【PS4】アサシン クリード ユニティ
発売元 | ユービーアイ ソフト (オフィシャルサイト) |
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発売日 | 2014-11-22 |
価格 | 9072円(税込) |
レーティング | 【Z】18才以上のみ対象 暴力 犯罪 (CERO について) |
ショップ/リンク | Amazon |
タギングトップ3 | |
タイトル概要 |
■ ジャンル:アクション ■ プレイ人数:1人(オンライン:2~4人) |
- 総合ポイント
- 46
- (難易度)
- 2.50
- レビュー数
- 16
スコアチャート
GOOD!
「グラフィックス」
町並みやとてつもない数の民衆もそうですが、「空気感」がとてもきれいです。オープンワールドタイプの最近のゲームではお馴染みな、コンピューターグラフィックス特有の鮮やかな描画によるキレイさではなく、道が完全に舗装されていない、今ほど家屋の材料も安定していない昔の世界に人がごった返していることによる塵や埃、争いの絶えない時代において兵器が出す煙、さらには天候の靄(もや)や霧など。実際にこれらを表現して作ったかどうかはわかりませんが、こういったものを感じさせられる見た目にできており、雰囲気がとてもよく出ています。
個人的には、これだけの表現をしているのだから多少FPSが落ち込んでも仕方ない、と思えます。
「ゲーム性」
アサシンという一般的にはイメージだけの存在をよく作り上げていると思います。イメージ通り、ステルスプレイでスマートにいくためにこの場面ではどうしたらいいのか、と考えてプレイするのが楽しくなります。対象の始末・回収など、端的に見ればやることは単純かもしれません。けれどもその過程をここまで楽しめるのはすごいことです。
私はシリーズを経験していないのでわかりませんが、人の話を聞くと「今までできたことがスキルシステムに変わって煩わしい」とのことです。ですが、それもこれまでとは異なるということでオリジナリティーではないかと思います。スキルシステムにしたことで、ポイントを集めるという目的が追加され、モチベーション維持に一役買っていることは間違いありません。
「協力プレイ」
これも今回初めて導入されたようですが、とても満足しています。フレンドと一緒にミッションを進め、共闘できるのは嬉しいし楽しいです。これは一例ですが、協力系のミッションは敵の配置がいやらしい(Aを倒せばBの視界に入っているので見つかる、といった感じ)ですが、そこをうまく分担して切り抜けたときの満足感はかなりのものです。他にも、「一人が囮となってわざと見つかり、敵集団をひきつけたところで煙幕を炊いてもう一人に全部倒してもらう」、「現場では使用自体が見つかる行為に繋がる煙幕を、一人に高台から撒いて援護してもらう」、「協力スキルの変装を回して使用し、敵の目を欺き倒す命を奪わないプレイ」など、やり方も多数で共闘感が大きいです。
また、フレンドがいなくてもマッチング機能があるのも良い所です。けれどもこれは悪い点と感じる面もあるのでそれはBADの項目で書きます。
BAD/REQUEST
「操作方法」
結構言われていることのようですが、PSで出ているのになぜかキャンセル・決定ボタンの配置がXBOX仕様なところです。すなわち、×が決定で〇がキャンセル、ということですが・・・。
これが慣れるまでかなりやりづらいです。メニュー参照中にキャンセルのつもりで×を連打したら最初のミッションが始まってしまった、なんてこともありました。協力プレイでセッションを組んだ人とコミュニケーションを取るためにPS4本体のパーティ機能などを使おうとPSのシステム画面に入ったときは、当然ながら通常通りの決定・キャンセル操作なので混同して余計にわかりづらくなります。操作設定を変えられないのもよろしくない点です。
「ロード」
これだけの描画をしている中で自由に動き回れるだけあって、仕方の無いことなのかもしれませんが、それでもちょっとな・・・と感じてしまうほどにロードが長いです。せっかくある高速移動も使うのに少し尻込みしてしまいます。
「協力プレイ(悪い点)」
身内でプレイできなくても手軽に楽しめるよう、協力系ミッションにはマッチング機能がありますが・・・。
野良でのプレイはお世辞にも「協力」とは言えない進行となってしまいます。というのも、(もちろん野良に限らず、効率重視なプレイスタイルのフレンドとやるときも同じようになってしまいますが)野良では提示された目的を果たすことだけが重視され、敵に見つかろうがお構いなしで駆け抜け、ごり押ししてしまうパターンが多いためです。これは報酬に問題があったのかもしれません。
協力系ミッションは「協力」と「強奪」の2種類がありますが、問題となるのは「協力」で、その報酬はスキル習得に関わるシンクロポイントと、買うにはそこそこの資金が必要な「防具類」となっています。これがマルチプレイをする人の本当の目的となってしまうがために、さっさと終わらせたいという考えに繋がり、結果野良では猪だらけになってしまうのでしょう。
