【PS3】DIABLO III(ディアブロ3)
発売元 | スクウェア・エニックス (オフィシャルサイト) |
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発売日 | 2014-01-30 |
価格 | 7980円(税込) |
レーティング | 【D】17才以上対象 暴力 犯罪 (CERO について) |
ショップ/リンク | Amazon |
タギングトップ3 | |
タイトル概要 |
■ ジャンル:アクションRPG ■ プレイ人数:1〜4人(オンライン:2〜4人) |
- 総合ポイント
- 79
- (難易度)
- 1.83
- レビュー数
- 12
スコアチャート
GOOD!
敵狩りとお宝ゲットが直に結び付くハクスラの本家であり、その続編タイトルというだけあって、私もディアブロ3購入に至った1人であり、昔ながらの1ファンです。この種のゲームから幾つものの派生RPGが生まれたことからも、いかに本作がゲームファンの遊び心をくすぐるインスピレーションの塊の様なゲームであったのかが納得できます。そんな、内容よりも先に名前が知れ渡ってるこのディアブロを実際に手にしてみて、色々想う所があったので感想を書かせていただきます。
ここで本作の良い点を挙げるとするならば、それは過去作からの精神性を受け継いでいるかどうかです。これはゲームに限らず、映画・彫刻・絵画など、あらゆる創造物に対する文化的な評価は、これまで人が形作ってきた最高のモノとの比較においてはじめて客観的なものとなります。私達の目は最高のモノによって養われ、それによってはじめてモノを正しく見る事が出来るからです。ディアブロという既に過去に完成された最高のゲームを前にして、その続編が単に模造品では済まされない理由がここにあります。
というわけでして、本作の「良い点」の本質的な所は、既に過去作品であるディアブロ1ディアブロ2の作中に含まれているという観点から、本作の良い点に関するコメントは差し控えさせていただきます。それについては他の方も語られている様ですし、ここに書くのはあくまでも本作の良い点だとの規定らしくて。
BAD/REQUEST
ハクスラは、ひたすらより良いアイテム求めて同じ狩り場を何周もする周回前提のゲームであるため、ディアブロはダンジョン構成をその都度ランダムに作り変えてプレイヤーを飽きさせない工夫が1より既に実装されていました。これは3においても実装されている、との事ですが、3はと言えば・・
1;等身大の砂漠や遺跡や氷雪地帯といった、既に描き込まれた具象的な絵をそのまま使ってるため、パーツ同士の自由な組み合わせと再配列がしにくく、結果としてれがダンジョンのランダム生成を技術的に難しくしています。だから腐心の末にやっと大きな一枚絵の中にイベントをランダムに起こしたり、ダンジョンの入り口を確率的に開いたりといった「後付け」の始末で、とてもじゃないけどダンジョンがランダム生成されてるとは言えず、一度一通り遊んでしまうと既視感一杯になります。
2;とにかくダンジョン構成に緩急がなく平坦でありしかもただただダンジョンが無駄に広いばかりなのです。ダンジョンがランダム生成されているとプレイヤー側が気づくためには「前回はこうだったけど、今回はこんなんなってる」といった比較の手続きは必須です。マップを開かなければダンジョンの特徴を感覚的に掴めないほどにプレイヤー側の視界を見失わせる様な描き方をするのは「ダンジョンのランダム生成」の方向性と矛盾します。
壁・扉・床・闇と、シンプルにデフォルメ化された積み木の様な素材故に、それらが一旦組み合わさってダンジョンを構成するとなると、驚くべきほど自由で多様な表情を魅せてくれた過去作品が懐かしいです。
グラフィックについて。
ムービーには感動的なものがあるものの、肝心のプレイ中の絵の表現あまりよろしくありません。理由は、ダンジョンの背景・技のエフェクト・敵と自キャラの描き分けが出来ておらず、敵が迫り、技が飛びかい、味方が動き出すとすぐに色んな色がごちゃごちゃ混ざり合ってしまいます。明暗表現やコントラストや色彩の使い分けにやや乏しく、個々はよくても全体となると絵というよりはパレットの上の単なる色であり、作品というよりはキャンパスと絵の具と絵筆そのまんまです。このため、3人プレイは推奨しません。4人プレイはもっと推奨しません。技のエフェクトが敵の姿を上塗りし、敵の攻撃を見えなくさせるばかりでなく、自分と味方がどこにいるのかさえ分からなくなります。
COMMENT
ゲームの好みは人それぞれという観点からしても、評価の仕方も人それぞれであり、万人に共通な評価基準は存在しません。色々な意見が並列して多様性を形成しているのが「優れたゲーム」としての特徴なのですが、今作に限っていえば、スキルツリーの廃止やゲームの簡略化など私も含めて批判的な評価をみんな一様にしてました。その点から言えばディアブロ3はごくごく平凡なゲームに成り下がってしまったと言わざるをえませんが、度重なるパッチ配信によって幾分かマシになった、特にプレイステーション日本版として発表された時にはもう一度プレイしてみようかなと思いました。受け入れられない部分を多分に残しながらも、それでもアイテム収集はまだ熱かったりとまだまだ遊べています。
総評としては低いにもかかわらず、楽しんで遊べてるってことは、評価するに当たってまだまだ言語化出来ていない部分が残されているという事であり、この言語化不可能性こそがこのディアブロ3の良い所を正当に評価するものさしであるとさえ思えます。