[被災した街の造形] 焼け落ちた商店街、学校の避難所、液状化現象を起こした道路等、地震で大きな被害を被った町のマップの造りはなかなかリアルだと思う。 こういった災害を題材にしたゲームは珍しいので強いアイデンティティになっている [震災の恐ろしさの表現] 震災直後からうなぎのぼりに増えていく死傷者の数をラジオで知れたり 巨大地震に巻き込まれれば人はいとも簡単に死んでしまうといった恐ろしさは所々で表現できている。 [震災マニュアル] 所々で得られる震災マニュアルの内容はタメになる。 阪神淡路大震災を経験された消防士の手記など、興味深い内容もあり。
[形骸化したシステムの数々] ・喉の渇き、空腹、排泄欲は悪化すると停止時に主人公がうめくだけの謎要素。 ・叫ぶボタンがあるが、誰も反応しないのでまるで意味なし。所々で助けを求める人がいても見向きもしてくれない。 ・選択肢に意味が無さすぎる。RPGで言えば、少し言い回しが違う「はい」が8つ並んでいるだけのようなシーンが多々ある。 ・どの選択肢を選んでも結局は同じ展開にされたり、まったく無視されるかしかないので物語への介入感は皆無。 ・善行、悪行ポイントもトロフィーの解放条件に関わるのみでストーリー上に影響はなし。よって善にも悪にもならない選択肢が最も無価値だということに [サバイバルゲームとしての難易度] ・死ぬ要素といえば余震で崩れた建造物に踏みつぶされて即死する、足場を踏み外して転落、暴徒に巻き込まれるぐらい、 大半が初見殺しではあるが、実際に震災で起こりうる事と考えればマイナス点ではないものの、 それ以外の要素ではダメージを受ける事はあっても「死なない」。 先述の通り、飢えや渇きや尿意でストレスを感じてライフが削られていくといった事は一切ないので サバイバルと銘打つにはあまりにもお粗末すぎる。 また、死んでしまっても少し手前からリトライできるのでペナルティは少ない。 ・余震で転んでダメージを受けたとしても、ライフが0になる事が無いので「踏ん張る」意味はほぼなし、 ・たとえライフ1でも、マップを跨ぐとライフは全快、セーブポイントで休めばストレスも回復するので回復アイテムの意味なし ・水に潜るとストレスはどんどん溜まっていくが、80以上にはならないので実質無敵。 ・一週間飲まず食わずで激しくもよおしていても全力疾走したり、力仕事をこなせるなど明らかに不自然。 [アプリケーションエラーが多い] ・イベント中のテキストをボタンスキップしていると、アプリケーションエラーで落ちる事が多々ある。 ・建物の中に入る際にもエラーで落ちる事がある。ロードを伴うような場所を通過する際はいらない神経を使う。 これらはアップデートで改善されていってはいるものの、セーブしていないと結構な時間戻されるので辛い [ストーリー面] ・ネタバレになるので詳しくは書けないものの、犯罪を助長するような嫌悪感を感じる展開が多々ある。 リアリティを感じる箇所もあるにはあるが、大半のストーリーが突飛な展開だったり、説明不足などの見せ方が悪いせいで納得がいかない部分が多く、 なんでこんな展開にした?と思うようなイライラストーリーの連続。 さらには先述の通り、選択の自由もないので、クリアするには自分の意志に反する行動を強制される上に、 酷いストーリーを見せられるのでだんだんやるせなくなる。 自分の選んだ選択が原因でひどい展開に分岐するのならまだしも、何をやっても展開が同じというのが本当に救いがない。 ・マップ上でストーリーが完了したかどうかの判断がし辛く、そもそも何を目的にしているのかがわからない事が多い。 叫ぶアクションが形骸化しているので、マップを隅々まで歩き回って、イベントを起こしそうな人を探さなければいけない。 ・おつかいイベントが多すぎる。「この道を通る為に〇〇を持ってきて欲しいが、 それは▽▽に行かないと手に入らず、そこに行くには××さんの願いを聞いて…」と何重にもお使いをやらされてうんざりする。 先述のように死ぬ要素が少ないので、バトルや育成要素が無く、おつかいしかないRPGを延々とやらされている感覚に陥る。 ・選択肢の悪ノリが過ぎる 変な選択肢を選んだ際の主人公の声のトーンがあからさまに違いすぎるので同じ人物とは思えない上に、全力で滑っている展開が多い。 選択肢によってはボイスが無かったり、一言しか反応してくれないか、無視されるので面白みがない。 また、この展開の中でメタネタかよ…と思わせる選択肢もチラホラある。 ・ボリューム 短すぎる。大体7時間ぐらいでクリア可能な上に、よくよく気を付ければ二周して トロフィーコンプリートが可能なのはフルプライスとしてはどうかと [演出面] ・全体的にフレームレートが低く、動きもガタガタで紙芝居なのではと思うほどのイベントシーンもあり。 ・選択肢が表示されるとすべての音が止まってしまうので現実に引き戻される。主題歌が流れるシーンの最中にちょくちょく選択肢が入って歌がぶつ切りにされるので台無しになっている。 ・コスチュームがだんだん汚れるといった要素はないのでいつまでもピカピカの服を着ている。 ・女主人公が小便器を使用出来るばかりか、明らかに男のポーズで用を足す等、変な点がある。 ・ラジオを流しながら歩くことが出来るが、物を調べたりドアを開ける度に音がぶつ切りにされるので聞きづらい [操作関連] ・人に話しかけれる範囲が狭い上にぶつかるとよろけられ、体勢を整えるまで話しかけることが出来ない。さらには扉の向こうの同行者に話しかけてしまう等、会話コマンド全般の操作性が悪い。 ・ドアを開けるのが遅すぎる。5秒くらいかかる上に、鍵がかかっていた場合は選択肢を含めてさらに時間がかかる。 ・全体的にカメラワークが悪く、唐突に一人称視点になったり、向きがメチャクチャになるのでどこにいるかを見失う事が多々ある。 ・乗り物に乗るシーンがあるが、ラジコン操作な上に変な感性が働き、さらに旋回能力が低すぎるので苦痛を感じる。 ・セーブはいちいち新規セーブになるので毎回データを選ぶ必要があって不便 [VR] ・クリアしたステージのモデルをオートで徘徊して文字を探すもの、しかしグラフィックがPS1クラスに酷くなるので臨場感が台無し。 ・行先を選ぶのにリアルに左右や後ろを向いたりする必要がある他、移動時に酔うので長く続けられない
形骸化したシステムが多すぎるためにサバイバルゲームとしてはおおいに問題がある上に 根幹となるストーリーの内容にも問題が多く、もし一度発売中止となった2011年のあの時期に このストーリーのゲームが発売されていればどえらい問題になったのではないか?と思わせるような内容。 正直な所、胸糞ゲーという表現がぴったりだと思う。 中止、延期を繰り返してやっと発売したといった経緯はあるものの、 このクオリティではアップデートで多少修正されたとしてももう一度やりたいとは思えない残念な作品。 間違っても、実際の震災に遭った時にこのゲームの中の行動をやってはいけないし、 色々とシャレにならない表現も多いので未成年がこのゲームをプレイするのも避けた方がいい。
GOOD!
[被災した街の造形]
焼け落ちた商店街、学校の避難所、液状化現象を起こした道路等、地震で大きな被害を被った町のマップの造りはなかなかリアルだと思う。
こういった災害を題材にしたゲームは珍しいので強いアイデンティティになっている
[震災の恐ろしさの表現]
震災直後からうなぎのぼりに増えていく死傷者の数をラジオで知れたり
巨大地震に巻き込まれれば人はいとも簡単に死んでしまうといった恐ろしさは所々で表現できている。
[震災マニュアル]
所々で得られる震災マニュアルの内容はタメになる。
阪神淡路大震災を経験された消防士の手記など、興味深い内容もあり。
BAD/REQUEST
[形骸化したシステムの数々]
・喉の渇き、空腹、排泄欲は悪化すると停止時に主人公がうめくだけの謎要素。
・叫ぶボタンがあるが、誰も反応しないのでまるで意味なし。所々で助けを求める人がいても見向きもしてくれない。
・選択肢に意味が無さすぎる。RPGで言えば、少し言い回しが違う「はい」が8つ並んでいるだけのようなシーンが多々ある。
・どの選択肢を選んでも結局は同じ展開にされたり、まったく無視されるかしかないので物語への介入感は皆無。
・善行、悪行ポイントもトロフィーの解放条件に関わるのみでストーリー上に影響はなし。よって善にも悪にもならない選択肢が最も無価値だということに
[サバイバルゲームとしての難易度]
・死ぬ要素といえば余震で崩れた建造物に踏みつぶされて即死する、足場を踏み外して転落、暴徒に巻き込まれるぐらい、
大半が初見殺しではあるが、実際に震災で起こりうる事と考えればマイナス点ではないものの、
それ以外の要素ではダメージを受ける事はあっても「死なない」。
先述の通り、飢えや渇きや尿意でストレスを感じてライフが削られていくといった事は一切ないので
サバイバルと銘打つにはあまりにもお粗末すぎる。
また、死んでしまっても少し手前からリトライできるのでペナルティは少ない。
・余震で転んでダメージを受けたとしても、ライフが0になる事が無いので「踏ん張る」意味はほぼなし、
・たとえライフ1でも、マップを跨ぐとライフは全快、セーブポイントで休めばストレスも回復するので回復アイテムの意味なし
・水に潜るとストレスはどんどん溜まっていくが、80以上にはならないので実質無敵。
・一週間飲まず食わずで激しくもよおしていても全力疾走したり、力仕事をこなせるなど明らかに不自然。
