PlayStation mk2 :: PS4評価レビューサイト

GOOD!

【ストーリー】
世界観を練り直したのは意欲的だと思う。
「ラスボスを倒すと世界が破滅する」という設定もよかったと思う。
四章〜七章にかけてのホープとライトニングの内面変化は個人的に好き。

【戦闘システム】
慣れが必要だったけど、面白い。
操作にスピード性が求められたのも良かった。
後半、アクセサリやオプティマが揃ってきてからの対策を練る部分は面白い。

【グラフィック】
オープニングの列車内のアクションと第十二章冒頭の召喚獣総出演はスピード感があって良い。特に第十二章冒頭はそのまま戦闘にスムーズに移行して、見せ場だった。

【サウンド】
ボイスつきのBGMはおしゃれで良かった。

BAD/REQUEST

【ユーザーの教育コストが高い】
ストーリーやシステムを含めてトータルで教育コストが高いなという印象。
特にストーリーの「わけのわからないキャラがわけのわからないことを言っている」感は、なかなか解消されない上に、理解するべき用語が多い。
一周するだけで50時間も掛かるのに、さすがに二週してようやくいろいろと腑に落ちるってどうなのよと思ったが、FF13-2前にもう一度遊んでもらうことが前提の作りになっているのかも。

【第十一章でヲルバ郷に向けて旅立つまでの期間があっさりしているのは残念】
グラン＝パルスに来て、しばらく周囲を捜索したような記述があったけども、その部分はほぼ描かれていない。グラン＝パルスに来るまでの数日間の出来事は回想や主人公達の独白によってテンポが悪くなっていたのに、長い期間の話である第十一章で物語に関わるエピソードがほとんどないのは閉口。

【回想シーンの尺が長すぎ】
序盤の第二章の後によく知らないキャラ同士のキスシーン見せられても生暖かい気持ちにしかならない……それ以外にも、全体的に回想シーンの尺が長い。

【敵対勢力がほとんど描かれていなかった】
レインズかログディは一時的にでもメンバーになってもよかったように思う。FF12のラーサー的な位置づけで。ケアルラ＝ギアとか使ってくれたり。
ロッシュとナバートもあれだけではもったいないと思う。

【ラスボスを倒すことの意味と結果】
「シ骸になるか、数千万人死ぬか、どちらかを選べ」みたいな選択肢で、数千万人死ぬほうを選んでるっていうのは、さすがにどうかと……結果的に相手の思い通りになってしまった。映画「セブン」でさえ、葛藤の末に選んだ道だったのに、希望という名のノープランでやっちゃった感がある。

【「使命」「シ骸」「クリスタル」の謎】
　「この映画を見た事自体が“ハプニング”でした」と酷評されたナイト・シャマランの映画「ハプニング」と同じで、「謎」を提示しておきながら、それをよくわからないまま終わらせたら、やはり酷評されると思う。
そういう決着が付いていない感がスタッフの中にもあったのか、ファブラノヴァ作品の位置づけでは、わざわざ続編を作る必要はない状況でのFF13-2制作。システムは基本的に今作を踏襲するようだから、やってしまった感じのFF10-2のようなものではなく、ちゃんと決着がついたと思える内容を望みたい。

【もっと複雑な隠しダンジョンがよかった】
「ファルシ＝タイタンの試練」は隠しダンジョン的位置づけのように思うが、ミッションという形で同じく括りになってしまったのは残念。
「ファルシ＝タイタンの試練」の次のミッションを二択で選ぶ方式は確率的自然淘汰を意識させたくて作っているのだと思うけど、そういうのではなくFF12の「ゼルテニアン洞窟」のように、迷いやすくて探検しがいのあるダンジョンがあれば良かったのにと思う。オーファンズ＝クレイドルは演出効果で複雑なダンジョンのように見せているけど、実際はそうでもないのだし。

COMMENT

全体的には、そこまで酷評される作品とは思えないけど、かといって褒められるほどでもないという、どっちつかずな感じでした。
個人的には、もうFFシリーズは完全に国際版を主導にして、日本人声優も必要ないんじゃないかなと思っています。非日常感を入れるためと、制作コスト（主に工数的な面）を考慮して。そうすればもっと作品を洗練させられるのでないかと感じます。
今作は、メンバー変更時のオプティマ初期化や無駄に多い素材（おそらくアイテム合成のために用意はされていたのに合成はボツになったのでしょう）だったりと洗練が足りていないように思います。