【PS3】The Last of Us(ラスト・オブ・アス) レビュー
発売元 | ソニー・コンピュータエンタテインメント (オフィシャルサイト) |
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発売日 | 2013-06-20 |
価格 | 5980円(税込) |
レーティング | 【Z】18才以上のみ対象 暴力 (CERO について) |
ショップ/リンク | Amazon |
タギングトップ3 | |
タイトル概要 |
■ ジャンル:サバイバルアクション ■ プレイ人数:1人(オンライン:2〜8人) |
オリジナリティー | グラフィックス | サウンド | 熱中度 | 満足感 | 快適さ | (難易度) |
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4pt | 5pt | 5pt | 4pt | 5pt | 4pt | 3pt |
89pt
GOOD!
※ネタバレをしないよう心がけてレビューしています。
◯オリジナリティ(独自性)/4点
基盤となる世界観は「ウイルスによって荒廃した世界を生き延びる」というサバイバル系、ホラー系としては王道的な世界です。
『サバイバルホラー・アクションアドベンチャー・TPS』に分類されます。
PS3、Xbox360世代となりこのようなジャンルのゲームは幾つかありますが、
今作は「プレイする映画」と言われ、そのストーリーはこれまでのどのゲームとも当てはまらないと思います。
物語だけに対する評価では5点ですが、ゲーム性も含めると4点といった感じです。
◯グラフィックス(ムービー、キャラクター)/5点
「アンチャーテッド」に代表するノーティドッグのグラフィッククオリティは今作も健在です。
「綺麗さ」で言えばプレイ中もムービー中も文句なく綺麗で数々の場面作りにはこだわりが感じられます。
これまでのノーティドッグ作品でも十分すぎるほどの綺麗さでしたので大きな進化はないですが、
フェイスモーション(表情)はかなり進化していると思います。
前述した「プレイする映画」の通り、本物の人間が演じる映画のようにリアルな表情が、
声優の演技力も相まってキャラクター達の感情を痛いほど読み取らせてくれます。
この綺麗さはキャラクターへの感情移入を容易にし、より物語を楽しむ要因になっています。
◯サウンド(音楽、効果音)/5点
本編中、様々な演出がありますがその際の音楽は的確に感情の起伏を現していて、
この物語をより印象深いものにしています。
感染者や人間と戦闘を繰り広げている時以外の場面では音楽はなく環境音のみで、
鳥の鳴き声や風や水の音で雰囲気作りは徹底されています。
そしてベストな場所でベストな音楽が流れだす、といった感じです。
余談になりますが予約特典でサウンドトラックがあるのですが、
プレイするまでは「あってもなくても」という感覚だったのが、
プレイしているうちにサウンドトラックがあって良かったと凄く思いました。
◯熱中度(ゲーム性、やり込み)/4点
上記の通りの演出力で「本当にその世界にいる」という錯覚を覚え、世界観に熱中できました。
ゲームとしてはスキルポイントで自分を強化したり、部品を拾いそれで銃を改造したり、
本を拾って装備を強化したりと成長要素は楽しいです。もちろん二週目への引き継ぎもできます。
ステルスアクションなので発見されずに敵を全滅させた時の達成感もあり、
「発見されない=アイテムを無駄にしない」ということは生き延びるためには欠かせないことなので、
戦い方を工夫する楽しみがあります。特に感染者に見つからないように進行するドキドキ感は中々です。
◯快適さ(操作性、難易度)/4点
インターフェースや操作性はシンプルでわかりやすい方だと思います。
慣れは個人差ですがチュートリアルもしっかりあるので快適にプレイできました。
難易度設定は4段階ありますが、最初のうちは「死んで覚える」ということが多いと思います。
なので一番簡単な難易度を選んでも死ぬときは死にますが、チェックポイントはかなり細かく設置されており、
死亡によるペナルティは「ちょっと前に戻される」程度です。
ちなみに最高難易度は相当な歯ごたえです。
そしてなにより快適なのがプレイ中にロードがないことです。
毎回ゲームを起動する際の少し長めのロードを一回してしまえば、
オープニングからエンディングまでプレイしてもロードは一切なしです。
