PlayStation mk2 :: PS4評価レビューサイト

GOOD!

＜操作感の妙＞
やはり独特な操作感は、一興です。リアルな日常風景にフッと浮かび上がる「アイコン」ですが、表示のセンスが良いので違和感なくゲームとして溶け込んでいます。

最初は「こんなことまで操作するの？」と思うのですが不思議とそういった”ちょっとした”操作・動作を行うのがクセになってきます。次第に、リアルタイムで進行するイベントにあわせて歩調を合わせてみたり、カット割りで格好の良い位置にキャラを座らせてイベントを進めたりと、上手に”演じる”ようにプレイしている自分がいます。この感覚はほかのADVには無いものだと感じました。

＜表情豊かなキャラ・深遠な音響＞
とにかくキャラの感情表現が豊かです。細かい動きから生々しさを巧く表現していると感じました。イベントシーンで見入ってしまう、というのはADVでは重要なポイントだと思います。

降り注ぐ雨音、軋む床、遠くで聞こえる子供の遊び声といった音響づくりがしっかりしており、臨場感たっぷり。BGMもオーケストラで印象に残る物が多く、物哀しいメインテーマはこの作品を象徴する出色の出来映えです。

＜リアルタイムイベントの緊迫感＞
いわゆるQTE（クイックタイムイベント）と呼ばれるボタン押しがイベントであるのですが、緊迫感が常にあり手に汗握りながらプレイすることが出来ました。入力の是非により展開が随時変化していくので見応えもあり、まさに「さわれるドラマ」という表現がぴったりくる作品です。

BAD/REQUEST

＜繰り返しプレイが微妙にしづらいシステム＞
マルチエンディングで、QTEによって展開も分岐するのですが、システムにそういった分岐を俯瞰できるものがなく、どの選択がどこに影響しているかなど、自分で考えて判断するしかありません。複数の章に影響をおよぼす分岐・選択も存在する為、その辺の状態を一覧できるフローが欲しかった。

やりとりのスキップ機能等もない為、分岐の起点となるチャプターをひたすら繰り返すのは中々辛いものがあった。

＜操作性に若干くせあり＞
Ｒ２で前進、Ｌ３アナコンで方向を定めるという仕組み自体はすぐに慣れました。しかし視点が切り替わるときに進行方向を見失い、意図しない方へ右往左往をしてしまう点があり気になりました。

＜追加エピソードの配信がやるきなし＞
この手のADVで、物語を補完する追加エピソードをDLCで配信すること自体は良い試みだと思います。本編が終わった後も、継続的に楽しみが増えるのですから。しかし本タイトルの配信計画はいい加減です。2010年4月に１エピソード（本編とは関連の薄い内容）が1話配信されて依頼、2011年1月現在まで、他のエピソードの配信がありません。ゲーム内には追加エピソードが加わって行くであろう余白のあるメニュー画面があるだけに、非常に残念。売った後のフォローもきちんと行って欲しいと感じました。

COMMENT

ADVの次なる形を垣間見た気になるゲームです。あくまで「ゲームのストーリーを体感できる」というゲーム性ですので、自分で犯人を推理したり、手がかりを見つけたりと言ったゲーム性とは方向性が違うのでご注意を。

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