【PS3】Grand Theft Auto: Episodes from Liberty City(グランド・セフト・オート:エピソード・フロム・リバティーシティ)
発売元 | テイクツー・インタラクティブ・ジャパン (オフィシャルサイト) |
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発売日 | 2010-06-10 |
価格 | 6090円(税込) |
レーティング | 【Z】18才以上のみ対象 (CERO について) |
ショップ/リンク | Amazon(廉価版) |
タギングトップ3 | |
タイトル概要 |
■ ジャンル:ボーダレスアクション ■ プレイ人数:1人 【コンプリートエディション】 ■ 発売日:2011/06/23 ■ 価格:6,090円 既発売の「グランド・セフト・オートIV」と「エピソード・フロム・リバティーシティー」の2つのタイトル、DLCを1つにまとめたものです。 【廉価版】 ■ 発売日:2012/03/29 ■ 価格:2,940円 |
GOOD!
・クローズドリアルワールド
人々の喧噪や雑踏の音、雨に煙る繁華街、ヘリコプターから眺める高層ビル群の夜景など時間や天候で表情を変える街並みは思わず息を呑む。美しき箱庭リバティシティ。
・自由
ゲームの中にリアリティがあり、そのリアリティの中でゲームみたいな生活をしている人々がいる。そこには絶対的な正義も悪もない。ミッションを遂行すること以外はプレイヤーの主観のみで悪事にも善行にも手を染めること出来る。プレイヤーにあるのは選択の自由だ。ゲームのメインストリームであるミッションそっちのけで朝から晩までバイクや車でリバティシティを走り回っていてもいいのだ。
・1粒で2度おいしい
今作はシナリオ2本立てである。「the lost and damned(TLAD)」はバイクチーム同士の抗争を描いた食うか食われるかのスリリングで血生臭さ全開の展開。時に暑苦しく、時に壮絶、男臭くて骨太な典型的アメリカンギャングスターの生き様を感じることが出来る。
もう一方の「the ballad of gay tony(TBOGT)」はリバティシティのナイトシーンを牛耳る帝王ゲイ・トニーの相棒を務めるルイスの物語。やることなすことはTLADと似ているが、TBOGTは全体的にスタイリッシュな雰囲気が漂い、リバティシティのナイトライフを肌で感じられるようなポイントが随所に感じられる。ミッションにおいてもミニゲームのような展開が多くTLADよりスマートな印象だ。
基本的にはどちらから手をつけても問題はないので気に入った方から始めてみるといいだろう。
・乗物
バイク、車、ボート、ヘリコプター、ゴルフカートなど動いてる乗物にはすべて乗れると言っていい。そしてバイク1つ取ってもアメリカンタイプやスポーツタイプがあり、見た目が違えばエンジン音や乗り心地(スリッピーであったり、加速がいい、コーナリングがいいなど)も異なり、自分のお気に入りのタイプを見つけるのも楽しい。隠れ家前の駐車スペースに停車してセーブすれば保存される機能もうれしい。
・ラジオ
GTAシリーズのお約束であるラジオは相変わらず健在。多彩なチャンネル、豊富な音源。細かいことだが、乗物に乗った瞬間にラジオが流れ出すタイミングが妙にリアルでエンジンがかかったぞという演出になっている。
BAD/REQUEST
・もっさり感
このゲーム全体的に漂うもっさり感。キャラクターが走り出すまでの挙動であったり、乗物の乗り降りであったり、NPCの挙動、NPCの運転している車の挙動、妙にもたついている感が否めない。特にNPCが運転する車は普段は交通ルールを守っているのに、こちらが逃走中の時に限って信号無視で突っ込んできたり、唐突に車線変更したりという不可思議な挙動をする。
・起点と終点
せっかく広大な箱庭が用意されているのにイベントの起点や終点がある程度固定されてしまっている点。そのため何度も同じ場所を行ったり来たりするというのが決して少なくない。もう少し広域に散らしてプレイヤーに街並みや景色を楽しませるくらいのスタンスでも良かったのではないか。
・キーアサイン
×ボタンで決定、○ボタンでキャンセル。慣れればどうと言うことはないが、PS3用のキーアサインをどうして採用しなかったのかという点、キーコンフィグでもそれが変更できない点は気に入らない。電話がかかってきてるのに誤って直接切ってしまうこともしばしば。
・コンティニュー
ミッションに失敗した際にメールチェックするだけで簡単にやり直せるのはいいのだが、その失敗したミッションで使った分の弾薬はきちんと減っている。命は蘇生されてるのに弾薬は減ったままというのは少々理不尽。それならば素直にロードし直せばいいだけでコンティニューの意味がない。弾薬が安くないだけに気が利かないと思える。
・治安
警官がとにかく多い。そのために下手をすると相当長い時間追い回されることになる。そしてそれだけの警官がいるのにこれほどの犯罪集団が野放しという矛盾はなんなのだろうか。
・字幕のみ
バイクに乗りながらの銃撃戦という状況でセリフを言われても、画面下部に表示される小さめの字幕では読む余裕がまったくない。そのためストーリーについての理解が薄れてしまう。吹替を選択できればなお良かったのではなかろうか。
・言葉
汚い言葉や差別的発言のオンパレード。アメリカで使われてるメジャーなスラングがほぼ網羅されていると言っていい。確かに映画でも使うようなスラングではあるのだが、果たしてゲームと同列に考えて良かったのかどうか。映画では許されている=ゲームでも許されるならばCEROの基準など不要になってしまうのではなかろうか。
COMMENT
プラズマ42インチ。HDMI接続。5.1サラウンド。
非常に良く出来ているゲームである。
この手のゲームにおいてリアリティを追求した場合に必ず生じてしまうのが天候の変化や移動手段・移動距離などの煩わしさだ。だがそれが悪いわけではなく、むしろそういった不便さや不自由さを感じるからこそ味わえるリアリティがある。しかしながらそればかりではゲームがおもしろいはずもなく、ある程度フィクションとしての作り込みを加えることでゲームの快適さを両立できるような工夫がなされているのがこのゲームが本当にすごいところだ。
しかしゲームのテーマとなっているのが警官殺しに人殺し、麻薬、強盗、窃盗、詐欺、裏切りが横行する闇の世界。グロらしいシーンは無いがこれほど反社会的な行為を繰り返すゲームというのはある意味直接的なグロよりも規制されるべきなのではなかろうかと思えてしまう。Z指定ではあるもののCEROの基準はよくわからない。