【PS3】テイルズ オブ エクシリア2 レビュー
発売元 | バンダイナムコゲームス (オフィシャルサイト) |
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発売日 | 2012-11-01 |
価格 | 8380円(税込) |
レーティング | 【C】15才以上対象 暴力 (CERO について) |
ショップ/リンク | Amazon |
タギングトップ3 | |
タイトル概要 |
■ ジャンル:選択が未来を紡ぐRPG ■ プレイ人数:1人(戦闘時のみ最大4人) |
オリジナリティー | グラフィックス | サウンド | 熱中度 | 満足感 | 快適さ | (難易度) |
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3pt | 4pt | 2pt | 3pt | 3pt | 4pt | 2pt |
64pt
GOOD!
・魅せるシナリオ
シリーズ中でも屈指のあざとさで、気持ちをくらませちょっと楽しい気分にさせ、それからやはり落としてお涙頂戴... という図式が完全に埋まっているため非常に見応えがある。
後述するように割とすきすきなシナリオではあるが、特にユリウスというキャラのお陰で心に染み透る出来に感じられる。
・前作から確実に向上した戦闘システム
ボスがめったにコーションシグナルでコンボを途切れさせてこなくなったり、術技や使用可能キャラが増え戦いのバリエーションが強化されたり、何より骸殻という新システムがある。
主人公がいささか優遇され過ぎ感はあるものの、弱点属性連携やスキルを駆使すれば他キャラでも十分奔放に戦える。
戦闘中のキャラ入れ替えが消失したことだけは残念だが、前作の魅力として取っておいてあげたことにしよう。
・やり込み要素がちゃんとつきました
まず選択肢システムのお陰で何周かは新鮮な気持ちで楽しめるというのもあるが、しっかりとした隠しダンジョンもつき、闘技場のカメオ出演も加わりと従来の量となった。
本編に付随してキャラクタークエストがあることもあってか、本編のシナリオ自体は短いものの、全体のボリュームとしてはシリーズ中でも結構ある方なのではないか。
・キャラクエで前作キャラの魅力を色褪せさせない
そのキャラクタークエストがあったために、例えば続編でよくあるような「一応存在するが、もはや影が薄い」や「シナリオの内容がキャラの特徴に絡まず、ただパーティに居るだけ」などといったことが無かったのは良かったと思う。
まあ結局本編にはあまり必要性のない人物たちばかりだが、キャラクエのお陰で彼らの存在感が常に見え、その上でルドガーを助けてくれているという感じなので結果オーライだろう。
・開発期間の短さを考慮する
前作の発売日を見るに、たとえ前作開発の途中から今作を作り出していたとしても、1年半も開発は無かったのではないか。
基本のシステムはコピペとしか言いようがないが、最終的に前作以上のボリュームを入れてきたのは高評価すべき。
BAD/REQUEST
・実は穴だらけ?のシナリオ
これは正確な自分の意見ではないのだが、海外では矛盾と穴だらけのシナリオとして前作より評価が低いようだ。
主要なものにはクロノスの中途半端な行動(オリジンを守りたいと言いつつ、ルドガーが着々と審判に近づく様を積極的に止めない)やエルがチャプター12で自身の世界諸共消えなかったことなど。
また、ユリウス関連のサブイベントに一部誤訳が生じているために、そちらでも混乱を招いているらしい。
同じく多くの矛盾を孕みながらも「理屈じゃねぇんだよ!」の精神で重厚なシナリオを仕立てたのにはジアビスがあるが、あちらは普通に名作として捉えられているので判然としない。
・改善されない要素もある
マルチプレイ時のカメラワークの悪さや共鳴の煩わしさなど、改善点が見つけられずに放置してある要素も多い。
料理の扱いをここでも変えなかった為に、完全に従来の料理システムが以降のマザーシップ(まだゼスティリアしか無いが、今後も恐らく)作品で見られなくなったのは大打撃といえる。
・お涙頂戴なのは間違いない
シナリオの魅せ方は確実に良い方だろうが、泣かせられる物語にはウンザリ!という人もいるだろう。ゼスティリアでは、それがこじれて空気エンディングになったのは言うまでもない。ここでも、以降のマザーシップの方針を決めてしまった感がある。
・3Dモデル時の演出が劣化
前作から劣化した数少ない点としては、演出の面をあげておきたい。基本棒立ち、喋る時にお互いの顔を微妙に見ていない、ルドガーがオーバーアクションなど目立つ目立つ。
前作が、特にエリーゼとアルヴィンを人間のように動かしていたのに比べて、今作のテキトー感は劣化としかいえない。物語自体は泣かせられるので、ますます演出の雑さが際立つ。
・BGM...?
