このソフトのレビューを書く

【PS3】アルトネリコ3 世界の終焉の引鉄は少女の詩が弾く

発売元 バンダイナムコゲームスオフィシャルサイト
発売日 2010-01-28
価格 7329円(税込)
レーティング 【C】15才以上対象 (CERO について)
ショップ/リンク Amazon(廉価版)
タギングトップ3
タイトル概要 ■ ジャンル:ムスメ調合RPG
■ プレイ人数:1人

【廉価版】
■ 発売日:2011/08/04
■ 価格:3,800円



オリジナリティー グラフィックス サウンド 熱中度 満足感 快適さ (難易度)
4pt 3pt 5pt 4pt 4pt 4pt 1pt
総合点
80pt

GOOD!

〆オリジナリティ
 アルトネリコとは何なのか。
 ものすごく簡単に言えば。
 世界(社会)成立の根源に関わらさせられたばっかりに不幸のどん底に居るヒロイン2人(+1人)を
「1人だけ」助け出し、ついでに世界も救ってしまう王子様の物語。
 これ以外のストーリー展開は他のRPGはOKでもアルトネリコとしてはNGという、水戸黄門ばりのお約束を楽しむRPGです。

 ヒロインの良い所だけでなく、悪い部分もあからさまに見せていくダイブシステムも健在。
 今回は多重人格ということもあって、前作まではあくまでその一部分だった性格上の欠点が、もっと根本的な「一番弱い者が一番□×者に犠牲を強いる」「▽幸を自分から求める」といった女性独特の狡さに繋がる部分に入り込んでいるのも良い感じ。
 一緒に冒険を重ね、「世界で一番誰よりもおまえが好きだ!」と主人公とヒロインが相思相愛になっていく課程もこれまで同様。
 「俺の嫁が犠牲になる世界などゴミかす同然だ」と一片の躊躇もなく即答する潔さ。
 「でも、人を本気で好きになるってこういう事だよね」そういう浪漫と納得感があるからこそ、このシリーズに根強いファンがいる理由なんだと言えます。私もその1人です。はい。
 悪いところはかなり悪いけど、良いところは突き抜けて良い。
 そういう意味でも、アルトネリコ3作中でも今作が一番アルトネリコとして良い出来でした。

〆ストーリー
 ガスト独特といっていい柔らかいキャラクター表現やイベント傾向はそのままに、ミュートの様な脇役もただのお笑いやられキャラで放り捨てる様なこともなく丁寧にフォローしていく展開はとても良かったです。
 サキルートノーマルエンドの最後の絵本は、サキの心情がとても上手く込められてて、ぼろぼろに泣いてしまいました。
 泣きはしませんでしたが、サキルートトゥルーエンドも伏線として1の主人公(アラブの王族の様なハーレムぶりは健在)が土台を作り〜2のヒロイン達の支援を受けて(2の主人公の空気度も健在)〜3に連なって行く展開も非常に感動的でした。今作が初めての人はさっぱり訳判らんかもしれませんが。

〆ヒュムノス(詩音楽)
 OPテーマは圧巻。魂が入ってるとしか言いようがない圧倒的クオリティ。
 今回、このゲームに併せて思い切ってヘッドホンを新調したかいがありました。
 OPを飛ばさず毎日見てます。短すぎるので、10分ぐらいの超ロングバージョンを作って欲しいなあ。
 歌姫の人数は多いですが、歌姫ごとの自己主張よりも詩世界を表現する事の方に主眼が置かれていますのでアンバランス感が一切無いのも良いです。
 とても聞きやすいのですが、逆に言えば誰が何を歌ってるのかゲーム中では判別しにくいので、歌姫さんそれぞれのファンの人はちょっと物足りない風に思うかも。
「けんかをや・め・てー」とか一部の詩は、逆にかなり自己主張激しいですけどね(笑)

