・調合 素材の特性とスキルを組み合わせて、完成品の特性を引き出すという調合システムは、シンプルかつこだわれば奥が深く、バランスが良いと思う。 ・キャラグラフィック 可愛い。 ・アイテムが補給されるシステム 探索中に使ったアイテムは帰還すると補充されるので、遠慮なく使うことができる。 その代わり、探索にもちこめるアイテムはスロット制で所持制限あり。 威力と使用回数と利便性とで装備を練りこむ楽しみがある。 ・快適性なインターフェイス ロードは短く、ショートカット各種によって移動も快適。 システム・インターフェイス的な面でイライラさせる箇所が極めて少なく、それが熱中度をあげている。 ・戦闘システム マナケミアのように、六人でパーティーを組、戦闘する前衛三人を適時サポート攻撃やサポート防御で入れ替えながら戦う戦闘システム。六人パーティ制が面白い。
・目的意識が薄い マリーなら「学園卒業」、トトリなら「母親探し」、メルルなら「王国の開拓・発展」と、スタート時に大目標が設定されていたので、それに向けて前進していこうというモチベーションがもてたし、進捗を感じる演出があって一歩一歩進んでいる実感があった。 対して今作は役人として目の前の仕事をこなしているだけで、その仕事もドキドキわくわくするようなものはなにもなく、まさに「お役所仕事」という感じのぬるさ。 一応「未踏遺跡」という存在がキーにはなっているが、序盤と終盤でしか絡んでこず、終盤もイベントが連続で起きてあっという間に終わってしまう。もうちょっとうまく未踏遺跡関連のイベントを配分できなかったものか。 ・ストーリーが薄い 上記とも関連しているが、基本的には特になにもおこらない。 アトリエシリーズの特徴ではあるのかもしれないが、本当になにも起こらない。淡々と進む。 いままでのシリーズでは全体としては淡々ほんわかで進んでいたが、遠くの町にいけるようになったり中ボス的な存在がいたりで盛り上がるポイントはあったのだが、今作はストーリー的に盛り上がるような部分が本当にほとんどない。強いていうなら終盤のみは盛り上がるが、すぐにそのイベント群が終わる。 ・主人公選択性が無意味 男主人公・女主人公が選べるが、上記のようにストーリー自体が薄いうえに、この二人がいつもつるんでいるため、システム的にもストーリー的にもほとんど差がない。また後述するが、システム的にも一周目でたいていのことができてしまうので、わざわざ二周する意味を感じない。 メッセージスキップはあるが遅い上に既読未読判別もないのでさらに二周する気が失せる。それでいてトゥルーEDは二周目以降限定なのが悪質。 ・期限がゆるすぎて無意味に近い シリーズに慣れているためだろうが、期限がゆるすぎる。 四ヶ月に一度目標が提示されるのだが、普通にプレイしているとたいてい期限まであまる。それでいて四ヶ月経つまでは次の目標が教えてももらえないので、定期的に適当に時間つぶしをしなくてはならなくなる。 最初に「〜年で終了」ということを提示されていないのも相まって、期限制にする意味をほとんど感じなくなってしまった。限られた期限でどこまで目標に近づけるか、どれだけ早く目標を達成するかがシリーズの醍醐味だったが、それをまったく感じなかった。それでいて無駄に時間を過ごすともったいない気がしてあまった時間を流すのに抵抗だけはある。 さらに最終年に入ると、入って早々にストーリー的な最終イベントが起こり、それを消化するとやりこみボス的なのを倒す以外にやることがなくなる。結果、一年のほとんどを無為に過ごすことになる。 これなら期限制はやめて普通のフラグ進行式の一本道にしたほうが良かったのでは? ・アイテム強すぎ アイテム、特に攻撃アイテムが強すぎる。 錬金術ゲームなのでアイテムが強いのは特徴が出ていいとは思うし、アイテムを使えるのが主人公たちだけなので、個性化もできていると思う。シリーズ的にも代々ほかのRPGよりアイテムが強かった。 しかしそれでもシリーズの中でも強すぎる部類だし、それがgoodにも書いたアイテム自動補給制と合わさることで凶悪になりすぎている。完全に適当に爆弾を放り投げるゲームと化している。 ・戦闘バランスと演出テンポ goodでも書いたように、六人パーティーを戦闘中に適時入れ替えていくシステムはユニーク。しかし上記のアイテム無双のせいでこのシステムの面白さがほぼ死んでいる。そのうえ、サポート攻撃、サポート防御の演出が、一回一回はたいしたことがないものの頻発するためにテンポを崩している。これを避けるためにアイテム無双がより加速する。 ・EDの達成感なし ストーリーが薄く、最終年のほとんどほを無為にだらだら過ごした末にようやくEDとなるも、べつにEDでも特になにかあるわけでもないので、感慨もない。最初に大目標を設定するか、大ボスを倒してすぐにED行くかすればいいのに、なぜこんな達成感を感じない構成にしたのか意味がわからない。 ・仲間を育てる楽しみが皆無 上記の通り、アイテムが強すぎるうえ、仲間全員に経験値が入る仕様のため「前回はこのキャラを育てていろんなイベント見たから、今回はこのキャラを育ててみよう」といったいろんなキャラを使い分ける楽しみがまったくない。普通にプレイしてるだけで一周で仲間全員の好感度がMAXになるし。 ・意味を感じない黄昏の世界観 「終末へと向かっている世界」を舞台としているのだが、単に画面の色彩が暗いだけで、なぜ世界が破滅へ向かっているのか、どのように破滅へ向かっているのかがまったく表現されておらず、人々もいつものアトリエのようにのほほんあっけらかんと暮らしているし、生活水準の低下や生命の危機、治安の悪化などが描かれることもほとんどないため、ただ意味もなく画面の色彩が暗いだけとしか感じなかった。 映像的な意味での黄昏の色彩自体は評価してもいいが、映像に中身がまったく伴っていない。 終末へ向かう世界とはなにか、それをプレイヤーに感じさせるにはどうすればいいのか、終末感とアトリエシリーズの雰囲気の両立とはどうすれば可能なのか、もうちょっと真面目に考えて取り組んで欲しい。