もしロードが入ったらそれはPS3の読み込み不良、つまり軽い故障ということです。
◯マルチプレイ/3点
面白いです。本編の要素をうまくマルチプレイに反映させていると思います。
最大4vs4と少なめですが、ワンマンプレイではなくチームプレイを要求される作りになっていて、
うまく味方と連携できたり、敵にステルスアクションを決められるととても楽しいです。
◯その他GOODな点
一度見たムービーはいつでも見ることができます。映画を巻き戻す感覚ですが地味にうれしい点です。
またコンセプトアートのギャラリーがあり、この世界を好きになれた人には見応えのある要素だと思います。
BAD/REQUEST
◯オリジナリティ(独自性)/マイナス1点
前述しましたがゲーム的なオリジナリティとしては、デッドアイランドやバイオハザード(1.2.3)と似ていると思います。
むしろこのゲームが好きな方には「とてもオススメ」と言え、BADであるかどうか微妙ですが・・・。
◯熱中度(ゲーム性、やり込み)/マイナス1点
ゲーム性の部分で減点要素が幾つかありました。
しかしストーリーには熱中したので悩みましたが相殺して結局マイナス1点に。
・「味方は敵に見つからない」
敵は主人公を発見していない限り、敵の視界にいくら味方が入ろうと戦闘にはなりません。
・「敵の持っていた銃が、敵を倒した瞬間に消える」
直前まで銃をドンパチしていた敵が絶命した瞬間、手に持っていた銃はどこかへ消えてしまいます。
これらの要素によって丁度いい難易度になっていることは重々承知ですが、違和感は拭えません。
・「コレクターアイテムが何度も取れてしまう」
一周目をクリアして獲り逃したアイテムを二週目で回収しようとすると、
取ったはずのコレクターアイテムも復活しています。
プレイしていて「これ前に取ったっけ?初めてだっけ?」というのが何度もあり、
一周ですべてを取る必要がある仕様ではないものの、少々やきもきします。
◯快適さ(操作性、難易度)/マイナス1点
・「場面ごとに調節される移動スピード」
演出上仕方がないですが、どの場面でも探索を怠らない自分にとっては結構辛い点でした。
戦闘パートがあるMAPでは全力疾走できるのですが、戦闘に入る前だったり探索のみのMAPでは最大でも小走り止まりで、
探索に時間がかかることが多かった印象です。
・「MAPの形状でわかってしまう今後の展開」
プレイしてすぐに気づいてしまったのですが、戦闘があるMAPは身を隠せる壁が多く設置されていたり、敵を欺くレンガや空きビンが多かったりと、
敵が現れる前に「あっここで戦うんだな」と察してしまいます。
◯マルチプレイ/マイナス2点
まず説明不足です。マルチプレイの要素をまとめた物は説明書にはなく、
マルチプレイのみの操作や要素はロード画面の間だけしか説明されず、
最初のうちは混乱しっぱなしでした。チームプレイが要求されるゲームだけあってとても残念です。
現在は2つのプレイモードがありますが、そのどちらもが人間同士の銃や火器での戦闘で、
感染者の要素は今のところなく、押し寄せる感染者をみんなで協力して倒すといったマルチプレイを期待していたので少し残念です。
(DLCの存在もあるので今後のアップデートに期待しています。)
COMMENT
※難易度中級で一周目クリア(アイテム収集率80%弱で20時間程)
【満足感(総評)/4.7点】
正直なところ発売前から海外のレビューでは大々的に評価され、ハードルはかなり上がっていました。
自分もかなり高得点を付けたかも知れませんが、そんな自分でも発売前の評価点は過大な評価だったと思います。
と、言うのもプレイし終わって久々に「レビューが書きたい」と思った作品で、
エンディングを見た直後の勢いで感情的に書けば「100点満点中120点だ」と書いてしまいそうでした。
なので海外の評価には酷く同感で納得な反面、「冷静にレビューしよう」と思いました。
でもこの得点になってしまったのは「プレイする映画」だからなのか、
ストーリーという前提があれば、少々のゲーム性の粗は無視できてしまうのかどうか。
わかりませんが、映画を観ている感覚で言えばこれ程のゲームはそうありません。とても良い作品でした。
オリジナリティー | グラフィックス | サウンド | 熱中度 | 満足感 | 快適さ | (難易度) |
---|---|---|---|---|---|---|
5pt | 5pt | 4pt | 4pt | 4pt | 4pt | 2pt |
84pt
GOOD!
