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【PS4】DARK SOULS III

発売元 フロム・ソフトウェアオフィシャルサイト
発売日 2016-03-24
価格 8024円(税込)
レーティング 【D】17才以上対象 暴力 (CERO について)
ショップ/リンク Amazon
タギングトップ3
タイトル概要 ■ ジャンル:アクションRPG
■ プレイ人数:1人(オンライン:1~6人)

【DARK SOULS III THE FIRE FADES EDITION】
■ 発売日:2017/04/20
■ 価格:5,832円
通常版にDLCを同梱したものです。



オリジナリティー グラフィックス サウンド 熱中度 満足感 快適さ (難易度)
5pt 4pt 4pt 4pt 4pt 4pt 3pt
総合点
82pt

GOOD!

※過去作はデモンズ・ブラボを含め各数百時間以上プレイ・トロコン済
※レベル23で1周目全ボス・2周目DLC1作目をクリア済(1ボス除き全てソロ)その他、本編は計6回クリア・トロコン済
※主に前作に不満が多かった者の視点でのレビューとなります。また、経験者向けの内容が多めになります。あしからず
※オンライン、特に敵対プレイはほとんど興味ありません。レビューでも触れません。あしからず
※その他楽しんだARPGはウィッチャーシリーズ3作・ドラゴンズドグマダークアリズンなど

 「アクションゲーム」としての評価点は、とにかく【最初はズタボロ、慣れればスムーズ、極めればノーダメも狙える、という絶妙なボスたち】というところ。個人的に、これこそ、いいアクションゲームが備えている要件だと思っています。提示された問題に対して自分なりの答えを出し、自己の動体視力と操作テクニックで実現、理想に足らない部分はレベルアップと鍛えた武器の火力、アイテムの有効活用でカバーする、というARPGの楽しさが詰まっています。
 デモンズからほぼ一貫して「立ち回り」と「回避」「スタミナ管理」が重要な本シリーズですが、そのあたりがクリティカルになる「スタミナ初期値」という条件でも初見クリアできました。しかも、ラスボスで詰まって全エリアを見直すときまで、スタミナ回復向上の指輪を見落としてました。こんな悪条件でもクリアできるのは、自分・敵双方の各種モーションとクール時間のバランスがしっかり調整されている証拠でしょう。「こんなの無理だろ!」という連撃や弾幕は、考察と工夫、攻め時と退き時の見極めで、実はしっかり対処できます。
 また、各種指輪や武器・魔法の中に、効果を理解して戦略にうまく組み込むと大きな力を発揮するものがあり、苦心惨憺・効果検証を繰り返し頭をひねれば、低レベですら単発火力に頼った勝負やごり押しが可能な場面があります。「こんなの無理だ」という固定観念を捨て去り、「ちゃんと作ってあるはずだ」と信じれば、どんな条件下でも、解決法は必ず見つかります。
 俺自身、ラスボスでのあまりの猛攻に毒づきながら何十戦も負け、しかし攻め時退き時を理解したらむしろ余裕の域までに上達。大反省。繰り返します、本作もソウルシリーズの根幹が守られた、「ちゃんと作ってある」アクションゲームです。
 また、キャラクターレベルが勝手に上がってしまわないのもこのシリーズの特長のひとつで、自分が楽しいと思える段階にキャラの成長を抑えたり伸ばしたりが自由にでき、かつ悪条件に悪条件を重ねたとて割となんとかなる、という幅広さも備えています。デモンズ~ブラボを初期レベだの回復禁止だので様々乗り切った経験からすると、本作もその手の縛りが無理なくできるような域にまで、アクションゲームファンの期待に応え、がっちりと作りこんであるのでは、と感じます。(自身では今のところ未だですが、多くの方が実証していますね)

