HD化に伴って「こんなに書き込まれていたのか!」という発見が多々ありました。これは主に一作目で顕著です。 テクスチャ自体の品質は変わらないにしても、従来の解像度ではぼんやりとして見えない、見えなければほぼ無駄といってもよかったマップの作り込みを観察できたので、ある種のファンアイテムとしても満足できます。細かい模様、彫刻や蝋燭などのオブジェクト。制作陣の心意気が伝わってくるかのようです。 また画面比率が変わったことで、プレイ中の画的な密度が足りなくなった、といったこともありませんでした。 ゲームプレイ時の印象はPS2のときと変わりません。不可はないので安心してプレイできます。 あとなにげに、トロフィーセットが作品ごとに個別だったのが一番ありがたかったかもしれません。
多くのゲームにおいて、一部のイベントシーンにはプリレンダリングムービー、つまり録画されたムービーファイルが使われています。 これは実機で処理するものと違い、イベントの際にムービーファイルを再生させるだけのものです。ですのでロード時間もいらず、ゲーム機の性能を無視した綺麗なキャラクターや派手な演出をいくらでも使っていけます。しかし、ゲーム機本体で処理しているゲーム画面と違い、解像度がほぼ上げられません。 プリレンダリングが使われたイベントシーンは、HD化の恩恵を受けられず、汚く映ってしまうわけです。 元々のムービーファイルが高品質なら別ですが、プリレンダリングムービーはディスク容量を圧迫しますし、大きすぎるムービーファイルではカクついて再生されたりするので、普通はそのゲーム機の性能に合った最低限の品質に抑えられています。大画面に映された場合は、小さいムービーファイルを大画面に引き伸ばして見せるしかなくなります。 PS2でプレイしていたとき、デビルメイクライのイベントのほとんどは、ゲーム機本体がそのつど処理した実機のムービーで構成されているように見せかけていましたが、実際には埔里レンダリングが多用されています。例えば一作目の大グモ、ファントムが退場するイベントシーンでは、ファントムがマップ間を移動しています。恐らくロードも入れず即座に二つのマップを描写するためには、プリレンダリングムービーを使うしかなかったのでしょう。 同じく3作目の冒頭、ビリヤードを使ったスタイリッシュなアクションムービーも、実機では不可能な演出を使っていたようです。これもプリレンダリングムービーなので通常のゲーム画面より低画質となっています。 力の入るシーンで低画質のムービーが流れる、というHD化作品の弱点はどう転んでも欠点でしかありません。
PS2当時は解像度の関係から許されていた演出上の工夫も、HD化によってその正体がはっきりと見えてきます。キャラクターのすぐ側で回転している空や、ランプの光り方など色々なものです。 今で言えばそれらは目に見えて不自然なアラでしかないのですが、一ファンとしては舞台裏を眺めているようで楽しい、というのが本音としてあります。PS2の時点であれば、それらは見る側に違和感を与えない、スタイリッシュかつ技術的に現実的な工夫だったのです。 逆に、HD化したことでやっと確認できた、過度な作り込みも多々見ることが出来ます。それらをじっくり観察するのもとても楽しいことです。 しかし一部のムービーが仕様上、どうしても低画質で再生されるので、各種イベントの迫力が薄れてしまうのは残念です。また、横に長いと見えてはいけないものがあったりするのか、リアルタイムムービーであっても画面比率が従来の4:3になって表示される箇所もあり、やはりHD化は本来の想定にない、ゴリ押しでしかないんだと醒めてしまうのもまた本音としてあります。 GOODには「ある種のファンアイテムとしても満足」と書きましたが、完全なファンアイテムとして捕らえるべきなのかもしれません。 ただ肝心のアクション部分、ゲームプレイ自体にはまったく支障がないので、純然たるアクションゲームとして再度楽しめるのは嬉しいことです。 それに現行のモニタでPS2を起動すると、昔プレイしたときよりも汚く見えてしまうものです。プレイ画面に限れば、HD版の方がより違和感なくプレイできるはずです。 月並みですが、好きな人は買いかな、という類の作品だと思います。
GOOD!
