【PS3】TRINITY Zill O’ll Zero(トリニティ ジルオール ゼロ) レビュー
発売元 | コーエーテクモゲームス (オフィシャルサイト) |
---|---|
発売日 | 2010-11-25 |
価格 | 8190円(税込) |
レーティング | 【B】12才以上対象 (CERO について) |
ショップ/リンク | Amazon(廉価版) |
タギングトップ3 | |
タイトル概要 |
■ ジャンル:アクションRPG ■ プレイ人数:1人 ■ プレミアムBOX版:11,340円 【廉価版】 ■ 発売日:2012/01/19 ■ 価格:2,940円 |
オリジナリティー | グラフィックス | サウンド | 熱中度 | 満足感 | 快適さ | (難易度) |
---|---|---|---|---|---|---|
3pt | 4pt | 3pt | 1pt | 2pt | 1pt | 4pt |
39pt
GOOD!
マップのグラフィックはかなり良い。各マップ毎に特徴があり、同一マップでも場所によって全く違う風景が広がる。それぞれの風景もとても綺麗。
先に進むために離れた場所のスイッチを押さなくてはならないような面倒で詰まらない仕掛けは少なく(いくつかはある)、上手く使えば敵を楽に倒せる仕掛けがあり、その仕掛けが各マップの外見的特徴と関連付けられていて、なかなか楽しい。
ストーリーやキャラクターは魅力的なもので、良い。ジルオールと違って一本道なことが批判されているが、私は一本道は嫌いではないし、これはこれで良いストーリーだと思う。
BAD/REQUEST
戦闘が致命的に面白くない。
このゲームでは中型以上の敵は普通に攻撃しただけでは大したダメージを与えられず、敵が隙を見せている時に弱点属性の攻撃を当てることで怯ませ、怯んでいる時に攻撃することで大ダメージを与えることができる。以下のように、このシステム自体に欠陥があると思う。
・敵が隙を見せるのは攻撃した後なので、とにかく逃げ回って攻撃させて回避した後にこちらが攻撃するしかなく、やることが単調。
・敵が隙を見せている時間が短い上、味方の攻撃は属性によってはモーションが大きい技しかなく、弱点を突くことが困難。
・倒したことのない弱点は調べることができず総当りするしかない。
・弱点を当てると敵がダウンして大ダメージを与えられるが、ダウン中は完全に無防備の敵をボコボコに殴るだけで楽しくない。
終盤になるとボス敵が強すぎる。
イージーで、ゲーム中に表示される目安レベルより10高いにも関わらず、近づくと連続攻撃で一気にHPを削られるので、ひたすら逃げ回りながら遠距離魔法でちくちく削るしかなかった。上述の通りほとんどダメージは与えられないが、ごくごく僅かだけは与えられるので、時間さえかければ倒せる。もちろん全く面白くない。
戦っている時間やストーリーを楽しむ時間よりも、ひたすらマップを走りまわる時間のほうが長くて面倒。いかにマップが綺麗でよく作られているとはいえ、大きなマップを何回も走り回らされるのは飽きるし疲れる。
多くの魅力的なキャラクターが登場し、戦闘シーンでもNPCとして動くのに、実際にプレイヤーが使えるのは3人のみ。
ストーリー終盤の中核的部分で、ジルオールでの設定との決定的な齟齬がある。
COMMENT
前作ジルオールの世界が綺麗なマップで見られるのは面白かった。ストーリーもこれはこれで面白かった。だが、ゲーム時間の大半を、ただマップを走り回ることと全く快適さを感じない戦闘が占めるので、とても面白いゲームとは感じなかった。ジルオールの戦闘も評判が悪いが、私としてはジルオールの戦闘のほうがこのゲームの戦闘より何倍もマシだった。
オリジナリティー | グラフィックス | サウンド | 熱中度 | 満足感 | 快適さ | (難易度) |
---|---|---|---|---|---|---|
3pt | 4pt | 4pt | 2pt | 1pt | 2pt | 2pt |
43pt
GOOD!
