【PS4】マフィア III
発売元 | テイクツー・インタラクティブ・ジャパン (オフィシャルサイト) |
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発売日 | 2016-10-27 |
価格 | 8532円(税込) |
レーティング | 【Z】18才以上のみ対象 暴力 犯罪 (CERO について) |
ショップ/リンク | Amazon |
タギングトップ3 | |
タイトル概要 |
■ ジャンル:オープンワールド・アクションアドベンチャー ■ プレイ人数:1人 |
- 総合ポイント
- 59
- (難易度)
- 1.83
- レビュー数
- 6
スコアチャート
GOOD!
前作の2をプレイ済みです。
・演出
本作はマフィアのボスに家族を皆殺しにされた主人公の復讐の物語です。いきなり本命を殺して終わり、ではなく仲間から先に皆殺しにして徐々に追い詰めて全てを奪われる苦しみを味わわせてからトドメさしてやる!ということでマフィアの幹部から狙っていくことになるわけですが、そうして幹部連中を、また最終的にボスを殺して復讐を完遂しても「やったー、カタキ討ったぜ!」という気持ちにはなりません。それはひとえに演出のなせる業かなと。殺害の描写が妙に生々しいのと、敵連中の表情やセリフから漂う人間臭さに、ゲームの中でとはいえ人を殺してしまった……という苦々しさがプレイヤーの胸中に残ります。
ただ、ストーリーがいい!というわけではありません。ここ重要です。
・ショットガンが強い
近距離での破壊力は大きいが距離が開くと威力が激減……というゲームは多いと思いますが、本作ではある程度距離があっても大きなダメージを与えられます。その分、敵が使用してきたときも恐ろしい武器となるわけですが、シャッガン好きにこの仕様は嬉しいです。
・主人公の強さの説得力
主人公は身長2メートル近くある筋肉ムッキムキの巨漢、しかもベトナム戦争で勲章ももらった元軍人です。こんなのが銃を持って襲い掛かってきたらそりゃもうどうしようもない。マフィア相手に一人で無双できるわけです。
・1968年の雰囲気
音楽にしろ、頻発する差別用語にしろ、世界観にしろ、この時代の空気は良く描けていると思います(当時を直接知っているわけではありませんが)。車のデザインもシックな感じで良いと思います。
BAD/REQUEST
・挙動
本作にジャンプボタンはありません。段差の前で△ボタンを押すと上ってくれますが、この判定がおかしく、自分の身長以上のところにしがみついてよじ登ってくれることもあれば、膝下以下の段差を乗り越えられないときもあります。素直にジャンプでよかったのに。また木の茂みなども通り抜けられないので、うっかり変なところに入ってしまい脱出できなくなってしまって焦ることもありました。
・日本語訳
本作は日本語ボイスはなく英語ボイスで字幕のみです。この字幕の文字が読みづらい。セリフの字幕などはまだしも、メモなどの翻訳は字が小さすぎて拡大鏡でも持ってこないと読めないレベルです。40インチ以下のテレビの人は判読を諦めましょう。字幕のセリフを切る場所も中途半端で読みづらかったり、イベント中に字幕が表示されない場面もありました(英語ボイスなのでなんとなく理解はできますが)。
また最初だけなのでそこを乗り切れば後は登場しませんが、チュートリアル中に「この動作をするにはこのボタン」という説明が出る際、「△ボタン」「□ボタン」等ではなく「さんかくボタン」「しかくボタン」と表示されます。そこはもうちょっとさ、頑張ろうよ……。
・オープンワールドの意味がない
本作はニューボルドーという街一つ丸ごとを舞台としていますが、オープンワールドゲーにつきもののファストトラベルがありません。めちゃくちゃ広いというわけでもないので別にいいんですけど、サイドミッションなどはマップの隅の方に配置されており、しかも行って奪ってから更に目的地まで戻ってこなければならないという意地の悪さを感じさせる仕様になっています。車も、舞台である1968年に合わせたのか、決して性能が高くはないので余計にストレスが溜まります。
前作では冷蔵庫からサンドイッチを取り出して食べたりできましたが、本作に食事の要素はありません。コスチュームチェンジもできません。敵の拠点を奪って味方の拠点にすることはできますが、例えばそこで寝て時間を経過させたりすることもできません。街中にはレストランや酒場などたくさんあり、またイベント中にやたらウイスキーやらバーボンやら飲みまくるくせに、どうしてプレイヤーにはさせてくれないのか……。
もういっそオープンワールドじゃなくてステージクリア型のTPSで良かったんじゃないですか?
