【PS4】METAL GEAR SOLID V: GROUND ZEROES
発売元 | コナミデジタルエンタテインメント (オフィシャルサイト) |
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発売日 | 2014-03-20 |
価格 | 2980円(税込) |
レーティング | 【D】17才以上対象 暴力 犯罪 (CERO について) |
ショップ/リンク | Amazon |
タギングトップ3 | |
タイトル概要 | ■ ジャンル:タクティカル エスピオナージ オペレーション |
- 総合ポイント
- 78
- (難易度)
- 2.64
- レビュー数
- 14
スコアチャート
GOOD!
【オリジナリティー】
オープンワールド(と呼ぶには限定的なマップではあるが)化とゲームデザインをほぼ排除することにより、新たな段階のMGSとなっている。かといってMGSらしさを損なうことのない絶妙なバランス。
カットシーンもワンカメラに拘ることによって、場の存在感が増すと共に過去作や他の作品とは異なる、独自の印象を与えるようになっている。
【グラフィックス】
細かい部分まで作り込まれたフォトリアルなグラフィックスは素晴らしい。
安価なのでPS3版も購入して比較したが、PS4版での1080pの解像度、60FPSの滑らかさは没入感をさらに高めることに寄与している。但しPS3版も解像度不足については、上手くごまかしができていてPS4版とはまた違った味わいのあるグラフィックスとなっている。
【サウンド】
リアリティのある環境音、邪魔をせずに控え目ながら必要な箇所で緊張感を高めたり盛り上げるBGMは相変わらず素晴らしい。カットシーンでのサウンドを使った演出もよい。
【熱中度】
遠方から双眼鏡を利用したり、肩越し視点で索敵する。その情報が手元のタブレットのマップに表示されるのでそれを元に経路や攻略方法を考え、潜入を開始する。
十分に索敵していても、遠方からライトで照らされたり、思いがけない場所に移動している敵にみつかるのではないかという緊張感はかなりのもの。時間を忘れてプレイしてしまう。
【満足感】
当然フルプライスの作品と比べればボリュームは少ないが、価格と本編を待たずに今時点で遊べることを考えれば非常に満足感はある。
メインミッションは短いが、自由度が高いため飽きずに何度も様々な遊び方ができる。サブミッションもそれぞれ毛色の違うものが複数あり楽しめる。それぞれ各難易度でノーキル・ノーアラートを狙ったり、最短クリア時間を狙ったりはもちろん、単純に自分の取った行動に対する反応を楽しむだけでも面白い。
プレイの度に新発見や別な反応があり、リニアな作りだった前作までを野球ゲームだとすると、本作はサッカーゲームのような自由度がある。
野球は静と動がはっきりしたスポーツであり、守備ポジションはほぼ決まっているし、ここにボールが来たら打って、打ち方はいろいろあっても打ったら必ず1累に向かうことになる。サッカーの場合はゴールは決まっていても、そこに至るまでの方法や経路は千差万別、試合中の動きは敵味方双方流動的になる。
もちろん、野球もサッカーもどちらも素晴らしいスポーツであり、甲乙つけられるものではない。物語を語る上では野球的なほうが相性が良いのかもしれない。現に野球を題材とした漫画作品などの数はサッカーのそれを上回る。が、MGSの特にプレイ部分にとっては今回のこのサッカー的な自由度は相性が良いと思える。
こうしたサッカー的、スポーツ的な要素が強いため、非常にリプレイ性が高い。クリアするだけで止めてしまうのはサッカーゲームを数試合だけで止めてしまうようなものかもしれない。
【快適さ】
プレイ中は待たされるロード時間は皆無。操作方法も非常に良く練り込まれており快適。スマホやタブレットで利用できるiDroidも、いちいちゲーム内でマップを呼び出す必要がなく便利。1点だけ、特定の状況下での尋問の操作性に難がある。
BAD/REQUEST
本編がより待ち遠しくなってしまう。
ホールドアップ後の尋問などに用いるボタンと無線ボタンが同じため、ちょっとした敵との位置関係の違いで訊問したいのに無線になってしまう場合がある。
マニュアルがWEBになっていて少し醜い。PS3版のほうがよい。
COMMENT
長期化する開発工程対策、年度末で売上が必要、PS4の発売直後に合わせるため、などの理由で分割して販売したという側面も当然あると思うが、シリーズ好きにはプロローグ部分だけであっても、単純に早くプレイできることは喜ばしいことに思う。
PVか何かでリアル潜入シミュレーターというコピーがあったが、正に本編はその通りのものとなるであろう手応えを感じた。リアルと言ってももちろん、ただ現実に則しているというわけではなく、ゲーム的な都合と上手くバランスが取れたものとなっている。
MGS4は主な舞台が戦場ということや物語上、戦う場面が多くあり、潜入している感が希薄だった。今後こういう方向性に行ってしまうのか、ステルスゲームでなくなってしまうのかと残念だったが、PWである程度ステルスゲームらしさを取り戻し、本作はステルスゲームを再定義する程に潜入することをメインに据えているように感じた。
スプリンターセルシリーズを始め、素晴らしいステルスゲームはいくつか生まれているが、それらとはまた別な方向性となっており、本編が非常に楽しみである。