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【PS3】H.A.W.X(ホークス)

発売元 ユービーアイソフトオフィシャルサイト
発売日 2009-05-28
価格 7329円(税込)
レーティング 【A】全年齢対象 (CERO について)
ショップ/リンク Amazon
タギングトップ3
タイトル概要 ■ ジャンル:エアコンバット
■ プレイ人数:1人(オンライン時2〜8人)

【廉価版】
■ 発売日:2010/04/08
■ 価格:2,940円



オリジナリティー グラフィックス サウンド 熱中度 満足感 快適さ (難易度)
2pt 3pt 3pt 3pt 3pt 3pt 2pt
総合点
58pt

GOOD!

各得点要素で特別秀でた部分というのはあまりないゲームですが、
良作というにふさわしい部分も多くあります。
なお、マルチプレイは環境がないため未プレイであり、
以下、コメントまですべてシングルプレイのみについてのものであることを
ご了解願います。
・ローカライズ
私はここが本作でいちばん評価できる部分だと思います。クランシー
シリーズは完全翻訳がされる例が多いですが、本作もそれに
漏れず、テキストから音声まで、大部分が日本語化されて
います。特に音声は、洋画吹き替えのように違和感なくプレイ
できます。ローカライズはゲームへ没入するという点で、特に
アクションゲームでは非常に大きな役割を担うものであり、
こうした高品質な翻訳は、大きく評価されてよいと思います。
・多彩なプレイアブル機
私はオンラインに接続せず、DLCも使っていませんが、シングル
プレイを一周した時点でかなりの数の機体がアンロックされて
います。おそらくたいがいの方のお気に入りの機体は登場して
いるでしょう。また、機体だけでなく特殊兵装も、特徴的で
多数の種類が登場します。
・チャレンジ
本作には多数の「チャレンジ」というやりこみ要素があります。
これは「ミサイルで敵をn機撃破」などの条件を達成することで
記録が残り、またたくさんの経験値を得ることができます。
本作では経験値を積みレベルアップすることで各要素がアンロック
されていくので、やりこみの動機にも事欠きません。
・グラフィックス
特に地表のグラフィックスは、衛星画像を利用しており精細で
美しいものがあります。またインタフェースも洗練されています。
・難易度
「エースコンバット」などのフライトシューティングをクリア
できる人なら、ノーマル程度であれば簡単にクリアできるでしょう。
操作性もリアル調ではなくすぐに覚えられますし、
かつての洋ゲーへのステレオタイプのような難しさはありません。

BAD/REQUEST

以下で挙げるものも、やはり致命的というほどのマイナス要素では
ありません。
・オリジナリティー
やはり、フライトシューティングといえば、「エースコンバット」
シリーズが思い浮かべられます。本作では、特にミッションの面に
おいて、同シリーズに非常に類似したものがいくつか見受けられます。
ただ、同シリーズは現代〜近未来フライトものをずっと続けてきた
わけですし、これは避けられない類似なのかもしれません(第二次大戦
ものFPSで、どこかでやったようなミッションが頻発するように)。
ミッションが多彩なのは事実ですし、ヘタな冒険をするよりは確実な
手であることは確かです。
・グラフィックス
特に機体のグラフィックスは、もう少し美しいものを期待していました。
この程度なら、また比較になってしまいますが、PS2の「エースコンバット」
最新作と同レベル程度と言ってしまってよいと思います。
・レベルシステム
一定のレベルから、経験値を溜めレベルアップするのがかなり困難に
なります。必要経験値が増えるのに、経験値を得る手段が減るためです。
特に私のようなオフライン専門では、そのつもりがなくても
チャレンジを強制させられがちです(上述のように、チャレンジ成功で
多くの経験値が得られるため)。
・「OFFモード」について
本作では最新鋭機に搭載されたアシストシステムを切り、それによる
機動限界を解除する「OFFモード」があり、ウリのひとつとなっています。
しかし私はイマイチこのシステムが好きになれませんでした。このモードに
切り替えると、視界が第三者視点となり、さらに真後ろではなくやや
引いた周囲からのカメラとなります。周囲の状況を把握するのには
確かに役立つのですが、自機がどちらを向いているのかわかり辛く、
また高度計も確認できません。高度計ってそんなハイテクシステム
でもない気がするのですが……。OFFモードではコクピット、HUD
視点に切り替えも不可(上述の視点で固定)なので、操作も独特の
ものとなります。私はそれに慣れることができませんでした。
なおこのモードは、キャンペーンミッション程度なら、一部の使用が
強制される場面を除き、使わなくてもクリアは十分可能です。
・ミッション
多くのミッションで、制限時間や防衛目標(耐久値があり、敵の攻撃
で減少)が存在し、緊張感があります。「エースコンバット」シリーズ
のように、自分が落とされなければおおむねオーケー、という余裕が
好きな私は、「バッド」要素に入れさせてもらいました。言うまでも
なく、緊張感が好きな人には、これは「グッド」要素となります。制限
時間にしろ防衛目標にしろ、理不尽にガリガリ削られるようなことは
ありませんし。
・その他
コールサイン(データのシリアルネーム)の入力が5文字までって、
ちょっと少ない気がします。とってもどうでもいいことなのですが。

