俳優チョウユンファと監督ジョンウーによる名作映画「男たちの挽歌」シリーズのアクションが体験できる。 香港アクション映画の最高峰「ハードボイルド/新・男たちの挽歌」のような、はちゃめちゃでスタイリッシュな映像をゲームとして体感できる。 以上は購入前の期待であり、たぶんこのゲームの最大の宣伝ポイントだと思うが、結果として良いところは残念ながら見つけられなかった。 期待を完全に裏切られたという点で、良いところはまるでない。
■オリジナリティー ブルースリーでもジャッキーチェンでもジェットリーでもなくて、チョウユンファをもってきたところがオリジナリティーとして唯一評価できるところではあるが、ただそれだけ。 チョウユンファがたまたまゲームのモデルになりましたというだけ。 しかも本人には全く似ていないし、チョウユンファを知らない人には不細工にうつると思われる。 はにかんだ感じの笑顔とか、いたずらっぽい表情とかが本当は魅力なはずで、それで世の女性たちを翻弄してきたはずなのに、そういった彼の魅力が一切表現されていない。 ジョンウーによる香港アクション映画のB級テイストは、俳優の魅力やばかばかしさを通り越したでたらめな銃撃戦の爽快感でもって芸術性が高められている。 しかし、敵を殺傷するのがあたりまえのゲームの中の世界においては、警察官がいくら敵を殺そうが、真新しさはまるでない。 ■グラフィックス 絵は汚い。 品質としてはPS2程度の荒さだし、デザインとか芸術性においてはまず人の顔が醜い。わざと醜くしてるのかもしれないけれども、主人公が醜くてどうする。 背景や小道具は、それほど汚い、というほどの品質ではないけれども、もっとキレイなゲームはいくらでもあるし、見劣りする。同じ7000円払ってこの絵かよ、と思わざるをえない。 ■サウンド 舞台は香港ぽいのに、なぜか主人公らは英語で会話していて、さらにどういうわけか敵の雑魚キャラは広東語(おそらく)で、そのボスは英語。いつから香港はアメリカの植民地になったのかといいたい。チョウユンファの声も違う。 劇中の音楽は、中国テイストたっぷりではあるけれども、アメリカ人が中国をイメージして録音しました的なレベルにずぎず、ちょうどハリウッド映画の中に出てくる日本を表現する音として、琴とか三味線が下手に使われているようでしらける。 ■熱中度 はっきりいって、ゲームを続けることが苦痛だった。 二丁拳銃の乱射による爽快感もなかったし、撃っても、敵を倒したのかそうじゃないのかはっきりしなかった。 しかも、画面による視点の動きがなんというか機械的でカメラ位置もFPSにより近く、そのためかどうか知らないけれども、ゲームをし続けると目が廻って気持ち悪くなったりした。 ミッションクリアの要素として、ナントカを16個破壊せよとか、C4を16個設置せよ、のような課題を課せられたりすることがリアルではないと思った。そういった設定はあくまでもゲームとしてのパズル的な目標であって、物語とは全く関係ないところも、熱中度を冷ます要因だと思われた。 マップは迷路のようになっていて前後左右よくわからないし、例えば拳銃で柱を倒さないと先に進めないような面もあって、30分ぐらいそのことがわからずうろうろしたりした。 アクロバティックなアクションを決める主人公が、金網のフェンスをよじ登れないなんてことは考えられないし、しょっちゅうダイブしてるのに、ちょっと高い所から下へ降りることもできないのには説明がつかない。 だいたい街中で普通に考えて、先にすすめなくなることなんてあるはずがない。 あくまでもゲームの進行上、都合のわるいことはできなくなっていた。 おかしいよな、これおかしいよな、と思いながらプレイいていた。 熱中するわけがない。 ■満足感 期待していただけに裏切られた感が増幅しているとはいえ、満足できる要素は何一つなかった。 テキーラボムだかなんだから知らないけれども、狙撃と無敵と無双の特別アクションはかっこよくもなんともなかった。 敵の武器を拾って使えるのだけれども2種類しか持てないし、アサルトもサブマシンガンもショットガンも、威力や性能に大差なく使い分けは必要なかった。 ショットガンやマシンガンは、ここぞというときに入手して、入手した喜びも物語の一環として語られれば映画っぽかったと思うのだけれども、そんな気の利いた演出はひとつもなかった。 ■快適さ なにしろ、酔う。 健康を害してくれたという点でも、ゲームとしての品質が悪いという点でも、不愉快このうえ極まりない。 売る側は、このゲームのダメさ加減に気付かなかったんだろうか。 快適どころか、不愉快さを通りこしている。
「男たちの挽歌」シリーズファンの私にとっては、おもしろかろうがつまらなかろうが避けては通れない道でもあり、だから買ってしまったけれども、クリアしてすぐに売った。 ファンだからこそ買ったが、ファンならなおさら、買うべきではない。商品価値はまるでない。 金かえせ。
GOOD!