ストーリー
本作では荒廃した世界、自然に飲み込まれた廃墟を
二人の主人公の物語から追体験する事になります。
中年親父ジョエルと14歳の少女エリーの関係性の変化や繊細な心理表現をメインに
絶望的な世界を生きる人間達とのエピソードが壮絶で印象的でした。
グラフィック
この作品の一番の魅力です。
何もかもが緻密で非常にリアルです。光のゆらめきや空気感、
風で揺れる草木の葉一枚一枚から落ちる影がこの世界への没入感を助長しています。
恐らくPS3世代のゲームの中では最もグラフィックの良い作品だと思います。
これだけ表現力のあるゲームエンジンを有した上で画面に対しての物の配置や
色彩などのデザインが非常に良く、物語上季節の表現が存在しますがそれも徹底された作り込みで非の打ち所がないです。
サウンド
BGMは基本的には終始無音でイベントシーンや
演出効果として使用されるいわゆる映画的手法でした。
特徴的なフレーズが耳に残るのに派手に作品に入り込まず
この世界観に溶け込んでいて良かったです。
BAD/REQUEST
ストーリー
物語があるゲームは必ずゲームの評価と物語の評価の二つで一つだと思っています。
これだけ映画的手法を取り入れた作品ですから俄然そうなる訳ですが
作品全体の雰囲気がとにかく陰鬱であった為にエリーの存在が非常に大きなウエイトを
占めていたのでそれがああいう風に展開していくとは・・・。
最初マルチエンディングなのかと思ってしまった。
グラフィックが良い分グロテスクな表現力も増していてその上で
14歳の女の子が刺すわ刺すわ。表現の幅としてはこういう作品もでてくるだろうが増えてほしくはない。
ゲーム
戦闘は似たようなシチュエーションが多く人を選ぶ作り。
アイテムの作成等は説明がない為分かりづらく種類も少ない。
ゲームとして出来る事はかなり少ない。もう少し世界に介入したかった。
終始緊張感を演出する表現ばかりなので疲れる。
視点の移動にブラーがかかりすぎている上、狭い空間で頻繁にカメラを動かすので酔う。
マルチプレイではサバイバルとチームデスマッチの二つのみで
ゲームの進行を遅くする要素が多い為ぐだぐだな印象。
COMMENT
”映画のようなゲーム”は昔からずっと存在してきたし
3D時代からのその成長速度たるや目覚しいものがありますが本作はその最前線を行く作品です。
故に私はまず映画として好きになれないとゲーム部分も楽しく感じられませんでした。
技術的には満点ですがストーリーは大人向けであり人を選ぶ作品でした。
オリジナリティー | グラフィックス | サウンド | 熱中度 | 満足感 | 快適さ | (難易度) |
---|---|---|---|---|---|---|
3pt | 5pt | 4pt | 3pt | 2pt | 4pt | 4pt |
63pt
GOOD!
アンチャーテッドシリーズ製作のノーティドッグの最新作ということで、発売前から期待してた作品です。
まず一番驚くことはグラフィックです。アンチャ2,3でもグラフィックに関しては驚きましたが、今作ではそれらを超える出来に仕上がっています。
おそらくアンチャシリーズに比べてパーティクルやアクション要素が少ないため、グラフィックや演出などゲームへの没入感に重きを置けたのかと思っています。
敵がどこから来るのかという、ドキドキ感はバイオハザード初期に似た緊張感があります。
また、ゲーム性からサウンドに関しても方向が聞き取りやすくなっているので、サウンドプレイという点についても評価できます。
またアンチャ同様先読み処理を行っているのか、ロードが皆無なのが素晴らしいです。
BAD/REQUEST
サバイバルアクションと謳っているからには、デッドライジングに近いサバイバル要素が豊富な作品だと思っていましたが、そうでもなかったです。
操作性も悪く、武器の切り替えの不便さなど細かいシステム面に関しての不満が目立ちます。
アクションゲームとしてみたら微妙ですが、ストーリーや演出は素晴らしいので、プレイできる映画としては素晴らしい作品だと思います。
個人的には上級からプレイしたのですが、難易度は比較的高めなので、ゲームに慣れてない人は初級や中級からプレイするのが良いと思いました。
COMMENT
海外レビューなどでも高得点、絶賛されていた作品でしたが、前評判ばかり上がってしまった作品でした。
アンチャーテッドシリーズはシングルもマルチもやり込んだので楽しみにしていましたが、期待値が大きすぎて肩透かしを食らったという印象です。
Amazonレビュー
レビュー日: 2017-03-25
いやぁ,おもしろい。4回はやり直したね。
GOOD!
