【PS4】Dishonored 2
発売元 | ベセスダ・ソフトワークス (オフィシャルサイト) |
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発売日 | 2016-12-08 |
価格 | 8618円(税込) |
レーティング | 【Z】18才以上のみ対象 暴力 (CERO について) |
ショップ/リンク | Amazon |
タギングトップ3 | |
タイトル概要 |
■ ジャンル:ステルスアクション ■ プレイ人数:1人 |
- 総合ポイント
- 73
- (難易度)
- 2.75
- レビュー数
- 4
スコアチャート
GOOD!
■進化した暗殺システム&多彩な攻略
本作はステルスアクションゲームですが、物音を立てずに忍び寄って殺すだけではありません。
例えば、本来はプレイヤーの侵入を阻むためのトラップを逆手にとったり、罠を仕掛けたところに音を立てて引き寄せたり、高所から飛び込んで強襲したりと、数え切れないほどの暗殺手段が用意されています。
警備が厳重で、とても背後を取れそうにない状況。それならどうしようか……と周囲をよく観察すると、実に様々な解決方法が用意されており、単にアクションとしての面白さだけでなく、「どうやって突破するか?」というパズルのような楽しさがあり、飽きません。特に、屋根の上などの高所に陣取り、狙撃してから急降下してもう一人暗殺するといったスピード感のある、攻撃的なステルスとでも言うような攻略はディスオナードならではの楽しさです。
また、暗殺をウリにしたゲームではありますが、誰一人として殺すことなくクリアすることもできる攻略の自由度も、大きな魅力だと思います。憎い相手ですが、殺害ではなく別の方法で決着をつけることもできる。どうするかはプレイヤーに委ねられ、その結果は後のストーリーにも影響を及ぼします。基本的なストーリーは決まっているのですが、プレイヤーの意思が介入できる余地があり、一本道という感じはありませんでした。
■魅力的なマップ
本作の最大の魅力だと思います。
どのマップも、隅々まで探索しようとすると何時間もかかります。それでいて、目的までの最短距離を目指すと実は数分で辿りつける。探索しなければならないのではなく、楽しいから、気がついたら探索しているのです。ボリュームと快適さを両立させた、素晴らしい出来だと思います。
また、それぞれのマップが実に個性的で、例をあげると、宝石とまで称される海岸の街、迷宮のような機械仕掛けのマンション、ならず者と兵隊の争う砂塵地帯など。これらのマップの個性は攻略にも反映されていて、湾岸の街では民間人に聞き込みをすると有益な情報が聞けたり、砂塵地帯ではどちらかの勢力に加担することで有利に進めることができたり(もちろん、両陣営と敵対する自由もあります)という具合で、まったく飽きません。
■キャラクターの強化が楽しい
超常能力の獲得はスキルツリー制で、好みに合わせてキャラクターをカスタマイズすることができます。強化に必要なルーンの入手量は限られており、どうあっても完璧なキャラクターにはできません。(後日、強化を引き継いでニューゲームも可能にするそうです)
そのため、どの能力を育てるか悩ませてくれるのですが……これが本当に、実に悩ましい。ルーンの入手量が絶妙なうえに、どの能力も魅力的ですから、一体どうすればいいんだと良い意味で困ります。
また、ボーンチャームクラフトという能力があり、これを利用すると様々なユニークなステータス上昇ができます。例えば、「水を飲んだらライフが回復する」「ステルス状態の移動速度が上がる」「爆発物の範囲が広がる」「首を絞める(気絶させる)速度が上昇する」などなど。こちらも面白く、かつ有益なものが揃っているので、かなり自由なカスタマイズができます。
どういう風に強化していくか考える、RPGのような楽しみがあり、周回プレイにも適しています。
■独特な世界観と雰囲気
スチームパンクと超常能力(魔法のようなもの)が融合した、独特な世界設定です。
突拍子もないように思えますが、鯨油を資源として活用している設定や、作中で至るところに見られるオーディオグラフや鯨の骨、公害に苦しむ民間人の描写などがリアリティを醸し出しています。
