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【PS3】龍が如く 見参!

発売元 セガオフィシャルサイト
発売日 2008-03-06
価格 7980円(税込)
レーティング 【D】17才以上対象 (CERO について)
ショップ/リンク Amazon(廉価版)
タギングトップ3
タイトル概要 ■ ジャンル:アクションアドベンチャー

【廉価版】
■ 発売日:2008/12/11
└ 価格:2,940円
■ 発売日:2011/12/01
└ 価格:2,100円

宮本武蔵という名を捨て祇園の用心棒『桐生一馬之介』として生きる男と,周りの強靭な剣豪たちが、剣と共に感動と悲しみのドラマの中を走り続ける。本作に関わった加藤雅也・松方弘樹・ZEEBRA・ケツメイシなど一流人の豪華スタッフと、ハイクオリティなPS3で色鮮やかに再現された祇園の町並み、派手で爽快感溢れるバトルアクションは、他にない迫力で大活劇を存分にプレイできるだろう。もちろんシリーズの特徴である”ヒートアクション”も健在。またサブストーリーも100以上収録されている。(転用元:GDEXより)



オリジナリティー グラフィックス サウンド 熱中度 満足感 快適さ (難易度)
3pt 4pt 3pt 4pt 2pt 3pt 2pt
総合点
60pt

GOOD!

●やはり次世代機。グラフィックは文句無しに優秀である。更に斬撃のエフェクトが相手の身体に残る(すぐ消えるが・・)という演出も素晴らしく、加点の対象である。
●マップの作り込みや雰囲気も良い。特に祇園はよく作り込まれており、裏道や抜け道を探して把握すること自体にも楽しみがあった。また夜の祇園はさながら祭りや縁日のような様相を呈しており、にぎやかな表通りの喧騒が静かに響いてくる裏道での雰囲気は、どこか童心に帰る感覚があった。
●前作同様、データを引き継いでの再プレイも可能(これについては悪い所の項も参照)であり、ミニゲームや武器・アイテム収集要素も豊富。また、前作同様のフリーモードも搭載し、これを引き継いでのストーリープレイも可能。
とことんやり込むことも可能なら、ちょっと息抜き程度のプレイにも向いている。ユーザーのプレイスタイルを選ばない柔軟な作品に仕上がっている点も前作同様であり、熱中度として評価した。
●HDDインストールを採用したことでロード時間の問題も(ある程度)解消している。必要容量もそこまで膨大なものではないと感じた。尚、インストールにかかる時間は極めて長い(が、モノがモノだけに減点の対象とはしない)。
●戦闘面も及第点以上である。素手攻撃をやや劣化させたが、武器種類を豊富にすることで前作からの進化を感じさせた。戦闘中に使用武器の選択が可能になった点や技の習得方法に対するアイデアも高評価である。
更に主人公が「桐生一馬(之介)」であると同時に「宮本武蔵」でもあるだけに、戦闘前の盛り上がりに伴うアドレナリンの上昇は概ね好調であった。
●史実に対して、可能な限り忠実にシナリオを組もうと粘る姿勢と、あえて史実を無視した大胆なシナリオ組みの、その両方の姿勢を「試み」という一点でのみ評価する。「この物語は史実である」といった風に大言壮語を吐かず、あくまでフィクションに徹する姿勢は、昨今のストーリー重視の歴史ゲー(本作を歴ゲとするかはともかく・・)の風潮から見て、まぁ貴重ではある(そうですね。奥歯にモノ挟まってますね・・)。満足感に反映させたかったが、引き継ぎ内容に対する不満に押し殺される形となった。
●オープニングムービーもムービーと曲のシンクロ率が高く優秀である。飽きるまでになかなかの時間を要した。

◆特記事項
シリーズ初となる着替えが可能だが、一部マップに対応した強制的な着替えとなる為、加点の対象とはしなかった。

BAD/REQUEST

●・・例のケツメイシは叩かれる事を覚悟の上でのモノだったのだろうか。物語のクライマックスシーンに於けるケツメイシの楽曲は、それ一つによって全てが台無しになったと言って過言ではないだろう。申し訳無いが減点対象である(他の楽曲やOPムービーとの相殺となった)。
●ストーリーについても一点(他は感想で語る)。主人公が遥への思い入れを強くする過程が少々駆け足気味と感じた。この駆け足は、前作をプレイ済みのユーザーに対しては「遥」であるというだけで解決できる設定ともなりつつあるが、やはり一見ユーザーへの配慮を忘れてはならないだろう。
シリーズを通してのマンネリ化と併せ「オリジナリティー」から減点、戦闘システム(技の修得含む)と相殺する形を取らせて頂いた。
●相変わらず移動手段が整っていない。マップが広くなったにも関わらず手段はいつもの徒歩のみである。前作のタクシーに当たる手段として「駕籠」が用意されているものの、やはり配置場所には疑問が残り「かゆいところに手が届かない」といった印象であった。HDDインストールと相殺し、快適さも基準点とした。
●敵の守りが堅すぎるという意見を耳にするが、自分の場合は「固いだけ」という印象だった。ストーリー中の戦闘に於いては、上級以下なら背後を取ることも難しいものではなく、隠し最高難易度でも(武器にも寄るが)1対1で負けるということは、まず無い。加えて多くの戦闘が多対一、言わば数にモノを言わせた難易度である。減点とまでは行かないがもう少し工夫がほしいところであり、難易度も基準点とした。