・終末後の世界という雰囲気を出しており絶望感に満ちた世界を楽しめる
敵はゾンビを思わせる怪物、狂気に駆られた人間等。こういった敵との戦闘が好きな方はハマれると思います。
・敵との戦いはステルス、銃撃戦、お好みで楽しめる
基本は敵に見つからないように戦いますが、カバーポイントが多く銃撃戦も楽しめます。
・グラフィックは非常に高クオリティ
崩壊した街の作りこみ、寂れた田舎町等入れる民家の作りが細かいです。また壊れた車、荒らされたホテルの部屋に至るまでオブジェクトのひとつひとつが高クオリティのグラフィックで表現されています。
・演出、ストーリーの引きが良い
周囲は危険な環境であり、この先どうなるのだろうかというストーリー。
凝った話でないにしろ、映画仕立てのデモが挿入されるので引きの強いストーリーを楽しめます。
・難易度が高く、ヌルゲーに飽きた人にオススメ
中級でプレイしましたがかなり苦戦を強いられる場面があります。アクションゲームというよりは潜入系に近いので慎重なプレイを要求されます。
・味方AIは非常に優秀
味方は緊急時に助けない限り死なず、敵に見つからない?(私のプレイ時では主人公しか敵に察知されませんでした)。そのため味方のせいで死んだ、という事態が少ない。
敵に見つからない味方は良くはないはずだと思いますが、プレイに阻害がないので良かった部分に上げました。
BAD/REQUEST
・戦闘はストレスが溜まるだけ
感染者との戦いはほぼステルスに徹しないと集団で襲われすぐ死ぬ。
特にクリッカーという敵が近づけば即死(何かしらの即死モーション中に近寄ると死ぬ、ではなく怯んでいるとき以外近づけば即死)するため非常に面倒。またこいつは特定のスキルを取得しないと即死を回避出来ない。
恐らくこいつがこのゲームを死にゲーにしている。
・オートセーブする場所が悪い
ゲームオーバーになった場合、敵との戦闘に入ったところからロードする箇所がある。そのため弾薬を補給出来ていなかったり、リロードしていないまま再度戦闘に入るので難易度が跳ね上がる。
・アイテムが探しづらい
探索時、広いマップにアイテムが散らばっており探索に時間がかかる。
マップを狭くするか、或いはアイテムはまとめておいて欲しかった。
・バグが発生する
プレイ中にハンドガン類が全て消失するバグが発生。ロードし直したが、それでもミニショットガンが消えたまま。
武器改造の一覧にも出なかったため入手フラグ自体消えている模様。
・ヒントが出るのが遅い
このゲームでは簡単な謎解きのような仕掛けがあるが、そもそもその仕掛けが分かりにく過ぎる。
例えばゴミ箱や荷台を動かして足場にするという謎解きがあるが、ゴミ箱や荷台を動かせるというのが分かり難い。
一応▲マークでヒントを出しているが、近づかなければ分からないし、バイオショックやデッドスペースのようなどこに行けばいいか瞬時に分かるヒントがない。というか長時間迷ってやっとヒントが出る。任意にヒントを参照したい。
・操作性が悪い
このゲームはカメラ移動があるが、位置のリセットがない。そのため主人公の正面にカメラを合わせるのが手動になる。
また水中移動時はかなり操作がし辛い。水面時はなんとかなるが、潜っているときは操作し辛いことこの上ない。
これに加えて地下を移動する場面(ライトをつけても暗い)や水中に潜って攻略のためのアイテムを見つけるのが厄介。
COMMENT
一周目を中級でクリア。総プレイ時間は15時間ほど。
雰囲気ゲーとして楽しむのが一番だと思います。
このゲームの見どころは崩壊した都市を練り歩くこと、そしてそこで見た光景を楽しむこと。
戦闘に関しては感染者に襲われればLeft 4 dead以下の戦闘になるし、また人間との戦いは数々のTPSゲーム以下のクオリティ。戦闘はおまけレベル。
そのため戦闘が一番の苦痛。
製作者の意図としてはTPS、ステルスゲームどちらも体験出来るように作ったとは思うが、はっきり言って中途半端。
SIRENのような戦闘の少ないパズル要素の多いホラーゲームか、弾丸をもっと多く所持しより多くのアイテムを工作出来るTPSゲームどちらかにしてほしかった。
世界観の作り方は最高だと思う。だがそれだけに戦闘部分の要らなさが目立った。
海外レビューで好評価を獲得しているが、恐らくストーリー面での評価だと思う。3Dアクションとしては全く楽しめない。