【PS3】テイルズ オブ エクシリア
発売元 | バンダイナムコゲームス (オフィシャルサイト) |
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発売日 | 2011-09-08 |
価格 | 8379円(税込) |
レーティング | 【B】12才以上対象 (CERO について) |
ショップ/リンク | Amazon |
タギングトップ3 | |
タイトル概要 |
■ ジャンル:揺るぎなき信念のRPG ■ プレイ人数:1人(戦闘時のみ最大4人) |
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発売元 | バンダイナムコゲームス (オフィシャルサイト) |
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発売日 | 2011-09-08 |
価格 | 8379円(税込) |
レーティング | 【B】12才以上対象 (CERO について) |
ショップ/リンク | Amazon |
タギングトップ3 | |
タイトル概要 |
■ ジャンル:揺るぎなき信念のRPG ■ プレイ人数:1人(戦闘時のみ最大4人) |
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GOOD!
先に書いておくと、個人的にはシリーズ中トップ3に入る。
・圧倒的な高クオリティ演出
今作からUfotableが加わったことを差し引いても、3Dモデルの挙動やアニメシーンの挿入タイミングなど、シリーズ随一の演出だと思う。
特に3Dモデルの演出面は秀逸で、アルヴィンやエリーゼの描写が素晴らしい。なんか巷で腹立たしいとか言われている二人だが、そんな感情的なことはレビューの観点に入らないだろう。むしろ、生々しいまでの腹立たしさが人間味に溢れているといえる。
「そんなよかったか」と思う人は、序盤の船上でのミラとエリーゼのやり取りや、裏切った後帰ってきた時のアルヴィンなどを見ればすぐ分かる。
これと比べて、続編の棒立ち感は見てられないくらい酷いと思う。まあ、開発時間的にまともに演出をやってられなかったのだろうが。
・イノセンス以来のサブキャラフル活用のシナリオ
はっきり言って、サブキャラをちゃんと使えているかだけでシナリオ構成のまとまり具合は決まると言ってもよいと思うが、今作ではイノセンス振りにちゃんと使えている。
一度使ったサブキャラは基本再登場し、かつ前回の登場から間を空けすぎず常に主人公たちの冒険に絡める。これはある意味当然のことのはずなのだが、テイルズオブシリーズではしばしば「主人公が行く先を目で追っていくだけ」という視野の狭いやり方になりがちな部分がある。
実際初期のテイルズオブがそれで、ただあの頃はシナリオの質自体が素晴らしかったので構成なんざクソ食らえでも良かった。
ただ最近は、昨今の厨二病ファンやら鬱シナリオムードやらに載せられて扱うテーマ自体が安っぽくなってきたので、構成が酷いとすぐ目立ってしまう。グレイセスがその典型で、元々友情という幼稚なテーマなのに(だがこれ自体は悪くない)世界・キャラ設定をほぼ利用できていないので味気なさが目立つ目立つ。
そういう意味でエクシリアは、実際のシナリオの質はともかく、ちゃんと世界設定にまとまりをつけサブキャラをフル活用出来ていたので、印象深い物語ではあると思う。
・共鳴の新鮮さ
共鳴には問題点も多いが、やはり二人一組で動き合体技を出せるというのは新鮮で良かったと思う。
後発のハーツRやゼスティリアを見れば分かるが、テイルズオブの戦闘に(合体技自体は過去作からあるので、明確に)ペアという概念を持ち込んだ、新機軸の作品となったのは間違いない。神依など、結局良いことだったのかどうかはともかくとして。
・作品独特の雰囲気が出た音楽
これも巷で批判が多いらしいが、個人的には続編よりも雰囲気の出し方ではクオリティを大きく上回っていると思う。
