PlayStation mk2 :: PS4評価レビューサイト

GOOD!

　まず目を引くのが、ファンタジックというよりメルヘンチックな油絵のような美麗グラフィック。キラキラ光るおしべめしべを広げた大きな花、人間以上の大きさのキノコなど、いやがおうにも童話的な世界へ引き込まれる。フィンランド産のゲームとのことだが、あの「ムーミン」のトーベ=ヤンソンを輩出した国と思うと、絵柄の方向性は違うながらも何となく納得してしまう。
　魔法使いによる足場生成、女盗賊によるロープアクションと弓矢、騎士の剣や盾を駆使して進んでいく2D横スクロールアクション（+パズル）ゲームで、それを3D描画で表現しているところが面白い。これらのほとんどが右スティックで操作できるのも目新しい。物理演算が非常に綿密に練られていて、動きにほとんど不自然さが無く、女盗賊がロープでぶらぶらしているのを見るだけでも何となく気持ちいい。狙ったところに飛び移れたり仕掛けを設置できたりすると達成感を得られるし、アクションが苦手で失敗しても体力をチェックポイントで回復したり、置き場所を間違えても魔術師の念力で動かし直したりと、いくらでもフォローが可能。
　とことん計算されて作り込まれ描き込まれた多彩なステージ、敵のほとんど全てがアンデッド＝「生と死の対比」という素朴な構図、アクションゲームでありながら癒されるBGMなど、クリア後もただプレイしているだけでも童話の絵本を読み返しているような気分で楽しめる。また、本気になればステージ経験値0プレイなどのやりこみも可能。

BAD/REQUEST

　やりこみプレイなどで周回する人や、私のように絵本感覚で何度もプレイする人は別だが、基本的にはトロフィーのために二周すればおしまいなので、2400円で15ステージは高いと感じる人が多いだろうと思う。この値段ならせめて20ステージは欲しかった所。
　他の方のレビューにもあるが、魔術師の攻撃手段があまりに貧弱。一応、敵の頭上に足場を落として一撃で叩き潰す事もできるものの、仕様上速攻では出せないので、「物陰などこちらが安全な位置にいるが、敵にもこちらの物理攻撃が届かない時」くらいしか使えない。
　また、ネタバレになるが、ラストステージの最後に到達するとラスボス戦はムービーだけで処理されてしまい、プレイヤーの手で倒す事が出来なかったのは非常に残念。

COMMENT

　37型HDTV+HDMI接続端子使用。当初は輸入したスクエニのネームバリューに惹かれたものの、体験版にどっぷりハマって30周くらいしてから製品版購入。世界観とプレイ感が自分のフィーリングにマッチした人なら決して後悔しないお買い物だと思う。アクション難易度は低めなのでどちらかというと女性向けかも。
　ちなみにステージ経験値0+宝箱全回収というやりこみプレイをしてみたところ、宝箱の前にある経験値壷を魔術師の箱でどかすのに大苦戦。それだけにクリア時の達成感はひとしおだったので、2400円じゃやっぱ高いよ！という人にはぜひ挑戦してみてほしい。