【PS3】Red Seeds Profile -レッド シーズ プロファイル- レビュー
発売元 | マーベラスエンターテイメント (オフィシャルサイト) |
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発売日 | 2010-03-11 |
価格 | 8190円(税込) |
レーティング | 【D】17才以上対象 (CERO について) |
ショップ/リンク | Amazon / ニュース |
タギングトップ3 | |
タイトル概要 |
■ ジャンル:アクションアドベンチャー ■ プレイ人数:1人 |
オリジナリティー | グラフィックス | サウンド | 熱中度 | 満足感 | 快適さ | (難易度) |
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4pt | 2pt | 3pt | 5pt | 5pt | 2pt | 2pt |
79pt
GOOD!
田舎町で起きた猟奇殺人事件を解決すべく派遣されたFBI捜査官を捜査し、事件を、そして街に潜む闇を暴くホラーアクションアドベンチャーゲーム。
まず特筆すべきは「バイオハザードのようなホラーアクション」と「推理作品」という個人的にはありそうでなかった取り合わせ。最もプレイヤーが推理するわけではありませんが、少しずつ暴かれていく真実と結末は予想できないこと必至。次々と発覚する新事実に「次はどうなるんだ!?」と進めまくって止め時が分からなくなってしまうことも。
プレー再開時とチャプター開始時には「前回までのあらすじ」があったり、細かくシーンが分かれているなど、ゲームというよりは「遊ぶドラマ」といった趣き。実際「ツインピークス」という作品へのオマージュが強いなど、ドラマ感が強くなっています。
登場するキャラクターも、映画好きだけれど食事中に猟奇殺人の話をする主人公・ヨーク。美人で明るくて気が強いが料理が壊滅的に下手なヒロイン・エミリーなどキャラ設定もわかりやすく、登場する街の住人にもバックボーンがしっかりと作られているなど、キャラ1人1人に対する愛があります。
ストーリーの途中で受けるサブストーリーも多種多様にわたり、内容だけでなくそこからさらにキャラの背景がわかるなど作り込んでいることがうかがえます。
オープンワールド方式なので自由度はある程度可能。
また、ゲーム中は時間が流れますが、「店の開店中は店内・閉店中は家」という機械的な出入りではなく、毎日一定の時間にはここにいたり、この時間帯はこういうことをしているみたいな「生きてるNPC」というのが感じられました。
捜査も大事ですが、時にはダーツや釣りなどで一休みもできます。
BGMもなかなかいい曲が揃っており、こうやってレビューを書いていると自然と頭の中で思い出されます。
BAD/REQUEST
多くのレビュー、そして発売前の「10点満点で2点」事件のように、悪い所は残念ながら悪いという感じです。
グラフィックですが、最初見たときに「PS2の初期かよ!」と感じたぐらいのグラフィック。特に木々の葉っぱとかがCG丸だし。このゲームの前後に龍が如くHDリマスターをやっていたのですが、あちら(リマスターとはいえPS2の時のゲーム)と比べても技術力が無いなぁ…と感じてしまいました。
サウンドもBGMはいいのですが、効果音等が使い古されている物なのでなんか目新しさというか「作品独自の色」が無いなぁと。
また、終盤怒涛の展開の時にはBGMも多く使われているのですが、序盤から中盤にかけての会話シーンでは使用されるBGMが状況・雰囲気別で4つぐらいしかなく、それらも事件について深刻な話をしている際にポップな音楽など「今このシーンでかける音楽じゃないだろ…」ということも多々。
肝心の「ホラーアクションパート」もなんだかなぁ…という感じ。敵の種類も少ないのでステージが変わっても変わり映えがあまりしないというのが感想。
快適性に関してはフィールドが広大過ぎるので車移動必須、しかもパトカーの速度が遅いので初期ではイライラすることも。
また、ポーズ画面のメニューが独特過ぎて最初感じたのが「セガサターンかな?」と思ったぐらい。これでも通常版よりは改善はされていますが。
また、木の表示が追い付かないことや、どういう道のモデリングをしたのかはわかりませんが車が勝手に方向転換してしまう道も。
収集要素としてキャラクターやアイテムが描かれたトレーディングカードを集めるのですが、効率よく収集していくと一部カードに今後の展開のネタバレ記述があるのでそれはどうなんだと。どうせなら人物データベースも兼ねてストーリー展開に合わせて記述を変えるべきでは。
COMMENT
プレイステーションプラスにてコンプリートエディションを入手。
長々と良い点・悪い点を書き連ねましたが、ギネスにも載った通り「最も評価が割れたゲーム」というのは理解できます。
