【PS3】Flowery(フラアリー) レビュー
発売元 | ソニー・コンピュータエンタテインメント (オフィシャルサイト) |
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発売日 | 2009-02-12 |
価格 | 800円(税込) |
レーティング | 【A】全年齢対象 (CERO について) |
ショップ/リンク | |
タギングトップ3 | |
タイトル概要 |
■ オンライン配信専用 ■ ジャンル:ポエティック・アドベンチャー ■ プレイ人数:1人 |
- 総合ポイント
- 76
- (難易度)
- 1.50
- レビュー数
- 16
オリジナリティー | グラフィックス | サウンド | 熱中度 | 満足感 | 快適さ | (難易度) |
---|---|---|---|---|---|---|
4pt | 5pt | 5pt | 4pt | 5pt | 4pt | 1pt |
89pt
GOOD!
花びらをコントローラー傾けて、ボタンで飛ばすだけなので
ゲーム的なオリジナリティは皆無と言えます。
が、緑の絨毯を掻き分けながら進む心地良さ、風景の色彩の美しさ、
詩的な世界観、等これまでに無い感動を与えてくれました。
サウンドもアンビエント風でゲームの世界観に実に良くマッチしています。
ストーリーは多くを語りませんが、と言うより全く語りませんが、
不安な社会情勢や環境問題を背景に心にズシリと来る内容でした。
BAD/REQUEST
6軸による方向操作になりますので、細かい調整ができずにイラっとする箇所があります。
(それすらも後の伏線だったりするのですが)
前述の通りゲームとして見た場合は特に新しいものではないので、
ゲーム目当てで購入するとガッカリしてしまうかもしれません。
COMMENT
私は迂闊にも5面〜6面(最終面)の流れで泣いてしまいました。
何というか「自分もまだまだ頑張れる」そんな気持ちが湧き上がってきました。
人を選ぶところが有りますが、年齢・性別を問わず是非多くの人の手に取って頂きたい
と思えるタイトルです。
オリジナリティー | グラフィックス | サウンド | 熱中度 | 満足感 | 快適さ | (難易度) |
---|---|---|---|---|---|---|
5pt | 4pt | 4pt | 4pt | 5pt | 4pt | 2pt |
88pt
GOOD!
斬新。これにつきる。今まで癒しゲームはあったがこれが一番個人的に気に入りました。
センス。言葉も登場人物もない、ただの一枚の花びらから始まります。メッセージもわかってきます。
ストーリー。何もないです。だからこそ良いと感じました。
サウンド。世界観に合ってました。
6軸操作。他になく良いのでは。
値段。800円なら損だとは思いません。
BAD/REQUEST
少しずつ内容がわかってきますが、やはり単調に感じました。
電気の走った建物。このゲームにいらないのでは?
クリアまでのボリューム。まあ800円なら悪いとはいわないが。
ゲームではないような感覚。達成感や、やりこみなどは全くないです。
COMMENT
このようなPS3ソフトがある事は気持ちが良いです。クリアして感じました。アクションやRPGばっかりが受けるのでこういったゲームに触れるのも悪くないと思います。センスや世界観などを求める方にはおすすめしたいですね。
オリジナリティー | グラフィックス | サウンド | 熱中度 | 満足感 | 快適さ | (難易度) |
---|---|---|---|---|---|---|
5pt | 5pt | 5pt | 4pt | 5pt | 3pt | 2pt |
88pt
GOOD!
花びらとなって他の花を咲かせつつ進むアドベンチャーゲーム
まずなんといってもグラフィックがきれいすぎる。1枚1枚の花びらが丁寧に作りこまれており、それらがまとまって進んでいくさまはまるで龍を見ているかのよう。ステージも情緒と世界観にマッチしており、進んでいくにつれ少しずつ色づいていくさまは何回見ても感動させてくれる。
そしてミュージックも非常に良い。ピアノやオルゴールの音のように非常に自然かつなめらか・清らかであり、順序良くとってきれいな音を奏でた時はうれしくなり、一気に多くの花を咲かせた時の音も素晴らしい。
オリジナリティーは当然の満点である。1枚の花びらとなり世界を蘇らせるというコンセプト・全編モーションコントローラーによる自由で直感的な操作などはいままでいろんなゲームをやってきたが見たことがなかった。これは発想の勝利だと思う。
1ステージの長さもちょうどよく、ついつい次のステージに進んでしまう中毒性もある。その一方で肩肘張らずリラックスできる良いゲームだと思う。
BAD/REQUEST
非の打ちどころがない作品だが、あえていうならば6ステージ+EDはちょっと少ないかな…と思う。
あと、上に行き過ぎると操作不能(下降しかできなくなる)になるのがトロフィーを取るのにきつかった。
本当に不満点はこれぐらいしか見つからない。
COMMENT
この超絶クオリティで800円とは制作サイドは利益を放棄しているのかと言いたいぐらいの傑作。
日本人にはない、良い発想を持ったゲームだと思います。
ゲーム中には一切文字・言葉・花以外の生き物は登場しませんし、説明書もありませんが、良作とは言葉が無くてもだれでも楽しめるゲームだと実感しました。
ドロドロとしたゲームの後や難関にぶつかり心が折れそうな時にリラックスしながらプレーするのはいかがでしょうか。
GOOD!
