このソフトのレビューを書く

【PS3】エスカ&ロジーのアトリエ 〜黄昏の空の錬金術士〜 レビュー

発売元 ガストオフィシャルサイト
発売日 2013-06-27
価格 7140円(税込)
レーティング 【B】12才以上対象 セクシャル (CERO について)
ショップ/リンク Amazon
タギングトップ3
タイトル概要 ■ ジャンル:旧約錬金術RPG
■ プレイ人数:1人
■ プレミアムBOX版:10,290円

総合ポイント
66
(難易度)
1.50
レビュー数
16
スコアチャート エスカ&ロジーのアトリエ 〜黄昏の空の錬金術士〜レビューチャート

エスカ&ロジーのアトリエ 〜黄昏の空の錬金術士〜 購入する
0%
0-9
0%
10-19
0%
20-29
0%
30-39
6.3%
40-49
25%
50-59
37.5%
60-69
25%
70-79
0%
80-89
6.3%
90-100
【60点以上】
68.8%
【標準偏差】
11.46


400人の方が下記のレビューはオススメと投票しています。
オリジナリティー グラフィックス サウンド 熱中度 満足感 快適さ (難易度)
3pt 3pt 3pt 2pt 2pt 2pt 2pt
総合点
46pt

GOOD!

「雰囲気」
 作品の世界観として、穏やかに世界の終末を迎えつつある黄昏の世界、となっており、閉塞感と安息感の入り混じった複雑な雰囲気を持つ作品となっている。
 黄昏の世界、というのは比喩ではなく、実際の画像として全体的に夕暮れっぽい色調が用いられていることもこだわりが感じられていい。

「調合」
 レベルアップ、並びに施設への資金投資によって覚えられる各種スキルによって調合時の自由度が大きく増しており、手順や素材を組み合わせる楽しみが大きい。
 凝ろうと思えばいくらでもそうできるし、ものが出来ればいいや、と、さらっと流すこともでき、多くのプレイヤーにとっては嬉しい仕様かな、と思う。

「アイテムユーズ」
 歴代アトリエシリーズにおいて、アイテムとは自分で作って自分で使う(で、なくなる)というものだったけれども、今作の主人公は組織人、ということで、原型となるアイテムを1つだけ作ることに成功すれば、探索装備というカテゴリに登録するだけで何度使っても組織の側で補充してくれる上、アイテムを使えば使うほど「よく仕事をしました」とお金をたくさんくれるようになる。

 賛否はあるかな、と思うけど、使いたいアイテムを使いたいように使える、というのは「錬金術師」を主人公とするゲームとしてはやっぱり嬉しいと思う。

BAD/REQUEST

「シナリオ」
 もともとアトリエシリーズはシナリオで魅せる系統の作品でもない(と、個人的には思っている)けれども、今作は特にその傾向が強い。
 主人公をエスカとロジーの二人に分けられており、しかも二人はほぼ常に行動を共にする、という作りになっているのに、イベント管理自体は別々で、いっつも一緒にいるはずなのに片方の主人公を攻略しただけではイマイチ話が繋がっていない。
 これが「全く別々に行動する二人の主人公の視点から見る同じ事件」とかならワクワクしながら二人の主人公をクリアできると思うのだけど、基本、一緒に行動している二人なのでいまいち別視点の有り難みがない。

 あと、最終目標と当面の目標になんの関係もない、というのもマイナス。
 上司からの指示に従って仕事をするのだけれども、指示される内容が最終目標とほとんど関係のないものばかり。何年も何年も本筋と関係のないことを主目的として仕事をさせられて、最後の年になって「じゃ、最終目標クリアしてね」と言われる感じ。唐突というか、扱いが軽すぎる上に今まで大してシナリオに絡んでいない最終目標なので、「ああ、いつもと一緒のなんてこと無いイベントの一つなのね」と、淡々とクリアしてしまった。

 また、主人公ごと別々にイベントを管理しているせいもあってか、一人一人、一つ一つのイベントの文章量や個数が極めて少ない。しかも調合・探索・戦闘などをこなす合間に、ほんの短いイベントがちょこっと入ってくるだけなので、せっかくの個別イベントも影が薄くなってしまうように感じた。


「キャラクター」
 悪い、というわけではないのだけれども、上記のようにイベントの数や量が少なく、キャラクターの個性を伺わせる要素が少ないため、結果的にキャラクターに愛着を持つことができなかった。
 主要キャラクターもそうだし、サブキャラクターもそう。アコギになりきれない少女商人、大人になりきれない少年監査官、はるか昔からの約束と後悔を持ち続けている自動人形などなど、魅力を期待させるキャラクターが多かったのに掘り下げや交流が少ないせいで心に残るものが少なかったのが非常に残念。

