【総合的な完成度】 純粋なゲーム部分だけ取れば、熟知さえすれば極めて高度で奥深い格ゲーが展開できるところ。自分の嗜好と良い対戦相手に恵まれてさえいれば、10年を経ても色褪せない白熱した駆け引きが楽しめる。 【映像表現】 敢えて『グラフィック』ではなく『表現力』と言ってしまおう。キャラの拳や筋肉・関節の描き方がハッキリしており、特にユン・ヤン・いぶき・まこと・豪鬼と言ったスピードキャラの動きはパンチ一つに到るまでとてもカッコ良く描かれている。だからこそ複雑な連続技を決めた時はビジュアル的にもモーション的にも映え、それが爽快感に繋がっている。(あくまで主観だがSF4の連続技はこれと比べるとゴチャゴチャして見え、絵的に分かりづらい。) 【PS2版よりも高水準】 先行したPS2版と比べると、グラフィックもサウンドも格段にクリアになっている。打撃音や声の迫力がまるで違うので、ここはスタッフの力量を賞賛したい。
【セリフの英語化/簡略化】 既出だがセリフが全て英語化されているのは、入門者のモチベーションを著しく奪う。3rdの勝利セリフは特に練られており、自分も初心者時はここからキャラに共感して行っただけにこれは地味に痛い。それだけではなく、実は個別勝利セリフも全てカットされており、出てくるのは汎用セリフのみである。読むと中々上手く個性を翻訳してはいるのだが、ダッドリーは若干イヤミに、レミーは皮肉が消え只の平和主義者にイメージが一部変わっている。 【格オタしか喜びそうにないトライアル】 マジで誰が得するんだこれ?ブロッキング練習はレベル3から既に初心者のみならず中級者すらも意気消沈させるようなマニアックさ&実用性の無さ(これならCPUショーン相手の方がよほど練習になる。)で、各キャラの連続技指南も特殊な状況下でしか繋がらないものが過半数を占める。考案したスタッフの顔を拝んでみたい。 【バランスに関しての改善点ナシ】 確かにオリジナルの時点で“モナリザの如きバランスと完成度(広報談)”だったので下手にイジるのは良くなかっただろうが、最下位キャラであるショーンとトウェルヴに限れば強化ヴァージョンや上方修正を入れてもバチは当たらなかったと思う。CPUアルゴリズムもヤン・いぶき・オロは相変わらずつまらないままだし、ギルの狂った超反応もそのまま(小足払いをブロッキングしてターゲットコンボとか)。
【総括】 オリジナルは2D格闘ゲーム最高峰の一角なのでデキ自体は保証するし、オンラインを除いた環境水準もとても良い。特にPS2版は画質と音の荒さに失望したので、それを遥かに上回る1500円という安価でこれだけのものが出来るのは素晴らしい。が、ゲーム全般は良くも悪くも“そのまんま”。同じく人気があるゼロ3は移植の度に新キャラが投入されているのに対し、本作は追加要素が一切ないどころか一部劣化している。双龍ステージのBGM/背景の2ndアレンジとか、成人したさくらとかCヴァイパーとか(いっそのこと新キャラとか?3rdの時に4人も来たんだし)、確かに一銭の儲けにもならないだろうが、そういうクリエイティビティや遊び心が感じられないのは寂しいし、この仕様では事実上初心者お断りである。文字通り10年前人気だったフォアグラをそのまま真空パック保存して今開けたってだけ。ゲーム自体は素晴らしいけど、夢がない。 因みに質の良いアケコンが無いと満足したプレイは出来ないってことは付け加えておく。自分はヤン使いだったのだが、純正パッドではEX蟷螂斬がロクに出せず、またいぶきやユンのような6ボタンを満遍なく使い分けるタイプもまともに動かせなかった。ヒューゴーやアレックスのレバー回転は簡単になったけどね。
GOOD!
【総合的な完成度】
純粋なゲーム部分だけ取れば、熟知さえすれば極めて高度で奥深い格ゲーが展開できるところ。自分の嗜好と良い対戦相手に恵まれてさえいれば、10年を経ても色褪せない白熱した駆け引きが楽しめる。
【映像表現】
敢えて『グラフィック』ではなく『表現力』と言ってしまおう。キャラの拳や筋肉・関節の描き方がハッキリしており、特にユン・ヤン・いぶき・まこと・豪鬼と言ったスピードキャラの動きはパンチ一つに到るまでとてもカッコ良く描かれている。だからこそ複雑な連続技を決めた時はビジュアル的にもモーション的にも映え、それが爽快感に繋がっている。(あくまで主観だがSF4の連続技はこれと比べるとゴチャゴチャして見え、絵的に分かりづらい。)
【PS2版よりも高水準】
先行したPS2版と比べると、グラフィックもサウンドも格段にクリアになっている。打撃音や声の迫力がまるで違うので、ここはスタッフの力量を賞賛したい。
BAD/REQUEST
【セリフの英語化/簡略化】
既出だがセリフが全て英語化されているのは、入門者のモチベーションを著しく奪う。3rdの勝利セリフは特に練られており、自分も初心者時はここからキャラに共感して行っただけにこれは地味に痛い。それだけではなく、実は個別勝利セリフも全てカットされており、出てくるのは汎用セリフのみである。読むと中々上手く個性を翻訳してはいるのだが、ダッドリーは若干イヤミに、レミーは皮肉が消え只の平和主義者にイメージが一部変わっている。
【格オタしか喜びそうにないトライアル】
マジで誰が得するんだこれ?ブロッキング練習はレベル3から既に初心者のみならず中級者すらも意気消沈させるようなマニアックさ&実用性の無さ(これならCPUショーン相手の方がよほど練習になる。)で、各キャラの連続技指南も特殊な状況下でしか繋がらないものが過半数を占める。考案したスタッフの顔を拝んでみたい。
【バランスに関しての改善点ナシ】
確かにオリジナルの時点で“モナリザの如きバランスと完成度(広報談)”だったので下手にイジるのは良くなかっただろうが、最下位キャラであるショーンとトウェルヴに限れば強化ヴァージョンや上方修正を入れてもバチは当たらなかったと思う。CPUアルゴリズムもヤン・いぶき・オロは相変わらずつまらないままだし、ギルの狂った超反応もそのまま(小足払いをブロッキングしてターゲットコンボとか)。
COMMENT
【総括】
オリジナルは2D格闘ゲーム最高峰の一角なのでデキ自体は保証するし、オンラインを除いた環境水準もとても良い。特にPS2版は画質と音の荒さに失望したので、それを遥かに上回る1500円という安価でこれだけのものが出来るのは素晴らしい。が、ゲーム全般は良くも悪くも“そのまんま”。同じく人気があるゼロ3は移植の度に新キャラが投入されているのに対し、本作は追加要素が一切ないどころか一部劣化している。双龍ステージのBGM/背景の2ndアレンジとか、成人したさくらとかCヴァイパーとか(いっそのこと新キャラとか?3rdの時に4人も来たんだし)、確かに一銭の儲けにもならないだろうが、そういうクリエイティビティや遊び心が感じられないのは寂しいし、この仕様では事実上初心者お断りである。文字通り10年前人気だったフォアグラをそのまま真空パック保存して今開けたってだけ。ゲーム自体は素晴らしいけど、夢がない。
因みに質の良いアケコンが無いと満足したプレイは出来ないってことは付け加えておく。自分はヤン使いだったのだが、純正パッドではEX蟷螂斬がロクに出せず、またいぶきやユンのような6ボタンを満遍なく使い分けるタイプもまともに動かせなかった。ヒューゴーやアレックスのレバー回転は簡単になったけどね。