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【PS3】Wizardry 囚われし魂の迷宮

発売元 アクワイアオフィシャルサイト
発売日 2009-12-09
価格 2000円(税込)
レーティング 【C】15才以上対象 (CERO について)
ショップ/リンク ニュース
タギングトップ3
タイトル概要 ■ オンライン配信専用
■ ジャンル:RPG
■ プレイ人数:1人
■ 必要容量:624MB(体験版)6KB(製品版解除キー)



オリジナリティー グラフィックス サウンド 熱中度 満足感 快適さ (難易度)
4pt 4pt 3pt 5pt 5pt 4pt 3pt
総合点
89pt

GOOD!

本編 + 追加ダンジョンクリア済み。
原作Wizardryシリーズは1〜5まで。国産ではアスキーの外伝1〜3をプレイ済みです。

なお私のレビューでは、やたらと過去作(私にプレイ経験がある上記の作品に限っています)と比較して本編を評価しています。
理由は、Wizardryシリーズは歴史が長く、原作のファンも多いと思うためです(私も大の原作1〜5のファン)。
一応、本作単体の評価としても、おかしくないように書いたつもりです。
文章内で「過去作にはない」とか書いていますが、あくまでも私の経験で書いています。もしかしたら上記以外のWizardryにはあるかも知れません。あらかじめお断りしておきます。

あと長文ですみません。


■値段が安い
本編が2000円で遊べます。しかも昔の移植ではなく、完全新作ダンジョン。かなりお買い得な値段だと思います。

■ちゃんとWizardryしている
過去作で慣れ親しんだWizardryらしさは、本作でも充分に味わうことができました。
・ダンジョンを一歩ずつ進んで白紙のマップを少しずつ埋めていく。
・見知らぬモンスターと戦い、モンスターの特性や倒し方を覚えていく。
・各キャラの役割(戦士、魔法使い、盗賊等)を考えて、パーティ全体のバランスと強さを考える。さらに、これの自由度の高いためプレイヤーが思い思いのパーティーを組める。
・モンスターが落とす宝箱を空けて手に入れたアイテムのレア度にドキドキする。
・そして、キャラの経験値を溜めてのレベルアップや、拾ったアイテム、転職でマイキャラを育てていく。

■システムが過去作から改良された
1過去作ファンとしては正直BADの要因にもなるのですが、やはり評価としてはGOOD!の方が適切だと思うため、こちらに記述。
元のWizardryは29年くらい前に産まれたゲームのため、現在の日本のゲーム事象から見ると、さすがに古くさいと思えるシステムや、もっと改良や洗礼されたシステムを既にユーザーに知っていたりします。
本作では、Wizardryらしさを残しつつ、システムを今時用に調整されていると思われます。
調整は、かなりマイルド寄りになっているため、従来のWizardryファンは本作をヌルく感じるのでないでしょうか。
ですが、今時のゲームとしてみると、この程度は遊びやすさが引き立てられており欠点にはならないと思います。
私は「今回のWizardryはこうなんだ」と納得できました。

システムの相違点を具体的にあげます。長文のため読み飛ばしていただいて結構です。すみません。
・いつでも任意でセーブできる。
過去作は風来のシレン同様、システムで自動的に随時セーブされる。そのため戦闘でパーティ全滅時は全員の死体が迷宮内に残されてしまうため、回収するには別のキャラをそこまで行けるように育てておく必要があった。さすがにそれは厳しいので多くのプレイヤーはリセットしていたと思いますが(笑)
・年齢の廃止。
過去作は転職したり、宿屋で体力回復したり、魔法や教会で生き返ったりすると年を取った。年齢が高くなるとレベルアップ時に能力値が減りやすく、老人くらいの年齢になるとロスト(セーブデータから削除)する。
・ゲーム終了してもパーティーが解散しない。
過去作は起動ごとに宿屋でパーティーを組みなおさなければならなかった。
・冒険中に必要な経験値に達すればレベルアップする
ドラクエやFF等では当たり前のシステムだが、過去作は必要な経験値を得てから、宿屋で宿泊した時にレベルアップ。
・転職がドラクエ風味になった。
本作では最大HPが転職した職業にあわせて減少する。能力値はそのまま(過去作では各種族の基本値まで減った)。
・性格の変更が 善<->中<->悪 全てに変更可能
外伝は忘れましたがWizardry1〜5は、善<->悪の変更しかできなかった。
・友好的なモンスターに「様子を見る」の選択肢が追加
外伝は忘れましたがWizardry1〜5は、戦うか立ち去るしかなかったので、善悪混合パーティーでは性格が変わる可能性があった。
・持てるアイテム数が14
過去作では8

■システムが便利
インターフェイスをはじめシステムデザインが、細かいところまで気を使って設計されていると感じました。
まず、ソフトウェアリセット(笑)がある。個人的ですがWizardryの標準テクと言えるものなので重宝しました。
ほかにも
・稼いだゴールドを経験値に変換可能。
・アイテム欄やキャラ順の整頓機能あり。
・アイテムトレードやクエストなどユーザーを飽きさせない要素がある。
 ただクエストは納得いかない点も -> BADへ

■綺麗なグラフィックがついた
プレイヤーの種族の男女ごとに1つずつ絵があります。
硬派のWizardryマニアには抵抗あるかもしれませんが、個人的には好みのタッチでした(笑)。
1種類しかないのは、まぁお値段を考えれば許せる範囲かなと。