 アクション性に重きが置かれた本シリーズですが、本作ではストーリー・サブストーリー上のロールプレイも楽しめるよう、そして周回に耐えられるよう、従来よりも手を尽くしてあります。
 周回を重ねる中、自分とNPCの行動に関するさまざまなイベントデータを記録し、試していない手順を踏んでみることで、次々に新しい展開を見て楽しめました。こいつがこのイベントに絡むんか! この状態だとこいつも召喚できるんか! などなど。シリーズ従来作にまったくなかったタイプのイベントも数々登場します。

 以下、前作、または初作より良くなった点を列挙します。シリーズ未経験者は読み飛ばしてもOKです。また、「良し悪し」の判断含め、個人の感覚による部分が多々ありますのでご了承ください。
・特大武器の攻撃対象が必ずロック先に向くように戻った(オプションで前作どおりか初作どおりか選択できるようです)
・武器モーション後の盾構えがダーク初作並みの速度に戻った
・スタブモーションも初作ぐらいのスピーディーさに戻った
・バックスタブの空発動は前作どおりあるが、「掴み」ではなく「突き刺し」になったため、隙だけの無駄アクションではなくなった(ブロードソードの例です)
・プレイヤーキャラクター・敵キャラクターのモーションや歩幅が自然になった
・ローリングの無敵時間がデモンズくらいに長くなり、カジュアルになった
・ローリングはデモンズと同様明確に3種(軽ロリ・どっすん・不可)になり、軽ロリは装備重量70%までに緩和された
・ダウン直後のローリングがブラッドボーンから輸入され、スピーディーに復帰できるようになった
・バックローリング時に、ロックしながらのダッシュ移動が暴発しなくなった
・指輪枠は前作どおり4つ。取捨選択悩ましくも、構築の幅が広い
・盾の受け値・カット率は初作ではなく前作準拠。強すぎない程度に抑えられた
・上記に示すような各種性能の総合的な調整の結果、初作のような盾万能・前作のような盾虐待のどちらでもなく、「盾は頼れる味方だが頼りすぎるな」という絶妙な難易度になった
・強化素材の無限入手タイミングはエリア攻略順による差が出にくく、前作よりまっとうになった
・誓約云々に関わらず、敵は枯れない
・枯れないがゆえに、ほぼ全ての消費アイテムに無限ドロップ入手または無限購入の機会が確保された
・枯れないがゆえに、ボス再戦を繰り返す際の障害とならないようモブの配置を初作準拠に配慮
・前作にあったような、リスポンしてすぐ敵が来るような危険な篝火はなし(ただし1ヶ所だけ、煩くしてると来ます)
・死亡時に異次元箱からの物品自動補充が可能になった。また、補充対象外とする指定も可能
・初作の世界観がしっかり引き継がれ、「後日談」が多く語られるストーリーと、ニヤリとできるシーンの数々
・一方で、過去作にあまり類を見ない、本作ならではの「サスペンス」なサブイベント
・数周に耐える各種イベント分岐、エンディング分岐
・ブラボと同じく、一粒で2度以上美味しいボスばかり。そしてそれを盛り上げるBGM変化
・デモンズ・初作のようなイベントボス戦もあるが、迫力が段違い
・隠し扉はデモンズ・初作・ブラボと同じく、攻撃またはローリングで暴ける
・ほとんど全ての隠し扉に、「あのアイテムどう取るんだろう」「この壁何か違くない?」というヒントがある
・「旅」を演出するエリア構成は初作の再来。どこからでも遠く離れた他エリアを眺めることができ、世界に没入できる
などなど。まだまだたくさん、たくさんあります。

BAD/REQUEST

・どうやら、レベルを上げないと見れないイベントがある。初見キャラの周回プレイはレベルを上げない、というキメのある俺には、大分がっかり(俺が回避方法を知らないだけかも知れません。そのときはごめんなさい)
・武器強化素材の中位版である「大欠片」のドロップ率が低い。潤沢にドロップする頃には既に買えるようになっている。それができる直前のエリアでも、少し率を上げてよかったのでは
・「壁」の当たり判定の作成基準がイマイチ分からない。8角形様の柱なのに4角形のような雑な判定になってたり、かと思えば微細な出っ張りにいちいち当たり判定を作り、一見平たいのに敵にハメられるとローリングでも抜けられない壁があったり
・カメラの回避判定もイマイチ。カメラが接近・離脱を高速で繰り返すポイントが幾つかあり、目に悪い。一方、カメラとキャラクターの間に入れてもカメラ機能を阻害しない細い柱もちゃんとあったりします。手すりなんかが全部これならよかったのになあ
・公式メッセージがネタバレしすぎ。中盤以降は従来のものとは存在意義が大分違います。読まない派は、オフラインであろうとも何も読んではいけません

