【PS3】ロロナのアトリエ〜アーランドの錬金術士〜
発売元 | ガスト (オフィシャルサイト) |
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発売日 | 2009-06-25 |
価格 | 7140円(税込) |
レーティング | 【A】全年齢対象 (CERO について) |
ショップ/リンク | Amazon(廉価版) |
タギングトップ3 | |
タイトル概要 |
■ ジャンル:新約錬金術RPG ■ プレイ人数:1人 【廉価版】 ■ 発売日:2010/09/23 └ 価格:3,990円 ■ 発売日:2012/05/31 └ 価格:2,940円 |
GOOD!
DS以外のアトリエシリーズは一通りプレイしております。
〆オリジナリティ
今回は、ヴィオラートのアトリエをリファインした形の錬金術ゲームとなっております。
それ故に、
私の様な、アルトネリコから一度マリーに遡ってプレイした様な人は例外として、アルトネリコまでガストのゲームを知らなかった人にとっては、あまりなじみの無い形式のアトリエとも言えます。
簡単に言えば、期限が決められた中で調合レシピを購入または探し、材料をフィールドで採集したり、店で購入したりして調合し、それを原料として更に高度な品物を作っていき、依頼主(城の依頼だったり、町の人の依頼だったりします)に渡すことで友好値を上げて、それが一定値になるとイベントフラグが立ち、サイドストーリーが紡がれる。エンディングは、期限が来たときのフラグの立ち具合とパラメーターで決まるという案配です。
RPGですが、どっちかというと育成シミュレーションぽいフラグの管理をするゲームだと言えます。
私も、アトリエのこのシステムの復活を待っていた一人です。
今回の決断は、シンプルすぎる一面があるものの、この点は評価したいと思います。
〆グラフィック
2Dのイベントイラストは非常に良いです。
ロロナや他のキャラも魅力的に書かれています。
反面、3Dにはイラストとは対照的に大きなギャップを産んでいて、見た目の印象は悪いですね。
非常にキャラクターは魅力的です。
今までのガストのキャラクター人気投票があったとして、3人選べと言ったら、まず1人はロロナ。そして次はロロナ。そして最後はロロナに入れると思います。
今回の主人公は「剛速球」を通り越して魔球「大リーグボール1号」に近いほど填っていると思います。
すばらしい。アトリエでしかあり得ない主人公でありながら、かつてここまで突き抜けていた主人公は居なかったと思います。今回は、私ロロナだけは手放しでべた褒めです。
〆熱中度・満足度
シンプルであるにもかかわらず、良くも悪くもやり込み度の非常に高いゲームになっています。
3年過ぎれば育成シミュレーション同様、問答無用でエンディングなので、いかにして時間を切りつめてスケジュールを組み、効率よく依頼をこなして友好値を上げつつ、イベントをこなしつつ、錬金術レシピを効率よく収集しつつ、効率よくフィールドを駆け回りつつ、効率よく錬金術レベルや冒険者レベルを上げてつつ、エンディングまでの3年間を過ごします。
もちろんやらなくても良い訳ですが、やらないとサブストーリー(キャラクターイベント)が進まないので、中身はスカスカなゲーム内容になります。
上手くやればやるほどイベントが増えて密度が濃くなります。下手にやるほど、何も起こらないゲームです。
サブストーリーの展開は今回も非常に笑えました。こういう日常の中での笑いを混ぜた話をよくこれだけ上手く作れるなあと、非常に楽しかったし大爆笑でした。
ゲームの進行自体の制限は異様に緩く、バッドエンド、トゥルーエンド等の結末にかかわらず、どうプレイで進んでも間違いでは無く、それ故に、必勝法が無く、常にプレイスタイルに改良の余地を加えられる、非常に高い自由度も持っています。
このゲームに限っては、wikiの情報は自分の戦略を練るための参考資料にしかなりません。1周目では、おそらく仲間の超必殺技さえ殆ど見る余裕がないでしょう。短期間でゲーム内容の全貌を見通すのは無理に等しく、終わった後もまたやり直したくなる。そこも大きな魅力であります。
〆サウンド
音楽は非常に良かったです。
エンディングが凄く良かったです。
ハゲルのおっちゃんのテーマソングは笑ってしまいました。
オープニングが2周目でロロナの人に変わってるのも良かったです。
期待を裏切らず、一切手抜きなしな、良い仕事です。
5点にしなかったのは、「あっと言わせてくれる曲があと1曲だけ欲しかった」という私の我が儘な理由です。欠点では絶対に無いけど、「特別な点を評価として付ける」というにはほんの少し届かなかったと言いましょうか。
BAD/REQUEST