今作の世界設定の元となっている中央アジアや特にウイグルをイメージした哀愁漂う楽曲が多く、戦闘面ではマザーシップ初の女性主人公・ミラの為の高音中心の戦闘曲が作られ、と気合の入り方が過去作と全く違う。
実際の音楽の質はともかく、テイルズオブシリーズでは桜庭氏のバリエーションの多さが見え隠れする数少ない作品ではないかと思われる。
・やはり雰囲気が掴めるグラフィック
3Dモデルで頭身が上がったこともプラスではあるが、それ以上に風景のグラフィックの質が格段に上昇している。
今まで歩き回るだけだった場所が、ある程度見栄えするようになったのは良い。
・選んだ主人公間での、程よい違い
これもやはり巷での批判点らしいが、私的にはあの程度の差異の量で良かったと思う。
というより、まず初っ端から主人公同士が分かれて進むようなシナリオでは、主人公に一人につき2人付いていくとして、合流するまで賑わいの無い寂しい物語展開になってしまったのではないかと思う。
またRPGを作る際、頻繁に仲間の入れ替えがあるのは非常に労力を要するらしい。比較的開発スパンが短いテイルズオブシリーズでは、とても出来るわけがない(これはスタッフの努力云々でどうにかなるものではなく、上層部の意向なので抵抗は不可能)。
そんな中あえて主人公を選択制にし、第3部だけでも分かれるシナリオを作ったことは賞賛に値すると思う。
BAD/REQUEST
・マルチプレイヤーへの残酷な仕打ち
共鳴システムには、オーバーリミッツが共用になってしまったとか一人で戦うのが困難になったとか問題点も多いのだが、特にマルチプレイへの配慮が皆無なのは大失態といえる。
マルチプレイをするなら、普通はプレイヤー同士で共鳴をするだろう。するとどうでしょう、操作が出来なくなりましたーー。
結局分かれてAIと共鳴することを余儀なくされるというのは、マルチプレイの幅を狭めてしまっていて非常に良くない。4人プレイなど、基本的に無理にさえなる。
更に良くないのが、以降のR二作やエクシリア2・ゼスティリアでもマルチプレイが不遇になっているということ。今作は、マルチプレイヤーへの虐めを開始した記念作といっても過言ではない。
・従来のシステムの簡素化
ワールドマップの廃止、飛空挺や船などの乗り物の廃止、料理システムの実質廃止、称号システムは共用化。
制作側は見やすいように、また革新性を与えるためにこれらをやったのだろうが、ほぼ全てが裏目に出てしまっている。
特に料理システムが事実上廃止となってしまったのは、過去作内での歴史や、やはり後発の作品に与えた影響を見るに完全な失態だったとしかいえない。
・簡単だがやり込みの効かない戦闘システム
共鳴だけではなく、コーションシグナルの無駄さや術技の少なさなど、どうにも続編ありきのシステムが多過ぎる。
また戦闘難易度が非常に低く、普段ノーマルでも苦労する人が、今作は二周目からいきなりアンノウンにしてもそのまま突き通せるほど。ちょっと簡単過ぎる。
・記念作なのにカメオ出演無し
これも地味に手痛い点。記念作にも拘らず、カメオ出演が無いのはマイナス。
・上記までの点のほとんどが続編で改善されている
改善された事自体は良いが、これではまさに続編ありきの実験作。
「実験作」というのは飽くまでまた別の完全新作に活かすノウハウを得るためのものであって、直接の続編でこれをやっては意味が無い。
COMMENT
物語構成や革新性はとても良かったが、周辺システムの廃止の量と記念作の割のファンサービスの少なさが気になってしまう。
それとシステム面で大きく改善が見られた続編が出てしまったため、今更買う気にはならない状態なのもあまり良くない。
前作のキャラをもっとよく知りたい!という方は今からでも買うべきだが、そうでないなら、良ゲーであることには違いないが、あまりオススメできないのも本音。
ただ、個人的にはシリーズ中でもかなりまとまりの良い方だと思う。これで続編が出なければ、もっと評価できたはず。