巷では評価されているらしいが、前作に比べて全く記憶に残らないものばかりだった。というか、ギター系の音がうるさすぎてチープな印象の方が強い。
特に『華麗なる精霊の演舞』なんか完全にシナリオのお陰なわけで、単体で聴くとあまり盛り上がる感じの戦闘曲ではない。個人的には、今作が桜庭氏の唯一にして最大の失敗作という感じ。
COMMENT
総合して前作からは確実に良くなっているし、また単品としても良質のゲームなのだが、何分主人公が喋らず台詞が選択制だとか、ファンタジーに会社員が出てくるとか割合に異色な作品なので、今後のマザーシップではあえて参考にしてほしくないとも思う。
実際同じシナリオライターを起用して、しかしまたしても無理やり方向変換を図ろうとしたゼスティリアが華麗に荼毘に付されてしまったので、もうバンナムさんも分かってることではあろうが。
オリジナリティー | グラフィックス | サウンド | 熱中度 | 満足感 | 快適さ | (難易度) |
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1pt | 3pt | 3pt | 4pt | 4pt | 2pt | 2pt |
63pt
GOOD!
○戦闘システムの改善
前作の戦闘は粗が多く、PS3テイルズの中で最もつまらなかったので低評価につながりましたが、今回は不満点の多くが改善されていたので評価がかなり回復しました。
・固有共鳴術技に派生する術技の数が増えました。またそこから漏れた術技からも共通の共鳴術技を出せるようになりました。
・リンク時のパートナーの行動も作戦で指示できるようになったので、不自然な挟撃・棒立ちが激減しました。
・弱点連携システムの採用で、術技の連携の組み立ての面白さが増しました。また前作で煩わしかった鋼体の復活が、連携中は起こらないのもポイント。
○キャラクターエピソードの採用
従来のNPCとの広く浅いサブイベントは数をかなり減らし、その代わりなのか各PCに焦点を当てた、それなりに突っ込んだサブストーリーがあります。個人的にはこちらの方がかなり好きです。
ワールドマップで発生したことやその場所が簡単に分かり、取り逃しを防げるのも良い。
○ギガントモンスター
普通に戦うと強敵だがそのほとんどが明確な弱点を持っているというモンスター群。
単なる弱点属性に留まらず、攻撃部位やタイミングの工夫を求められるのも戦闘の面白さに一役買っていました。
BAD/REQUEST
○メインストーリーが薄い
メインストーリーの合間に借金返済というより、借金返済の合間にメインストーリーがちょっとあるといった感じです。
敵のいない町めぐり→ボス戦1回で終わる章や、なんとイベント1個見ただけでまた借金返済に駆り出される章まであり、何とも言えない気分になりました。
○使い回し
・続編なのでマップやそこに棲む敵が前作の使い回しなのは百歩譲って我慢もできます。
しかしパラレルワールド設定で今作の中でも何度も使い回すのはさすがに酷いです。
しかもパラレルワールド中は、その世界を知らないということなのかワールドマップからの瞬間移動ができません。こちらはそのマップを嫌でも覚えてしまうほど歩いているのに…。
・ギガントモンスターも前作のデザインを流用したうえに、今作の中にも色違いなだけなのがかなりいました。数が多いこと自体は悪くないので難しいところですが、デザインが被らない程度に新規デザインを用意するくらいの手間はかけてほしかったところ。
○ダンジョン内で戦闘メンバーが入れ替えられない
前作の戦闘中にまでパーティー入れ替えができるのは便利すぎたので、廃止もやむを得ないと思います。
しかし町でしかメンバー変更ができないというのはさすがに縛りをきつくしすぎではないでしょうか。
○快適さ
・NPCの表示が遅いです。ショップ店員やクエスト斡旋所が表示されるまで何もない空間で待たされることもよくあります。
・前作ではマクスウェル戦くらいでしか酷い処理落ちはありませんでしたが、今作の戦闘ではそれなりの頻度でもっさりした動きになります。弱点連携で味方の術技が重なる場面では特に顕著。
・発生する条件などは分かりませんが、戦闘前後に数秒のロードが入ることもしばしば。
COMMENT
新鮮味が全くなく、続編というより拡張版といった表現の方が相応しいです。
しかしそうと割り切れば戦闘関連を中心に改善点も多く、なかなか楽しめる内容でした。
オリジナリティー | グラフィックス | サウンド | 熱中度 | 満足感 | 快適さ | (難易度) |
---|---|---|---|---|---|---|
2pt | 3pt | 3pt | 3pt | 3pt | 4pt | 2pt |
61pt
GOOD!