俳優チョウユンファと監督ジョンウーによる名作映画「男たちの挽歌」シリーズのアクションが体験できる。
香港アクション映画の最高峰「ハードボイルド/新・男たちの挽歌」のような、はちゃめちゃでスタイリッシュな映像をゲームとして体感できる。
以上は購入前の期待であり、たぶんこのゲームの最大の宣伝ポイントだと思うが、結果として良いところは残念ながら見つけられなかった。
期待を完全に裏切られたという点で、良いところはまるでない。
BAD/REQUEST
■オリジナリティー
ブルースリーでもジャッキーチェンでもジェットリーでもなくて、チョウユンファをもってきたところがオリジナリティーとして唯一評価できるところではあるが、ただそれだけ。
チョウユンファがたまたまゲームのモデルになりましたというだけ。
しかも本人には全く似ていないし、チョウユンファを知らない人には不細工にうつると思われる。
はにかんだ感じの笑顔とか、いたずらっぽい表情とかが本当は魅力なはずで、それで世の女性たちを翻弄してきたはずなのに、そういった彼の魅力が一切表現されていない。
ジョンウーによる香港アクション映画のB級テイストは、俳優の魅力やばかばかしさを通り越したでたらめな銃撃戦の爽快感でもって芸術性が高められている。
しかし、敵を殺傷するのがあたりまえのゲームの中の世界においては、警察官がいくら敵を殺そうが、真新しさはまるでない。
■グラフィックス
絵は汚い。
品質としてはPS2程度の荒さだし、デザインとか芸術性においてはまず人の顔が醜い。わざと醜くしてるのかもしれないけれども、主人公が醜くてどうする。
背景や小道具は、それほど汚い、というほどの品質ではないけれども、もっとキレイなゲームはいくらでもあるし、見劣りする。同じ7000円払ってこの絵かよ、と思わざるをえない。
■サウンド
舞台は香港ぽいのに、なぜか主人公らは英語で会話していて、さらにどういうわけか敵の雑魚キャラは広東語(おそらく)で、そのボスは英語。いつから香港はアメリカの植民地になったのかといいたい。チョウユンファの声も違う。
劇中の音楽は、中国テイストたっぷりではあるけれども、アメリカ人が中国をイメージして録音しました的なレベルにずぎず、ちょうどハリウッド映画の中に出てくる日本を表現する音として、琴とか三味線が下手に使われているようでしらける。
■熱中度
はっきりいって、ゲームを続けることが苦痛だった。
二丁拳銃の乱射による爽快感もなかったし、撃っても、敵を倒したのかそうじゃないのかはっきりしなかった。
しかも、画面による視点の動きがなんというか機械的でカメラ位置もFPSにより近く、そのためかどうか知らないけれども、ゲームをし続けると目が廻って気持ち悪くなったりした。
ミッションクリアの要素として、ナントカを16個破壊せよとか、C4を16個設置せよ、のような課題を課せられたりすることがリアルではないと思った。そういった設定はあくまでもゲームとしてのパズル的な目標であって、物語とは全く関係ないところも、熱中度を冷ます要因だと思われた。
マップは迷路のようになっていて前後左右よくわからないし、例えば拳銃で柱を倒さないと先に進めないような面もあって、30分ぐらいそのことがわからずうろうろしたりした。
アクロバティックなアクションを決める主人公が、金網のフェンスをよじ登れないなんてことは考えられないし、しょっちゅうダイブしてるのに、ちょっと高い所から下へ降りることもできないのには説明がつかない。
だいたい街中で普通に考えて、先にすすめなくなることなんてあるはずがない。
あくまでもゲームの進行上、都合のわるいことはできなくなっていた。
おかしいよな、これおかしいよな、と思いながらプレイいていた。
熱中するわけがない。
■満足感
期待していただけに裏切られた感が増幅しているとはいえ、満足できる要素は何一つなかった。
テキーラボムだかなんだから知らないけれども、狙撃と無敵と無双の特別アクションはかっこよくもなんともなかった。
敵の武器を拾って使えるのだけれども2種類しか持てないし、アサルトもサブマシンガンもショットガンも、威力や性能に大差なく使い分けは必要なかった。
ショットガンやマシンガンは、ここぞというときに入手して、入手した喜びも物語の一環として語られれば映画っぽかったと思うのだけれども、そんな気の利いた演出はひとつもなかった。
■快適さ
なにしろ、酔う。
健康を害してくれたという点でも、ゲームとしての品質が悪いという点でも、不愉快このうえ極まりない。
売る側は、このゲームのダメさ加減に気付かなかったんだろうか。
快適どころか、不愉快さを通りこしている。
COMMENT
「男たちの挽歌」シリーズファンの私にとっては、おもしろかろうがつまらなかろうが避けては通れない道でもあり、だから買ってしまったけれども、クリアしてすぐに売った。
ファンだからこそ買ったが、ファンならなおさら、買うべきではない。商品価値はまるでない。
金かえせ。