【PS4】サイコブレイク
発売元 | ベセスダ・ソフトワークス (オフィシャルサイト) |
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発売日 | 2014-10-23 |
価格 | 7884円(税込) |
レーティング | 【D】17才以上対象 暴力 犯罪 (CERO について) |
ショップ/リンク | Amazon |
タギングトップ3 | |
タイトル概要 |
■ ジャンル:サバイバル・ホラー ■ プレイ人数:1人 |
- 総合ポイント
- 48
- (難易度)
- 3.21
- レビュー数
- 19
スコアチャート
GOOD!
バイオハザード4をベースに、サイレントヒルの世界観とラストオブアスのスニーキング要素を混ぜ合わせたようなゲーム。
中盤まではなかなか怖く、僅かな弾薬や辺りに落ちている空きビンを使った陽動でいかに敵をやり過ごすかという緊張感が出ていて良かった。
特にチャプター1は近年のホラーゲームでも稀に見る恐ろしさで、チェーンソー男から逃げたり隠れたりとかなりの恐怖感が味わえた。
突如異世界に迷い込み、訳もわからず化け物に襲われるという設定や思わせぶりな登場人物、謎めいた内容のファイルやメモなど、続きが気になるような作りになっている。クリアしても一切伏線が回収されず意味不明なままだが。
この手のゲームにありがちな"終盤は弾薬が余りまくり"といったことがない。本当に最後までほとんど入手できない。
肉塊や死体などが散乱し、グロテスクで不気味な世界観がとても雰囲気が出ている。
時折バイオハザードのオマージュらしきものがあってニヤリと出来る。
BAD/REQUEST
画面に常に表示される黒帯が邪魔すぎる。
それに加えてカメラの位置が主人公に寄りすぎているため非常に見づらい。主人公が妙な走り方をするのでそれにカメラが追従し小刻みに画面が上下に揺れ、カメラのダメっぷりに拍車をかける。
悪すぎる視界のせいでボウガンを構えた時の矢の軌道線が最後まで見えない。カンで敵に当てろとでも言うのか。
ハンドガンの照準はブレすぎて意味不明なところに弾が飛んで行く。改造して命中率を上げてもブレる。リアルさを表現するために手ブレを導入するのはいいがやりすぎ。
操作性が悪く、独特のフワフワモッサリした動きをするので小回りがきかない。スニーク中は細かな位置の調整がやりづらく、向きたい方向に向かないわ旋回が大回りすぎだわとひどい。
敵の様子を確認するだけでもカメラ位置の切り替えがワンボタンで出来ないので苦労する。
怖いのは中盤まででチャプター6からは結局アクションシューティング化。狙撃銃やマシンガンを持った敵が登場した時は落胆した。終盤はほとんどすべての敵が拳銃・マシンガン・狙撃銃・ダイナマイトなどで武装しておりその辺の戦争ゲームとなんら変わらなくなる。
挙句の果てにはロケットランチャーを持つ敵まで出る始末。このゲームの敵は知能が低く扉の開け閉めも出来ないという設定だったはずだが。銃を撃ったりダイナマイトに点火し投げつけたりは出来るのに扉はバンバン叩いて無理矢理こじ開ける姿が不自然すぎる。
主人公が非力で弾薬も少なく、スニーキングするのが前提の作りなのにもかかわらず強制戦闘が非常に多いためバランスの悪さが目立つ。初期状態だと3秒しかダッシュが出来ないのは体力がなさすぎではいか。小学生でももっと長く走れる。
近接攻撃は弱すぎて完全に死んでいる。敵1体を倒すのに15発攻撃する必要があるのに敵はスーパーアーマーで反撃してくるので格闘を挑もうとしたら確実に殺される。
スニーキング要素を推しているのに主人公はしゃがみながら発砲・回復が出来ないというありえない仕様。隠れながら進んでいる場面で銃を正々堂々立って構えるのはあまりにも滑稽である。
ダメージを受けて怯んでいる時やダウンしている時に無敵時間が一切発生しないので敵に囲まれているとそのままボコボコにされて死ぬ。またスニーキングキル中や段差の昇り降り、マッチの使用時など本来無敵時間であってもおかしくないはずの場面でも無防備のままで理不尽な攻撃を何度も喰らう。これは2014年発売のゲームとしてはあまりにもお粗末ではないだろうか。
10年前のバイオハザード4ですらそういった動作の時は無敵だったのだが。
