・シナリオ 卑劣で下劣な歪んだ大人をその欲望を盗んで改心させる、というシナリオは斬新で面白かった。特に最初の標的は主人公たちが当事者という事で感情移入出来て攻略にも力が入ったし、以後のどの敵キャラもそれぞれが一等の悪党ぶりが出てて良かった。 そして序盤に違和感を感じていた部分が終盤でまさかの展開を繰り広げ明かされるのは心躍る楽しさがある。 総評として個人的には一部分を覗いてシナリオには満足している。 ・キャラクター 主人公や今作のマスコット位置であるモルガナなど他多数の人物はそれぞれが魅力的。一人一人が深い問題を抱えていてそれを主人公との関わりによって解消されていく様は一種痛快である。 ・システム 戦闘面……ダイレクトコマンドは従来のコマンド選択と比べて爽快感があって良い。魔法も新しい属性が増えたり、前作までの光闇属性に当たる祝福・呪怨属性に追加された純粋な攻撃魔法コウハ、エイハ等新鮮さがある。 シャドウとの会話交渉とか昔のペルソナを少し思い出して良かった。ただ弱点属性の無い敵はどうしてもクリティカルでも出さなければ交渉に入れなかったりなど面倒くさい部分がある。 コープ関連……前作までで言うところのコミュニティ。関係を深める事で得られるコープアビリティは便利で良かった。ただ他の人が言ってる通り「瞬殺」とかONOFF出来てれば文句無し。 コープそれぞれのストーリーも面白いし恋愛面でも今回は大人が何人か含まれてるのもあって幅広い。 ペルソナ3、4もやってきて基本的にアルカナの意味とか考えたりはしなかったけど、今回のコープキャラはアルカナの印象に合致しないの多いなと思ってたら一部除いて基本的にアルカナの逆位置から始まって最後に正位置に変わるんだなって認識した時スッキリできたのが特に印象深い。 音楽……今回もペルソナシリーズの一つの醍醐味と言って良い音楽の格好良さは期待を裏切らない出来。音楽のおかげでダンジョン攻略にも飽きが来ず続けられた部分もあったし、立ち止まって聞き入った所もある。各覚醒シーンで流れた曲も毎度痺れるし、最終戦最後の大詰めでの曲も好き。 ただ、前作P4の曲が良すぎたというのがあり最高点はちょっと出せない。 ・ダンジョン 各パレス特有のギミックはどれも解いていて面白い。軽いパズル感覚で解くためのヒントも全て示されているので難易度もそれほど高くはないはず。
・前述したシナリオ評価「一部分を除いて」の一部分。 発言があからさま過ぎて驚愕も何もないあの人物。最初から何かしでかすな、というのが透けて見える程というのは大問題。 終盤で明かされる驚きの展開!というのを書きたかったのか知らないが、何も隠れてない。 最後の最後にお涙頂戴誘ってくるのも気に食わない。 怪盗団仲間の怪盗行為への認識。改心という物を正義と疑わないその心理をまず理解できない。最初の時の廃人になってしまう危険性を考慮した葛藤から、「もうやるしかない」「後が無い」という逼迫した状況で下した決断がその後の怪盗行為に何も生きてない。 自分たちは正義だ、という根拠のない自信を掲げて名を挙げる事に固執しだした所が心底納得いかなかった。 特に顕著なキャラが一人。目立ちたいモテたい、正体をバラして人気者になりたい等目に余る自己顕示欲の発露が見られる。 ・キャラクター どのキャラクターも魅力的ではあるが一部どうしても鼻に付くキャラクターがいる。 筆頭は坂本竜司。注意されても大声を止めないし、主人公の諌めるような選択肢を選んでも「やせ我慢してもかっこよくねーし」など接していると苛々する場面が多い。逆にコープでの話ではそれなりに好青年だったりして制作側はこの人物をどういうキャラにしたいのか分からなくなってくる。 次点で新島真。途中参加でありながらいきなり仕切りだしたり、怪盗団に入った目的が怪盗団の理念からズレていたり等、最初の登場が登場だけに首を傾げる場面が多い。 後は月のコープ。これに関しては個人的に生理的に辛い。反応が良い選択肢を選ぶのが苦痛ですらあった。語ることも無い。 怪盗団に関して言えばもう一つ、最終的に優秀な人物が一人二人で怪盗団の作戦を決める等、他のメンバーの影が薄れていくのは残念。 ・ボイス ここぞという場面でボイスが収録されていなかったりする。特に終盤での仲間との会話や最終場面での選択肢、その決め台詞にボイスが付いてなかったのは、物足りなさを感じた。 ・日常 出来ることが思いの外少ない事。一周目こそ人間パラメータを高めたりコープを出来る限り勧めたり等、日数の少なさに四苦八苦するのだが、一転2周目プレイとなった時にはやることがなくなり寝て過ごす事もあった。 