・グラフィック及びムービーは評価できる。風景やモンスターなど緻密な表現が出来ていて、 かつごちゃごちゃしていて見づらいということもなかった。
・インタラクティブフィールドの発想は良かった。水溜りごとモンスターを魔法で凍らせて粉砕 したり、石柱をなぎ倒して拾ってぶん回すのはそれなりに爽快だった。
BAD/REQUEST
ゲームの核である冒険者ギルドのクエストにストーリー性がなくてつまらない。
結局どのクエストを選んでも、やるべきことは何度も同じダンジョンに向かい何度も同じモンスターをなぎ倒してくるだけで変わり映えしない。
RPG部分がかなりお粗末(ストーリーは一本道だし、クエストには内容がないし、街はコマンド選択式でお店やギルドを選んで入れる程度のものでしかない)。
そのため、せっかくの重厚な世界観がプレイしていても全く伝わってこない。街で発生する数少ない会話はCGの立ち絵式の静止画会話で、見ているとなんとなくボラ○ノールのCMを彷彿させられ別の意味で笑わされてしまった。CGじゃなくて末弥純氏の絵をそのまま立ち絵にすれば幾分かましだったかもしれない。
ゲームの大半を占めるアクション部分の出来もいまひとつ。
まず、カメラワークが最悪で戦闘時に周囲の把握がしづらい。おまけにダグザという巨漢キャラ(仲間)が邪魔でカメラが向いている方向さえよく見えず、終始イライラさせられる。
また、戦略の幅も狭い。特にボス級の敵は特定の戦い方をしないと倒せない。折角使用できるキャラクターが3人いるのに、戦い方はごく限られている。三者三様の能力を使い、様々なアプローチで敵を倒せることを期待していた私はとてもがっかりさせられた。このゲームに関してはキャラが3人いると言うより、3人そろってようやく1人分と言う方が近い。同じような戦い方を同じような場所で同じような敵に繰り返すことになるので、飽きがとても早い。
元凶はラッシュサインというシステムにあると思われる。強敵はこのサインが出ている間に弱点属性で攻撃しなければ倒すのが難しい。逆にそれさえしてしまえば敵はブレイク(無抵抗状態になる)し、簡単に大ダメージ(もしくは一撃死)を与えられるようになる。
これがあるせいで強敵相手だと攻撃のタイミングも手段も必然的に限られてしまう。また、雑魚の中にもブレイクしないと倒しにくい敵が結構いて、面倒だわ単調だわで爽快感もやりごたえもあったものではない。このラッシュサインさえなければもしかして(アクション部分は)そこそこなゲームになったかもしれないと思うと残念でならない。
あと、このゲーム、使用できるキャラ3人に華がない。成長できる方向性も限定されているから、キャラを育てるのが楽しくない。
COMMENT
自由がない。ストーリーにも、キャラクターの成長にも、戦い方にさえも。全てが一本道で単調。遊び心や冒険心を全くくすぐられない。
前作ジルオールが好きだったため購入(¥7200)し、どこかで面白くなるかもしれないと我慢しながら2日で10時間ほどプレイしたが、時間の無駄だと感じ本日売却(¥4600)。
最後までプレイしなかったのであまり酷い点数はつけなかったが、正直な感想は地雷。
ラッシュサインシステムがなかったなら・・・
操作可能キャラがもっとたくさんいて、自由に成長させられたなら・・・
広大な世界を自由に駆け巡り、その世界観を存分に堪能できたなら・・・
フリーシナリオ+マルチエンディングだったなら・・・
本当に、本当に、残念だった。
オリジナリティー | グラフィックス | サウンド | 熱中度 | 満足感 | 快適さ | (難易度) |
---|---|---|---|---|---|---|
4pt | 4pt | 4pt | 3pt | 3pt | 3pt | 2pt |
66pt
GOOD!
