PlayStation mk2 :: PS4評価レビューサイト

GOOD!

・コンボ研究の奥深さ
スキル、システム、術技ごとの性能が多彩なので、コンボ研究がかなり楽しいです。これだけやって一日過ごせるくらいです。特にジュディスとレイヴンはやりがいがあって、なかなか飽きがきません。ただこれまでのテイルズと比べると、システムの所為か、若干底が浅くなった感があります。テイルズ初心者の方に配慮した結果、という事でこれもある意味長所でしょう。

・やり込みプレイに対する配慮
本編をクリアすると、様々な要素を引き継いだり新たに加えたり出来ますが、そのシステムのお陰でやり込みがかなり幅を利かせています。具体的にはプレイ時間をギリギリまで短縮したり、初期レベルでクリアしたりとかですね。自由度はそれなりにあるので、どうやるか考えているだけでも楽しいです。

BAD/REQUEST

・オリジナリティがない（戦闘システム除く）
多くの面において、オリジナリティがありません。
まずシナリオは、サプライズがないのがサプライズな、王道の中の王道。しかしそれにもかかわらず中弛みが酷く、盛り上がりに水を差すような失速感が目につきました。もう少しどうにか出来なかったものかと。
更に酷いのはキャラクター。特にキャラ自身に魅力があるわけでもなく、キャラを引き立たせられるだけのバックグラウンドがあるわけでもなく・・・。具体的に問題を挙げれば、レイヴンとジュディスの振る舞わせ方を致命的に誤っていたのと、エステリーゼというキャラの存在です。特にエステリーゼは描写不足が一際目立つキャラで、どうしようもないくらいです。シナリオ自体にも問題がありましたが、これらのキャラの所為でメッセージ性の細かな部分がうやむやになったのにも大きな問題があったと思います。
ジャンル；エステルが「我儘」を貫き通すＲＰＧ
とか銘打っていたら、それはそれでメッセージ性ありすぎで困りますがｗ

・エクストラ
今回の最強の敵についてですが、いくらなんでも手を抜き過ぎだと感じました。ただパラメータを高くして、特殊だが単純なルーチンを組んでいるだけなので、「強い」のではなく、ただ「面倒臭い」だけ。そして何より、戦っていて全く楽しくなかったです。倒したとき、達成感よりも解放感が強いのは切ない限りです。こんな敵は、もう作らないでほしいものです。

COMMENT

結論からいえば、あまりクセを出さずに、無難かつ子供向けにまとめた作品、という印象を受けました（あくまで作風や雰囲気の話です）。
世辞にも大人向けとはいえないので、ユーザーとしては高校生辺りが上限かと。戦闘システムを見ても、過去作以上に扱いやすく慣れやすい反面、単純化のデメリットで奥深さがなくなってしまっています。
逆に考えれば、新規のテイルズユーザー（主に低年齢）をゲットしよう、という意味では成功だったといっていいかと。実際、そういう方からの評価は概ね良好となるでしょう。しかしシリーズをプレイしているユーザーにとっては、今作はどうしても首を傾げたくなるのではないか、と思います。ちなみに僕は、このソフトを「テイルズっぽい何か」と捉えています。

テイルズシリーズを複数やっていて、「テイルズ」をやりたい、という動機でこのソフトをプレイしようと思っている方は、やめておいた方がいいかもしれません。それとは逆に、初テイルズとしてこのソフトをプレイしたい、という方には勧めます。
あと、ＤＬコンテンツのぼったくりは酷いですｗ買わなければいいだけなので、ソフト評価としてはお門違いですが。