◆特記事項
再プレイ時の引き継ぎ項目が「レベル」・「持ち物(貴重品を除く)」・「お金」に限定されており、技やストーリー進行に関係の無い貴重品(武器の開発書など)が引き継がれない点はフラグ管理の手抜きと見なし、大きく減点の対象となった。
これは良い所にも記載した通り相殺とはいかず、満足感に対して1点の減点とした。

COMMENT

先に総評を置くが、「良い所」・「悪い所」に記した通り今作はいろんな部分が相殺となり非常に惜しい『佳作』となった。

まずストーリーについてだが、主人公を「宮本武蔵」とするだけの必然性をどうしても見出せなかった。史実(創作含む)に基づいたイベントや設定をシナリオによく絡ませ(というか主体)、武器や技(天啓など)への干渉も決して少なくない。
だが、それでも「何で?」感は拭いきれなかった。「宮本武蔵」という人物像に迫った、という訳でも無いようだ(桐生一馬之介の方が強く出ている気がした)。単純に最強を演出するだけなら武蔵をこそ、最大の敵として扱った方が良かったのではないか?とも感じた(自分の手で武蔵と戦って勝って「武蔵が負けるはず無い!」とわめく輩もおるまい・・)。

また、ネタバレを恐れずに書くならラストシーン。
不満である。
あのラストシーンを見て、やはり桐生=武蔵とした理由に疑問が浮かんだ。もし桐生が武蔵でなかったなら、あのラストには高評価を与えただろう。今作のラストは前2作と比較して流れというかパターンが異なり、メーカーの意欲を垣間見ることが出来た。それだけに桐生=武蔵という設定が惜しまれた(・・で、結局ネタバレにおびえて詳細には書けませんでしたorz)。
加えてケツメイシ。別に嫌いではない。ただ、残念であった。

更に今作のライバルが小次郎というのも「武蔵」故の足枷と感じた。
自分の偏見もあるだろうが、どうも昔から「小次郎」というキャラクターに「強さ」という魅力を感じない。どちらかといえば「弱い」・「マヌケ」といったイメージがある。
むしろ、その前に戦った人(ストーリー進行順で直前に戦ったボス)に対して魅力を感じた。ストーリー上の演出や俳優の演技力(というか先入感やイメージ)によるところも大きいだろうが、本人の経歴だけを見ても十分強敵として相応しいエピソードの持ち主でもあったようだ(自分は知らなかったのだが、実はとある剣術流派の創始者でもあるらしい。ただのモブ武将ではなかったようだw)

また別の視点から「発想力」という部分が弱いとも感じた。
戦闘システムに「構え」を採用したことや、技の修得に「天啓」なる収集要素を絡めた(武蔵と書の関係にも)ことは既に評価した。だが「構え」に関しては、同じチャンバラもので見ても『ブシドーブレード』というタイトルに於いて10年も前に既出である上、偶然かな、武器種類の太刀・小太刀・大太刀といった基本武器種も似通っている(まぁ仕方ないことでもあるが・・)。まぁそれならそれで個人的には居合も用意してほしかったが・・(ここでも「武蔵」が邪魔をする)。
加えて、今作では武器の開発に(一部ではあるが)「発明」と称した時代考証を無視する武器も登場している。が、正直期待外れもいいところ。ただの鈍器に模擬刀とは如何。申し訳程度に感電効果のある刀なども用意されてはいるが、やはり微妙感は否めない。
どうせオマケ要素なのだ、やるなら大胆にサブマシンガン(鎖武魔神眼?)くらいのものは用意してほしかったものである。

リアルの追求や良し。ただ、それと並行してのオマケを含めた「はっちゃけ」度。この2つのバランスが今後の課題となるだろう。「リアルな非現実」というものを、ユーザーは常に求めているのだ。

本シリーズはSEGAとしては数少ない優良タイトルでもある。
対象とする年齢層にこだわりすぎず、ユーザーの要望も受け止めながら、同時にユーザーに媚びることなく、今後とも良作であり続けてほしいものである。


●総評……駄作とするには惜しい『佳作』

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【環境】
●前2作プレイ済み
●HDDインストール…有り(空き容量30GB以上)

   
プレイ時間:100時間以上(クリア済)
黒猫さん(Webサイト)  [2008-05-30 掲載]

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総合ポイント
78
(難易度)
1.64
レビュー数
77
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28.6%
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【60点以上】
81.8%
【標準偏差】
16.64