COMMENT

 アクション入門向けには、簡単なゲーム、愉快なゲーム、プレイ人口の多いゲーム、様々ありますが、本シリーズは「難しいが達成感のあるゲーム」として筆頭に上がるひとつでしょう。何かひとつのことに、根をつめて長い長い時間をかけて挑戦したい、そういう方にお勧めします。もちろん、本作ではなくデモンズやダークソウル初作からでもいいでしょう。そしてどれかひとつをクリアできたとき、シリーズ他作品だけでなく、さまざまなジャンルのアクションゲームに対応できるだけのスキルが身について、楽しめるゲームの幅が広がっていることを願います。
 GOODに書いたのとは別に、【プレイヤーキャラクターは初期レベルでも既に超人であり、プレイヤースキルで無敵の存在にできるが、それができずともレベル上げ・知識・工夫・努力で解決できる】という俺個人の要件も、本作はクリアしています。ただ、【何も考えず、気楽に爽快感が得られる】というのもまた、世にアクションゲームが求められる理由のひとつでしょう。そういう方面を期待している方には残念ながらお勧めできません。

 個人的にはブラッドボーンの方が好みではありますが、乗りこなすのに時間のかかるじゃじゃ馬なアクションで、回避行動の無敵時間も短く、あくまでコア向けの派生作品という感じです。本作は同様にスピーディな調整にしてありつつ、かつ個々のアクションの取っ付き易さ、無敵時間のカジュアルさで、ブラボよりお勧めできます。

オリジナリティ:5点。既にシリーズが世間の評価で「高難度」「ARPG」の代名詞的存在になっているのは元より、本作の完成度はシリーズ随一です。
グラフィックス:4点。キャラクタ・エフェクト・UIなどは非常に良い出来。遠景などにグラフィック抜けがよくあり、美麗なだけにかえって目立ちます。惜しい。
音楽:4点。動きの激しいボスに合わせた勇壮な曲、キャラの誕生・存立過程にマッチした、過去作のアレンジ曲や荘厳な曲などが印象的です。
熱中度:4点。イベント巡りが楽しく、周回の積み重ねを過去にないペースで行なえました。
満足感:4点。ARPGとしての完成度の満足もさることながら、アクション面・ストーリー面両方において、多くのプレイヤーが「続編とはこうあるべきだ」と薄らと感じていたものを、見事に具現化してくれたように思います。しかも、前作を見直すのではなく、デモンズ・ブラボを含めた関連全作品を見直した上で作られた、素晴らしい出来です。(対人はどうだか知りませんが・・・)
快適さ:4点。アクションの充実度、UIの構成など、過去の反省点をしっかり踏まえているようです。BADに述べた調整の甘さが惜しい。
難易度:過去作より難しくはあるようですが、盾がある分ブラボより少し抑え目でしょうか。

本編1周クリアには、初挑戦者は100時間程度を見てください。はまった人には1000時間でも遊べる内容です。

   
プレイ時間:100時間以上(クリア済)
ての字さん  [2016-11-10 掲載]

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総合ポイント
76
(難易度)
3.73
レビュー数
33
スコアチャート DARK SOULS IIIレビューチャート

0%
0-9
0%
10-19
3%
20-29
3%
30-39
3%
40-49
0%
50-59
15.2%
60-69
33.3%
70-79
36.4%
80-89
6.1%
90-100
【60点以上】
90.9%
【標準偏差】
15.01