■キャラクターが可愛い ネプテューヌをはじめとした主要なキャラクターのほとんどが、実に可愛く、魅力的です。 ネプテューヌたちは、ゲームが好きでオタク文化に理解のある(むしろ発信源に近い)比喩表現ではなく女神という、ある種の人間たちの理想を詰め込んだ可愛さのゴリ押しのような存在です。好きな人はとことん好きでしょうし、そうでない人はドン引きかもしれません。僕は好きです。 よくも悪くもキャラクターの魅力を前面に押し出しているゲームなので、趣味に合うかどうか公式HPなどでご確認ください。 また、今作がキャラクターゲームとして優れている箇所として、イベントの量・質どちらもバランスが良いことが挙げられます。ネプテューヌ&ベールが少し優遇されていますが、ネプテューヌはタイトルを冠する看板キャラであり、ベールはもともとネトゲ廃人という設定で、今作では周囲を引っ張っていく立場になっているため自然な流れです。重要なのは、極端に不遇なキャラがいないという点で、どのキャラにもファンがいるということがしっかり配慮されているのは好印象です。 ■グラフィック キャラクターモデルに関しては非常に良いと思います。 グラフィックを進化させる際に、過去作からまるで別人のようになってしまう作品もある中、あくまでネプテューヌらしさはそのまま、表情や質感がよくなっている感じです。マップのほうも、キャラクターに対してリアルすぎず、「ああ、オンラインゲームってこんな感じだよね」と思わせるちょうどいい感じです。別段、素晴らしいグラフィックというわけではないのですが、違和感がありません。 一方で、エフェクトはちょっと物足りない印象です。オンラインゲームらしいと言えなくもないのですが、それにしても地味な部類。一応アクションRPGなので、派手すぎて画面が見えないようでも困るのですが、今作はちょっと大人しすぎて爽快感を薄めてしまっているように感じます。 ■システム クエストを受注して狩りにいき、帰ってきたら消耗品を補充して、素材が足りていれば装備を強化して……という流れの繰り返しです。古き良きオンラインゲームらしさがありますね。ネプテューヌは他作品もそういったオンラインゲームらしさのある作風ですが、今作はMMOをモチーフにしているだけあって、特にオンラインゲームっぽいです。マルチプレイも対応ですし。 しかし、現代のコンシューマゲームなので、オンラインゲームにありがちな面倒で時間のかかる要素は軽減されています。装備品の強化にしても、最高の武器を強化するのに少し手間がかかる程度で、適当にプレイしていても攻略に不自由しないくらいには強くなります。 オンラインゲームの楽しい部分だけを取り出した感じでしょうか。やり込み要素という点ではやや不満が残るところもありますが、手軽にオンラインゲームっぽさを味わえるのは魅力だと思います。 ■ロード時間が短い 起動時にかなり長時間(2~3分)のロードが入りますが、ゲームを開始してからのロード時間は非常に短く、マップの移動時も一瞬で終わります。一度起動したあとはスタンバイ状態で終了するようにすれば、ロードで待つことはまったくありません。とても快適で、素晴らしい点です。 ■アクション要素がしっかりしている キャラクターゲームで、しかもRPG要素があるのですから、アクションゲームとしてはさほど期待していませんでした。しかし、意外と……と言っては失礼かもしれませんが、レベルや装備の不足をかなりアクションで補うことができます。 特にボス戦では、適度な距離を維持すると攻撃を見極めやすいタイプや、意外と足元が安全、横に回り込むと戦いやすい……など、立ち回りと意識すると急激に楽になります。ゴリ押しもできる、というよりゴリ押しのほうが圧倒的に早く倒せるので最終的にはゴリ押し安定になってしまうのですが、あえてレベルが低いのは承知で突っ込んだりすると、結構な激戦になったりして楽しめました。
■ボリューム&やり込み要素が不足気味 プラチナトロフィー取得まで24時間くらいだったと思います。本編クリアは、もちろんもっと短い。 トロフィー取得後も、すべてのキャラの装備品を最高まで強化したり、ドーピングアイテムを集めて推しキャラを最大限強化したりといったことはできるのですが、今のところそこまでする相手もいませんし、やり込み要素は少な目です。周回プレイもできません。 極端に短いわけではありませんけど、現代のアクションRPGとしてはちょっとボリューム不足気味といった感じです。 しばらくしてから、クリア後を想定した高難易度のDLCを配信するのがなかば恒例ですので、今作もそうなるかもしれません。ボリューム不足はそこで補っていただけたらいいなぁ。 ■敵の種類が少ない ザコもボスも使いまわしが多いです。序盤は新しい敵が次々出てきて楽しいのですが、中盤以降はまたお前かぁという気持ちに。 