 また、メインキャラのイベント進行について、「好感度」に相当するパラメータが隠しパラメータとして存在するようで、7人いるキャラのうち、控えに配置しているキャラのイベントが起きず、キャラエンドに到達できなくなる。
 控えに配置していてもレベルは上がっていくし、シナリオにも絡んでくるし、装備の変更等も普通にできるので、あんまり控えを入れ替えよう、と思えないシステムにもかかわらず、隠しパラメータ的にイベントフラグを管理する、というのも底意地が悪い。
 好感度があるならそれをはっきり見せてもいい(というか、過去作では普通にあったのだから削る意味がわからない)と思う。


「イベント管理」
 今作の主人公はお役人であり、錬金術はお役所仕事のためのスキル。やれと言われたことをやる、というのが基本となるため、どこで何をするか、ということは基本的に上司に決められて通達を受ける。
 そのため、何をいつどうするか、という条件は4ヶ月に一度、上司から言われないと何にもできない。

 こういうイベント管理が悪いとは言わないけれど、プレイヤー側がスケジュール管理をそこそこにやると上司に言われた仕事は3ヶ月程度で全て完了してしまうため、1ヶ月ぐらい何にもやることがない暇な時間ができてしまい、プレイ中に小刻みな中だるみが入る。
 人によるとは思うけれども、初回プレイでさえ一応の最終目的を達成し終わって後、300日くらいやることがなくなってしまうこともある、というのはさすがに「イベント管理が雑」と言われてもしかたがないのではないかな、と思う。(ちなみに全プレイ期間は4年間なので、ほとんど一年間は暇することになってしまう)


「戦闘」
 いちいち極端。
 序盤はPTメンバーの与えられるダメージが極めて小さく、アイテムも数を持てないし、サポートなどの演出がかなり長いため、戦闘にものすごく時間がかかる。
 中盤は強いアイテムを3〜4個持っていけば会敵・殲滅を繰り返すだけの単純作業。
 終盤は強い装備をもって殴る。もしくは強いアイテムで以下略、という単純作業。

 でも特定のボスエネミーは「PTメンバーは終始HP半減状態、ボスは複数回行動かつ加速能力持ちでずっと俺のターン、しかも状態異常スキルと範囲攻撃持ち。倒すのに時間をかければ地形効果でプレイヤーキャラの能力は激減し、敵の能力は激増。頑張って数万あるHPを減らしていくと途中でHP超回復アンド自己能力超強化を使ってくる」という「ぼくのかんがえたさいきょうのもんすたー」みたいなことをやってくる。

 また、ボスは攻撃スキルも含めて結構こっちの攻撃を回避してくれるため、必中のアイテムを使えるアイテム使い(錬金術師)以外のメンバーの影が薄い。
 ダメージインフレから複数回行動、全体超回復まで何でもできる主人公ペア以外ではある程度強い相手はほぼ倒せない=倒す方法がほぼ一つしかなく、錬金術師以外の仲間キャラの立場が弱すぎるというのは、複数のキャラがいるRPGとしてどうかと思う。
 あと、主人公ペア以外の必殺技が弱い。追加ダメージ付与の武器をもたせた通常攻撃と殆ど変わらない。

 調合や依頼をこなすことだけやってればよし。戦闘はオマケ。……というならともかく、ボスが居て倒さなければ目的を達成したことにならないのだから、戦闘バランスもきちんととって欲しかった。


「ワールドマップ」
 ワールドマップに表示されるエリアの絶対数が少ないので、ちょっと物足りないかな、というところ。
 エリアの内部には幾つもの小さい探索マップがあるけれど、普通のRPGで言えば、「ダンジョンの数が少ない代わりに、ダンジョンの中の部屋数がそこそこある」というような感じ。
 やっぱりダンジョン自体の数が多い方が、世界を歩き回る感じがして嬉しいと思う。

COMMENT

 結構息の長いシリーズである、アトリエシリーズ最新作。
 アトリエシリーズは「家族を探す」「国を栄えさせる」「錬金術で身を立てる」など、最初から主人公にある程度しっかりした決意や大方針がないとイマイチ面白みがないんだな、と気づかせてくれた作品だった。
 主人公の目的の無さがストーリーの起伏の無さにつながり、ストーリーの平坦さがゲーム全体のテンポを落とす、というか。