アトリエシリーズ自体は全作の半分くらいはプレイしているが前作「アーシャのアトリエ」は未プレイ。 システム的には文句なし。 グラフィックもキャラは可愛いし悪くはない。 ただバランスやストーリーなどはもうちょっと真面目に作って欲しいといいたくなるレベル。 おなじシステム、おなじキャラクターでもやり方次第で数倍面白くできたはず。 結果的には「名作になるポテンシャルを秘めた凡作」 熱中度はそれなりに高いがクリア時点での満足度は低い。 アトリエシリーズの入門的作品にしたいという意図は感じるのだが、それでゲームの根底である「達成感」が損なわれては意味がない。 一周で満足させるのを目指したのか何回もくり返しプレイして最上を目指すように設計したいのかも曖昧で、バランスにしろキャラにしろ世界設定にしろ、あれもこれもと欲張ったら全部中途半端になってしまった印象。 全体を見渡して必要な部分といらない部分を見極めるディレクション能力に欠けた作品とスタッフだと感じた。 システムなどの土台は良いので、次に期待したい
GOOD!
・調合
素材の特性とスキルを組み合わせて、完成品の特性を引き出すという調合システムは、シンプルかつこだわれば奥が深く、バランスが良いと思う。
・キャラグラフィック
可愛い。
・アイテムが補給されるシステム
探索中に使ったアイテムは帰還すると補充されるので、遠慮なく使うことができる。
その代わり、探索にもちこめるアイテムはスロット制で所持制限あり。
威力と使用回数と利便性とで装備を練りこむ楽しみがある。
・快適性なインターフェイス
ロードは短く、ショートカット各種によって移動も快適。
システム・インターフェイス的な面でイライラさせる箇所が極めて少なく、それが熱中度をあげている。
・戦闘システム
マナケミアのように、六人でパーティーを組、戦闘する前衛三人を適時サポート攻撃やサポート防御で入れ替えながら戦う戦闘システム。六人パーティ制が面白い。
BAD/REQUEST
・目的意識が薄い
マリーなら「学園卒業」、トトリなら「母親探し」、メルルなら「王国の開拓・発展」と、スタート時に大目標が設定されていたので、それに向けて前進していこうというモチベーションがもてたし、進捗を感じる演出があって一歩一歩進んでいる実感があった。
対して今作は役人として目の前の仕事をこなしているだけで、その仕事もドキドキわくわくするようなものはなにもなく、まさに「お役所仕事」という感じのぬるさ。
一応「未踏遺跡」という存在がキーにはなっているが、序盤と終盤でしか絡んでこず、終盤もイベントが連続で起きてあっという間に終わってしまう。もうちょっとうまく未踏遺跡関連のイベントを配分できなかったものか。
・ストーリーが薄い
上記とも関連しているが、基本的には特になにもおこらない。
アトリエシリーズの特徴ではあるのかもしれないが、本当になにも起こらない。淡々と進む。
いままでのシリーズでは全体としては淡々ほんわかで進んでいたが、遠くの町にいけるようになったり中ボス的な存在がいたりで盛り上がるポイントはあったのだが、今作はストーリー的に盛り上がるような部分が本当にほとんどない。強いていうなら終盤のみは盛り上がるが、すぐにそのイベント群が終わる。
・主人公選択性が無意味
男主人公・女主人公が選べるが、上記のようにストーリー自体が薄いうえに、この二人がいつもつるんでいるため、システム的にもストーリー的にもほとんど差がない。また後述するが、システム的にも一周目でたいていのことができてしまうので、わざわざ二周する意味を感じない。
メッセージスキップはあるが遅い上に既読未読判別もないのでさらに二周する気が失せる。それでいてトゥルーEDは二周目以降限定なのが悪質。
・期限がゆるすぎて無意味に近い
シリーズに慣れているためだろうが、期限がゆるすぎる。
四ヶ月に一度目標が提示されるのだが、普通にプレイしているとたいてい期限まであまる。それでいて四ヶ月経つまでは次の目標が教えてももらえないので、定期的に適当に時間つぶしをしなくてはならなくなる。
最初に「〜年で終了」ということを提示されていないのも相まって、期限制にする意味をほとんど感じなくなってしまった。限られた期限でどこまで目標に近づけるか、どれだけ早く目標を達成するかがシリーズの醍醐味だったが、それをまったく感じなかった。それでいて無駄に時間を過ごすともったいない気がしてあまった時間を流すのに抵抗だけはある。
さらに最終年に入ると、入って早々にストーリー的な最終イベントが起こり、それを消化するとやりこみボス的なのを倒す以外にやることがなくなる。結果、一年のほとんどを無為に過ごすことになる。
これなら期限制はやめて普通のフラグ進行式の一本道にしたほうが良かったのでは?
