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【PS3】LOST PLANET 2(ロスト プラネット 2)

発売元 カプコンオフィシャルサイト
発売日 2010-05-20
価格 7990円(税込)
レーティング 【C】15才以上対象 (CERO について)
ショップ/リンク Amazon(廉価版)
タギングトップ3
タイトル概要 ■ ジャンル:アクションシューティング
■ プレイ人数:1〜2人(オンライン時2〜16人)

【廉価版】
■ 発売日:2011/04/14
■ 価格:2,990円



オリジナリティー グラフィックス サウンド 熱中度 満足感 快適さ (難易度)
4pt 3pt 4pt 4pt 4pt 3pt 2pt
総合点
75pt

GOOD!

 始めに、「ストーリーが在って無いようなもの」という趣旨の指摘が結構見受けられますので、その点を中心にレビューしてみたいと思います。

 基本的に「SF叙事詩」として、映画のSTAR TREKやSTAR WARSに対応するゲームがMASS EFFECTであるのに対して、LOST PLANET2が描き出す世界は、ALIENやPITCH BLACKが醸し出すローテクニック臭やヒューマノイドではない宇宙生命体との接触に近いものがあります。ただ上に挙げた映画とLOST PLANETが異なる点は、一つの惑星の中で、様々な人間の群像劇が繰り広げられるという点でしょう。
 更に、特定のオリジナリティとしての個人に焦点を当てるのではなく、不特定多数の代替可能な個人(プレーヤー)として物語に参加する手法がとられています。そのため、様々な立場・状況に置かれた様々な勢力の物語を追うことに無理が無く、EDN-3rd(惑星)が置かれた状況、各勢力が置かれた状況を把握しつつ、一つの流れとしてフィナーレを迎えることになります。

 ローテクニック臭についてですが、STAR WARSのエピソード4〜6の直線的なデザインには通じるところがあるとは思いますが、機械・兵器のコンセプト自体がVS(バイタルスーツ)とは異なる方向性なので、余り参考にはならないと思います。むしろ工業用ロボットというか、現実の機械や兵器の延長線上という表現がいいでしょうか。とにかく、そのデザインやゲームの中での挙動・駆動音の質感が、説得力をもって表現されています。たぶん、このゲームのデザインの核としてVS(バイタルスーツ)があるのだと推察します(Commentへ)。

 テーマとしては、映画AVATARに近いものがありますが、AVATARが「絶対的正義」や御都合主義的なハリウッドの典型が示す「わかりやすさ」であるのに対して、LOST PLANET2はどちらかというと「相対的な提示」をするため、どう受け取っていいか判らないのかもしれません。ただ、「自然」や「環境」が御都合主義や「わかりやすさ」で罷り通る訳が無く、EDN-3rdを複合的且つ複雑なシステムとして考えると、「相対的な提示」が一つの切り口として現れ、様々な解釈が可能になるのだと考えます。最後の方にLOST PLANET2を象徴するシーンがあるのですが、巧く作ったなと個人的に魅せられてしまいました。

 映像演出も秀逸です。カメラアングルとスローの使い方が、魅せたい部分で有効に働いていると思います。例えば、300(THREE HUNDRED)のスローの使い方がアクションとアクションの「繋ぎ」の部分に多用されているのに対して、LOST PLANET2はアクションの「起こり」からスローが入り、その後にダイナミックなカメラアングルとスピーディーな展開となります。その為、映像の意図の方向性が明確になり、またカットシーンの多様やスキップ不能であることが無い為、ストレスになりにくいと思います。

 以下、ゲームシステムに関して。

 キャラクターのカスタマイズ機能が豊富で、五つの勢力のキャラクターの頭部・胸部・脚部・背部デバイスをそれぞれ様々なパーツに組み替えることが出来ます。武器も様々な種類に換装することが出来、それぞれ特徴があります。
 キャラクターや武器の他、「通り名」やアビリティも豊富な種類があり、アビリティに関しては対戦用で与ダメージ偏重やキャンペーン用でLv・アイテムポイント稼ぎなど様々な用途に対応可能です。