・超ワンパターン
まずは幹部から血祭りだ、ということで敵マフィアのシマを切り取っていくわけですが、やることは目的地まで行って誰か殺す、目的地まで行って何か奪う、目的地まで行って壊す、の3パターンだけ。その合間にできることと言ったらコレクションアイテム的なものを拾うか、盗聴器をセット(マップにコレクションアイテムが表示されるようになる)することくらい。単調すぎてすぐに飽きます。エンディングは分岐ありですが、二周目をやろうとか、とてもじゃないですが思えません。
・敵がバカすぎる
銃を片手に突入してランボープレイもできますが、そこは多勢に無勢、一発食らうとダメージもでかいため、ステルスで一人一人片付けていくというのも重要になります。というわけで、こっそり物陰に隠れながら口笛を吹くと、それを聞きつけた敵がなぜか一人でホイホイやってきてくれるのでナイフでステルスキル。一人片付けたらまた口笛吹いてステルスキル……。なんとこんな単純なテクニックが最後まで通用しちゃいます。敵に見つかっても一旦逃げればそのうち警戒も解除されますのでまた同じ手が使えます。ゲノム兵ですか?
ストーリー上も、シマをどんどん奪われていっているのにもかかわらず何も対策をしない(せいぜい襲撃部隊がたまーに襲ってくるくらい)で一方的にやられていくマフィアたちに萎えまくりです。2とかだともっと恐ろしい存在として描かれていたと思うんですけどねえ……。
・仲間(?)
三人の腹心(うち一人は前作主人公)が登場しますが、どいつもこいつも最後までいつ裏切ってもおかしくないような連中ばかりで和ゲーでいう「仲間」のような和気藹々さは微塵もありません。それは別にどうでもいいんですが(むしろGOOD)、腹心にできることはシマやシノギを割り振ると能力ボーナスが得られる、それだけです。名前付きのモブと大して変わりません。腹心を呼び出して一緒に敵拠点に突入して戦ったりとか、せめてシマをどんな風に切り盛りしてるとか見られればまた印象も違ったんでしょうけど。
・説明不足
これはもう洋ゲーの宿命ですかね……。キャラクターについても操作方法についても。
COMMENT
GOODでもBADでもない点はこちらに。
・小さいバグが多い
幸いプレイに支障をきたすほどのものには遭遇しませんでしたが、決して褒められたものではないです。
・スタッフロール
エンディングに到達するとスタッフロールが流れますが、なぜかその最中ずっと画面右上に「オートセーブ中だから電源切るなよ」のマークが表示され続けます(本当にセーブしているのかどうかはわかりませんが)。スキップもできないので見続けることしかできないわけですが、なんでしょうこれ、スタッフからの「電源を切ることもできずに俺らの名前をじっくり見ろ」というアピールでしょうか? もしかしたらこれもバグだったのかもしれませんが。
総評としては、とにかく単調、同じことの繰り返し、やれることが少ない、すぐ飽きる、です。戦闘自体はそこそこ楽しめる部分もありますが……。とりあえずオープンワールドにしとけ、みたいな風潮はやめてほしいです。いくら広かろうが、建物の内部まで作り込まれていようが、できることが少ないならそんな街は単なる背景でしかありません。
PVを見た段階では期待していたんですけど……。新品で買うのはオススメしません。