オリジナリティー | グラフィックス | サウンド | 熱中度 | 満足感 | 快適さ | (難易度) |
---|---|---|---|---|---|---|
3pt | 2pt | 4pt | 2pt | 2pt | 2pt | 2pt |
46pt
GOOD!
「戦闘」
今作では、チェイン、というPTメンバー全員による連携攻撃が非常に重要なファクターとなっている。
というのも、これがなければ中盤から終盤の固い敵を倒すのにものすごい時間やアイテムが必要になるので、ほぼ必須の過程と言える。
小さな連携を重ねて早くチェインを組み上げるか、それとも大きくチェインを高めうる範囲攻撃で一気に攻めるか、など、それなりに戦闘時の選択の幅ができていて、なかなか面白い戦闘になっている。
ただ、「チェインありき」でしか戦闘が回しづらく、それ以外の戦闘手段だと、とたんにゴリ押し一択となるのがちょっとアレといえばアレ。
「日数制限がない」
これはなかなか思い切った方針転換かもしれない。
日数制限がないことで時間に追われることも当然なくなり、採取だろうが調合だろうが好きなだけできるようになっているので、のんびり寄り道することも気軽にできるようになった。
ただ、メインシナリオ中に好きに採取などをやり過ぎるとやる気ゲージが下がって採取効率などがガタ落ちになってゲームテンポが下がるし、自由行動中に好きな行動をとっていると、そう間を置かずに次のシナリオに到達してしまう。(別に、すぐに次のシナリオに行く必要はないのだが、調合部屋に入るたびに次のシナリオに行きますか、とメッセージが出てくる)
日数制限をなくすのが悪いというわけではないが、自由なプレイを結局阻害するなら、きちんとシステム側が日数管理を計算に入れた上で日数制限があったほうが良かったし、日数をなくしてしまうならおかしな縛りもなくしてしまうべきだったと思う。
BAD/REQUEST
「シナリオ」
頑張ってはいたと思う。文章量、数、イベント発生のタイミングなど、それなりに考えられていたとは思う。
が。シリーズ通しての主題である「黄昏」について、未解決どころか非接触なのはどういう事なのか。
前作では黄昏色の空に終末らしい雰囲気だけは感じていたのだが、今回の舞台は超青空。こうなってくると黄昏ってなんぞ、と不思議に思う。謎の解明どころか黄昏という言葉の指す事態が、その世界観にあってはどういう現象を指すのか、という説明自体が存在しない。
はっきり言ってしまうと、説明なしでは言葉通りの理解をしてしまうのが普通。黄昏=夕暮れ。その理解でいいなら説明なんぞ不要だが、そうじゃないならしっかり、はっきりと「これがこの世界における黄昏、という定義である」と説明しないと、まず世界観が不明瞭になる。
どうして呼称が「終末」ではなく「黄昏」なのか? 見ればわかる作りではないのだから少なくともその情報は必要だったと思う。
この他にも、黄昏シリーズで語られてきた様々な伏線すべてがほったらかし。
答えをあえて出さないことで作品の深みを引き出す、という手法もあるにはあるが、それは今作のように、貼った伏線を回収せずにエンドマークをつける、というのとは違う。
これまでのアトリエシリーズの大半は一作完結が前提で、世界観を同じくしていて、過去作のキャラが出演していても、その一作だけでお話自体は完結していた。だから、ある程度未完結の要素があってもさほど気にする必要もなかった。
が、今回のシリーズは「黄昏」という主題が揺るがしがたく存在し、その前提のもとで話が進んでいっていたはず。なのにその主題が全く語られないまま「おしまい」では納得のしようもない。
どう見てもストーリー上、重要イベントのはずのウィルベルイベントが結局エンドになんの関係もない。キャライベントがイマイチ中途半端。キャラエンディングが存在しなくなっている。と、総じて結論の部分が雑で未完成品っぽい。
あと、特定のイベントで他のイベントとの間に不整合があったりする。
結論としては「頑張ってはいるがそれだけ」としか言えない。
「システム」
セーブできないとか、電源がきちんと切れないとか、最悪セーブデータやHDDに破損が発生するとか。
軽微なところでは「行動指針を示すフレーバーテキストと実際要求される行動との間に齟齬がある」なんてバグもあった。(Aという地点で採取したいな、と一枚目に書いていて、作業現場が書かれた二枚目に指示されているのはB地点、なんてふうに)
なんていうか、パッチ前提の作りに甘えるのはPCゲームだけでいいと思う。
ド高い金を取る固定機でしか遊べないのに、PCよろしくネットワークからパッチを、なんて話になるなら、なんのための固定機なのか。
「グラフィック」
シリーズ通して、ということになるが。前作から敵キャラとか使い回しが多すぎ。使い回しやモーション削減で作業工数を減らし、相対的に制作費を削っているのだろう。それ自体はシリーズなのだから別にいい、という側面もないではないが、そのためだけにシリーズという体裁にしてやしないか?
