PlayStation mk2 :: PS4評価レビューサイト

GOOD!

一回目はシナリオが変、何かに指図されるがまま、何かよく解らないまま途中放棄、という感じのFF13でありましたが、
2回目を遊んでみて・・・まず、自分に反省、そして、このゲームは漫然と流した程度では理解できない作りであり、
又細かい点でビックリするほど作りこまれている事に驚きました。なので改めてレビューさせていただきます。

■皆が良いと思うであろう所
・ムービーの細かさにしてももうこれ以上は望めないのではと思わせるグラフィック、ムービークオリティ。生半可な映画より綺麗です。
例：印象に残ったのではグラン=パルスに降り立った時の風景とかラストダンジョンでのマップの切り替わりとか（いずれも1回目の時は未体験）。
・音楽、各章に流れる音楽は悲壮感や息抜き感を漂わせ、雑魚戦の音楽「閃光」は普段の戦闘への動機をいっそう高めて、ボス戦「ブレイズエッジ」やバルト戦はいかにもボスという壮大な迫力で最高です。2回目のプレイ時もあれ、こんなに音よかったのか！と。
・非常に実験的で奥の深い戦闘システム（オプティマ）
戦闘はストレスレスで実際に戦っている臨場感が強い。
ブラスター：打撃が効く敵=○○ブロウ、魔法が効く敵=ファイア、ブリザド、etc、敵が密集している=ファイガ、ブリザガ、etc
ジャマー：ボス等の強敵=デプロテ、デシェル等、妨害の効く雑魚=ペイン、フォーグ等
といった感じに敵に応じて的確に攻撃してくれるのだ。この組み合わせを用意していろんなバトルの仕方が生まれるのだ。
今回は本編の難易度も珍しく高めだが、それ故戦闘に身が入るし、強敵と戦ってるうちにこの敵はどういうロールの組み合わせで誰にどんな行動するのが有効なのか?それを考えるのが楽しくて仕方がない。
（もっとも、この肝心の醍醐味を味わえるのも後半に入ってからなのだが）

BAD/REQUEST

■多くが悪いと思うであろう所
・スノウとヴァニラの態度、妙にノッてる口調（大体事情を知ってる2回目では、ほほえましく、楽しめました）
・シナリオの出来、後半はまだしも前半が悪い。 10章ら辺でやっと興味を引ける様になっても遅きに失する（実際、自分がそうであった様に途中で投げた人は多い）。
・滅茶苦茶に長く時間掛かるマップ、それに反比例の如く低すぎるゲーム性。
・何しろ何をするにしても、（サイト等を見るなりして理解していないと）楽しむ要領が分からない（シナリオの理解、改造、お金稼ぎ等）
・どの歴代FFと比べても、まるでFFっぽくない（あえて言うならFF12が近い）

COMMENT

■賛否両論な所
・キャラクターの個性、ココがFF12無印にはなかった要素でありFF13の魅力のひとつだと思う
ただしクリスタリウムというFF10でいうスフィアボードみたいなものだけでほぼステータスが決まるようなもんであるのはどうかと
（これに関してはキャラの個性もプレイの幅も出せるように改良したFF12インターのZDJライセンスボードがベスト）
・SFの世界で語られる神話を舞台にした、かなり硬派なシナリオ（一見さんお断り、2回目見ると印象が代わります）
・ゲームバランスを含め何から何まで開発者によって計算され決められたシステム（FF12とは正反対）

2回目を遊んで見ると、これらはユーザーの思い込みで大きく印象が変わるんだ、と言う事に気づかされます。
終始展開や言いまわしが小難しいのも、『クリスタル神話』の宗教という立ち居地で見れば、ああ、なるほどと納得できますし。
各キャラ達もちゃんとしたベクトルを持って行動を共にしており、本当に個性豊かなキャラクター達が、よくも集まって大きな流れに巻き込まれる、という見事な出来だったんだーと感じられるでしょう。
上記のとおり、予想以上にシナリオは良く出来ていたんだな、と驚きました。
複線も多く、神話的、政治的な話が多い硬派なシナリオで、悪をやっつける！という様な心構えで遊ぶと半分も理解できないかと思います。（それでもやっぱり可笑しい所があるかな・・・、と付け加えておきます）

後、隠し要素はFFにしては少な目です。ゲーム的にも悪く言えば開発者の手の内の通りであり、前作FF12の様なユーザー任せの自由度の「いきなりものすごい強い武器防具をレアモンスター、宝箱等からゲットして、敵をを蹂躙たり」といったのとは正反対です。
近年のFFと違って本編のボス、ラスボスがかなり強かった反面、近年のFFのお約束であった桁外れに多い裏要素や裏ボスも今回は大したことありませんでした。さすがにロングイを倒す（召喚無しで）のにはちょっと手間掛かりましたけど。
（FF12では本編：裏要素＝３：７ぐらいですが今回は７：３か８：２ぐらいですね。）

今回は奇抜な作品一つをじっくりプレイしたいFFユーザー向きで、取り敢えずサクッとクリアしてそれからやり込んでいくのが好きなプレイヤーにはまるで向かないゲームでもあります。