・アイテム強すぎ
アイテム、特に攻撃アイテムが強すぎる。
錬金術ゲームなのでアイテムが強いのは特徴が出ていいとは思うし、アイテムを使えるのが主人公たちだけなので、個性化もできていると思う。シリーズ的にも代々ほかのRPGよりアイテムが強かった。
しかしそれでもシリーズの中でも強すぎる部類だし、それがgoodにも書いたアイテム自動補給制と合わさることで凶悪になりすぎている。完全に適当に爆弾を放り投げるゲームと化している。
・戦闘バランスと演出テンポ
goodでも書いたように、六人パーティーを戦闘中に適時入れ替えていくシステムはユニーク。しかし上記のアイテム無双のせいでこのシステムの面白さがほぼ死んでいる。そのうえ、サポート攻撃、サポート防御の演出が、一回一回はたいしたことがないものの頻発するためにテンポを崩している。これを避けるためにアイテム無双がより加速する。
・EDの達成感なし
ストーリーが薄く、最終年のほとんどほを無為にだらだら過ごした末にようやくEDとなるも、べつにEDでも特になにかあるわけでもないので、感慨もない。最初に大目標を設定するか、大ボスを倒してすぐにED行くかすればいいのに、なぜこんな達成感を感じない構成にしたのか意味がわからない。
・仲間を育てる楽しみが皆無
上記の通り、アイテムが強すぎるうえ、仲間全員に経験値が入る仕様のため「前回はこのキャラを育てていろんなイベント見たから、今回はこのキャラを育ててみよう」といったいろんなキャラを使い分ける楽しみがまったくない。普通にプレイしてるだけで一周で仲間全員の好感度がMAXになるし。
・意味を感じない黄昏の世界観
「終末へと向かっている世界」を舞台としているのだが、単に画面の色彩が暗いだけで、なぜ世界が破滅へ向かっているのか、どのように破滅へ向かっているのかがまったく表現されておらず、人々もいつものアトリエのようにのほほんあっけらかんと暮らしているし、生活水準の低下や生命の危機、治安の悪化などが描かれることもほとんどないため、ただ意味もなく画面の色彩が暗いだけとしか感じなかった。
映像的な意味での黄昏の色彩自体は評価してもいいが、映像に中身がまったく伴っていない。
終末へ向かう世界とはなにか、それをプレイヤーに感じさせるにはどうすればいいのか、終末感とアトリエシリーズの雰囲気の両立とはどうすれば可能なのか、もうちょっと真面目に考えて取り組んで欲しい。
COMMENT
アトリエシリーズ自体は全作の半分くらいはプレイしているが前作「アーシャのアトリエ」は未プレイ。
システム的には文句なし。
グラフィックもキャラは可愛いし悪くはない。
ただバランスやストーリーなどはもうちょっと真面目に作って欲しいといいたくなるレベル。
おなじシステム、おなじキャラクターでもやり方次第で数倍面白くできたはず。
結果的には「名作になるポテンシャルを秘めた凡作」
熱中度はそれなりに高いがクリア時点での満足度は低い。
アトリエシリーズの入門的作品にしたいという意図は感じるのだが、それでゲームの根底である「達成感」が損なわれては意味がない。
一周で満足させるのを目指したのか何回もくり返しプレイして最上を目指すように設計したいのかも曖昧で、バランスにしろキャラにしろ世界設定にしろ、あれもこれもと欲張ったら全部中途半端になってしまった印象。
全体を見渡して必要な部分といらない部分を見極めるディレクション能力に欠けた作品とスタッフだと感じた。
システムなどの土台は良いので、次に期待したい