 あと、主人公はエスカ一人にして、ロジーは非操作の仲間キャラとしたほうが良かったかな、と思う。


 まあ、とはいえ、シリーズファンなら問題なくおすすめ。
 スケジュール管理とかが苦にならず、ちまちまとものを作る作業などが嫌いじゃない人にもそれなりにおすすめ。
 前作の登場キャラとかも若干出てくるけれども、別に知らなくてもプレイに支障はないくらいなので、今作からでもOK。

 アトリエシリーズ初めての人は、導入としてはあまり適していないかもしれない。どちらかと言えば前作、アーシャのアトリエの方が初めてやるには向いているかなと思うので、興味はあるけどやったことない人は、もし良ければそちらからどうぞ。

プレイ時間:60時間以上100時間未満(クリア済)
kokoさん  [2013-07-21 掲載]

このレビューはオススメ? はい  いいえ

430人の方が下記のレビューはオススメと投票しています。
オリジナリティー グラフィックス サウンド 熱中度 満足感 快適さ (難易度)
3pt 3pt 2pt 4pt 4pt 3pt 1pt
総合点
69pt

GOOD!

・グラフィックの進化
主にキャラクターに関してですが、前作アーシャより格段に良くなってると思います。
モーションに関してはまだまだ人形劇っぽいのですが、表情の造形は素晴らしいです。
特にコロコロ表情を変える女主人公のエスカを見ると、その進化の形が見えてくると思います。
イベントでは基本棒立ちが多いですが、戦闘でのモーションはとてもいいです。みんな良く動きます。特に男主人公のロジー君はこれでもかというくらいカッコ良いモーションがとてもいいです。

・調合システム
前作アーシャと、トトリ・メルルにあったアイテムの特性を継承するシステムを合わせた新しい調合システムが、とっつきやすい割に熱中度が高くてとても楽しいです。継承システムのおかげで何気ないアイテムでも使う素材を吟味して少しでも良いアイテムを作りたいという気持ちになります。
アトリエ初心者でも慣れてくれば割と簡単に高威力のアイテムや装備を作れると思います。

・キャラクターイベント
今作のキャラクターはアクの強過ぎる人はほとんどおらずマイルドな感じですが、全員どこかしらズレているので、掛け合いのイベントなどは面白くて吹き出すところもあったり。
前作アーシャでは、だらだら続く会話に辟易して音声スキップする事もざらだったのですが、今作はスキップする事はあまりないですね。

・戦闘・採取
使用アイテムを事前に登録して持っていく形式に変わっています。大量に持ち歩くことはできないですが、アトリエに戻ると自動的に使った分は補充されるので、個数を気にする事もなく雑魚戦でもガンガンアイテムを使っていけるのがすごく楽でした。
錬金術師2人もスキルが使え、さらにアイテムを2人で使って強化するダブルドローというシステムのおかげで、かなり攻撃的な錬金術師ができたんじゃないでしょうか。最初は非力な錬金術師2人で大丈夫かと思いましたが、ロジーはそれなりに物理攻撃も上がるので問題なかったです。
味方の使用スキルは全員共通で3種類に減りましたが、前作はむしろ多すぎて何がどうなってるのかよくわからなかったのでこれくらいでちょうどいいと思いました。
その代わりと言ってはなんですが、採取において基本1回1個しか素材が取れなくなってます。が、使用アイテムを自分で補充しなくて良くなったので問題ないと思います。
フィールドで何かしら時間が経つ行動をすると起こせるようになるフィールドイベントもうまく使えば、このマップを最初にクリアして次はここ、って感じで計画を練って進むのも自分的には結構楽しかったですね。

BAD/REQUEST

・戦闘がぬるい
GOODに書かせてもらったように、初心者でも割と序盤から強力なアイテムをポンポンつくれるのと、アイテムを気にせずバンバン使えるので、全体的に難易度は低いです。さらに6人パーティーで前列と後列をターン消費せずに入れ替えられるので攻撃を受けても後ろに下がれば倒れる事もない、というのもあってよっぽど無謀な戦いをしない限り戦闘不能になる事もないかと思います。
これまでのアトリエは、新しい武器をそれなりに作れば互角に戦えるくらいの難易度で、装備が整えばぬるゲーになるのが常だったので、今作で武具を整えたらどれだけぬるくなるのか…。
仕方がないとはいえ、アトリエシリーズは毎度戦闘バランスが結構ちぐはぐですね。

