【PS3】HEAVY RAIN(ヘビーレイン) −心の軋むとき−
発売元 | ソニー・コンピュータエンタテインメント (オフィシャルサイト) |
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発売日 | 2010-02-18 |
価格 | 5980円(税込) |
レーティング | 【D】17才以上対象 (CERO について) |
ショップ/リンク | Amazon(廉価版) |
タギングトップ3 | |
タイトル概要 |
■ ジャンル:サイコ・サスペンス 【廉価版】 ■ 発売日:2011/03/10 ■ 価格:2,980円 |
GOOD!
●作り込まれたグラフィック
●群衆シーン
群衆の中を歩くというのはゲームでは初めての体験でした(『GTA』などは近いことをやっていますが)。高度な技術だと思います。ただ、作り手もわざわざ技術開発したのだからということか、登場回数が多めでした。
●QTEで失敗しても先に進む(ゲームオーバーがない)
成功するまで何度もやらされていたら、クソゲーの烙印を押されていたでしょう。
BAD/REQUEST
●シナリオがサスペンスになっていない
サスペンスとしては粗だらけ、矛盾だらけです。
FBIが何の手がかりもなしにいきなり容疑者の所へ行くし、2年間預けられた車からなぜか犯人のメッセージが出てくるし、そもそも雨水がそんなに溜まるわけがない。真犯人の正体も意外性を狙っているだけで説得力がありません。
また、被害者の家族に聞き込みをする場面がありますが、ちゃんと情報を聞き出そうが聞き出すまいが、後の展開に影響しません。これではクライムサスペンスとして味気なくなるのは当然です。
BGMと映像が思いっきりサスペンス風なので、このシナリオはとても不釣り合いです。
それに、いろんな場面が過去の洋画と類似しており、どこかで見たような場面ばかりで目新しさがありません。
●QTEが面倒
最初こそ没入感の手助けになりますが、すぐ飽きます。
「薬を使う」といった日常的な動作まで複雑な操作を要求されるのは苦痛です。
それに成功しても失敗しても大して展開が変わりません。何のためにやっているのでしょうか。
COMMENT
プレイヤーに自由に選択させることと、分岐が増えることの間で葛藤している作品です。
展開にプレイヤーの意思を反映させたい、でも分岐が増えると作り手の作業量も膨大に増えてしまう。そのため、どの選択肢を選んでも分岐が増えないように必死に火を消して回っているという印象です。
プレイヤーがどういう行動を取ろうが、基本的に展開は変わりません。シナリオの一部が変わる程度です。
登場人物が死んでも物語は続きますと説明書に書いてありますが、死ぬのは物語の終盤になってからです。それで最後の展開が変わるだけ。
これを高く評価した方は、おそらく1周しかプレイしていないのでしょう。そして「自分は自由に行動を選択しているのに、物語がどんどん進んでいく!」と驚いたのだと思います。しかし2周目をプレイしてみれば、どの選択肢を選んでも結局同じ展開になることに気づき、興ざめする筈です。
慎重に選んだ選択肢も、必死になって成功させたQTEも、実は大した変化を及ぼす物ではないのです。それを悟られないためにわざと繰り返しプレイがしづらい仕様にしたと思われます。
手品と同じで、タネを知ってしまうとつまらなくなるというわけです。