シリーズにするなら、シリーズでしか語れない長大なシナリオや、キャラクタ同士の交流を描いてほしい。
そうでなければ単に楽してるだけじゃね? と思えてしまう。
あとこれはシステム周りの問題とも言えるが、今作ではカメラビューが上方からの見下ろし固定。階段などで上下移動を必要とする特定のマップでは敵の位置が掴みづらく、周囲の環境を捉えづらい。
せっかくフリーカメラで周囲を見渡せる作りにしているのになんで見下ろし固定にしたのだろう……?
「調合」
今作の調合は、上級の素材(特に自分が作った薬や宝石など)を調合素材にしようとすると、鬼のような高コストを要求されてしまう。そのため、作成にはスキルや調合手順の組み立てがいちいち必要で、回数をこなすのが極めて面倒。
言い換えれば普通のものを作りたくてもスキルをいちいちセットする必要があったりする。
何もしなくても標準的なものはできるが、スキルを使えば高品質な物を作れる、というバランスのほうが良かった。
また、採取代行や作成代行、製作品の複製などの調合補助要素がなくなっているので、移動・採取・調合をかなり高頻度で行う必要があり、煩わしい。こういった作りにするなら、量産が必要ないバランスにするか、あるいは基礎生産品などを量産しやすいシステムを構築して欲しかった。
COMMENT
意欲的に様々な要素を追加・変更しているのは好印象。おそらく、ユーザーの声を聞いてくれたのだろう、と思いたい。
が、不整合やバグが量産されているのはいただけないし、シナリオの主題が蔑ろになっているのもダメ。
現代に残された旧文明の施設、前作のストーリーボスその後、精霊と人間とのあいだにあった諍い、何よりも黄昏の真実。そういった明かされてしかるべきお話をすべて明かした完結編でも作ったほうがいいんじゃないだろうか、と思う。
つまらないわけではないが魅力がない。面白くはあるのに引き込まれるものがない。
黄昏や水涸れのように世界や土地全体規模の大きなストーリーを扱うなら、錬金術や調合よりもストーリーメインの制作にするべきだし、あくまでも錬金術や調合、といった「錬金術士にとって身近なもの」をメインに据えるなら、ストーリー自体は小さく、身近な目標としたほうが良かったように思う。「世界を救うのはもうやめた!」みたいに。
総評としては「あっちこっちに手を伸ばしてみた結果、全てにおいて中途半端な印象」というところ。
オリジナリティー | グラフィックス | サウンド | 熱中度 | 満足感 | 快適さ | (難易度) |
---|---|---|---|---|---|---|
4pt | 3pt | 4pt | 4pt | 4pt | 3pt | 2pt |
75pt
GOOD!
・オリジナリティー[4点]
自分で素材を集め、アイテムを調合していくというシステムは、アトリエシリーズ経験者の方にとっては当たり前のことかもしれませんが、シリーズ初プレイの自分にとっては新鮮でした。
普通のRPGなら店で売っている戦闘アイテムすらその例外ではなく、自分で1から作り上げるというのは特にオリジナリティーを感じた点です。
・サウンド [4点]
購入前にPVを見た時に流れていた「赤光」が気に入ったので、元々BGMには期待していましたが、実際にプレイしてみて、満足できる内容でした。
この作品のBGMはどれも作風にあっていて良いものが多かったと思いますが、中でも特に気に入ったのはボス戦のボーカル曲です。
黄昏に向かう穏やかな世界観を守りながらも、こちらの気分を高めてくれるいいものでした。やはりBGMが良いと戦闘のモチベーションは全然違いますし、サウンド面は本当に満足できた点です。
・熱中度[4点]
自分は2周ストーリーをクリアしましたが、飽きずにプレイすることができました。まず1週目についてですが、ちょうどいいタイミングで新要素が解禁されていく点が素晴らしいと感じました。
自分はRPGを序盤はのめり込んで一気にプレイしても、中盤あたりで飽き始めて失速することもしばしばあるのですが、この作品は、終盤までできることを少しずつ増やしていってくれるので、そこが長続きした要因だったと思います。
2周目については、主人公が2人いて1周目とは違う主人公を選択することができるので、1周目とは異なるイベントなどもあり、気持ちよくプレイすることができました。
