【PS3】テイルズ オブ ヴェスペリア
発売元 | バンダイナムコゲームス (オフィシャルサイト) |
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発売日 | 2009-09-17 |
価格 | 7800円(税込) |
レーティング | 【B】12才以上対象 (CERO について) |
ショップ/リンク | Amazon(廉価版) |
タギングトップ3 | |
タイトル概要 |
■ ジャンル:「正義」を貫き通すRPG ■ プレイ人数:1人 【廉価版】 ■ 発売日:2012/08/02 ■ 価格:3,800円 |
GOOD!
■オリジナリティ×グラフィックス
本作の大部分は使い古されたアイディアによって構成されている。
設定一つ一つ。物語の展開。キャラクターの個性。どれもこれも何処かで見たことあるようなものばかり。
しかし、良い意味で捉えれば、これは「王道」ということになるだろうか。
下手に奇を狙うよりも万人受けする王道を守り抜くことこそがテイルズシリーズの一つのテーマだと言われれば、この無個性さもオリジナリティと呼べるのかもしれない。
一方、この無個性さの中で、はっきりと輝きを放っているのがグラフィック面だ。
現在のゲームグラフィックスは「より写実的な3DCG」というのが世界的な主流。
そんな中で本作は「よりアニメーション的な3DCG」、トゥーンレンダリングに こだわりを見せている。
3DCGでありながら妙な立体感を感じさせず、アニメーションを自分で操作するような感覚を体験させてくれる。
今までにトゥーンレンダリングという表現方法を用いた作品がなかったわけではないが、ここまで昇華させた作品、とりわけ大作ゲームというのは珍しいのではないかと感じる。
そういったわけでHD機ならではの美麗さに加え、独特な輝きを放つ本作のグラフィックスに点数4点を付けた。
■やりこみ要素
アイテム図鑑やモンスター図鑑の作成など、退屈なものになりがちのデータ集め的なものだけではなく、オンラインランキングに対応したミニゲーム、隠しダンジョン、サブイベント、パーティメンバーが会話するスキットなどなど、やりこみ要素は大変豊富。
長く遊べるゲームソフトと言える。
■システム
さすが乱発されているシリーズの作品だけあり、操作のし易さやメニュー画面の使い易さ等、システム面は非常に優秀。
データのローディングも特に集中を乱されるほど待たされることもなくスムーズだ。
BAD/REQUEST
■イベントシーン
本作の最大の欠点はイベントシーンが酷く退屈なこと。
グラフィック、BGM、効果音などのクオリティは申し分ないが、やってることがスーパーファミコン時代までのものと全く同じ。
キャラクターたちはカクカクと下手糞な人形劇のようにしか動かず、テンポも最悪。
これでは、いくらカメラワークを工夫してもダメなものはダメだろう。
唯一の救いはPS3版に追加された「メインシナリオ部分のフルボイス化」という要素。
声が有るのと無いのとでは印象が大違いだ。
必要最低限の臨場感が展開され、演出面は大分マシになっている。
■世界が狭い
・国が一国だけしかない。
・街と街の距離が狭い。
・街の中が酷く狭い。
上記3点が理由。
おかげで、どうにも世界規模の冒険劇というより、一地方での活躍劇ぐらいにしか感じられず、物足りなさが残る。
■REQUEST:「防具類のキャラクターグラフィックへの反映」
本作では素材を集めて、武器や防具、アイテムを合成するというシステムがある。
が、正直な話、面倒なだけであまり楽しくない。
というのも、一番アイテムの中で目立つであろう防具類がステータス上の数字にしか反映しないからだ。
数字だけ、では目の前にぶら下げられる餌としては弱い。
集めた素材で新しいグラフィックの装備が作れる、といった形の方が断然面白いし、やりこみ要素の一つにもなるのではないかと思う。
COMMENT
プレイ環境 26インチHD液晶。
HDDにインストールしてプレイ。
過去にXbox360版を途中までプレイした経験有り。
本作をプレイしていて感じたのは開発チームのXbox360版への強い不完全燃焼の想い。
Xbox360の対応メディアがDVDだったということもあり、恐らく容量的な制限にかなり苦しんだのだろうと思う。
「これで終われない」「まだやれるはず」 そんな想いが感じてとれた。
ビジネス的にもPS3版のためだけに追加要素の製作費や時間を捻出するよりも、Xbox360版のものをそのままPS3で出してしまった方が楽だったはずだが、あえてそうせずに ここまで高めたものを完成させたということには一ゲームファンとして賛辞を送りたい。
ただし、ファンを振り回したということは確かであり、安易な作品発表や、身の程を弁えないゲーム作りは是非とも深く反省願いたい。
作品としては、クオリティが高くて万人向け。かつ長く遊べる非常に優秀な作品と言える。
遊ぶソフトに迷うPS3ユーザーがいるならば、どのタイトルよりも まずこちらの作品を買うべきだと薦めたい。