COMMENT

さて、しかしPS3では初の現代フライトものということで、私も期待半分、
またクランシーシリーズ初のフライトものということで、ガッカリ覚悟が
また半分で購入しました(なんだって最初はつまずくものです)。その結果
としての上述の評価は、「エースコンバット」との比較が多くなってしまいました。
自分は「エースコンバット」はシリーズの多くの作品をプレイしてきた
ため、同じ現代フライトものの評価にはどうしても比較が入ってしまう
ことをご容赦願います。しかし、それを抜きにしても、「エースコンバット」
はこの作品を語るにつけ、私にとっては欠かせない要素です。
上ではミッションについてのみ挙げましたが、本作は多くの部分で
「エースコンバット」シリーズと似通っていると思います。たとえば、
現代ものであるにも関わらず、大量の多目的ミサイル(エースコンバット
標準装備のアレ)を使用でき、わずか数機で多数の敵と戦うこと。
HUD、第三者、コクピットという各カメラも同じです。ミッション中には
無線が入り、仲間や指揮官から声が飛びます(さすがにめったに敵方の
通信は入りませんが)。はっきり言って本作は、「エースコンバット」に
クランシーのシナリオと「OFFモード」を足したものと言ってもいいと
さえ思いました。
しかし、老舗シリーズである「エースコンバット」、正確には同シリーズ
が確立した現代フライトシューティングのテンプレートを、このレベルまで
再現したことは評価されてもいいと思います。コントロール、グラフィック、
ミッション、すべてにおいて無難です。多くのいわば「二匹目のドジョウ」
ゲームが、劣化コピーに過ぎないことを考えると、これは驚くべきことです。
国産ゲームで「エースコンバット」シリーズに追随する作品が皆無であることを
考えればそのことはわかるでしょう。「エナジーエアフォース」「エアロダンシング」
「サイドワインダー」各シリーズも、それぞれ「エースコンバット」とは違った
方向性を持った現代フライト作品群でしたが、最近は話を聞きません。
つまり、ユービーアイソフトは、長い歴史を持つ「エースコンバット」と
基本においておおむね同レベルの作品を、いきなり出してきたわけです。
このうえに、独自要素である「OFFモード」が改良され、グラフィックも向上
していくとなれば、「エースコンバット」シリーズの有力な対抗馬にも
なりうるのではないでしょうか。リアルさを捨象しつつも要素として残し、
エンターテインメント性、ゲーム性を重視したその姿勢は、「エースコンバット」
の成功を分析したうえであえて採られたものでは、と勘ぐってしまいます
(最近のクランシーシリーズ全般に言えることかもしれませんが)。
なんにせよ、この二作の類似を、私はむしろ歓迎したいと思います。
現代フライトシューティングゲームが「エースコンバット」くらいになって
久しいですし、実力のあるゲームメーカーが対抗馬を出すことは、同シリーズにも
いい影響を与えるでしょう。本作の続編が最近出ましたが、より独自要素を強めつつ、
フライトシューティング(フライトシミュレータにあらず)としての面白さを
維持した作品となっていることを望みます。長々と書きましたが、
「エースコンバット」と類似点が多く、同作のシステムに慣れた人なら
入りこみやすいだろうこと、次回作の発展に大いに期待していること、
というのが要点です。

なお、クランシーシリーズということで、リアル志向なゲームと思われて
いる方もおられるかもしれませんが、それは違います。上述したように、
本作品はむしろゲーム的な面白さを追求しています。万能ミサイルを100発
以上積めますし、多少敵のミサイル食らっても平気です(マルチプレイモードでは、
そのあたりをリアルな設定にもできるようです)。しかし、シナリオは間違いなく
クランシーです。つまりアメリカ万歳です。そのへんが気になる人はそもそも
本シリーズをプレイしないでしょうが……自衛隊もちょびっとだけ出てきますが、
今回はけっこうマトモというか、親米&積極行動姿勢です(笑)。

最後に。数あるエスコン類似ミッションの中で、さすがにアレは出て来ないか……
と思っていたら。最後の最後で、出てきました(笑)。次世代機エスコンにも
きっとあるだろうと思ってましたが、先に別作品で体験することになるとは、
いやはや……。

   
プレイ時間:15時間以上30時間未満(クリア済)
メビさん  [2010-10-15 掲載]

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総合ポイント
65
(難易度)
1.57
レビュー数
7
スコアチャート H.A.W.X(ホークス)レビューチャート

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57.1%
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14.3%
70-79
0%
80-89
0%
90-100
【60点以上】
71.4%
【標準偏差】
10.71