【PS3】風ノ旅ビト レビュー
発売元 | ソニー・コンピュータエンタテインメント (オフィシャルサイト) |
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発売日 | 2012-03-15 |
価格 | 1200円(税込) |
レーティング | 【A】全年齢対象 (CERO について) |
ショップ/リンク | |
タギングトップ3 | |
タイトル概要 |
■ オンライン配信専用 ■ ジャンル:アドベンチャー ■ プレイ人数:1〜2人(協力プレイ) |
オリジナリティー | グラフィックス | サウンド | 熱中度 | 満足感 | 快適さ | (難易度) |
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5pt | 5pt | 5pt | 5pt | 5pt | 4pt | 1pt |
96pt
GOOD!
オリジナリティ
ゲームの説明が一切無く、セーブ画面もアイテムも何もない。
他の旅ビトと出会っても、喋れるのは意味の分からない一単語だけ。
しかしそれですべて事足りる、それがいい。
グラフィックス
特に砂漠の描写が素晴らしく美しい。
夕暮れ時の黄金に光る砂漠はいつ見ても息を呑む。
光の反射や風が吹いた時の砂の波など、かなり丁寧に作られているなと思った。
サウンド
民俗音楽的なBGMが素晴らしい。
一部BGMは自分の行動とリンクしていて爽快感がある。
熱中度
動作の緩急が上手く設定されていて、地面を歩く時は時間がかかるけれど、空を飛んでいる時は非常にスムーズに、ストレスなく動けるので飽きない。
いつまでも遊んでいたいと思わせる。
満足感
2時間程度でクリア出来るのにもかかわらず、映像・音楽・構成の素晴らしさで胸いっぱいお腹いっぱいな気分になる。
楽しいだけではなくハラハラする要素も組み込まれていて、だからこそ苦難を乗り越えた時の感激はひとしお。
快適さ
サインアウトして一人で勝手気ままに飛び回るもよし。
サインインして気の合う人を見つけて、キャッキャウフフしながらゴールを目指すもよし。
道端で行き倒れたり、NPCのフリをして待ち伏せしたりして、初見の人を驚かせるもよし。
自分の好きなようにゲームをプレイできるという点では快適だと思う。
BAD/REQUEST
敢えて言うなら、同時協力プレイが2人のみなのが残念。
3〜5人とか、選べてみんなで飛び回れたら良いと思う。
COMMENT
「砂漠の世界を旅する」と書くと殺風景な印象を受けるが、チャプターごとに非常に様々な砂漠の顔があって趣深い。
また何周もしていくうちに、最初は意味が分からなかったストーリーについてもなんとなく理解・考察できるようになってくる。
また、プレイヤーキャラの服装や仕草が可愛らしく、ポワポワ言うのも心が和む。
1200円という価格についてだが、この安さでここまでクオリティの高いものができるのかと驚いた。
確かに1回のプレイ時間は短いが、グラフィック・サウンドの美しさはそれを補って余りある。
美しくて、切ない。
何周もしているけれど、何度も涙ぐんでしまう。
「ICO」や「ワンダと巨像」などの世界観が好きな人には是非プレイしてほしい作品。
オリジナリティー | グラフィックス | サウンド | 熱中度 | 満足感 | 快適さ | (難易度) |
---|---|---|---|---|---|---|
5pt | 5pt | 4pt | 4pt | 4pt | 4pt | 1pt |
84pt
GOOD!
・オリジナリティ
まるで一本の映画を見ているかのように進行するストーリーと演出。
一切を語らず映像だけで世界観を語る作品で、
ここまで完成されていると感じたものに初めて出会った。
オンラインの協力プレイは、
意思疎通させる手段がなくても互いに邪魔になることもなく、
繋がったからといっても必ず協力する必要もない、
とても自然でゲームの世界をまったく損なわない出来。
これだけ簡素でも、確かに“繋がってる”と感じられるつくりは秀逸。
・グラフィック
リアリティのあるつくりでないことがより世界観にマッチしている。
いくつかあるステージのどれもが綺麗、美しい、幻想的。
行ける場所は限られているのだが、マップが広く感じられる。
映像による演出や効果も文句なしのできだった。
・サウンド
状況と演出にあっている。
プレイ中に耳障りに感じることがまったくなく、聴いていて心地よい。
こちらも世界観にあったつくりだと感じた。
・熱中度
やめ時を失い、一回で最後までプレイしていた。
簡単でわかりやすいアクションと、
適度なタイミングで世界が変わったり、
新しい仕掛けが出てきたりの刺激があるので、飽きさせない。
BAD/REQUEST
二時間ほどでクリアできるつくりは作品の特性上必要であり、
だからこそ評価できる部分でもあるのだが、
ゲームをプレイしたいと考えると物足りなく感じる。
低い難易度と単純なアクションで、人によっては飽きるのも早い。
一部のトロフィーの獲得条件が協力プレイの相手次第な部分がある。
場所によってカメラが見辛くなることが極稀にあった。
普通にプレイしているだけなら問題ないと思うが、
隅々まで探索しようとすると移動速度がほんの少し遅く感じる。
COMMENT
幻想的な世界と音楽は「ICO」を思わせるが、
内容はしっかりと別物としてつくられている。
短いストーリーと低い難易度で1200円という価格は、
満足できるかどうか分かれるところだと思う。
欲を言えば800〜1000円くらいならより満足していたかもしれない。
ゲームというよりプレイ可能なアート作品(映像作品)。
いわゆる“ゲーム”を求めている人にはおすすめできない。
演出、表現、世界観などに主軸を置く人はプレイしてみてもいいかも。
オリジナリティー | グラフィックス | サウンド | 熱中度 | 満足感 | 快適さ | (難易度) |
---|---|---|---|---|---|---|
5pt | 5pt | 5pt | 3pt | 5pt | 4pt | 1pt |
87pt
GOOD!