〆忙しい割に温い戦闘
 エンカウントは割と多いのですが、さくっと終わるので疲れません。楽々脱いで楽々決着。
 序盤は前衛だけでなぎ倒し、中盤以降はRAHをちゃんと組んだ上で3段目パージ3万%前後で詩魔法ぶっ放せば、どんな雑魚でも1戦40秒以下(ちなみに第4段階パージのスリップスフィアはめんどくさいのでボス専用)。
 ゲージ見ながらタイミングでボタンを押して(ガードしてもブローで飛ばしても一時的なテンション上昇があるっぽいのでテンション大波時以外は実は細かく攻撃を合わせる意味はなかったりする)、ヒロインを守りつつ、ヒロインを脱がせつつ、前衛の体力ゲージも気にしながら、たまに前衛も脱いじゃって(超必殺技をつかうと前衛も脱ぐ)、RPGでこれだけいろいろ忙しくて、最後に戦闘評価まで付けてるのに「WIZARDRY」の次ぐらいに速く決着するという驚きの戦闘解決スピード。
 MAP機能ないし迷いながら戦闘するのはめんどくさいから、セーブ周辺で敵根絶やしにしてから探索しようみたいな事も楽々可能。
 逃げるコマンドは100%成功して5秒で戦闘終了。
 良い意味でも悪い意味でもストレスがまったくない絶妙(?)な大味戦闘加減がむしろこのゲームとしては良いんですが。
 アクションRPGだと思わないでください。中身はリアルタイム式のコマンド戦闘です。期待する方が間違ってます。

〆バグ関係は非常に良好?
 地形にはまる事があるようですが、私は特に一切無かったです。
 フリーズも55時間でたったの1回こっきり。
 できて当たり前の事なんですが、ロロナが凄いことになってたのでほっと一安心。
 3人目ヒロインの台詞でバグ関連の開発側の愚痴が聞けますです。
 なるほどなー、ロロナ大変だったんだなあと思ってしまった(笑)
 とあるチートモードが発見されておりますが、今回に関しては存在をある程度容認せざるを得ないかも。

BAD/REQUEST

〆RAHシステム
 今作品一番の不満点。
 アイデア自体は面白いですが、これがゲームのセールスポイントというには、ちょっと遊び心が足りないです。
「ピンチのときにうたう”かも”」「絶好調の時”だけ”うたう」とか書いてるのは、いかにも小人さんの気まぐれな仕事って感じで、そこはとても気に入ってます。
 気に入ってるんですが、アレンジ傾向関係なしでヒューマーの攻撃・防御・回復といった特性とレベルで入れないと戦闘効率がかなり落ちるのはちょっといただけません。
 戦闘効率重視だと曲アレンジの組み合わせが、一気に限定されちゃうのがかなり不満です。
 戦闘効率を10秒以上落としてアレンジにこだわる気になるほど戦闘自体が面白いわけでもないし。
 なので、私の場合は戦闘ベース曲が3曲あるのに結局みんな電波で可愛い調の同じ様な金太郎飴アレンジになっちゃいます。これがめちゃくちゃ面白くない。
 ・属性効果のスロットは自由に選べる
 ・ヒューマーは持ってる全員分のをヒロイン1人が全部つかえる
 ・ヒューマーレベルは全員Lv1スタート
 ・戦闘に出せば出すほどレベルが上がって行く
 ような仕様にしてほしかったですね。
 グラフィックはどうでもいいけど、ここだけはもっと頑張って欲しかった。

〆グラフィック・演出全般
 PS2のアルトネリコからそんなに進化してません。
 なので、一枚絵は綺麗ですが3D部分はテイルズなんかと比べると非常に落ちます。
 まあ、気に入った人にとっては大した欠点にはなりません。5時間もやってればあっさり慣れます。

〆MAP機能がない
 クラスタニア行政区だけは自分でMAPを手書きしました(地下鉄路線図程度のものだけど。複雑じゃないんだけど、それでも覚えられないw)。
 あと、ボス直前って時にダンジョンからワールドマップへ勢い余って飛び出しちゃうって事が結構頻繁にあるのもMAP機能が無い弊害。
 この辺はとっても不便であります。