もちろんそのプレイを批判しているわけではありません。ゲームの楽しみ方は人それぞれですから、「自分を強くしたいから頑張る」のは当たり前といえば当たり前です。マッチングを協力自体を楽しむものと、達成速度重視とで目的別にできればよかったと思います。
更に細かいことかもしれませんが、ジェスチャー機能や簡易的な定型文によるコミュニケーション方法があると良かったです。
「ゲーム内のお金の価値」
序盤で開放されるのですが、ある施設を拡大することで自動でまとまったお金を稼げるようになります。装備をパーツごとにカスタマイズできることはこのゲームの売りのひとつでしたが、コンプリートに興味がない人は、見た目と性能に満足のいくモノを各部位1つずつ装備できればそれで満足するでしょう。そしてそのために必要な金額を稼ぐ労力はというと、前述の自動お金稼ぎのシステムがあるおかげで、労らしい労はほぼなく、普通にプレイしているだけで結構すぐに集まってしまいます。
この点はゲームの寿命を大幅に縮めかねない調整不足だと強く感じます。協力プレイが楽しい分、装備の限界点に達して人が早々に離れていってしまうことが懸念されて個人的にとても残念です。
COMMENT
シリーズ未経験でしたが、話題性とフレンドの薦めで発売日に購入しました。
私は本筋を進めるよりも、その時々でできる様々なこと、行ける場所などを気ままに散策する、いわゆる「寄り道」をするプレイスタイルですので、オープンワールドのつくりは好みに合っていました。
特にこのゲームに関しては序盤で完全に自由に動けるようになってからは、習得できるスキル以外にストーリー進行度による制約は一切ありません。そのため、舞台となるパリの地にアサシンとして降り立ったその足で、あらゆる難度のミッションをこなし、最高クラスの装備品に身を包み、スキルに関わる以外の収集品を根こそぎ集めることができるわけです。ゲーム内のほぼ全ての要素に序盤から手を付けられるのは、なかなかない自由度の高さです。
ただし、「ではボリュームがすごいのか」というと、そういうわけではありません。
実際にできることの種類は大雑把に、「ミッション」「お金稼ぎ」「収集」の3つのみです。「収集」は全21地区それぞれで1時間もあれば全て集めきれ、「お金稼ぎ」はとりあえず一通り着込めればいいという程度なら15時間程度プレイしている間に溜まります。「ミッション」は見方を変えれば同じような内容の"お使い"なので、コンプリートを目指さないならさほど時間は割かないことでしょう。
やり込み癖はない。コンプリートに執着がない。主人公の限界を見た時点で満足してしまう。これらが少なからず当てはまる方は要注意です。特に最後のことで一気にモチベーションが下がる方はすぐに飽きてしまうかもしれません。
一方で、売りである協力プレイは良いバランスに仕上がっていると思います。
協力系のミッションは現状では総数18と少な目です。けれども、ソロでやる場合はともかく、自分以外の人とプレイする以上同じ進行となることは一度としてありません。もちろん捉え方によりますが、ここを良しと取れればマルチプレイはとても楽しいものとなります。同じミッションを繰り返しプレイしても苦にならないでしょう。
良い点も悪い点もそれぞれ書きましたが、それがこのゲームのマルチプレイの味なわけです。
ここで、難易度に関する話に触れておきます。このゲームは難易度が高いと言われていますが、個人的にはそうは思いません。いつも集団で襲ってくる敵との戦闘は確かに難しいと思われがちでしょう。けれどもそれは、"攻撃と回避あるいは受け流し"しかしない場合の話です。実際には戦闘に役立てられる道具やアクションがいくつかあります。使用すれば瀕死であっても全快する薬、一方的に攻撃できる時間を作る煙幕や衝撃弾、レベルが見合っていればワンボタンで敵を倒せる射撃武器、敵の防御を崩して攻撃チャンスを作るバランス崩しや各種強攻撃、などなど。これらを活用すれば敵が二桁いても余裕で勝てます。
そして、そもそもこのゲームは開発者の意図としては、ステルスプレイ(見つからずに倒す)を前提としているであろうことも難易度が高くはないと思う理由です。先ほどの集団戦闘の例で言えば、敵に囲まれてしまったら煙幕を炊いて逃げ、隠れ、敵集団を分散させ、各個撃破していくのが、本来のコンセプト的には正解なはずです。ここで「そもそも協力・強奪ミッションなどでは見つからないこと自体難しいよ」という反論をもらいそうですが、協力系ミッションは読んで字のごとく、協力をすることを前提として作られています。敵がずっと向かい合って配置されているのは、指定される回収物の量が多いのは、それぞれ分担して処理するという"協力"をするためです。これをせずに「難しい」と評価するのはお門違いなわけです。実際にはソロでも簡単にクリアできてしまうものもあるので、協力系のミッションに関してはむしろ難易度は低いと感じます。
長くなりましたが、オープンワールドで自由にプレイでき、マルチでは協力をしてスマートに切り抜けるステルスプレイが主体のゲーム、というのが私個人のこのゲームの見解です。捉え方によって良し悪しは変わるでしょうが、とても楽しいゲームだと感じます。