前評判が高くなかったので期待していなかったのですが、正直すごく面白いです。予想以上に剣と魔法の世界、ジルオールの世界観を再現してくれています。まずこれだけで感動。
あまりアクションは得意ではないので、アクションRPG化で不安だったのですが、特に難しくもなく、かといってヌルすぎでもない難易度だと思います。
戦闘は単なるボタン連打ではなく、弱点や隙を狙った戦いで、結構面白いです。前作の欠点であった戦闘のしょぼさ、単調さは全く感じませんでした。ただしアクション素人なのでこの点は人によって違うかもしれませんが…。
また、アイテム集めが楽しいです。アイテムはそれぞれ特殊効果がランダムで付いているので、よい特殊効果装備を探して、戦ったり宝箱を開けたり敵を倒したり…だけで20時間ぐらいやってしまいました。
グラフィックも綺麗でいいですね。末弥純御大のデザインが好きなのもありますが。女の子も個人的になかなか可愛くて(たぶん趣味がわかれると思いますが)好きです。むしろヒロインのアダルトな声に萌えてしまいます。だって長命種族だもの。それでいいのだ。
BAD/REQUEST
やはりキャラ作成、フリーシナリオという要素がないのは前作ファンとしてはちょっと悲しいですね。今作のベースを元に、過去作リメイクや新規作のフリーシナリオジルオールを作って欲しいです。「自由な旅を!」という台詞をもう一度聞きたい、と切望します。
街マップがあったらいい、という声もありますが、ウィズに慣れてるせいか自分はそこまで気になりませんでした。個人的にもっと気になるのは、今作はストーリーやキャラ設定の制約で、ジルオールの膨大な世界設定を描ききれてはいないな、と感じます。
例えば、操作キャラはハーフエルフ、ボルダン(戦闘好きの大型人類)、ダルケニス(吸血種族)ですが、舞台となるバイアシオン大陸には人間種族以外にも、リルビー(ホビット、ハーフリング的な小人)やコーンス(温和な有角種族)といった多様な人種がいます。
エルフもハーフエルフ、ダークエルフの様な存在がいますし、これらの種族にはそれぞれ種族間闘争や種族差別があります。最大勢力である人間種族の他種族への圧力は強く、特に少数民族であるコーンスやダルケニスへの差別、迫害といった重いテーマも存在します。
こういった点はハーフエルフやダルケニスである主人公達を通して、劇中でも語られているのですが、前作のようには表現し切れてはいないと思います。他にも政治・政体・歴史・神話なども、もっと表現できたら嬉しかったのですが、この点はフリーシナリオではないので仕方ないと思っています。
COMMENT
まず、このゲームは「剣と魔法の王道ファンタジー」が好きな人向けです。そうでない人でもアクションRPGとして良作だと思いますが、「Wizardry」や「Diablo」、「D&D」や「ソード・ワールド(ロードス島戦記)」などの世界観が好きな人だと、より一層楽しめると思います。
個人的には、今の所PS3の「ファンタジーPRG」ではベストの出来だと言ってもいいくらい好きです。そして、「次回作が欲しい!」と強烈に感じるゲームでもあります。これは、このゲームを基盤にしての発展形、進化形に非常に期待できる為です。
このシステムで前作の様なフリーシナリオが出来たなら、私にとっては迷いなく「神ゲー」になってくれるでしょう。
光栄のゲームは歴史物が多いせいか、歴史物以外でも世界設定の作りこみがしっかりしているものが多いのですが、ジルオールは過去作でエンサイクロペディア本が出るほど、世界設定や歴史、政体などが作りこまれています。
この【世界】をもっと描写できる様な次回作が欲しい。そうでないともったいない。そう思えるゲームです。コーエーテクモ様、お願いですから次回作を作ってくださいませ…!
Amazonレビュー
レビュー日: 2011-08-21
コーエー作品で無双の操作に近い感覚がありますが、相手の弱点を狙ったりしながらの骨のある戦闘です。戦闘も面倒であればスルーし続けられるのでストレスも少ないです。
そして何よりもぐいぐいと引き込まれるストーリー。過去の話だからと敬遠していた部分があったものの、終わってみると心に余韻が残ります。本当に丁寧に作られているなと感心しました。これぞ日本のゲーム。
サブクエストなど十分なボリュームがありますができればもう少し遊んでいたかった…そう思わせてくれるゲームです。
GOOD!
グラフィックはなかなか良いと思います。
世界観の雰囲気も良いです。
これは人によりますがステージの仕掛けもプレイヤーをイライラさせる
というものでは無いのでアリだと思います。
BAD/REQUEST
他のレビューでも言われてますが、話が完全な一本道です。
ジルオールはフリーシナリオだから良かったのに最大の長所を殺すとは・・・。
さらに主人公キャラ作成も有りません。
この作品のオリジナルシステムとかも有りません。
ストーリーは祖父に両親と義理の兄を殺された主人公の復讐劇なわけですが、
悪いのは2つ理由があります。
・主人公が殺そうとしている祖父は1国の王なのですが、祖父は名君です。
祖父の悪役描写は3つ程しかなく、他は君主として当然の事をしているだけ。
むしろ、祖父の善政で国は国力が急速に増して大いに繁栄しています。
そして、不要な階級社会を排して才ある者が身分に囚われずに能力を発揮できる
ようにして世界をより良い方向に導こうとしている。
そんな祖父に対して主人公は最後まで個人の陳腐な感情に縛られたままです。
・唐突なシーンがあり、そこに至る過程がスキップされている感があります。
COMMENT
フリーシナリオが無くなったのみならず、駄目な和ゲーになってしまい、
前作のファンなので期待していた分、かなり萎えました。
一本道にすればマルチシナリオよりもコストが掛かず失敗しても
損失が少ないのは解りますが、これは酷いです。
せめて主人公キャラ作成を残し、主人公に味方するか彼の祖父に味方するか
で話の展開が変わったなら、まだ良かったと思います。