【PS3】ドラッグ オン ドラグーン3
発売元 | スクウェア・エニックス (オフィシャルサイト) |
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発売日 | 2013-12-19 |
価格 | 7980円(税込) |
レーティング | 【D】17才以上対象 暴力 (CERO について) |
ショップ/リンク | Amazon |
タギングトップ3 | |
タイトル概要 |
■ ジャンル:アクションRPG ■ プレイ人数:1人 |
- 総合ポイント
- 50
- (難易度)
- 3.31
- レビュー数
- 26
スコアチャート
GOOD!
■アクションの大幅な改善
DODシリーズの伝統(?)とも言える、独特かつあまりほめられたものでない操作性は、本作でついにその汚名を返上する事となりました。
ただ多いだけの武器ではなく、自分の好みにあった武器をチョイスする事により、さまざまなプレイスタイルで遊ぶことが可能です。
※とはいえ、BADで述べる要素によって、別の面で悪い所が発生したのもまぁシリーズの伝統でしょうか……。
ここは素直に評価したいところです。
■クオリティの高い楽曲
ニーアから続投の岡部氏の楽曲や、鬼束ちひろや藍井エイルのテーマソングは、世界観にとてもマッチしており、世界観への没入度合いにかなり貢献したように思えます。
また歴代を代表する欝曲「尽きる」もある所で使われており、歴代ファンはニヤニヤできるところかと。
すべてのEDを見終わった後だと、なぜあそこで使われたのかが(なんとなくですが)わかる気がします。アレンジもGOODでした。
■まとまったグラフィック
決して「綺麗」とは言えませんが、統一感のあるキャラデザインには好感をもてました。
またシーンにマッチした背景や演出がなされており、そういった意味では「細かい作りこみ」よりも「演出」という意味で、得点を献上したい所です。
■キャラクター(とその演技)
今回はエロ方面に大きく振ったキャラ設定でしたが、残念ながら狙いすぎだったのか、正直ミハエルとゼロ以外は心に残りませんでした。
が、それぞれのキャラクターの演技は総じて(中の人の)レベルが高く、素直に関心したポイントではあります。
違和感を感じるキャラはいなかったのですが、逆にそれはそれで歴代ファンとしては寂しい所かも知れませんが(笑)
■賛否分かれる演出・シナリオ
「メタネタNG」「合理性必須」「すべてEDで解決しないとNG」などを求めている方には恐らく合いませんので、そういった要素を求めている場合は手を出さないのが賢明かも知れませんね。
さて、ここはもっとも賛否分かれる部分かと思います。
ただ、DOD〜ニーアまで歴代をプレイした1個人としては、「これもまたDOD」という結論に至りました。
シナリオ、脚本はこの手のゲームのコアの部分ですし、本当に人を選ぶ所です。かく言う私も、最後のEDを見るまでは「これはクソゲーなのでは?」と思いつつプレイしておりましたし。
ただ、最後までこの世界を見届けると、また新たな発見があり、「これはこれで考えられている」と感じました。
歴代シリーズが好きで、エログロ描写に耐性があるなら、購入を検討しても良いのではないでしょうか。
少なくとも私は購入したことを後悔しておりませんし、売る気も全くありません。
DODシリーズ歴代通しての「救いのなさや、陰鬱な雰囲気」などは上手く描写できていると思いました。
BAD/REQUEST
▲アクションの選択肢の少なさ
GOODには「爽快感の向上」を挙げましたが、BADではそれがために殺された「武器の選択肢の少なさ」を挙げます。
武器の種類や技の種類は多く、かつそれらも軽快な操作性と相まって、単純に戦う事は楽しいのですが、ある程度武器が揃ってくると、大体の場合「連打ゲー」になってしまいます。
100チェイン達成するのはさすがに指が疲れました。
またアクションにかかわる要素も大体どこかで見たようなシステムで、特に目新しい所はありませんでした。
▲ドラゴンに乗ってない
1、2での売りであった、上空戦〜低空戦が(ほぼ)ありません。
PS3の性能で、ドラゴン無双を楽しみたいとお考えだった方はさぞや肩透かしだった事でしょう。
かく言う私もその一人ではあるのですが、ここは本当に残念なポイントでした。
▲敵が少ない
1、2の時のように、MAP中に敵キャラが存在する形ではなく、道なりのMAP上にちまちまと敵兵が配置される形となったことにより、「戦争してる感」や「世界が滅亡に向かっている感」が極度に削がれてしまっています。
1は特に、カイムという圧倒的な暴力によって、世界が破滅に向かっていく様が、MAP上の兵士からも垣間見えていただけに、もうちょっとなんとかなったのでは?と思った次第です。
▲一部ミッションの難易度
クリアに必須ではないものの、一部のアナザーミッションの難易度が異常なまでに高いです。
プレイのテンポを大きく阻害する要因のため、ここはBADにさせて頂きました。
▲シナリオの説明不足
恐らく、DOD3単体をやった人は、すべてのEDやシナリオにおいて、ほとんど意味がわからないまま最後を迎える事になるかと思います。
初代の時は「そういう世界観なんだ」で済んだ所もあるかと思いますが、本作Dの横尾氏はニーアから「後だしジャンケンでの補完要素」として、「コンプリードガイド商法」を公式で認めており、本作も恐らくそうなるのかな、と考えるとある意味DLC商法のようで、納得いかない点でした。
※ニーアもコンプリートガイドで「これがEエンドです!」って出されて、そりゃないよ、と思った次第でした。
▲ロード時間
皆様挙げられていますが、致命的ではないにせよ、改善できる部分だったのでは、と思って止みません。いったいどれだけのゲームソフトがこの項目で叩かれているのか、製作陣は知らなかったとは言えない立場の人たちのはずなので、ここは本当に改善してほしかったですね。
COMMENT
●総評
HDMI 32インチ BRAVIA でプレイ。
賛否が大きく分かれてしまった本作ですが、恐らくNGを出した方は期待値が大きかったのかと存じます。
その気持ちは大いに理解できます。
ただ、1ファンとして思うのは、GOODにも書きましたが「こういう何でもありが、DODシリーズなのでは?」と思っておりまして、そういう意味ではいくつか「ゲームとして」不満点はあるものの、「DODシリーズとして」はさして不満の残る作品ではありませんでした。
確かに、説明不足が原因か分かりませんが、シナリオや演出面で、だめなところもあるでしょう。
しかしながら、「意味不明だけど、何か良くわからないけどひきつけられる所がある」と言うのもまた、このシリーズの魅力なのではなかろうか、と私は思うのです。
DODシリーズは基本的に説明不足の投げっぱなしで終わる事がほとんどですが、そこに理屈を求めるよりも、まずは最後までやってみて、そこから仲間内などで「あーでもないこーでもない」と議論するゲームなんじゃないかなぁ、と。
本作は一番の売りがその狂ったシナリオであるがゆえ、初代に比べるとその狂いっぷりが足りないのかも知れません。
ただ、ゲームとしてみた場合は(やっと)及第点のアクションRPGにはなったとも考えていますので、個人的には次回作に非常に期待したいとも思っています。
……とは言え、コンプリートガイドで別EDとかは本気で勘弁していただきたい所ではありますが……。