前述した要素に加えボスだけでなくザコも即死攻撃を持っていたり数多く仕掛けられている即死トラップのせいでかなり死亡するがコンティニュー時のロードが15秒程と長い。チェックポイントも少ないので場面によってはかなり戻される。死んで覚えるゲームならこういった部分で受けるストレスを限りなく少なくするのが当たり前。
そもそもホラーゲームと死にゲーは相性が悪い。何回も死ぬうちに恐怖に慣れてしまい作業的にプレイするだけになってしまう。
カメラ内にうまくアイテムを収めないとアイテムアイコンが表示されない。明らかにアイテムが見えているのにいちいちカメラを正面に据えないといけないのが面倒くさすぎる。加えて黒帯と寄り過ぎな視点のせいで注意深く探索しないと高確率で見落とす。
手榴弾を投げるときのモーションが超大振りでスキだらけ。その間に敵が近づいてきて手榴弾の爆破範囲から逃れてしまい、組み付かれてダメージ。
どこかで見たような敵や舞台が多く、チェーンソー男やザコ敵、序盤の村はバイオ4、錆びついた世界観やゴアなオブジェクトはサイレントヒル、キーパーはサイレントヒル2の三角頭(終盤で2体同時に出てくる演出は丸パクリ)、空きビンを敵にぶつける、ナイフでのスニーキングキル、崩壊した都市はラストオブアス、中盤の洋館はバイオ1、ラウラは貞子とこのゲームならではの要素が全くと言っていいほど存在しない。
ストーリーが意味不明。さんざん思わせぶりな設定や伏線を出しておいたくせにそれらを全て放り投げてエンディング。冗談抜きでひとつも真相が明かされず、情報が少なすぎて考察すら出来ない。何か知っていそうなキャラが重要な事を話そうとした瞬間異世界に飛ばされるという展開が多すぎて埒が明かず、終わらない鬼ごっこをしているような気分になってくる。結局それらのキャラは最後まで真相を語ることはなく死ぬか姿をくらます。
またレスリーが突如現れては意味不明なことをつぶやき、プレイヤーを導くような立ち振舞いをしたかと思うと突如発狂、どこかへ走り去るというシーンがあまりにもしつこく繰り返され、もう続きが気になることもなくなりただただレスリーの言動にイライラするだけになる。
縦マルチなので仕方ないとはいえグラフィックが汚すぎる。テクスチャの貼り遅れも目立つ。遠くのビルや序盤のパトカーはPS2レベル。それ以外のシーンでもPS3中期レベルの映像。
ただ生理的嫌悪感を抱く不気味な世界観や気味の悪いオブジェクトは良く出来ていたのでグラフィックはギリギリ3点。
「ゴアDLCを適用しても海外版と同じ表現にならない」ということを発売直前に発表。ユーザーを騙したと言っても過言じゃない。こういうことはもっと早いうちからきっちりと言っておくべき。
センサー爆弾のトラップはいらない。起動させないためにはしゃがみ移動しなければならずテンポが悪くなる。死角に配置されていて気づけるわけもなく爆発させて大ダメージというパターンも多く萎える。解除することも出来るがこのトラップだけは解除に失敗しダメージを受ける場合があり迂闊に出来ない。しかも何故かセンサーは主人公にしか反応せず敵が近づいてもピクリともしないという理不尽仕様。
ボス戦の作りが雑。特にラウラ戦で顕著。また終盤になるに連れてボスのデザインがB級映画の巨大モンスターのような陳腐なものになっていきホラーの欠片もなくなる。
COMMENT
プレイ時間17時間13分。死亡回数75回。
ホラーゲームはバイオ、サイレントヒル、零、クロックタワー、サイレン、デメント、エターナルダークネスとそれなりにプレイしています。よく比較対象に挙がるラストオブアスもクリア済み。
「ホラーの原点」「真のサバイバルホラー」などと謳っておいて蓋を開けたら結局ドンパチシューティング。予告トレイラーでもチェーンソー男から逃げたり、蜘蛛女に為す術なく殺されたりとホラーテイストを前面に押し出ていたのにこの有り様ではプレイヤーが失望するのも当たり前である。
同系統のジャンルのラストオブアスやデッドスペースと比べると作りこみが甘いと言わざるを得ない。いろんなゲームをごちゃ混ぜにしてみたがどれも中途半端になってしまったという印象が強い。ホラーとアクション、どっち付かずになったせいでかなりバランスが悪く、理不尽な死でストレスが溜まる。
バイオ1,4の三上真司ということもあり大変期待していたのだが非常に残念な結果になった。チャプター1の作りを最後まで徹底していれば評価はかなり違ってきたと思う。
中古で1500円位になった時に「ちょっとグロいTPS形式のアドベンチャー」的なノリで買えばそれなりに楽しめるかもしれないが今定価で買うのはおすすめしない。