ボスの強化亜種を出すのはいいのですが、動きに意外性がなく、通常時と同じ戦い方で特に問題なく勝ててしまうため、単にステータスが上がってるくらいの感覚になってしまいます。DLCを出すならば、是非とも新規ボスを追加してほしいところです。 ■プレイアブルキャラクターが少なく感じる 一応、12人いるのですが、そのうち4人分は過去作でネプテューヌたちの別形態だったものなので、少なく感じます。 (ネプテューヌたちは女神の姿になれるのですが、今作はオンラインゲームをプレイしている設定なのでそういった能力がなく、その代わりに女神の姿は別のキャラクターとして参加しています) そのぶん、女神を除いたプレイアブルキャラクターの8人のイベント・掛け合いなどは充実しているのですが、お気に入りのキャラが使えないという可能性があります。GOODの項目でバランスが取れていると評価しましたが、それはあくまでプレイアブルキャラクターの話であり、そもそも今作では一切登場しなかったりするキャラもいるので、気になる方は確認が必要です。 ■一部のエネミーが理不尽な性能 地中に埋まっており、キャラクターが近づくと顔を出して爆発する地雷のような敵がいるのですが、これが非常に悪質です。発見したとしても顔を出すまで攻撃があたらないため、どうしても一度近づく必要があります。そして、攻撃によって倒しても爆発してしまう上に、NPCがひたすら攻撃を仕掛けるため爆発のタイミングを制御するのも難しく、おそろしく威力も高いため多大な犠牲が出やすい。 安全に倒すためには、一度距離をあけて戦闘態勢を解除してから接近し、顔を出したところを殴って倒した瞬間にガードもしくは後ろにステップする、といった面倒な手順が必要で、ただひたすら面倒です。それでいて生息数もそれなりに多く、色んなマップに出没するので鬱陶しい。 後述の蘇生できない仕様と合わさって、かなりストレスになる要素です。 ■蘇生できない 戦闘不能になったNPCを復帰させる手段はない、と思います。アイテムショップやスキルを探してみましたが、ありませんでした。 レベルと装備を鍛えていればそう難しいゲームではないのですが、しかしいまどき戦闘不能を回復できないというデザインはどうなのでしょうか。ハードな世界をウリにしているならば有りだと思いますけど、ネプテューヌはむしろお気楽な雰囲気ですし、なによりこれが原因で、一度レベルに差がついてしまったキャラが使いづらいです。すぐに戦闘不能になってしまいますし、かといってレベルが低いキャラが適正のマップに戻るというのも面倒な話です。 むしろ、敵の攻撃力を高くして、そのかわりにキャラクター同士が相互に復帰しやすいシステムにしたほうが助け合っている感じになるでしょうし、見た目も華やかになりそうなものですが……。戦闘不能が文字通り致命傷である、という点が特に面白さに繋がっておらず、上述の地雷のような敵でNPCが盛大にやられて帰らざるを得ない、というだけの要素になっているように感じました。 ■ノワールの声に違和感がある 今作から始めた・始めようと考えている方にはあまり関係がありませんが、主要キャラの一人であるノワールの声が、それまでと比べてやけに子供っぽく、かなり違和感があります。声が悪いわけではなく、過去作を考えなければ可愛らしい声だとは思いますが、ノワールのキャラクターに合ってるかというと、正直ちょっと違うんじゃないか、と思います。 僕はそこまでノワールに思い入れがないので、まあいいかな……といった程度でしたが、信者の方からすれば命に関わる問題です。キャラクターゲームとしては非常によく出来ているのですが、ノワールの声に関してはまずいのでは、と思いました。
プラチナトロフィー取得済みです。関係あるかわかりませんが、PS4は通常版(非pro)です。 総評としては、ちょっと良さげな普通、もしくはギリギリ良作くらいのゲームです。キャラクターに魅力を感じているなら十分に満足できると思いますが、単純にアクションRPGとして考えた場合は、おススメというほどではありません。オンラインゲーム風味なところに惹かれるなら、といったくらいです。シリーズのファンなら傑作なのでとっとと買ってください。 点数がすべて3点になっていますが、適当なわけではなくて本当にすべて3点くらいでした。キャラクターの可愛さの項目があれば10点くらいつけたいのですが、残念ながらそのような項目がありません。グラフィックの良し悪しとはちょっと違う話ですし……。 できるだけ客観的・中立に書いたつもりですが、ネプテューヌたちと会えるゲームはこのシリーズだけ(たまにコラボで出張してますけど)なので、ホントはそれだけで十分なんじゃないかな、と思ってます。そう思いませんか? 最後に、レビューとなんの関係もない話ですが、僕はブランが一番好きです。
GOOD!