・キャラクター描写が薄い
基本対象キャラ+主人公2人のイベントが多いため、仲間同士の掛け合いは少ないです。まあこれは前作のアーシャもそうだったんですけど…。むしろアーシャよりも多いですけど、メルルと比べると少ない…。まあ立場も出身もバラバラの仲間達なんで仕方がないとは思いますが、もうちょっと仲間同士の掛け合いを見たかったです。
そして一番残念なのが、アーシャの登場人物がほとんどストーリーに絡んでこなかった事です。主人公のアーシャが名前だけしか出てこないのはちょっと寂しかったですね。旧作キャラ出し過ぎて新キャラを食いつぶすのもどうかと思いますが、キースとか物語の根幹に関わるようなキャラはもっと出して欲しかったです。次回作に期待ですね。

・BGMがいまひとつ
音楽の評価が高いのもアトリエの魅力の一つだと思ってますが、今作はこの曲いい!!って直感的に思えた曲はなかったです。いい曲もあるんですけどね…。
またシリーズ恒例の差し替えBGMのDLCですが、曲数・自由度共に前作から大いに衰退してます。選べる曲はアーランドシリーズと前作アーシャからのみです。自分はザールブルグからアトリエを遊んでいるのでちょっと寂しかったです…。
そして前作はゲーム中に使われている曲一つ一つを違うものに変える事ができるくらい自由度があったのに、今作はアトリエ・街・フィールド・通常戦闘の4曲しか変えるところがありません。最大10曲まで選んでランダムで流す仕様ですが、それをすると本作のBGMは流せません。通常戦闘曲割と好きだったのでちょっと残念です。

・仲間の友好度の表記がない
おそらくシステム的には友好度というのは設定されてると思いますが、それをゲーム画面で確認する事ができません。仲間が増えると、どうしても控えに回さないといけないキャラもいて、そうすると友好度が上がらないという情報もあるため非常に難儀します。今後DLC追加キャラとか出てくるとさらに控えメンバーが増えて、余計に友好度表記は必須になってくると思うのですが…。

・やることやった後…
シリーズをプレイ済の人は、大抵の課題は期限の余裕を持ってクリアできるレベルなので、調合も順調にやっていった人ほど、後半延長戦突入した段階でほとんどやる事なくなります。1周目は2周目への装備づくりとかで潰せるでしょうが、2周目ともなると本当に最後は時間をつぶすだけとなります。
しかしアトリエで寝て時間過ごそうにも一度に10日までしか最長寝られないのでそれを何度もするのは非常に面倒で、結局フィールドをうろうろして時間を潰すことになります。
初期のシリーズでは初日から最終日まで寝て過ごすことができたはずなんですが、なぜなくしてしまったんでしょうか

COMMENT

過去のアトリエシリーズはほとんどプレイ済です。

前作アーシャがあまり面白いと感じられなかったのですが、順調に進化しているみたいで安心しました。色々細かい不満点とかありますが、少なくとも買って満足しています。

さんざんキャラクターが薄いと書いてますが、強烈なのがない分アトリエをやったことのない人にも安心しておススメできます。ですので、アーランドシリーズのようなハイテンションなキャラクターの絡みが好きな人は物足りないかもしれません。逆にアーシャのようなちょっと落ち着いた感じが好きだけどちょっと物足りないんだよねっていう人にはぴったりなんじゃないでしょうか。

これなら次回作も安心して買えるような気がします。

   
プレイ時間:30時間以上60時間未満(クリア済)
あおあおさん  [2013-07-17 掲載]

このレビューはオススメ? はい  いいえ

412人の方が下記のレビューはオススメと投票しています。
オリジナリティー グラフィックス サウンド 熱中度 満足感 快適さ (難易度)
5pt 4pt 4pt 5pt 4pt 5pt 1pt
総合点
91pt

GOOD!

ロロナから初めてアトリエシリーズは今作で5作目。

・調合システム

調合がハマるハマる!アーシャと同じく拾う材料一つ一つについている特性は同じですが、その材料一つ一つに火水風土の属性値がついており、その属性と調合スキルをうまく組み合わせて強いアイテムを作っていきます。アイテム自体の特性を引き出したり、材料についている潜在能力を組み合わせたり調合一回一回に考えさせられて「最良の組み合わせ作り」にハマリました!