・バトルシステム
戦闘はターン制で、アクション要素は一切ありません。この点はアクションゲームが苦手な自分にとっては快適で、楽しめました。
戦闘に参加できる人数は6人で、前衛と後衛に分かれますが、後衛が前衛をサポートする“アシスト”というシステムがシンプルながらも奥深く、爽快で良かったと思います。
・キャラクター
どのキャラクターにもしっかりと個性があって、男女ともによかったと思います。フルボイスであるが故に声優さんに作品の出来が大きく左右されると思いますが、どの方も素晴らしくてすんなり作品に入り込むことができました。
BAD/REQUEST
・セーブ関連
一通りプレイしてみてそれほど大きな不満というほどのものはありませんでしたが、少し気になったのは、セーブについてです。
基本的に戦闘で全滅しても特にペナルティーはなく、フィールドからワールドマップに戻されるだけで済みます。
しかし、一部のボス戦については例外で、全滅するとゲームオーバーになり最後にセーブしたところまで戻されてしまいます。
そのことは説明書にも書いてあるのですが、自分はそれを知らずに数時間程度戻されてしまったことが1度ありました。
もちろんこまめなセーブを怠った自分が悪いことは分かっていますが、章が進む時などにセーブをするかどうか問うなどの配慮があっても良かったのではないかと感じました。
COMMENT
以前から気になっていたアトリエシリーズを初めてプレイしましたが、全体的に満足できる内容でした。
普段1つの作品にかける時間は30~40時間程度の自分が100時間プレイしたのが何よりの証拠だと思います。
自分の中でアトリエシリーズというとアイテム作成のイメージが強く、戦闘にはそれほど期待していなかったのですが、ターン制でもテンポがよく爽快で、いい意味で期待を裏切られました。
その他にも音楽やキャラクターなど気に入った点があり、購入して良かったなと感じられました。
他のアトリエシリーズの作品を知らないので、シリーズ経験者の方に意見することはできないかもしれませんが、まだアトリエシリーズをプレイしていないという方にはおすすめできる作品です。
オリジナリティー | グラフィックス | サウンド | 熱中度 | 満足感 | 快適さ | (難易度) |
---|---|---|---|---|---|---|
3pt | 3pt | 4pt | 4pt | 3pt | 3pt | 2pt |
67pt
GOOD!
アトリエシリーズは最後にEDまでやったのはロロナからになります。
サウンド
良いです。
最近の実写系のRPGでは使えないJRPGの良さを感じられる耳に残るサウンドが多いです。
ボーカル曲が何曲も入ってるいるのでこれだけでも値段ぶんの価値は十分にあります。
システム
さすがにもう何作も出しているシリーズものなので洗練されていて、最初に選べる難易度によって敵が強くなり戦闘も長引く傾向にあるのですがそれでもストレスはほぼ感じられませんでした。
調合もしばらくアトリエシリーズをやってなかった僕も少しずつやれることが増えていく感じなので問題ありませんでした。
BAD/REQUEST
一部処理落ちするMAPがありあからさまに動きがスローになります。
イベントフラグの管理が甘いのかキャライベントで話が繋がらないことがあります。
過去作のキャラが何人か出てくるのですが説明を省略されていて、初見だと最後までやってもどういうキャラなのかいまいち分からなかったりします。
これはBADというか、2014年7月時点で特定条件化で必ず発生するゲーム終了時に異常終了してしまうバグあります。
最悪本体にダメージを与えるかもしれないので注意が必要です。
COMMENT
高水準でまとまっている良いゲームだと思います。(バグがなければ)
これが直るかどうかにより評価が変わってくると思いますが、データを壊しかねないちょっとひどい感じなので直らないならゲームとしてはあまりオススメはできません。
Amazonレビュー
レビュー日: 2014-08-16
戦闘や調合に関してはマナケミアやアルトネリコをプレイ済みなので、違和感なく楽しめました。久しぶりのRPGでしたが改めてシナリオって重要なんだなと感じました。
GOOD!