オリジナリティ5点の理由:基本的にはfloweryを進化させてスティック操作で快適になったというところですが、ゆるいオンラインプレイがオリジナル。ふとどこかのプレイヤーがいる。チャットはない。一緒に旅するかどうかも自由。
グラフィック5点の理由:砂や雪の感覚が手に取るよう。凍てつく感じも。神秘的できもちいい。
音楽5点の理由:その場に合ったクラシック、弦楽器の響き。無限回廊と同じくらい素晴らしい。サウンドトラックが欲しくなる。
熱中度:良い意味で普通。あまり熱中せずほわーっと旅にでる感覚がいい。だからまたプレイしたくなる。
満足感5点の理由:これだけのクオリティとデザインで1500円は充分。映画1本よりも堪能できることまちがいなし。
快適さ:floweryでコントローラーの傾きだけで操作していたのを、スティックでも操作できるようにしたことで、快適さが増した。これは退歩のようであるが良い点
難易度はもちろん簡単。チャレンジが目的ではない。
BAD/REQUEST
なし。
言わなければならないとすれば、ボリュームなのだろうが、このボリュームだから生まれ変わってもう一度なんだと思う。
COMMENT
イスラムやチベットの巡礼を思い起こさせるような神秘的かつ脱俗的ストーリーと雰囲気で、癒し的なものを全面に出したfloweryよりも押し付けじゃなく自然に癒しである。
まさに生まれ変わってもう一度プレイしたい。
これが日本のゲームでないことを残念に思う。
GOOD!
■オリジナリティー
文字による情報を極力廃したゲームデザイン。
絵と音楽のみで世界観を語る手法が見事。
マルチプレイも非常に秀逸。
見知らぬ旅ビトと肩を寄せ合いながら進み、
エンディングを迎えた時の感動はひとしお。
コミュニケーションは記号を発する程度しかできないのだが、
それで事足りる、逆にそれが良いとさえ感じる。
なお、一人でプレイしたい場合はPSNからサインアウトすればよい。
クロスバーからいつでもサインアウトできる。
■グラフィックス
写実的な描写と抽象的な描写が巧みに織り交ざり、
非常に美しく幻想的な世界を形成している。
退廃的な、どこか切ない世界観が印象的。
■サウンド
プレイヤーの行動と音楽が同調するようにデザインされており、プレイしていて非常に心地よい。
音楽そのものの質も文句なしの出来でプレイ中は軽く涙ぐんでしまった。
■熱中度
クリアまでの時間は2時間程度だが、計算し尽された2時間だと感じた。
その2時間で得られるプレイ体験はフルプライスのゲームに決して劣らない。
一度クリアして、すぐさま再び旅に出たのは自分だけじゃないはず。
■満足感
クリアした時は胸がいっぱいになった。
少なくともボリューム不足とは全く感じなかった。
大満足。
■快適さ
歩いている時と飛んでいる時の操作の緩急がちょうど良いと感じた。
また、スティックでカメラ操作できるようになったのは好印象。
BAD/REQUEST
特になし。
強いて言えばゲーム起動時は必ずオープニングを見ないといけないのだが、ここも飛ばせるようにしてほしかった。
COMMENT
近年稀にみる傑作。
素晴らしいゲームは製作者に感謝をしたくなるが、このゲームはまさにそれ。
ゲームを構成する歯車が見事にガッチリとはまっている。
PS3を持っているあまねく人たちに是非プレイしてもらいたい一本。