P4でのクエストに当たるミッションは数も少なく、基本的に「ダンジョンでこのシャドウを倒しましょう」なので単調。 釣りもバッティングセンターも2、3回もやればヌシ釣りもホームランも達成できるので、やり甲斐というものは薄い。 ・ペルソナ ヨシツネの一強。作ってしまえばこれ一つで大抵済むというのはゲームバランスとしてどうなのか。使わなければいいと言えばそれまでなのだけど。 仲間のペルソナ覚醒に関しても、なんというか覚醒して得られるものが得意属性の無効化と弱点属性の極・見切りというスキルのみというのははっきり言ってショボイ。見切りスキルは言うほど効果を発揮しないし、それならいっそ固有の技でも覚えてくれれば嬉しかったのだけど。 ・戦闘 まず一つ言いたいのが、総攻撃時のカットイン。総攻撃に入ったキャラそれぞれにカットインが入るのは格好いいのだけど、何故ポジションハック、つまり双葉から入った総攻撃には双葉のカットインが実装されていないのか非常に残念でならない。 各ボス戦での弱点の有無、及びクリティカル無効。こういうのは正直弱点を探り、その弱点に合わせたペルソナで攻める、というのが一つの肝だと思うのだけど、それが無い。基本的にどのボスも等倍でダメージが通るのでゴリ押しが有効になってしまう。主人公のペルソナ付け替えがあまり有効ではないというのはどうか。
ペルソナ歴は女神異聞録ペルソナ、ペルソナ3及びFes、ペルソナ4及びゴールデンをプレイ済み。 今作ペルソナ5は2周クリアで182時間。 全体的に見て個人的には満足しています。どうしても一部分が受け入れきれないなというのは置いておいて。 あの人物に関して言えばP4足立のように小悪党を貫いてくれれば個人的にはある意味好感がありましたが、「過去に色々ありました、だからこうなったんです」でお涙頂戴の末、お前だけはそいつを認めちゃいけないだろうってキャラがあの人物に同情してしまう場面はどうしても理解が及ばない所がありました。とんでもない置き土産してくれたものです。 怪盗団に関しても、見ていてそれは違うって思っても止められない歯がゆさ、歪んだまま動き続ける歯車を見てるような心境は複雑だったけど、とても面白かった。買ってよかったやってよかったと素直に思えます。 まぁ、ちょっと色々言ったけど、是非プレイしてみて欲しい作品です。後悔はしないはず。
GOOD!
・シナリオ
卑劣で下劣な歪んだ大人をその欲望を盗んで改心させる、というシナリオは斬新で面白かった。特に最初の標的は主人公たちが当事者という事で感情移入出来て攻略にも力が入ったし、以後のどの敵キャラもそれぞれが一等の悪党ぶりが出てて良かった。
そして序盤に違和感を感じていた部分が終盤でまさかの展開を繰り広げ明かされるのは心躍る楽しさがある。
総評として個人的には一部分を覗いてシナリオには満足している。
・キャラクター
主人公や今作のマスコット位置であるモルガナなど他多数の人物はそれぞれが魅力的。一人一人が深い問題を抱えていてそれを主人公との関わりによって解消されていく様は一種痛快である。
・システム
戦闘面……ダイレクトコマンドは従来のコマンド選択と比べて爽快感があって良い。魔法も新しい属性が増えたり、前作までの光闇属性に当たる祝福・呪怨属性に追加された純粋な攻撃魔法コウハ、エイハ等新鮮さがある。
シャドウとの会話交渉とか昔のペルソナを少し思い出して良かった。ただ弱点属性の無い敵はどうしてもクリティカルでも出さなければ交渉に入れなかったりなど面倒くさい部分がある。
コープ関連……前作までで言うところのコミュニティ。関係を深める事で得られるコープアビリティは便利で良かった。ただ他の人が言ってる通り「瞬殺」とかONOFF出来てれば文句無し。
コープそれぞれのストーリーも面白いし恋愛面でも今回は大人が何人か含まれてるのもあって幅広い。
ペルソナ3、4もやってきて基本的にアルカナの意味とか考えたりはしなかったけど、今回のコープキャラはアルカナの印象に合致しないの多いなと思ってたら一部除いて基本的にアルカナの逆位置から始まって最後に正位置に変わるんだなって認識した時スッキリできたのが特に印象深い。
音楽……今回もペルソナシリーズの一つの醍醐味と言って良い音楽の格好良さは期待を裏切らない出来。音楽のおかげでダンジョン攻略にも飽きが来ず続けられた部分もあったし、立ち止まって聞き入った所もある。各覚醒シーンで流れた曲も毎度痺れるし、最終戦最後の大詰めでの曲も好き。
ただ、前作P4の曲が良すぎたというのがあり最高点はちょっと出せない。
・ダンジョン
各パレス特有のギミックはどれも解いていて面白い。軽いパズル感覚で解くためのヒントも全て示されているので難易度もそれほど高くはないはず。