・戦闘
共鳴技の数が増えた、共鳴秘奥技が出来た
ボスが強く弱点を突かないと勝てない
前作のボタン1つで簡単に爽快感を味わえるリンクシステムを元に、批判の多かった点が改善されました。そしてリンクシステムだけでなく、ルドガーの武器チェンジや変身で新しい戦い方も追加されています。個人的にはガイアスとミュゼが強キャラとして設定されていたことも満足。
・シナリオ
これはBADでも触れます。基本的には面白かったけれど、不満点も多々。厳しい言い方になりますが「テイルズシリーズにしてはシナリオが良い」であって、シナリオが良いとされるRPG陣と比べてはいけませんよ。
シナリオは短く重めですが、その分破綻せずに「少女のために世界を壊せるか」というテーマを表現できています。決してご都合主義に陥らない展開は良かったと思います。分かりやすく伏線も張られ、何でそうなる!?と感じることもなくなりました。演出の力も大きいと思います。ムービーが多いですが、一本調子のカメラワークにならないので、気にならずにプレイできました。
新作キャラは皆好印象。また、前作のキャラも成長しているので、迷ったり揉めたりしてイライラさせられることはなくなりました。
・快適システム
一度行った場所ならボタン1つでどこにでも行けたり、イベントが起こる場所が表示されたり、相変わらず便利です。
BAD/REQUEST
・使い回し
仲間、敵、フィールド、街、着せ替え…使って使って使い回しています。前作分を今作の正史で使い、分史(パラレルワールド)で使い…あぁこれは何回目だろうなぁと遠い目で画面を眺めてしまうこと多数。製作者がインタビューで取り繕ったところで、ユーザー側は手抜きだと気付いているので居た堪れない気持ちにしかなりません。
例を挙げると、新しい街は3つ+1つ拡張のみで他は全て前作のものです。フィールドやダンジョンも同じような状態です。しかも新しいマップにイルファンやキジルのような凝ったものはありません。前作であれだけ批判された壁と壁穴、コピペ港など何も変わっていないのはどうしてなのでしょうか。
・シナリオ
新キャラの掘り下げがほとんどないので、見所となるはずのシーンでもあまり感動できなかったです(演出が良いので感情移入していなくてもある程度感動できますが…)。前作キャラは前作分の過去+個別エピソードですが、新キャラの個別エピソードはほとんどありません。
では逆に前作キャラが中心なのかと言えば、ジュード・ミラ以外の前作キャラが話上必要ない、そして終盤は空気。
どちらにも中途半端な作りです。TOXの続きではなく、完全新作の方が良かったのではないでしょうか。
・喋らない主人公
ドラクエ型主人公が悪いわけではありません。テイルズには向いてなかった、もしくはテイルズスタッフには作れなかったというだけです。
ルドガーは基本的に喋らないのですが、では=プレイヤーかと言えばそんなことはなく、あらすじでは思いっきりキャラが出ていますし、分史ではペラペラ喋ります。にも関わらず、他キャラに無口だとネタにされたり、「うぅ…」と唸ったりだけします。違和感しかありません。
COMMENT
TOXは50点代をつけましたが、今作はそれよりも評価できました。
前作のキャラクターのその後、成長した姿が見られ、やりこみも改善。前作ファンには問題なくオススメできるファンディスクになっています。
ただ前作を気に入らなかった人、前作をやっていない人には微妙な出来です。私のように世界観や一部キャラを気に入り改善を期待して購入した人間はともかく、前作が完全に合わなかった人は買わないと思うので大丈夫かもしれませんが…。前作未プレイ者は、作中では説明は一切ないので、事前にあらすじを知らないとついていけません。前作はオススメできないので(直後に2をやる使い回しに飽きるかと)、せめて付属のダイジェストムービーを見てからにしましょう。
よけいなお世話かもしれませんが、一般的に低評価な前作を乗り越えた人間ばかりがレビューするわけですから、傾向として評価は甘くなると思います。購入を検討している方はそれも考慮に入れた方がよいでしょう。
そこそこ面白かったのは確かなのですが、これがフルプライス商品になるとはユーザー舐めているのか。
Amazonレビュー
レビュー日: 2016-09-06
発売してからそれなりに月日が経ってるのに約3000円でシリアルコードだけしか付いてないのはちょっと残念でした・・・
GOOD!
