【PS3】ドラッグ オン ドラグーン3
発売元 | スクウェア・エニックス (オフィシャルサイト) |
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発売日 | 2013-12-19 |
価格 | 7980円(税込) |
レーティング | 【D】17才以上対象 暴力 (CERO について) |
ショップ/リンク | Amazon |
タギングトップ3 | |
タイトル概要 |
■ ジャンル:アクションRPG ■ プレイ人数:1人 |
- 総合ポイント
- 50
- (難易度)
- 3.31
- レビュー数
- 26
スコアチャート
GOOD!
シリーズは1作目〜ニーアまで全ENDプレイ済のシリーズファンです。
唯一評価できる点が、サウンド
どういった制作過程を踏んでいるか詳細まではわかりかねますが、ゲーム音楽として最高峰、単一の曲としても完成度は高いです。
(BADで後述する世界観がガタついてる為に、良い曲が台無しにさえ思えましたが。)
BAD/REQUEST
ロード時間やカメラワークなどBADは多数ありますが、他の方と理由が全く一緒のものばかりですので、敢えて取り上げておきたい点だけ記述します。
【ストーリー】
これまでのシリーズでは、退廃し腐敗していくモラルや社会背景、狂った倫理観や歪んだ価値観、さらに言えば猟奇的な行為や暴力描写や性描写等が、少なくともシナリオの中ではそれなりに成立していました。
それが成立している世界観での表現であればこそ、意味があり「そうであること」の必然性が生まれてきたわけですが、今作ではその根本的な要素がないがしろにされていることに、この上ない不快感を感じます。
この辺りの表現は同時期に発売されたグランドセフトオート5を意識したのでしょうか。まさにそれを借りて言えば、
この作品は
「NYやLAのギャングや低所得者層の言葉遣いや格好だけ真似している日本人のやんちゃな少年」
という印象を受けます。
とにもかくにも、序盤から(さらに言えばゲーム起動時から)繰り出される下劣極まりない性描写や下ネタの必要性が全く感じられないシナリオ構成に失望しました。
「DoDシリーズなんだから、何かしら理由があるはず…」「下ネタが満載であることが何かの伏線かも…」と、シリーズファンの私は半ば希望的観測としてプレイしていましたが、(と言っても、分岐シナリオ突入開始時には既に失望していましたが)結局最後の最後まで、文字通り茶番劇でした。
フィクションやファンタジーでは、「その世界の中では“成立”している」というのが最低限必要なのであり、それを無視してしまうと、それこそ「ぼくのかんがえた云々」になってしまうわけです。
まさにこの作品の中では、世界観は勿論、キャラクターの背景や行動理念まで全くもって成立していません。
どんな状況でも楽観的でおちゃらけた、あるいは狂った価値観で乗り越えていく彼らが、一瞬だけシリアスになるというところをクローズアップさせるための演出といえば聞こえはいいですが、もう少し別な形で演出できたであろうし、同じ手法を取るとしても内容を吟味するべきでしょう。
ネタバレになるため詳細までは申し上げられませんが、三文小説どころか学生の書いたライトノベル以下のシナリオであり、それを誤魔化す為にメタ表現や狂気、暴力、性描写表現を派手にしてみたといった印象です。
いまどきのラノベの方が、まだ世界観が成立しているだけ優秀かもしれません。プロの…それも人気シリーズの制作会社の所業とは思えません。
シリーズファンの中には、これこそが“DoDの世界観だ”とか、“DoDシリーズの良さだ“とおっしゃる方が多いのも解りますが、表面的なスタイルではそうかもしれませんが、前述したとおり、ファンであるからこそ要所要所の作りこみの浅さや粗さが目立ち、今作がDoDシリーズとは思いたくないシナリオでがっかりしました。
ニーアのときにも同じような事を思いましたが、この制作会社には「設定資料集がなくとも作品として完成させてください」と申し上げたいです。
ファンの中には「設定資料集には書かれているから」といって解決する方もいらっしゃいますが、フルプライスで提供するのであればゲームの中で完成させて欲しいものです。
細かい部分で少し謎は残すとしても、メインが何も解決していないor明かされない⇒ユーザーに丸投げor続きは資料集で!というのは、(現状のゲーム市場の低迷は鑑みても)未完成品であるという意識をしっかりと持っていただきたいものです。
ゲームにシナリオの出来を要求するのは酷かもしれませんが、DoDシリーズはゲームシステム等を評価されたのではなく、多くは世界観やマルチENDを含めたシナリオが評価されたのであり、訴求点はそこにあるということを自覚した上で次回作の制作に臨んで頂きたいです。
私個人としては、次回作はフルプライスで予約してまで購入しようと思いませんが。
【Dエンド】
過去に類を見ない鬼畜音ゲーと名高い今作のDエンドですが、内容云々はさて於いても、他の方も仰るように、開発の自己陶酔でしかありません。
カメラワークしかりラストの1音もしかり、そのプレイ時間もしかり。
この作品に限らず近年によくみられる、理不尽=難易度が高いという風潮はなんとかならないかと痛感しました。
COMMENT
【総 評】
前作ニーアも含め、いくつかこちらでレビューを投稿させて頂きましたが、恐らくは全てにおいて過去最低の評価だと思います。
期待値が大きかっただけに、失望も大きいという典型例となりました。
加えて言えば、ビッグタイトルや大人気アニメや漫画のゲームにありがちな、大げさな宣伝に踊らされた典型の一つでもありました。
○見せかけだけで本質は素人以下のシナリオ
○ボリュームを誤魔化す為だけの分岐と実質3種類しかないサブイベント
○素人に毛が生えた程度のグラフィック
○何をインストールかわからないロード時間
○アクションゲームを初めて作ったかのようなカメラワーク
○理不尽にするというだけの安易な難易度
○“スタイリッシュ狂気“
というように、プロの仕事をしているのは、主要キャラデザイン(※モンスターは駄デザイン)の方と作曲家、声優さんだけとしか思えない出来栄えでした。
故に、熱中度、快適さ、満足度が最低点です。
無双ゲームからアクションゲームへの転換は評価できますが、無双ゲームのカメラ視点でアクションゲームをしたらいけんでしょう…
制作会社には、シナリオについては是非とも原点回帰の上、出来上がったシナリオを100回以上推敲して頂いて、アクションについては国内外問わず評価の高いアクションゲームを光学レンズが摩耗する程プレイしてから次回作に臨んで頂きたいものです。
クソゲーとまでは言わないまでも、11月末から年末商戦までに発売されたソフトの中では、最低ランクの作品です。フルプライスでの購入は他作品と比較検討を。
とはいえ、流通量がそれなりに多いでしょうから値崩れも早いでしょうし、1,000円〜2,000円で店頭に並んでいたらお勧めです。