正直プレー当初は悪い点しか見えず「これはダメだなぁ…」と思いながらプレーし続けました。
ですが、ストーリーが進むにつれ先の読めない展開に「早く次の話が見たい!」と思い初め、久しぶりに寝る間も惜しんでプレーするようになり、最後エンディングの手前では「クリアしたくない。クリアすると終わっちゃうもんなぁ…」という感情を抱きました。
悪い点として挙げたサウンド・グラフィック・戦闘面もゲームが進むにつれ「そんなことなんてどうでもいい」と思わせてくれるぐらい、骨太なストーリーとボリュームで押し切ったゲームだと思います。
どうしても観点別評価となるmk2ではこの点数にならざるを得ないのですが、もし普通に点数を付けるなら90点、95点ぐらいは付けると思います。
このゲームを評価する際は、本当に最後までプレーしてから決めてもらいたいです。序盤で止めるのは非常にもったいない。
そして、今回PS3で配信されたコンプリートエディション。クリア後に動画サイトで通常版プレー動画を見たのですが、その内容の差異に気が付いたとき、「是非とも通常版クリア者にも再度挑戦してほしい。」と思いました。
Amazonレビュー
レビュー日: 2010-04-27
PS2かと見紛うオープニングシーン。
これには若干の不安を抱かされましたが、ドラマパートは予想以上に良く出来ていて面白い内容でした。
登場人物の現在位置が地図に表示されるのですが、各キャラクターの普段の生活や意外な行動パターンが判り、推理をする意欲が掻き立てられます。
マップ内の移動は自分で車を運転する事になるので、目標地点までの移動に時間がかかりますが、サイドミッションをクリアして無線機などのアイテムを手に入れると、快適に移動出来るようになります。
グラフィックに難がありますが、ドラマパートのゲーム内容自体は努力が報われる良い出来です。
一方、バトルパートは腑に落ちない点が多く釈然としません。
数種類の敵が繰り返し出てくるだけで爽快感も無く、ストレスだけが溜まる作りでした。
シューティングタイプのホラーゲームは多いですが、ドラマ仕立てのホラーゲームは少なくなってしまいました。
そういう意味でも、このゲームの「ドラマパート」はプレイする価値があったように思います。
GOOD!
■ストーリー、世界観
ストーリーや世界観の叩き台となっているのは、デヴィッドリンチのツインピークスであるのは明白だが、サイレントヒル1や2等と同様、単なるインスパイアには収まらず、独自のストーリーや世界観を構築出来ている。
ミステリーやホラー作品としての緊張感も、若干の破綻や演出のぎこちなさはあるとは言え、物語の終わりまで損なわれることはない。
また、店で売られている品物や食品等、細かいディティールにも凝っており、それらを手にしていくだけでも面白い。舞台となるアメリカの郊外の田舎町の雰囲気も非常に良い。
■キャラクター
映画的なキャラクター像を確立出来ており、キャラクターに非常にリアリティがある。
各キャラクターの個性も際立ち、キャラクターが抱く疑念や不安感、喜怒哀楽、閉塞感や解放感等、人間の繊細な感情面が、非常に効果的に演出されており、ストーリー序盤から終盤までプレイヤーを惹きつける。
また、海外の声優の方の演技も逸品で、人情味も多く感じさせ、プレイ中にかなりの感情移入をしてしまうこともしばしば。
BAD/REQUEST
■移動
広大なマップを車で移動することとなるが、この車の操作性がまず非常に悪い。また、ちょっとしたイベントの為に、かなり遠距離の移動をすることも多くあり、これも非常な手間となる。(以上の問題点は、各要所にワープ可能な「無線機」を手に入れることで解消されるが、無線機を手にしていない場合の移動の手間は計り知れない。)
■アクション
基本は三人称視点のシューティング、いわゆるTPSとなるが、アクションの動作や挙動は良いとは言えない。また、敵のAIも単純なので、戦闘時には特に緊張感もない。
■グラフィック(技術面)
キャラクターのモデリングやアニメーションに関しては、それが非常な人間らしさを伴っている点に置いて全く素晴らしい出来と言える。ただし、技術的な面から見れば、グラフィックや色彩設計等、ゲーム全体的に、PS2ゲームを少し改善したレベルでしかないのも確か。
COMMENT
巷で「クソゲー」「B級ゲー」扱いされてもいる本作ですが、シナリオ、キャラクター像は相当練りこまれており、この手のミステリーやホラー好きにはたまらない出来となっていると思います。操作性やシステムに難があることは確かなので、誰しもに薦められる訳ではありませんが、雰囲気のある独特の世界観、洋画的なホラー、ミステリーの世界が好きな方には是非、手に取ってプレイして頂きたいです。
この様な映画的なシナリオを基軸にしたゲームがほとんどリリースされなくなって久しいですが、是非、本作の続編、もしくは同製作陣による更なる野心作を見てみたいと思う次第です。