PlayStation mk2 :: PS4評価レビューサイト

GOOD!

熱中度に満点をつけたが、ここは1番意見が別れる部分だと思う。
メインと思われるサバイバルモードは非常にストイックなゲーム性となっており、
慣れてきても一瞬の油断や不運なハプニングによってあっけなく死ぬことが多々あり、
それはゲーム開始数秒でも起こりうる。
だがそれこそが、他ではなかなか味わえない極限の緊張感を生む要因にもなっており、
この理不尽とも言える特徴を楽しめるかどうかで、
熱中度は極端に別れそうだ。
しかし、生きるために食い、食うために殺すという、
ストイックなコンセプトとこの特性は非常に相性が良く、なるべくしてなったのだろうと思う。

システム面は、チャレンジの内容や戦い方、キャラごとの個性の出し方、
イベントや交尾による世代交代など、動物らしい斬新なものが満載で、
オリジナリティーは十分に感じ取れた。

世界観自体は、映画I am Legendの冒頭シーンをそのまま舞台を渋谷にしただけといった感じで
使い古されたありきたりな設定なのだが、
ストーリーモードの動物たちの、シリアスなのかコメディーなのかよく分からない
シュールなノリは、ゲームとしては新規性を感じ楽しめた。

アクションは、ベルトスクロール式ながら、間合いの取り方や、
一撃必殺の駆け引きなど、思った以上にしっかりとしており、
固有の必殺技等はなく地味ながらも、一回一回の戦闘は気が抜けない緊張感に溢れており
好感がもてるものだった。
詳細は伏せるが、ストーリー後半ではまさかの展開で、ゲーム性も一変するどんでん返しがあり
その点も含めて多いに楽しめた。

BAD/REQUEST

スコアに直結するチャレンジの内容が、一部大きく運に左右されるものがあり、
調整不足と感じ残念だった。(具体的には移動系のチャレンジとカロリー摂取系)

定期的に様々な動物たちのイベントが各地で発生していて、
見にいくと非常に面白いのだが、チャレンジのスコアや成長におけるウェイトが高すぎて
イベントを見に行く気が起こらないのは勿体無い。
イベントでも、なにかしらスコアや成績にメリットがあり、
イベント重視かチャレンジ重視かでユーザーが選択できる余地があったら、
もう少し作業感が薄れ、自由度も高く感じることができたのではないか。

ストーリーはオマケ的な位置づけになっているが、よくできているので、
なんだか損な見せ方になっている。
独立してもっとボリュームアップして色々な動物たちの物語に触れたかった。
また、ストーリークリア時のメリットが何もないのも不憫。
タイムアタックやスコアに応じてポイントが貰えたり、動物のアンロックを
こちら側に担わせるなどの工夫があればもっと映えたと思う。

動物のアンロックは、特に肉食動物において、
似たような動物を連続でこなさねばならず、かなりここで飽きてしまった人も多そう。
もう少し枝分かれさせて、早い段階で色々なタイプの動物を開放させる設計にしたり、
チャレンジではなく前述のストーリーモードを絡めた開放などにも
分散させる設計が望ましかった。

グラフィックは下の下レベル。技術的にも前時代的。
ただし、このチープ感はシンプルなゲーム性と相性は悪くなく、モーション自体は良かったので
そこまで気にならなかったので2とした。

COMMENT

人を選ぶゲームであるのは確かだが、個人的には非常に楽しんでいる。
あれこれ計画を立てて、黙々と作業に没頭できるタイプにはうってつけだろう。
また、効率やスコアそっちのけで、自分の脳内で妄想を爆発させ、動物になり切って
一瞬一瞬をどう生き抜くかをピュアに楽しむような遊び方が好きな人、
つまりオープンワールド系のゲームを、本編無視してひたすら自由気ままにダラダラとプレイして
楽しめてしまうタイプの人でも適性があると思う。ちなみに自分は後者だった。

もし続編が出るのなら、何を捨て置いてもオンライン対戦はいれて欲しい。
それだけで、万人が楽しめる神ゲーに生まれ変わる可能性を秘めている。
小規模タイトルには、サーバー運用の問題等で不可能なのかもしれないが。

しかし、こういった尖ったゲームを作らせるSCEの懐の深さは素晴らしい。
最近すっかり落ち目のSCEだが、まだまだこのまま落ちて行くようなタマではないな、
と感じさせられる、個性的で魅力あるタイトルだった。