PlayStation mk2 :: PS4評価レビューサイト

GOOD!

【グラフィック】

ＰＳ３という高性能素材に最高レベルの技術で応えた、流石の美しさです。
５点をつけたい所ですが、自分には「ただ綺麗なだけ」に見え、ゲームそのものへの愛着を湧かせるファクターにはなりませんでした。
欲張りすぎかもしれませんが、昔のＲＰＧをプレイした時に感じたような、プレイヤーをワクワクさせるような、この世界に行ってみたいと思わせるような情感も欲しかったです。


【サウンド】

浜渦さんらしい、クラシック調の和音が美しい良曲が多く、今までのＦＦシリーズと比べても良い意味で異彩を放っていました。
しかし場面と合っていなかったり、１２からの流れなのか、ＢＧＭに徹しすぎて印象深い曲が少なかったのが残念です。

BAD/REQUEST

・・・身を怒りに任せて書いたら、相当辛い評価になってしまいました。


【オリジナリティー】

ストーリーは、浮世離れした世界に現実世界の宗教問題とか国際問題とかをぶち込み、それに造語のオンパレードで無理やり雰囲気を出してちょっと社会派アピールするという、使い古されたもの。

戦闘システムも毎回新しいものに挑戦するという姿勢はは評価できるのですが、
一人しか操作できない、その一人が死んだらゲームオーバーという縛り、
それを補う形のオプティマは、結局ドラクエで言えば「さくせん」しか使えないようなもの、等
戦略性に乏しく自由度が著しく低下したシステムであり、戦闘の楽しさを著しく損ねたと断じざるを得ません。

世界観に至っては、どんどんSTAR WARSに近づいて行ってるようにしか見えません。
１０から一般人の服装はアジア風に、敵さんは近未来的装備という流れが見受けられますが、
どうみてもSTAR WARSに出てくる辺境の星の住人とシスの軍団にしか見えません。


【熱中度】【快適さ】【満足度】

ゲームに熱中できるかどうかはオープニングが大きな役割を担っていると思うのですが、このゲームのオープニングはそういう意味では凄まじいです。
オープニングから造語のオンパレードで、１マップ移動するごとにイベントをこれでもかと挟みこんでくるくせにそれらの解説は一切十分に為されず、プレイヤーはメニューを開いて用語解説を読まなければ世界観を把握できないという、いきなりプレイヤーを完全に置いてきぼりにするという開幕スタートダッシュぶり。

それに加えて台詞回しや演出も極寒の極みで、プレイヤーを十分に引かせてくれます。
これまでのＦＦでもその片鱗が見られましたが、よりリアルな映像と声優によるお力でその効果がより一層高まっており、「絶対にイライラしてはいけないイベント鑑賞大会」化します。

その上でさらに、キャラクター達の言動もその根拠にも共感どころか理解もできず、それぞれ自分勝手に行動するからキャラクターに感情移入する余地皆無。

戦闘も○ボタンをひたすら押すだけなのに加え、油断できない難易度の高さゆえに常にオプティマチェンジに目を光らせておかねばならない。
硬いザコ的相手なら５分以上もそのような状況が続き、頑張ったその先に待ってるのは上記のようなくだらないイベントと全く先が気にならないストーリー。
街などの精神的癒しスポットが潰え、フィールドもずっと一本道でひたすら同じ事の繰り返しなので、息つく暇もなく延々と苦しい校庭マラソンを何周も走らされているような気分になってきます。

熱中する余地もなく、プレイしていて不快極まりないのですが、ロードが早いという事で快適さは１点としました。

COMMENT

海原雄山が「このゲームを作ったのは誰だー！」と叫びながら製作室に突入していくのが目に浮かぶほどひどい出来です。
京極堂さんなら「なんちゅうもんを・・・なんちゅうゲームをプレイさせてくれたんやスクエニはん・・・！」と絶望に泣きながら震えているでしょうか。
期待していただけにプレイしていてそんな気分になりました。

ＦＦは新作が出るたびに、「ここはひどすぎる！」と思える所がどんどん増えていき、前作が良ゲーだったように思えてくるのがすごいです。
前作の１２も、自分は当時シナリオがあまりにもひどすぎると憤慨したものですが、１３をプレイした今では、ちょっと１２は短すぎただけかな？と思い直している次第です。
１２では柔軟性の高い戦闘システムと、やりがいのあるやりこみ要素などまだまだ良い所はあったのですが、１３はいよいよ褒められるのはグラフィックの綺麗さだけです。
いよいよ名実ともにムービーゲー化したという事でしょうか。
流石に落ちる所まで落ちたでしょうから、次回作に期待・・・できないなぁ、やっぱり。