■キャラクターが可愛い
ネプテューヌをはじめとした主要なキャラクターのほとんどが、実に可愛く、魅力的です。
ネプテューヌたちは、ゲームが好きでオタク文化に理解のある(むしろ発信源に近い)比喩表現ではなく女神という、ある種の人間たちの理想を詰め込んだ可愛さのゴリ押しのような存在です。好きな人はとことん好きでしょうし、そうでない人はドン引きかもしれません。僕は好きです。
よくも悪くもキャラクターの魅力を前面に押し出しているゲームなので、趣味に合うかどうか公式HPなどでご確認ください。
また、今作がキャラクターゲームとして優れている箇所として、イベントの量・質どちらもバランスが良いことが挙げられます。ネプテューヌ&ベールが少し優遇されていますが、ネプテューヌはタイトルを冠する看板キャラであり、ベールはもともとネトゲ廃人という設定で、今作では周囲を引っ張っていく立場になっているため自然な流れです。重要なのは、極端に不遇なキャラがいないという点で、どのキャラにもファンがいるということがしっかり配慮されているのは好印象です。
■グラフィック
キャラクターモデルに関しては非常に良いと思います。
グラフィックを進化させる際に、過去作からまるで別人のようになってしまう作品もある中、あくまでネプテューヌらしさはそのまま、表情や質感がよくなっている感じです。マップのほうも、キャラクターに対してリアルすぎず、「ああ、オンラインゲームってこんな感じだよね」と思わせるちょうどいい感じです。別段、素晴らしいグラフィックというわけではないのですが、違和感がありません。
一方で、エフェクトはちょっと物足りない印象です。オンラインゲームらしいと言えなくもないのですが、それにしても地味な部類。一応アクションRPGなので、派手すぎて画面が見えないようでも困るのですが、今作はちょっと大人しすぎて爽快感を薄めてしまっているように感じます。
■システム
クエストを受注して狩りにいき、帰ってきたら消耗品を補充して、素材が足りていれば装備を強化して……という流れの繰り返しです。古き良きオンラインゲームらしさがありますね。ネプテューヌは他作品もそういったオンラインゲームらしさのある作風ですが、今作はMMOをモチーフにしているだけあって、特にオンラインゲームっぽいです。マルチプレイも対応ですし。
しかし、現代のコンシューマゲームなので、オンラインゲームにありがちな面倒で時間のかかる要素は軽減されています。装備品の強化にしても、最高の武器を強化するのに少し手間がかかる程度で、適当にプレイしていても攻略に不自由しないくらいには強くなります。
オンラインゲームの楽しい部分だけを取り出した感じでしょうか。やり込み要素という点ではやや不満が残るところもありますが、手軽にオンラインゲームっぽさを味わえるのは魅力だと思います。
■ロード時間が短い
起動時にかなり長時間(2~3分)のロードが入りますが、ゲームを開始してからのロード時間は非常に短く、マップの移動時も一瞬で終わります。一度起動したあとはスタンバイ状態で終了するようにすれば、ロードで待つことはまったくありません。とても快適で、素晴らしい点です。
■アクション要素がしっかりしている
キャラクターゲームで、しかもRPG要素があるのですから、アクションゲームとしてはさほど期待していませんでした。しかし、意外と……と言っては失礼かもしれませんが、レベルや装備の不足をかなりアクションで補うことができます。
特にボス戦では、適度な距離を維持すると攻撃を見極めやすいタイプや、意外と足元が安全、横に回り込むと戦いやすい……など、立ち回りと意識すると急激に楽になります。ゴリ押しもできる、というよりゴリ押しのほうが圧倒的に早く倒せるので最終的にはゴリ押し安定になってしまうのですが、あえてレベルが低いのは承知で突っ込んだりすると、結構な激戦になったりして楽しめました。
BAD/REQUEST
■ボリューム&やり込み要素が不足気味
プラチナトロフィー取得まで24時間くらいだったと思います。本編クリアは、もちろんもっと短い。
トロフィー取得後も、すべてのキャラの装備品を最高まで強化したり、ドーピングアイテムを集めて推しキャラを最大限強化したりといったことはできるのですが、今のところそこまでする相手もいませんし、やり込み要素は少な目です。周回プレイもできません。
極端に短いわけではありませんけど、現代のアクションRPGとしてはちょっとボリューム不足気味といった感じです。
しばらくしてから、クリア後を想定した高難易度のDLCを配信するのがなかば恒例ですので、今作もそうなるかもしれません。ボリューム不足はそこで補っていただけたらいいなぁ。
■敵の種類が少ない
ザコもボスも使いまわしが多いです。序盤は新しい敵が次々出てきて楽しいのですが、中盤以降はまたお前かぁという気持ちに。