BAD/REQUEST

■戦闘のバランスが取れていない
中盤と終盤の手前で、モンスターが急に強くなります。初めてそこまでたどり着いたパーティーでは太刀打ちできないことすらあります。
特に中盤以降は、ある職業のスキルは必須ではないかと思えるくらいです。
また、そのスキルも非常に強力で、発動すれば、ほぼノーダメージで勝てるようになります。
印象としては、モンスターと自分の強力な力がどんどんインフレをおこしているような感じです。
そのため、相手の攻撃に対抗できなくなった途端にパーティー全滅すら簡単に発生します。
あと本編のラスボス。いくら最後とはいえ強過ぎ……。

■クエストのバランスが悪い
発生するタイミングが遅すぎると思ったクエストが、結構な数ありました。
私の場合、ダンジョン中盤にあるアイテムを取って来るクエストが出たのが、終盤手前ということがたびたびありました。
また、クエストの目的(ダンジョン内のどこかで起こるイベント)が、場所どころか階すら明示されないことも多い。
そのため、埋め尽くしたマップをもう一度すべて回る必要が出てきたり……。面倒で攻略サイトに頼ったことも何度か。

■経験値とアイテムの入手率が低い
過去作ではダンジョンの部屋に宝箱を持ったモンスターがいたため、扉を開ければモンスターとアイテムに会えました。
しかし本作はダンジョンをうろついてのエンカウントが主です。
ダンジョン奥はモンスターが強力になるのに、こちら側は強くなるのに手こずりました。


以下は個人的な不満点になります。
■レベルアップが冒険中に発生する
 または、レベルアップ時の能力値やHPの上昇率が悪い
個人的に、これが本作一番の不満点。
偉そうにシステムの改良が良いと書きましたが、不満もあります(笑)
過去作ではレベルアップは宿屋限定のため、ダメならリセットしてやり直しを全キャラまとめて簡単にできたのですが……。
本作ではダンジョンでレベルアップまじかか確認するのが面倒でした。

本作は過去作同様、レベルアップ時の能力やHPの増え方の大小の差がかなりあります。
先のモンスターはとんでもないダメージを与えてくるため、リセットでやり直しをしたくなります。

■レベル上限が50まで
やり込みこそがWizardryの醍醐味なのに……。まぁ追加ダンジョンのバランス調整をしやすくするためと受け取っていますが(笑)

■インターフェイスが統一されていない
これもGOOD!で上げましたが、良くない思える点も。
本作はメニュー画面でキャラ選択する場合、L1とR1を使うことがほとんどですが、街の施設では方向キーを使用することもあります。
細かい点ですが、仕様は統一してほしいです。
あと、アイテムの受け渡し画面は独特で、最初は使い方がわかりませんでした。通常のものでよかったのでは?

■魔法のエフェクトで派手すぎる
魔法効果の演出がメッセージウインドウにまで広がるため、文字が見えないときがあります。
また画面全体が強烈にフラッシュするものもあり、結構目にキツいです。

■ダンジョンが暗くて見にくい
明かりの魔法かたいまつをつけないと、左右が壁か空いた空間なのかがわかりづらい。

■敵と遭遇したとき、パーティーの向きが変わる
蟹のような横移動中や後ろへの移動中に敵と遭遇すると、勝手にそちらに向いてしまいます。
3Dダンジョンタイプのゲームでは迷子になりかねません。

■ノームのHPが上がりづらい
VITを最大(+アイテムで増強)にしても、なかなか期待した値まで上がりませんでした。VITが1大きいだけのポークルだと何回かのリセットですむことが多いのですが。

COMMENT

偉そうに長々とすみませんでした。ですが、
私はむしろWizardry未経験な人にこそ本作に触れてほしいと思います。
特にモンハンやドラクエ9の素材集めに燃える人や、風来のシレンシリーズが好きな人にはお薦めです。
3Dダンジョンの移動は独特ですが、やってりゃ慣れます(笑)

私の勝手な想像ですが、開発者はWizardryという古くて使い勝手が悪いゲーム(ほめ言葉です)を、ドラクエやFF層に遊んでもらおうと本作を作ったのでは? と思いました。
かなり原作Wizardry贔屓の私としては、いろいろ不満もありましたが、結局シナリオ最後まで一気にプレイしてしまいました。
GOOD!で記述済みですが、ちゃんとWizardryらしさは残っていたと思いましたし。

後はやっぱり値段。2000(+500)円分は充分楽しめました。
安ければいいというつもりはありません。本作は基本部分はちゃんと出来ていると思います。
ボリューム的にも少なくはないと思います。過去作も単体ではこの程度の階層数でしたし。

Wizardryはある程度の固定ユーザーはいますが、近年の国産シリーズを見る限りではビジネスとしては厳しい作品だと思います。
それを今、こうして顧客層の拡大も兼ねた(と私が勝手に解釈している)このような作品が出るのは1ファンとして嬉しく思います。
全体的にモンスターとイベントのバランスに、やや難があると思いますが、
体験版もあることてすし、新規ユーザーにも従来ユーザーにもお薦めできる作品です。

   
プレイ時間:100時間以上(クリア済)
こちょんさん  [2010-01-22 掲載]

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総合ポイント
69
(難易度)
2.64
レビュー数
11
スコアチャート Wizardry 囚われし魂の迷宮レビューチャート

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0-9
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10-19
0%
20-29
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30-39
18.2%
40-49
0%
50-59
36.4%
60-69
36.4%
70-79
9.1%
80-89
0%
90-100
【60点以上】
81.8%
【標準偏差】
12.88