HD化に伴って「こんなに書き込まれていたのか!」という発見が多々ありました。これは主に一作目で顕著です。
テクスチャ自体の品質は変わらないにしても、従来の解像度ではぼんやりとして見えない、見えなければほぼ無駄といってもよかったマップの作り込みを観察できたので、ある種のファンアイテムとしても満足できます。細かい模様、彫刻や蝋燭などのオブジェクト。制作陣の心意気が伝わってくるかのようです。
また画面比率が変わったことで、プレイ中の画的な密度が足りなくなった、といったこともありませんでした。
ゲームプレイ時の印象はPS2のときと変わりません。不可はないので安心してプレイできます。
あとなにげに、トロフィーセットが作品ごとに個別だったのが一番ありがたかったかもしれません。
BAD/REQUEST
多くのゲームにおいて、一部のイベントシーンにはプリレンダリングムービー、つまり録画されたムービーファイルが使われています。
これは実機で処理するものと違い、イベントの際にムービーファイルを再生させるだけのものです。ですのでロード時間もいらず、ゲーム機の性能を無視した綺麗なキャラクターや派手な演出をいくらでも使っていけます。しかし、ゲーム機本体で処理しているゲーム画面と違い、解像度がほぼ上げられません。
プリレンダリングが使われたイベントシーンは、HD化の恩恵を受けられず、汚く映ってしまうわけです。
元々のムービーファイルが高品質なら別ですが、プリレンダリングムービーはディスク容量を圧迫しますし、大きすぎるムービーファイルではカクついて再生されたりするので、普通はそのゲーム機の性能に合った最低限の品質に抑えられています。大画面に映された場合は、小さいムービーファイルを大画面に引き伸ばして見せるしかなくなります。
PS2でプレイしていたとき、デビルメイクライのイベントのほとんどは、ゲーム機本体がそのつど処理した実機のムービーで構成されているように見せかけていましたが、実際には埔里レンダリングが多用されています。例えば一作目の大グモ、ファントムが退場するイベントシーンでは、ファントムがマップ間を移動しています。恐らくロードも入れず即座に二つのマップを描写するためには、プリレンダリングムービーを使うしかなかったのでしょう。
同じく3作目の冒頭、ビリヤードを使ったスタイリッシュなアクションムービーも、実機では不可能な演出を使っていたようです。これもプリレンダリングムービーなので通常のゲーム画面より低画質となっています。
力の入るシーンで低画質のムービーが流れる、というHD化作品の弱点はどう転んでも欠点でしかありません。
COMMENT
PS2当時は解像度の関係から許されていた演出上の工夫も、HD化によってその正体がはっきりと見えてきます。キャラクターのすぐ側で回転している空や、ランプの光り方など色々なものです。
今で言えばそれらは目に見えて不自然なアラでしかないのですが、一ファンとしては舞台裏を眺めているようで楽しい、というのが本音としてあります。PS2の時点であれば、それらは見る側に違和感を与えない、スタイリッシュかつ技術的に現実的な工夫だったのです。
逆に、HD化したことでやっと確認できた、過度な作り込みも多々見ることが出来ます。それらをじっくり観察するのもとても楽しいことです。
しかし一部のムービーが仕様上、どうしても低画質で再生されるので、各種イベントの迫力が薄れてしまうのは残念です。また、横に長いと見えてはいけないものがあったりするのか、リアルタイムムービーであっても画面比率が従来の4:3になって表示される箇所もあり、やはりHD化は本来の想定にない、ゴリ押しでしかないんだと醒めてしまうのもまた本音としてあります。
GOODには「ある種のファンアイテムとしても満足」と書きましたが、完全なファンアイテムとして捕らえるべきなのかもしれません。
ただ肝心のアクション部分、ゲームプレイ自体にはまったく支障がないので、純然たるアクションゲームとして再度楽しめるのは嬉しいことです。
それに現行のモニタでPS2を起動すると、昔プレイしたときよりも汚く見えてしまうものです。プレイ画面に限れば、HD版の方がより違和感なくプレイできるはずです。
月並みですが、好きな人は買いかな、という類の作品だと思います。