シリーズはロロナのアトリエ以降、PS3版のみクリア済み
・調合
アトリエの醍醐味であり、シリーズを通して最も中毒になる要素。基本的にはエスカロジーと変わらず、錬金Lvが上がるにつれて良いアイテムを調合できるようになるので後半になるにつれて面白くなっていく。
・戦闘
システムは過去作「マナケミア」を元にしていると思われます。エスカロジーと同じく6人戦闘で、交代を多用し、臨機応変に前後衛を入れ替えるシステムは、他のRPGよりもより多くのキャラクターを戦闘に使用できるという点で評価したいです。
また、調合ゲームだけにアイテムや装備による戦闘力の底上げが非常に重要となるのもアトリエらしいポイント。敵が強くて行き詰ったら、レベルを上げるのではなく調合を行う事で活路を見出せる…どころか、アイテム一つで強敵が雑魚と化すようなバランス調整はこのゲームならでは。
今回は戦闘難易度が設定可能となったことにより、難易度に関して、幅広い層に対応できていると思います。
・BGM
その場その場の雰囲気にあった曲ばかりで非常に高評価。黄昏シリーズはその世界観故にやや暗い曲が多いですが、それもシリーズのテーマに沿っているからこそ。キャラクター達の掛け合いに合ったコミカルな曲や、緊張感漂う激しい戦闘曲、枯れ果てていく大地を表現するシリアスな曲など、どれもすばらしいものばかりです。
・グラフィック
イラストレーターの直筆イラストそっくりな3Dモデルや、遠景も含め細部まで作りこまれたアニメ風の世界は文句なしのグラフィックです。3Dキャラクターは作品を重ねるごとに進化しており、どの角度から見てもまるで違和感を感じさせませんし、そのキャラクターを動かして黄昏の大地を歩くのはとても楽しいです。
BAD/REQUEST
・グラフィックは文句なし。しかしキャラクターの動作には文句しか出てこない
予想ですがモデルを作るチームと動かすチームは別なのでしょう。立ち絵によるイベント構成を廃止し、3Dモデルのみによってイベントを表現する手法に変えた黄昏シリーズ。その一作目のアーシャからずっと抱いている不満点ですが、キャラクターの動きの幅が非常に狭いです。
というのもイベントはほぼすべて、喜ぶ・考える・悲しむといった数パターンの汎用モーションの連続によって構成されており、一例なのですが「溺れている」「飛び込んで助ける」というような、今のご時世どの3Dゲームにも少なからずある「一つのイベントのみに使われる専用モーション」は皆無です。この構成だと立ち絵によるイベント構成とほとんど変わりません。というか変わらない。
モーションのパターンを数えていったら1キャラクターあたりのパターンはほんとに少ないでしょう。戦闘面の動きがいいだけに勿体ない。
一番驚いたのがキャラクターを地面から少し浮かせて水平に配置し、「歩く」モーションを行わせつつ頭の向いている方向へ動かすことで「泳ぐ」動作に見せた部分です。そうまでしてモーションを作りたくないのでしょうか。
・ストーリ-はとても中途半端。これで黄昏シリーズが終わりといわれても納得できない
最も不満な部分です。シリーズの核となるテーマ「黄昏」について、あまりにもノータッチすぎます。
二人の主人公の目的は、村を・街を水涸れから救う事です。その問題は世界全体が「黄昏」に呑まれている事と少なからず関係があり、黄昏の解明が村や街の救済につながると信じ、行動していきます。
のはずが、肝心の黄昏については放りっぱなし。解明などせず終了。アーシャの時点から謎のままだった部分も触れられますが、それらも含め、シリーズ経験プレイヤーが知りたかった部分は軽く触れた後にさっさと流され、ゲーム終了を迎えることになります。
終了したときには怒りが沸いてきました。結局、シリーズ・ストーリーを通して何を伝えたかったのでしょう。黄昏という重く、儚くもありながら美しい世界を舞台にした理由とは一体何だったのでしょうか。あまりにも不完全燃焼過ぎて次回作があるのではと現実逃避するくらいです。残念でしょうがない
・戦闘
戦闘での攻撃力があがり、行動の幅が広がる「バースト」というシステム。コレ自体には不満はありません。バーストの多用が前提の難易度であることも面白い部分の一つです。しかし、終盤のボスクラスの敵は、このバースト値を下げてくる者が多く一度押されているような状況をつくってしまうと、その戦闘ではバーストを発動するのが非常に難しくなります。こうなるとバーストなしの攻撃力でちまちまと敵のHPを削っていく事でしか勝ちを取れず、かなりテンポが悪い。製作社自ら戦闘システムのウリにしているポイントをつぶしてしまっています。
COMMENT
「黄昏シリーズ」ファンの多くをがっかりさせた事でしょう。それほどストーリーの作りはお粗末です。
それ以外の点を見れば、日数制廃止を含め、前作から改善されている部分もちらほらあり、ユーザーの意見をしっかり聞くというガストの意気込みはしっかり活かされているように思えます。
シリーズ未経験者は、前作プレイを前提としたすこし分からないイベントがありますが、システム面では正当な進化を遂げている作品ですので、十分楽しめる事でしょう。
今作の不満点の多くは間違いなくシリーズ経験者が抱くものです。メルルのアトリエであったとある出来事を思い出して、DLC等で補完されないかなぁと期待しています。