BAD/REQUEST
・前述したシナリオ評価「一部分を除いて」の一部分。
発言があからさま過ぎて驚愕も何もないあの人物。最初から何かしでかすな、というのが透けて見える程というのは大問題。
終盤で明かされる驚きの展開!というのを書きたかったのか知らないが、何も隠れてない。
最後の最後にお涙頂戴誘ってくるのも気に食わない。
怪盗団仲間の怪盗行為への認識。改心という物を正義と疑わないその心理をまず理解できない。最初の時の廃人になってしまう危険性を考慮した葛藤から、「もうやるしかない」「後が無い」という逼迫した状況で下した決断がその後の怪盗行為に何も生きてない。
自分たちは正義だ、という根拠のない自信を掲げて名を挙げる事に固執しだした所が心底納得いかなかった。
特に顕著なキャラが一人。目立ちたいモテたい、正体をバラして人気者になりたい等目に余る自己顕示欲の発露が見られる。
・キャラクター
どのキャラクターも魅力的ではあるが一部どうしても鼻に付くキャラクターがいる。
筆頭は坂本竜司。注意されても大声を止めないし、主人公の諌めるような選択肢を選んでも「やせ我慢してもかっこよくねーし」など接していると苛々する場面が多い。逆にコープでの話ではそれなりに好青年だったりして制作側はこの人物をどういうキャラにしたいのか分からなくなってくる。
次点で新島真。途中参加でありながらいきなり仕切りだしたり、怪盗団に入った目的が怪盗団の理念からズレていたり等、最初の登場が登場だけに首を傾げる場面が多い。
後は月のコープ。これに関しては個人的に生理的に辛い。反応が良い選択肢を選ぶのが苦痛ですらあった。語ることも無い。
怪盗団に関して言えばもう一つ、最終的に優秀な人物が一人二人で怪盗団の作戦を決める等、他のメンバーの影が薄れていくのは残念。
・ボイス
ここぞという場面でボイスが収録されていなかったりする。特に終盤での仲間との会話や最終場面での選択肢、その決め台詞にボイスが付いてなかったのは、物足りなさを感じた。
・日常
出来ることが思いの外少ない事。一周目こそ人間パラメータを高めたりコープを出来る限り勧めたり等、日数の少なさに四苦八苦するのだが、一転2周目プレイとなった時にはやることがなくなり寝て過ごす事もあった。
P4でのクエストに当たるミッションは数も少なく、基本的に「ダンジョンでこのシャドウを倒しましょう」なので単調。
釣りもバッティングセンターも2、3回もやればヌシ釣りもホームランも達成できるので、やり甲斐というものは薄い。
・ペルソナ
ヨシツネの一強。作ってしまえばこれ一つで大抵済むというのはゲームバランスとしてどうなのか。使わなければいいと言えばそれまでなのだけど。
仲間のペルソナ覚醒に関しても、なんというか覚醒して得られるものが得意属性の無効化と弱点属性の極・見切りというスキルのみというのははっきり言ってショボイ。見切りスキルは言うほど効果を発揮しないし、それならいっそ固有の技でも覚えてくれれば嬉しかったのだけど。
・戦闘
まず一つ言いたいのが、総攻撃時のカットイン。総攻撃に入ったキャラそれぞれにカットインが入るのは格好いいのだけど、何故ポジションハック、つまり双葉から入った総攻撃には双葉のカットインが実装されていないのか非常に残念でならない。
各ボス戦での弱点の有無、及びクリティカル無効。こういうのは正直弱点を探り、その弱点に合わせたペルソナで攻める、というのが一つの肝だと思うのだけど、それが無い。基本的にどのボスも等倍でダメージが通るのでゴリ押しが有効になってしまう。主人公のペルソナ付け替えがあまり有効ではないというのはどうか。
COMMENT
ペルソナ歴は女神異聞録ペルソナ、ペルソナ3及びFes、ペルソナ4及びゴールデンをプレイ済み。
今作ペルソナ5は2周クリアで182時間。
全体的に見て個人的には満足しています。どうしても一部分が受け入れきれないなというのは置いておいて。
あの人物に関して言えばP4足立のように小悪党を貫いてくれれば個人的にはある意味好感がありましたが、「過去に色々ありました、だからこうなったんです」でお涙頂戴の末、お前だけはそいつを認めちゃいけないだろうってキャラがあの人物に同情してしまう場面はどうしても理解が及ばない所がありました。とんでもない置き土産してくれたものです。
怪盗団に関しても、見ていてそれは違うって思っても止められない歯がゆさ、歪んだまま動き続ける歯車を見てるような心境は複雑だったけど、とても面白かった。買ってよかったやってよかったと素直に思えます。
まぁ、ちょっと色々言ったけど、是非プレイしてみて欲しい作品です。後悔はしないはず。