【音楽】 初代から音楽面での顔になっているSUARAさんの主題歌・挿入歌は秀逸。盛り上がる場面で使用されるので印象に残る(ちょっと回数多め)。 BGMも場面や世界観に合っていると思う。 音つながりでは、声優の熱演も高評価ポイント。特に、ハク役の藤原啓治さんは、1作目の主人公ハクオロの存在感に対抗できる存在感をハクに与えている。主要メンバーも若手から中堅まで素晴らしい貢献をしていると思う。 【オリジナリティ】 ADV+SLGはありきたりだが、SLGパートでの一工夫は高評価で4以上は付けたいところだけど、後述のBAD要素があるので3点。 【シナリオ】 良い意味で、意表を突いてやろうというような変なこだわりがなく、展開も演出も王道で期待通りの満足感あり。日常コメディパートからシリアスシーンへの移行が急に感じることもあるが、過去作をプレイしたユーザーにとってはそれも「うたわれるもの」のカラーと思えてくる。
【ADVパートとSLGパートの矛盾】 ADVパートでは、仲間たちは一般兵からみると化物的な身体能力・戦闘能力を有するように描かれているが、SLGパートではその一般兵たちに苦戦させられる。弓矢でチクチク刺されたり、近接戦闘でも連続攻撃を食らえば簡単に倒れる。 ゲームバランスとしてはそれが正しいのだろうが、「さっきADVパートで一般人には見えない動きしたり、矢を簡単に打ち払うシーンあったやんけ!」と興ざめしてしまう。 この手の「少数精鋭だが一騎当千の力で逆転する」シナリオなら、無双系のアクションが合っているのでは。……と、それが「うたわれるもの斬」になるのか? 【キャラの「信念」】 ライコウ(前半部分のボス)の目的・信念はなかなかに面白いと感じたが、最後の最後でその信念を捨てるかのような行動に疑問を感じた。 後半部分の中ボスも、改心したような描写の直後に何故か闇落ち。裏設定や隠された理由があるのかもしれないが、本編をプレイし目にしたテキスト情報だけ見た者からすると、どちらも唐突な印象がぬぐえない。 【キャラクターの過剰な記号性】 特徴的なキャラクターを作るため、語尾や変なクセを付与するのはありふれた手法だが、一部キャラはそれが行き過ぎて、寧ろウザく感じる。許容範囲は人それぞれだが、自分には過剰と感じた。そんな「わかり易さ」がなくとも十分個性的なキャラばかりだと思うが……。 【ゲームとしての快適性】 演出優先やシステム練り込みの甘さで、以下のようなプレイアビリティの低さが気になった。 ①会心システム(タイミングよくボタンを押す)は、SLGにアクション的な緊張感をもたらしている点を評価しているが、エフェクトが重なりボタンを押す(離す)タイミングがわかり辛いことが結構ある。 ②中ボスが喋るシーンでは、ボイスにエフェクトがかかって聞き取りにくく、表示されるテキストはゲーム内の古代文字なので、何を話しているのかさっぱりわからなかった。 ③SLGのバランスに余程自信があるのか、難易度「易しい」が無い。「SLGパートはさらっと流して、シナリオに没頭したい」というユーザーのため、ボタン連打でもクリアできるような難易度もあった方がいい。実際、SLGパートはよく作り込まれていると思うが、「SLGも楽しんでほしい」というのは作り手の願望であって、それを全員に強要すべきでない。逆に、SLGパートで嫌気してクリアを断念するユーザーが出るのはもったいない。 ④SLGパートの回想はあるが、もらえる経験値は非常に少なく入手できるアイテムもごく一部なので、やりこみプレイするには周回プレイが前提となるが、ADVパートを丸々スキップする機能がなく、メッセージスキップ機能しかないため、スキップボタン押しっぱなしでもバカにならない無駄な時間がかかる。
1作目はPS2版をクリア済、「偽りの仮面」は未プレイでアニメ視聴のみ。 価格に見合うだけの満足感はあり、特にシナリオ、演出(音楽含む)の水準は高いと思う。 しかし、物語、それも一つのシリーズのしめくくりとして期待していたところが大きく、それだけに不満点が気になってしまった。 コメント量としては不満点の方が多くなってしまったが、「うたわれるもの」の完結作として、一つのゲームとして、総合的には十分良作といえる内容であると思う。
GOOD!