〆ロロナのキャラクターが正直あまりに良すぎた。
ロロナが良いという事を良いところとして誉めました。
しかし、だからこそ、ロロナの師匠が言ったこの言葉
「どじっ娘ブリーダー」
というキーワードに非常に強く惹かれました。
私は、本当はそんな方向性のロロナのアトリエがしたかった。そういう思いが強く残りました。今でも面白いけど、こっちのほうがもっと面白かったんではないかと。
しかし、その要求に応えるには、今回のシステムはシンプルすぎたと思います。ゲームプレイの感覚はヴィオラートではなく、元祖「マリーのアトリエ」を彷彿とさせます。
全てが「元通り」でめでたしめでたし。
では、マイナス状態が0に戻っただけです。
−100からゲームが出発し、中盤で0を通り越して、+100以上(あるいは二転三転の末に−300まで落ちる)の終わりを迎える。ゲームのストーリーは、0で止まってめでたしめでたしではいけないのでは無いでしょうか。
キャラ、サブストーリーが非常に良くできていただけに、このエンディングのギャップは非常に残念でした。
〆3Dモデリングが不満。
「アインツェルカンプ」等の超必殺技や「テラフラム」等のアイテム使用時の演出はかなり良いんですが、キャラが「可愛い」というよりも、「ちんちくりん」で格好悪いのががっかりです。特に、ステルクとリオネラは酷い。あれでは殆ど別人です。
等身を上げて2Dの雰囲気を崩さない形で作った方が結果的には良かったのでは?
〆コンテナ回りの操作性
1つずつしか選べないのは非常に不便です。△ボタンで1種類全部を選択できるだけでも非常に使い勝手が上がっただけに、ヴィオラートからの不満点の改良がこの部分で無かったのは反省して欲しいと思います。
〆ホム関連の操作性
一旦ホムのかごに入れてから調合を開始するので、目的の調合品を作るために、予め調合材料を把握しておく必要があります。
これが、ホム錬金レベル上げの為の大量適当調合時に非常に不便です。
材料選択まではロロナと共通にして、選択後にホムのカゴに移動となればスムーズに調合できたと思うので、これは是非とも改良して欲しい部分です。
出来上がったときは「出来た」と言いますが、「途中で止めました」は言いませんから、いつの間にか調合せずに終わってたりします。酷いと1個も作らずに知らんぷりしてる時もあります。これも非常に不満です。
どこまでやったかの途中経過も言わないのでどこまで終わってるのか、いつ終わるのかも途中で分からなくなる事が頻繁に起こります。
〆バグが多いです。
フリーズ、強制再起動、進行上の不具合、イベントクリア不能(ゲームクリアに支障はないが、ゲーム攻略の幅を狭めている点では非常にマイナス要因)。
早期のアップデートによる修正をお願いしたいです。
アップデート出来ない環境の方は、修正版がでるであろう頃まで待って改めて買った方が良いと思います。
フリーズは多かったですね。
クリアタイムは33時間でしたが、その間に6回のフリーズ&強制リセットがありました。ダンジョンの地下12階で戦闘終了後にフリーズしたときは、思わずコントローラーを落としました。1時間以上ノーセーブだったのに……。
セーブは複数に分けて管理し、調合前などセーブできるところはめんどくさがらずに、何度も何度でも、徹底的にこまめにセーブを推奨します。
〆コントローラーの反応が敏感すぎる。
フィールドで走り状態から急に立ち止まると、10回中6回は逆方向に向いてしまいます。
慣れるまでは、本当に腹が立ちました。敵のかなり手前で止まって、落ち着いて迎え撃つ様にしましょう。
COMMENT
〆プレイ環境:PS3(60GB)+松下Viera(TH-26XL70)26インチ+パイオニアサラウンドヘッドホン(SE-DRS3000C)
プレイ時間は1周目33時間、トゥルーエンドでした。
本人はあーでもない、こーでもないと、60時間ぐらいかけてクリアしたつもりだったので、セーブデータの時間を見てびっくり。濃い密度でやってたんだなあと。
ちなみに、2週目で累計70時間。3周目は修正パッチが出るまで待とうかなあと思ってます。
自分から課すルーチンワークは、苦痛どころかむしろ楽しいです。
初めてのアトリエでも、やり込みが苦痛でない人はすんなりと入っていけると思います。興味があるならお勧めできます。
ただ、攻略サイトを見ながらでも1周目の初回プレイで殆ど全部のイベントをみたいとか思ってる人にとっては、イベントらしいイベントも無い、中身がスカスカな非常につまらないゲームになるでしょう。攻略法を自分で考える癖が付いていない人にとっては、苦痛でしか無いゲームであることはハッキリと言えます。
ルーチンワーク等、ゲーム感覚的にはRPGというよりは育成シミュレーションに近いと思います。