PlayStation mk2 :: PS4評価レビューサイト

GOOD!

　カプコンの看板作品のひとつだけあり、「普通に面白い」です。安定感と言い換えてもいいかもしれません。目を覆うようなクソゲー的な部分はありません。

　グラフィックは綺麗です。この点については文句のつけようがありません。ムービーについてもカメラアングル、構図の取りかたなどは洗練されてます。メイキングではハリウッドと共同で作ったそうですが、しっかりしたノウハウが生かされてます。

　ＤＭＣなどではすっかりお馴染みのチャプター選択方式による快適なシステム。いちいちセーブデータを残しておかなくても、やりたいチャプターやお気に入りのステージをプレイできるのは親切です。取り残しアイテムの回収も楽なので、効率も良いです。

　バイオ初の協力プレイ、これがとても楽しいです。

　その他、前作４の良いところを引き継いでいる点は良かったです。ただし、これはＧＯＯＤとして挙げるべきポイントではないかもしれません（詳細後述）。

BAD/REQUEST

　３０時間以上はプレイしました。大作ゲームだけあって、普通に面白いという安定感はあります。しかし、今作をプレイしていて「楽しい」と思える部分は、前作まで（主に４）で確立されたゲームシステム部分ばかりです。
・後方が見えない視点による緊張感
・細部を狙って、ヘッドショットや転等、体術を狙う戦略性
・豊富な武器、弾薬の売買、改造、強化
・メダル撃ち
・タイムアタック方式のミニゲーム

これらは全部、４で作り上げられたものであり、これを超えて面白さを感じさせるものが５にはありませんでした。一応、Ｃｏｏｐシステムという新しい要素はありますが、ネットを利用したただの２人プレイなので、特筆すべきほどの新要素とは思いませんでした。
進化もなければ、新要素もなく、ただの焼き直し。それも、明らかに演出、展開で４に劣っています。はっきり言えば、５は独自の価値をなんら生み出していないと思います。
よって、オリジナリティは皆無であると思いました。


　ホラー要素の著しい低下。サバイバルホラーで、二人で行動って、どう考えてもありえないと思うのですが・・・・。ホラーの醍醐味って単独行動による閉塞感、孤独感が土台になってると思うのですが、それを崩してどうすんの。おまけにステージは太陽ギラギラの明るい真昼間。ホラーのお勉強、し直してからきてくださいって感じです。

　二人がかりのウェ○○ー戦。因縁の相手にけりをつける「決闘」に、タイマン勝負でなく、シェバとの二人がかり。これは男としてダメな気がします。

　やたらと硬いボス。本当に硬いです。露骨でベタな位置に対ボス用兵器が都合よく設置されているのですが、これを使ってもイマイチ効いているのかいないのか分からない。同じことを延々と繰り返し、いつまで攻撃すりゃいいんだ・・・・とうんざりしながら戦う。
弱点もこれみよがしに光っていたり、露出していたりするので、白けます。

　全編通したご都合主義。どっかの中学生が考えたかのようなベタで都合のいい展開が続きます。捕まっても何故かＢＯＷにはされない元相棒、ピンポイントに用意されてる兵器や武器、どんな施設も建造できて、どんな陰謀も成功する非現実的な企業の力・・・・。
フィクションにしても、もうちょっと説得力のあるストーリーにして欲しかったです。

　どっかで見たことあるステージや敵、兵器や演出。散々言われてますが、あらゆる映画やゲームのパクリがやたらと出てきます。

　敵クリーチャーのデザイン。今作で初登場の新型ＢＯＷのセンスはヒドイです。まともに考える気がなかったのか、アイデアが枯渇したのかは分かりませんが、まったく面白みがなく、怖くもなければ迫力もないです。

その他、既出のＢＡＤ要素としては、シェバのＡＩのおバカっぷり、画面の見難さ、ボリュームの少なさ、高難易度の調整不足、単調なステージ構成などがあります。

COMMENT

　バイオシリーズはナンバリングタイトルはベロニカ含め全てやっています。５はそれらの中で、もっともバイオらしからぬ作品でした。バイオらしさを放棄しても、あっと驚く新要素や作り手のこだわりを感じられる独自性があれば評価のしようもあるのですが、ただ単にバイオらしさをなくし、過去作を焼き直しして劣化コピーしただけという印象しか残りませんでした。
それも意図してバイオらしさを放棄したというより、バイオらしさが何かを理解していないだけという感じです。

５で面白い部分は、過去のシリーズの焼き直しの部分だけです。単にこれまでの蓄積と遺産を食いつぶしただけだと思います。６では、もっと大胆な変革を行うか、４のシステムをもっと進化させるかしないと、ファンは減る一方ではないかと思います。