[アプリケーションエラーが多い]
・イベント中のテキストをボタンスキップしていると、アプリケーションエラーで落ちる事が多々ある。
・建物の中に入る際にもエラーで落ちる事がある。ロードを伴うような場所を通過する際はいらない神経を使う。
これらはアップデートで改善されていってはいるものの、セーブしていないと結構な時間戻されるので辛い
[ストーリー面]
・ネタバレになるので詳しくは書けないものの、犯罪を助長するような嫌悪感を感じる展開が多々ある。
リアリティを感じる箇所もあるにはあるが、大半のストーリーが突飛な展開だったり、説明不足などの見せ方が悪いせいで納得がいかない部分が多く、
なんでこんな展開にした?と思うようなイライラストーリーの連続。
さらには先述の通り、選択の自由もないので、クリアするには自分の意志に反する行動を強制される上に、
酷いストーリーを見せられるのでだんだんやるせなくなる。
自分の選んだ選択が原因でひどい展開に分岐するのならまだしも、何をやっても展開が同じというのが本当に救いがない。
・マップ上でストーリーが完了したかどうかの判断がし辛く、そもそも何を目的にしているのかがわからない事が多い。
叫ぶアクションが形骸化しているので、マップを隅々まで歩き回って、イベントを起こしそうな人を探さなければいけない。
・おつかいイベントが多すぎる。「この道を通る為に〇〇を持ってきて欲しいが、
それは▽▽に行かないと手に入らず、そこに行くには××さんの願いを聞いて…」と何重にもお使いをやらされてうんざりする。
先述のように死ぬ要素が少ないので、バトルや育成要素が無く、おつかいしかないRPGを延々とやらされている感覚に陥る。
・選択肢の悪ノリが過ぎる
変な選択肢を選んだ際の主人公の声のトーンがあからさまに違いすぎるので同じ人物とは思えない上に、全力で滑っている展開が多い。
選択肢によってはボイスが無かったり、一言しか反応してくれないか、無視されるので面白みがない。
また、この展開の中でメタネタかよ…と思わせる選択肢もチラホラある。
・ボリューム
短すぎる。大体7時間ぐらいでクリア可能な上に、よくよく気を付ければ二周して
トロフィーコンプリートが可能なのはフルプライスとしてはどうかと
[演出面]
・全体的にフレームレートが低く、動きもガタガタで紙芝居なのではと思うほどのイベントシーンもあり。
・選択肢が表示されるとすべての音が止まってしまうので現実に引き戻される。主題歌が流れるシーンの最中にちょくちょく選択肢が入って歌がぶつ切りにされるので台無しになっている。
・コスチュームがだんだん汚れるといった要素はないのでいつまでもピカピカの服を着ている。
・女主人公が小便器を使用出来るばかりか、明らかに男のポーズで用を足す等、変な点がある。
・ラジオを流しながら歩くことが出来るが、物を調べたりドアを開ける度に音がぶつ切りにされるので聞きづらい
[操作関連]
・人に話しかけれる範囲が狭い上にぶつかるとよろけられ、体勢を整えるまで話しかけることが出来ない。さらには扉の向こうの同行者に話しかけてしまう等、会話コマンド全般の操作性が悪い。
・ドアを開けるのが遅すぎる。5秒くらいかかる上に、鍵がかかっていた場合は選択肢を含めてさらに時間がかかる。
・全体的にカメラワークが悪く、唐突に一人称視点になったり、向きがメチャクチャになるのでどこにいるかを見失う事が多々ある。
・乗り物に乗るシーンがあるが、ラジコン操作な上に変な感性が働き、さらに旋回能力が低すぎるので苦痛を感じる。
・セーブはいちいち新規セーブになるので毎回データを選ぶ必要があって不便
[VR]
・クリアしたステージのモデルをオートで徘徊して文字を探すもの、しかしグラフィックがPS1クラスに酷くなるので臨場感が台無し。
・行先を選ぶのにリアルに左右や後ろを向いたりする必要がある他、移動時に酔うので長く続けられない
COMMENT
形骸化したシステムが多すぎるためにサバイバルゲームとしてはおおいに問題がある上に
根幹となるストーリーの内容にも問題が多く、もし一度発売中止となった2011年のあの時期に
このストーリーのゲームが発売されていればどえらい問題になったのではないか?と思わせるような内容。
正直な所、胸糞ゲーという表現がぴったりだと思う。
中止、延期を繰り返してやっと発売したといった経緯はあるものの、
このクオリティではアップデートで多少修正されたとしてももう一度やりたいとは思えない残念な作品。
間違っても、実際の震災に遭った時にこのゲームの中の行動をやってはいけないし、
色々とシャレにならない表現も多いので未成年がこのゲームをプレイするのも避けた方がいい。