【音楽】
初代から音楽面での顔になっているSUARAさんの主題歌・挿入歌は秀逸。盛り上がる場面で使用されるので印象に残る(ちょっと回数多め)。
BGMも場面や世界観に合っていると思う。
音つながりでは、声優の熱演も高評価ポイント。特に、ハク役の藤原啓治さんは、1作目の主人公ハクオロの存在感に対抗できる存在感をハクに与えている。主要メンバーも若手から中堅まで素晴らしい貢献をしていると思う。
【オリジナリティ】
ADV+SLGはありきたりだが、SLGパートでの一工夫は高評価で4以上は付けたいところだけど、後述のBAD要素があるので3点。
【シナリオ】
良い意味で、意表を突いてやろうというような変なこだわりがなく、展開も演出も王道で期待通りの満足感あり。日常コメディパートからシリアスシーンへの移行が急に感じることもあるが、過去作をプレイしたユーザーにとってはそれも「うたわれるもの」のカラーと思えてくる。
BAD/REQUEST
【ADVパートとSLGパートの矛盾】
ADVパートでは、仲間たちは一般兵からみると化物的な身体能力・戦闘能力を有するように描かれているが、SLGパートではその一般兵たちに苦戦させられる。弓矢でチクチク刺されたり、近接戦闘でも連続攻撃を食らえば簡単に倒れる。
ゲームバランスとしてはそれが正しいのだろうが、「さっきADVパートで一般人には見えない動きしたり、矢を簡単に打ち払うシーンあったやんけ!」と興ざめしてしまう。
この手の「少数精鋭だが一騎当千の力で逆転する」シナリオなら、無双系のアクションが合っているのでは。……と、それが「うたわれるもの斬」になるのか?
【キャラの「信念」】
ライコウ(前半部分のボス)の目的・信念はなかなかに面白いと感じたが、最後の最後でその信念を捨てるかのような行動に疑問を感じた。
後半部分の中ボスも、改心したような描写の直後に何故か闇落ち。裏設定や隠された理由があるのかもしれないが、本編をプレイし目にしたテキスト情報だけ見た者からすると、どちらも唐突な印象がぬぐえない。
【キャラクターの過剰な記号性】
特徴的なキャラクターを作るため、語尾や変なクセを付与するのはありふれた手法だが、一部キャラはそれが行き過ぎて、寧ろウザく感じる。許容範囲は人それぞれだが、自分には過剰と感じた。そんな「わかり易さ」がなくとも十分個性的なキャラばかりだと思うが……。
【ゲームとしての快適性】
演出優先やシステム練り込みの甘さで、以下のようなプレイアビリティの低さが気になった。
①会心システム(タイミングよくボタンを押す)は、SLGにアクション的な緊張感をもたらしている点を評価しているが、エフェクトが重なりボタンを押す(離す)タイミングがわかり辛いことが結構ある。
②中ボスが喋るシーンでは、ボイスにエフェクトがかかって聞き取りにくく、表示されるテキストはゲーム内の古代文字なので、何を話しているのかさっぱりわからなかった。
③SLGのバランスに余程自信があるのか、難易度「易しい」が無い。「SLGパートはさらっと流して、シナリオに没頭したい」というユーザーのため、ボタン連打でもクリアできるような難易度もあった方がいい。実際、SLGパートはよく作り込まれていると思うが、「SLGも楽しんでほしい」というのは作り手の願望であって、それを全員に強要すべきでない。逆に、SLGパートで嫌気してクリアを断念するユーザーが出るのはもったいない。
④SLGパートの回想はあるが、もらえる経験値は非常に少なく入手できるアイテムもごく一部なので、やりこみプレイするには周回プレイが前提となるが、ADVパートを丸々スキップする機能がなく、メッセージスキップ機能しかないため、スキップボタン押しっぱなしでもバカにならない無駄な時間がかかる。
COMMENT
1作目はPS2版をクリア済、「偽りの仮面」は未プレイでアニメ視聴のみ。
価格に見合うだけの満足感はあり、特にシナリオ、演出(音楽含む)の水準は高いと思う。
しかし、物語、それも一つのシリーズのしめくくりとして期待していたところが大きく、それだけに不満点が気になってしまった。
コメント量としては不満点の方が多くなってしまったが、「うたわれるもの」の完結作として、一つのゲームとして、総合的には十分良作といえる内容であると思う。