・ストーリー
ちょっと分かりにくい部分、納得できない部分もありましたが(BADに記述)、間違いなく前作より心に響くストーリーです。
テイルズにしては重く、暗い話でした。
・キャラクター
新キャラクター(ルドガー、エル、ユリウス)に好感が持てます。前作キャラの成長が目当てで購入しましたが、新キャラが良すぎてあまりそちらには目がいかなかったほどです(笑)
エルは最初、幼女ヒロインという狙いすぎな感じがありマイナスイメージでしたが、ラストにいくにつれ本当に守ってあげたくなるような存在になりました。
ルドガーが喋らないのはやっていくうちに慣れました。
・グラフィック
前作同様美麗なグラフィックでした。
アニメーションも綺麗でよく動き見ていて飽きません。
・戦闘
前作より分かりやすく、爽快で面白かったです。
どうしてもルドガーばっかり使っちゃう仕様ですが(笑)
・やりこみ
借金返済による特別EDや隠しダンジョン等やりこみも充実していると思います。
・ネコ派遣
猫好きにはたまらないサブイベでした。
・ロード
ほぼ快適でした。
BAD/REQUEST
・ストーリー
ストーリー自体は良かったのですが、EDが納得できませんでした。
「運命を選択できる」のに、どの選択でも誰かが犠牲になるなんて(しかもそれが続く)プレイヤーを鬱にしたいとしか思えません。
テイルズには、主人公が先頭に立って困難な道を切り拓いていく王道ストーリーを期待していただけに非常に残念でした。
それと分史世界やクルスニク一族等説明不足な感じがしました。
・キャラクター
喋らない主人公はやっていくうちに慣れましたが、2週目でつくボイスが何故1週目から付けなかったのか分かりません。選択肢喋るだけなのに。
そして他の皆様もおっしゃるように、キャラができている主人公が喋らないのはただ不自然なだけでした。選択肢制度があっても主人公が喋って問題はなかったはずです(特に戦闘)。
ルドガーに対して前作キャラが一線を引いている感じが嫌でした。
そのくせ親密度を上げると凄く親しそうに接してくるのでギャップに違和感があります。
・使い回し
街・マップが半分以上前作の使い回しです。もうちょっと新規に増やすか、完全使い回しではなく1年前から街等少し変えてればいいのにと思いました。
・クエスト
つまらないものが多かったです。何を何匹倒せとか何持って来いとか。
サブイベ的なクエストがもっとあってよかったと思います。
COMMENT
前作クリア済みです。
前作がTOL以来久しぶりのテイルズで、まあまあ楽しめたが不満点だらけだったのに対し、今作はストーリーの一部を除いてかなり満足できる出来でした。
前作はやっていたほうが楽しめると思いますが、メインストーリーはルドガーの話ですのでやっていなくても問題ないと思います。
前情報特に無しで前作キャラの成長を見るために購入しましたが、新キャラ・クルスニク家に心を持って行かれました。その分ラストに不満が残りましたが(人によると思います)。