〆ボタンの反応(レスポンス)が妙に悪い
 特に4段パージ目で発生するスリップスフィア。
 押すタイミングはめちゃくちゃ簡単だけど、連打時のボタンが全然反応しないので、結局妥協かボタン連打に。
 曲を覚えれば、漠然と全体を見ながらできるのは良いといえば良いんだけど、そもそもボタンの反応感度を上げてくれてればなんの問題も無いのであります。
 ゲージを廃止して、○×△□ボタンでタンバリンとかカスタネットとかドラムとか打楽器系のいろんな合いの手をいれられる様にして、上手くそれがノリノリになったら高ダメージみたいなのが良かったなあと。

 パージは結構力を入れてコントローラーを両手で持ち、高速で釣り竿をしゃくるように上下に2、3回ぶんぶん振ってるんですが、
「ヒロイン脱がすのになんでこんな私必死なの?」
 みたいな感じがしないでもない(笑)。

〆ブロウ(ヒロインサークルからの敵はじき飛ばし)守備範囲ひろすぎ
 警報がなったら、即×ボタン連打でどこからでも戻ってこれるってのは、ちょっと守ってる感が薄れてしまってるような。
 敵をしばらく待ってから突っ込んで行けば、ヒロインの位置なんか別に判らなくても全然平気ってのは、楽だけどやっぱちょっと浪漫成分がたりないなあ。
 例えば、帰還可能範囲をもっと狭くしつつ、
 タイトーのシューティング「メタルブラック」のような演出で、敵味方の詩魔法が相互干渉しながら「互いの魔法を先に押し込んだ方が勝つ」みたいなレーヴァテイル同士の中ボス対抗戦とかあるともっと盛り上がれたんじゃなかろうか。

〆周回累計で達成にならず、その1周回で条件達成しないとクリアできないトロフィーが結構ある。
 例えばサキルートのダイブ100%コンプ。
 私はトゥルーまでいったにも関わらず達成率98%でとまってしまいました。
 確実に100%にしようとしたら、攻略サイトを見るかよほど気をつけてやらないと取り返しが付かない事に。
 デバッグモードは使わないつもりだったんですが、このダイブ100%の時だけは使いました。
 どこの部分を取り逃がしたかが判らず、それでなお「トロフィーほしけりゃもっかいサキルートを最初から最後まで完璧にやりなおせ」ってのはあまりに酷い。

COMMENT

〆プレイ環境:PS3+松下Viera(TH-26XL70)26インチ液晶+5.1chサラウンド(YAMAHA AVX-S35F)+ヘッドホン(オーディオテクニカATH-A900) HDMI接続

 サキルートのノーマルとトゥルークリア済み/プレイ時間が56時間でした。
 ゲームの面白さは減点法じゃみつけられない。
 そんな人で興味があるならば是非どうぞ。
 ただし、レビュー傾向を見ても判るように、ゲーム部分の作り込みに期待するとがっかりするかもしれません。
 欠点を埋めて余りあるストーリーではあるものの、総合的なストライクゾーンは結構狭いので注意。
 私個人はど真ん中ドストライクでした(笑)
 みんな結構辛い点数つけてるなあ。むう。

   
プレイ時間:30時間以上60時間未満(クリア済)
真紅さん(Webサイト)  [2010-02-17 掲載]

このレビューはオススメ? はい  いいえ


アルトネリコ3 世界の終焉の引鉄は少女の詩が弾くのTOPページへ戻る

総合ポイント
57
(難易度)
1.81
レビュー数
31
スコアチャート アルトネリコ3 世界の終焉の引鉄は少女の詩が弾くレビューチャート

アルトネリコ3 世界の終焉の引鉄は少女の詩が弾く 購入する
0%
0-9
3.2%
10-19
6.5%
20-29
9.7%
30-39
19.4%
40-49
16.1%
50-59
12.9%
60-69
19.4%
70-79
9.7%
80-89
3.2%
90-100
【60点以上】
45.2%
【標準偏差】
19.08