ディスオナードの世界、としか言いようがないほど造り込まれた世界はとても魅力的で(住みたくはありませんが)、これだけを目的として購入したとしても後悔はしないのではないでしょうか。
■絵画のようなグラフィック
本作よりもリアルで繊細なグラフィックの作品は、探せばいくらでも見つけることができます。しかし、本作よりも魅力的なグラフィックの作品は、そうそう見つかるものではありません。
本作は独特の油絵風のグラフィックをしています。これが、上述の独特な世界観と非常にマッチしており、ディスオナード独自の世界を感じさせてくれます。どこの場面を切り取っても一枚の絵画のような、というと言いすぎかもしれませんが、オリジナリティ溢れる素晴らしい完成度。
BAD/REQUEST
■ロード時間が長め
地味ながら、本作で一番の残念な点です。
マップを移動した際に10から20秒ほどのロードが入るのですが、こちらは気になる人は少し気にするかも、という程度です。マップ移動はそこまで頻繁にするものではありませんし。
どこが問題かというと、メニューを開いた際にいきなり動作が重くなり、少し間をおいてからようやくメニュー画面が開かれるというレスポンスの悪さです。クイックセーブ&ロード機能があるのですが、メニューを開いてからボタン長押しで使用するため、都合5秒ほどかかります。そこから更にセーブもしくはロードの読み込みが発生するため、更に数秒……と、頻繁に行う動作でこれはちょっと長い。
パッチなどで改善してくれるといいのですが、現在(2016/12/16)はそのような具合なので、これは明確にBADなところです。
■ストーリーによるミッションへの影響が少ない
前作では、殺害数によってストーリーが分岐するほか、殺害しすぎるとネズミによる公害が増加してミッションの難易度が変化したり、ラストミッションで特に大きな変化が見られました。
今作でも、殺害数によって一部キャラクターのセリフやイベントに変化があるのですが、ミッション内での変化はあまり感じられません。もう少し、プレイヤーの選択による変化をわかりやすい形で見せてほしかったと思います。
■序盤の難易度が高すぎる
全体を通して高難易度なゲームではありますが、序盤が特に厳しい。
特に一番最初のミッションでは、超常能力が扱えず、武器も少なく、それでいてストーリー展開上、敵兵はがっつり配置されています。最後までプレイして、一番苦戦したのは圧倒的にこの一番最初のミッションでした。
終盤になるにつれ、強力な超常能力が使えるようになりますし、武器もどんどんアップグレードされていくため、縛りプレイでもなければストーリーが進むにつれて簡単になっていきます。それ自体は、成長を感じられるため一概に悪い要素ではないのですが、しかし初のミッションくらいは簡単にするか、もしくは短くしてほしかった。ここだけはディスオナードの大きな魅力である、豊富な暗殺手段を楽しめないマップですから。
ただ、ストーリーや雰囲気に魅力を感じるけどアクションゲームは苦手で……という方でも、難易度easyにすればゴリ押しすることはできるので大丈夫です。
COMMENT
前作及び、本作は二週クリア済み(エミリー編をハイカオスルート、コルヴォ編をノーキル&ノーアラート)です。
総評としては、前作の優れた部分を進化させつつボリュームアップに成功している傑作だと感じました。
アクションゲームとしてはもちろん、世界観やグラフィックに魅力を感じる方にも、自信をもってオススメできます。キャラクターはちょっと取っつきづらいというか、日本人受けしやすいデザインではないかもしれませんが、クリアする頃にはきっと愛着がわくと思います。
前作をプレイ済みの方だと、コルヴォが饒舌なことに違和感を覚えるかもしれません。しかし、前作とはちょっとイメージが異なりますが、本作のコルヴォも魅力的なキャラクターです。激情家で怒りを隠そうともしないエミリーと、家族や国の行く末を心配する落ち着いたコルヴォで、非常にいい対比だと思いました。
日本での知名度がちょっと低いゲームなのですが、素晴らしい作品なので、是非プレイしてみてください。