ボスの強化亜種を出すのはいいのですが、動きに意外性がなく、通常時と同じ戦い方で特に問題なく勝ててしまうため、単にステータスが上がってるくらいの感覚になってしまいます。DLCを出すならば、是非とも新規ボスを追加してほしいところです。
■プレイアブルキャラクターが少なく感じる
一応、12人いるのですが、そのうち4人分は過去作でネプテューヌたちの別形態だったものなので、少なく感じます。
(ネプテューヌたちは女神の姿になれるのですが、今作はオンラインゲームをプレイしている設定なのでそういった能力がなく、その代わりに女神の姿は別のキャラクターとして参加しています)
そのぶん、女神を除いたプレイアブルキャラクターの8人のイベント・掛け合いなどは充実しているのですが、お気に入りのキャラが使えないという可能性があります。GOODの項目でバランスが取れていると評価しましたが、それはあくまでプレイアブルキャラクターの話であり、そもそも今作では一切登場しなかったりするキャラもいるので、気になる方は確認が必要です。
■一部のエネミーが理不尽な性能
地中に埋まっており、キャラクターが近づくと顔を出して爆発する地雷のような敵がいるのですが、これが非常に悪質です。発見したとしても顔を出すまで攻撃があたらないため、どうしても一度近づく必要があります。そして、攻撃によって倒しても爆発してしまう上に、NPCがひたすら攻撃を仕掛けるため爆発のタイミングを制御するのも難しく、おそろしく威力も高いため多大な犠牲が出やすい。
安全に倒すためには、一度距離をあけて戦闘態勢を解除してから接近し、顔を出したところを殴って倒した瞬間にガードもしくは後ろにステップする、といった面倒な手順が必要で、ただひたすら面倒です。それでいて生息数もそれなりに多く、色んなマップに出没するので鬱陶しい。
後述の蘇生できない仕様と合わさって、かなりストレスになる要素です。
■蘇生できない
戦闘不能になったNPCを復帰させる手段はない、と思います。アイテムショップやスキルを探してみましたが、ありませんでした。
レベルと装備を鍛えていればそう難しいゲームではないのですが、しかしいまどき戦闘不能を回復できないというデザインはどうなのでしょうか。ハードな世界をウリにしているならば有りだと思いますけど、ネプテューヌはむしろお気楽な雰囲気ですし、なによりこれが原因で、一度レベルに差がついてしまったキャラが使いづらいです。すぐに戦闘不能になってしまいますし、かといってレベルが低いキャラが適正のマップに戻るというのも面倒な話です。
むしろ、敵の攻撃力を高くして、そのかわりにキャラクター同士が相互に復帰しやすいシステムにしたほうが助け合っている感じになるでしょうし、見た目も華やかになりそうなものですが……。戦闘不能が文字通り致命傷である、という点が特に面白さに繋がっておらず、上述の地雷のような敵でNPCが盛大にやられて帰らざるを得ない、というだけの要素になっているように感じました。
■ノワールの声に違和感がある
今作から始めた・始めようと考えている方にはあまり関係がありませんが、主要キャラの一人であるノワールの声が、それまでと比べてやけに子供っぽく、かなり違和感があります。声が悪いわけではなく、過去作を考えなければ可愛らしい声だとは思いますが、ノワールのキャラクターに合ってるかというと、正直ちょっと違うんじゃないか、と思います。
僕はそこまでノワールに思い入れがないので、まあいいかな……といった程度でしたが、信者の方からすれば命に関わる問題です。キャラクターゲームとしては非常によく出来ているのですが、ノワールの声に関してはまずいのでは、と思いました。
COMMENT
プラチナトロフィー取得済みです。関係あるかわかりませんが、PS4は通常版(非pro)です。
総評としては、ちょっと良さげな普通、もしくはギリギリ良作くらいのゲームです。キャラクターに魅力を感じているなら十分に満足できると思いますが、単純にアクションRPGとして考えた場合は、おススメというほどではありません。オンラインゲーム風味なところに惹かれるなら、といったくらいです。シリーズのファンなら傑作なのでとっとと買ってください。
点数がすべて3点になっていますが、適当なわけではなくて本当にすべて3点くらいでした。キャラクターの可愛さの項目があれば10点くらいつけたいのですが、残念ながらそのような項目がありません。グラフィックの良し悪しとはちょっと違う話ですし……。
できるだけ客観的・中立に書いたつもりですが、ネプテューヌたちと会えるゲームはこのシリーズだけ(たまにコラボで出張してますけど)なので、ホントはそれだけで十分なんじゃないかな、と思ってます。そう思いませんか?
最後に、レビューとなんの関係もない話ですが、僕はブランが一番好きです。