出るたびにレベルが初期化されるとか。 なのにこのゲームは「トータルLv」「神体改造」の2つが全く余計なシロモノとして追加されている。 一言で言えば、レベルアップによる基本ステータスの向上と、ステータス上昇補正アイテムのようなもの。それをシステムに追加したら、ダンジョンを出るたびにいちいちレベルを初期化する意味が無い。 「レベルで頑張る」のか「レベルではなくアイテムで頑張る」なのか、はっきり区別すべきだったと思う。 また、装備を使い続けていると「バースト」という状態に陥り、装備の能力が半減する。ボス戦の最中でも容赦なく半減する。アイテムを揃え、装備を鍛えることが最大の自己強化手段なのに、鍛えた武器も持ち歩くとすぐに半減する。ボス戦のみ使おうとしても、大抵のボスは雑魚を無限召喚するため、結局は半減する。 勝てないわけじゃないけれど、強くなる過程に水をさされ続けるとちょっと冷める。 それとは別に、結構ザラにドロップアイテムをゴミに作り変える雑魚がいるので、あまりローグできない。ローグライクなのに。 ……ローグライク風にする意味あったかなぁ、このゲーム。
なんというか、光るものはあるはずなのにそれを覆い隠すに余りあるマイナスが目立つ作品。 表記するマイナス要素をかなり削ったつもりなのだが、それでも長くなりすぎる不思議。 マップの作り方や敵の能力設定、ゲームシステム、シナリオなど、総じてプレイする側の事情が考慮されているとは言いがたい。 ローグライクのリアルラック重視は、バランス取りを怠ける言い訳ではない。プレイ時間を冗長化させるだけの単純でつまらない仕掛けや、敵のAIに数段劣るアホな味方AIなど、必要ないところに力を入れすぎていて必要なところに手が届いていない。 総評……「どうしてこうなった」
GOOD!
「キャラデザイン」
いとうのいぢさん。好みはわかれるだろうけど、あちこちでご活躍されている人だけあってさすがの安定感。
ありがちな黒髪ロングのヒロイン(天使)から敵方のダンディ爺さんまで、ちゃんと細部まで書き込まれていて好感が持てる。
「歌」
妖精帝國。圧巻のOPに始まり、イベント、ボス戦、EDまでゆい様一色。
決して万人受けはしないと思うけれども、荘厳なコーラスを引き連れたOPの妖精帝國サウンドはかなり良いと思う。
BAD/REQUEST
「キャラクター」
イマイチ。このゲームでは登場キャラのほぼすべてが主人公の潜在的な敵。
潜在・顕在問わず、敵として暗躍するようなキャラには、ライターがよっぽどうまく書かないと感情移入できない。残念ながらこの作品のキャラはわかりやすく味方する若干名を除いて「鬱陶しいだけのモブ」となっているように思う。
また、主人公は小学生か、と疑わしいくらいに頭が悪い。知識的な意味ではなく、知性という意味で馬鹿。
なんでか最近良く見るようになったが、知性のない熱血押し付け人助けマシーンみたいなキャラは、シリアスやリアリティを必要とするストーリーとは徹底して反りが悪い。
主義を声高に主張するだけで、主張の根拠が無い。根拠のない暴論を叫ばれても失笑しか浮かばない。
「シナリオ」
雑に説明すると、「天使と悪魔の戦争に巻き込まれた主人公が、天使を率いる神となり、人々の願いを叶えながら力をつけて悪魔の指導者との決戦に向かっていく」というお話。
徹頭徹尾、ギャグなのかシリアスなのかどっちつかず。
心理状態にせよキャラ同士のつながりにせよ、ずっと説明不足で唐突。
ギャグとしてノリと演出で流すならあり。が、シリアスを1%でも加えるなら、説明不足は断じてアウト。
味方キャラクターの大半が利己主義者。プレイヤー(主人公)に対して上から目線で指示を与え、あるいは都合よく利用するだけで自分はストーリーの大半で何もしない。しかもそれに主人公が怒らない。
互いの本気をぶつけあうようなやり取りの一つもなく、一方的に突っかかられ、騙され、利用され、それでもヘラヘラ笑って済ませているうちになんとなく解決とか、プレイヤーを舐めてるの……?
「システム」
いわゆるローグライクと呼ばれるシステム……もどき。
ローグライクは大体の場合、「取り返しの付かない」冒険を楽しむもの。死んだらそれまでとか、ダンジョンを出るたびにレベルが初期化されるとか。
なのにこのゲームは「トータルLv」「神体改造」の2つが全く余計なシロモノとして追加されている。
一言で言えば、レベルアップによる基本ステータスの向上と、ステータス上昇補正アイテムのようなもの。それをシステムに追加したら、ダンジョンを出るたびにいちいちレベルを初期化する意味が無い。
「レベルで頑張る」のか「レベルではなくアイテムで頑張る」なのか、はっきり区別すべきだったと思う。
また、装備を使い続けていると「バースト」という状態に陥り、装備の能力が半減する。ボス戦の最中でも容赦なく半減する。アイテムを揃え、装備を鍛えることが最大の自己強化手段なのに、鍛えた武器も持ち歩くとすぐに半減する。ボス戦のみ使おうとしても、大抵のボスは雑魚を無限召喚するため、結局は半減する。
勝てないわけじゃないけれど、強くなる過程に水をさされ続けるとちょっと冷める。
それとは別に、結構ザラにドロップアイテムをゴミに作り変える雑魚がいるので、あまりローグできない。ローグライクなのに。
……ローグライク風にする意味あったかなぁ、このゲーム。
COMMENT
なんというか、光るものはあるはずなのにそれを覆い隠すに余りあるマイナスが目立つ作品。
表記するマイナス要素をかなり削ったつもりなのだが、それでも長くなりすぎる不思議。
マップの作り方や敵の能力設定、ゲームシステム、シナリオなど、総じてプレイする側の事情が考慮されているとは言いがたい。
ローグライクのリアルラック重視は、バランス取りを怠ける言い訳ではない。プレイ時間を冗長化させるだけの単純でつまらない仕掛けや、敵のAIに数段劣るアホな味方AIなど、必要ないところに力を入れすぎていて必要なところに手が届いていない。
総評……「どうしてこうなった」