・オリジナリティー … 5点
「花びらとなって花を咲かせていく」という発想自体はさほど斬新なものではありませんが、それに徹底し、「ゲーム臭さ」を極限まで排除したことによって、類似する環境系のゲームとはまるで趣の異なる独自性溢れる作品になっています.
とりわけ、操作方法やゲームの目的について一切説明がないというのは驚嘆に値します.
・グラフィックス … 5点
技術的には凡庸なレベルです.
しかし表現のスタイルが芸術的なので、大作のグラフィックスよりも美麗な印象を受けます.
特に、夜のステージで草むらを駆け巡る時の映像美は素晴らしい.
・サウンド … 5点
あるステージでは爽快感を助長し、また別のステージでは静謐の美を強調するなど、アンビエントの妙味を尽くしています.
最後のステージでの解放感はサウンドに帰するところ大です.
・熱中度 … 5点
実はある種のストーリーが用意されているので、意外にも熱中して取り組むことになります.
「トロフィーのために」といった熱中度は低いのですが、いつの間にか先に進めたくて仕方がなくなってくる物語的な作りには脱帽ものです.
・満足感 … 5点
値段を考えれば、このボリュームでも十二分に満足できるでしょう.(800円)
しかしそれ以上に、クリアした時の幸福感が素晴らしい.だらだらとステージを多くするよりも、はっきりと絶頂の瞬間を提示してくれる方が満足できます.
BAD/REQUEST
・快適さ … 3点
ただ癒されたいというだけなら、思うに任せぬ六軸操作に苛々するかもしれません.
クリアして、かつこのゲームの方向性に納得できれば、快適さに不満は生じないはずですが……
COMMENT
のんびりプレイする「癒しゲー」と思って購入すると裏をかかれます.
その意外性は制作サイドが強く意図したものであるようで、そもそもステージ構成自体が巧妙なトリックです.
「何をすべきか」がまったく判らない第1ステージは確かに「癒しゲー」の様相を呈していますが、プレイヤーはそのうちに「何をすべきか」に気付かされます.このゲームでは、ゆらゆらと自由に漂ったり、無目的に気持ちよく疾走したりするだけではいけない、と.(これに気付かないままやめてしまう人もいそうですが)
「何をすべきか」を理解すると、第2ステージは気持ちよく楽しめます.どう考えてもこちらを最初に持ってくるべきでしょうに、敢えて「何をすべきか」が掴みづらいようなステージを最初に持ってきているのが小憎らしい.
やがて、「何をすべきか」が明瞭であることが「癒し」とは正反対の作業をプレイヤーに強いるようになるわけですが、これはあらゆる環境系ゲームに共通する問題です.『アフリカ』で動物の写真を撮ることも、『アクアノートの休日』で図鑑をコンプリートすることも、結局はゲーム的な作業に他ならず、要はそれをプレイヤーが作業と意識するかどうかでしょう.
『Flowery』の凄味は、その事実を逆手に取っているところにあります.つまり、これまでの環境系ゲームは「いつの間にか作業になっている」というものばかりだったのに、『Flowery』ではゲーム自体が「このゲームが作業であること」をプレイヤーに認識させてくるのです.
そして、その認識が最終ステージの感動に昇華されます.最初のステージと最後のステージではまったく別のゲームというくらいに印象が変わりますが、この極端な変化は予め意図されたものです.「癒しゲー」が「作業ゲー」になり、最終的には「感動ゲー」になるという、実に志の高い、そして不気味なほど自己批判的な構造になっています.
コメントが長くなってしまいましたが、『Flowery』の本質はこのトリッキーな構造にあります.
したがって、純粋な「癒しゲー」を求めているのなら期待はずれになりますし、勿論ふつうのゲームが欲しい場合も絶対に手を出すべきではありません.
「クリエイターの志操に翻弄されるのがたまらない」という気分がなければ、このゲームを存分に楽しむことはできないでしょうが、そういう趣味の人なら、これ以上にツボにハマる作品はなかなか見つからないと思います.