 新しいVSが増えており、可変VSや独特なVSなどは個人的に非常に魅力的です。複座型のVSを操り、複数人で一つのVSを操作することも出来ます。

BAD/REQUEST

 グラフィックに関して、キャラクターの目が「死んだ魚」よろしくピクリとも動かず、「まばたき」すらしません。代替可能な不特定多数の個人を表現しているので、彼らの装備や服装で差別化を図るというコンセプトなのは判りますが、目が動かないというのは結構目立ちます。

 操作性に関して、前作LOST PLANETと今作に変更点があります。前作ではL1/R1で90°回転、L2/R2でそれぞれグレネード・射撃だったのですが、今作でL1/R1とL2/R2が逆転しています。他のTPS・FPSをみても、攻撃にL1/R1を当てるゲームは少ないのではないでしょうか。どうであれ、発売前の体験版で前作と同じだった仕様を、なぜ製品版で変更しているのか疑問です。UNCHARTEDが一作目と二作目で仕様変更した方式(主にグレネード)とは違い、変更してもしなくても根本的に変わらないレベルで何故変更したのか、理解に苦しみます。

 キャラクターのカスタマイズが豊富なのですが、カスタマイズするためには各キャラクターのLvを上げなければなりません。特に武器や通り名、アビリティを「購入」する為にキャンペーンでポイントを稼がなければならなくなります。その際に気にかかった問題点について、述べたいと思います。

 キャンペーンの特定のエピソードが非常に煩わしいです。そもそもBOTと呼ばれるAI制御の味方が役に立ちません。明後日の方向を撃ったり、プレーヤーに撃ち込んできたり、特にあるエピソードの複数ある手順の一つすら担ってくれず、全てプレーヤーが孤独に作業を続けなければなりません。一人でやっていても重大な欠陥とは感じませんが、キャンペーンがCo-op前提の設計のため、少々酷ではないかと感じます。
 更に武器や通り名、アビリティを購入するためのポイントが、敵(ボス)を倒した際に得られる「ハテナボックス」を取得することで手に入るのですが、存在する時間が限られている為、取れるかどうかは微妙です。乱戦になると特に訳が分からなくなり、また「ハテナボックス」自体が敵の残骸に隠れてしまうこともあるので、取り逃しなんてザラです。
 購入システムにも問題があります。全てのカテゴリーが一つのスロットに収められており、何が出てくるかは完全に運次第となります。武器の種類を強化したいとか、アビリティを補強したいといったこちらの意向は完全に無視されます。

 対戦に関して、相変わらずVS(バイタルスーツ)が強いですね。対抗武器が存在し、弱点を突けば倒せないことはないのですが、対抗武器を封じられ(相手に取られた状態で)玄人がVSを操ると、手がつけられません。そういう仕様ですので、取り立ててBADだとはいえませんが。

COMMENT

 よく「挙動がモッサリ」という否定的な指摘を目にしますが、Goodで挙げたようにVSの挙動を基にした設計ということを考えると、あながち「モッサリ」が「駄目」であるとは言えないと思います。つまり一つのシステムとして決定的な欠陥があるのなら、否定されても仕方がありませんが、仕様として成り立っているシステムに対して「駄目」というのは完全に好みの問題になります。好みは人それぞれありますので、合わない場合プレーに値しないというのは当然でしょう。
 これから購入を検討しているLOST PLANET初体験の方は、まず体験版をやってみることをお勧めします。キャンペーン用の体験版がありますので、自分に合ったゲームシステムかどうか確かめてみるといいでしょう。体験版を手に入れられない(ネット接続不可の)方は、出来るだけ情報を集めて、動画を見るなど十分検討してから購入することをお勧めします。

 前作ラストの「ロボット変身!」にはがっかりしましたが、今作のシナリオと演出には魅せられました。特に宇宙パートは、演出・ゲームプレー共に引きつけられ、大気圏突入のシーンを見て「買ってよかった」と思ったクチです。こういった演出やロボットものは日本のお家芸だと思いますので、気になった方は情報を集めてみては如何でしょうか。

22インチモニタ・HDMI接続でプレー。

   
プレイ時間:15時間以上30時間未満(クリア済)
@カカシさん  [2010-05-31 掲載]

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総合ポイント
64
(難易度)
2.53
レビュー数
40
スコアチャート LOST PLANET 2(ロスト プラネット 2)レビューチャート

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【60点以上】
60%
【標準偏差】
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