・探索アイテムの補充

前作までは作ったアイテムは使用するとそのまま消えてしまいましたが、今作では作成したアイテムを装備して探索へ出かけ、探索から帰ってくると自動的に補充してもらえるという親切設計!今まではもったいなくてなかなかアイテム使えなかったのですが、このシステムのおかげで気にせずアイテムを使用することができるようになりました。(装備するアイテム数には限りがあったり、一回の探索でのアイテム使用数にも限りがありますが、それを考えていくのもまた楽し)

・6人での戦闘スタイル

今作からは6人で戦闘に参加できます。具体的には前衛の三人が戦い、前衛が弱ってきたり戦闘不能になったりすると後衛のキャラと交代するというシステム。基本後衛は前衛と交代するまでは待機しているだけですが(そのあいだはHP・MP回復するという親切設計)、サポート攻撃やサポート防御といった前衛のサポートも行えます。探索先で前衛・後衛を組み替えることもできるのでただ三人で探索にでかけるよりも深みがあって面白かったです。

・プレイの快適さ

イベントがある場所に「!」が出たり、ロードが早かったり、場所の移動が一瞬だったりと、プレイの快適さはさすがの一言。まずストレスを感じずにプレイすることができると思います。

BAD/REQUEST

悪いところは特に個人的な感覚で思ったところなので、軽く流しながら読んでください(人によっては「だから好き」という人もいると思うので)



・味方キャラの数が中途半端

6人制のバトルなのに戦闘可能な味方キャラは7人。必然的に「要らない一人」と選ぶ形に。

→DLCで増えるのだとは思いますが、あと二人くらい味方キャラがいたら「戦闘に連れて行くキャラを選ぶ楽しみ」があったのかなと思います。まぁ、ここは個人的な好みですが。

・戦闘での「位置」システム

前作のアーシャから取り入れられたシステムで、戦闘時にそれぞれ「位置」(固まっていると回復は便利だが敵にまとめて狙われてしまう)が設定されているのですが、このシステムが個人的には何だか微妙。前衛と後衛は戦闘中に交代できるのですが、後衛にも「位置」が決まっており、希望する後衛と交代するにはその後衛が待機している場所まで移動しなければいけません。「その移動が戦略の要!」なのかもしれませんが、個人的には交代したい前衛をちまちま移動させることがひどく面倒でした。(しかもその前衛はたいてい弱っているので移動した直後に殺されやすく、「それならもう殺されて交代すればいいや」と後半は死んで交代→アイテムで後衛に下がったキャラを生き返らせるという形になってしまいました。)

→戦闘に新しいシステムを取り入れるのはいいことですし、面白い着想だとは思うのですが、後衛との交代はどこからでもできる、などもう少し快適に戦闘できるように融通をきかせていただけたら嬉しいです。

・やることがあまりに一本道。(一週だけの人には関係なし)

今作では4ヶ月ごとに大きな課題が発表され、その大きな課題とちょっとした小課題(小課題は達成しなくてもペナルティなし)をこなしていくのですが、それがあまりに一本道。課題発表→新しい採取地開放→新しい採取地を進んでいく、という単純な使用。一週目は何の問題なく楽しめるのですが、二週目になるととにかくだれる。アーランド(特にトトリとメルル)では「二週目は一週目とは違う攻め方をしてみよう!」と一週目より調合メインでポイントを稼いだり一周目とは違う採取地の攻略を優先したりと二週目にだれることはなかったのですが、黄昏シリーズはあまりに一本道なため二週目がただの一週目の焼きましにすぎず、本当にただただ作業になってしまいます。特に今作は新しい課題が発表される期限も決まっているため、早く採取地を攻略しても新しい課題が発表される時期まで時間があまり、ただただ時間つぶしのために採取地をうろうろしたり限られたアイテムを何度か作るという作業感がありました。

→課題に関わる採取地は採取地として期限ごとに開放されるとして、それとは別に自分でどんどん進めていける採取地を作って欲しかったです。新しい課題が発表されるまでの暇が本当にただの暇で困りました。

・W主人公の必然性

今作最大の特徴であるW主人公ですが、正直何のためにW主人公にしたのか謎でした。異なる視点で楽しむと謳われていますが、基本的なストーリーはまったく同じで、違いといえば同じ光景を見たあとの最後の感想(心の中の独白)をどちらが言うかという程度。ときどきキャライベントが違うときもありましたが、正直わざわざ二週してまで見る内容かと言われると少し疑問。特にロージーは世界の謎に迫っていくストーリーと書いてありましたが、別段そんなことはなかったです。それっぽい話になってきたかと思ったら「俺にはわからないな」と別段世界の謎を気にすることもなく、世界の謎を追求しようとすることもなく。いつもどおりの日常ふわゆる系ストーリーだった気がします。

・ストーリーの希薄さ

ゲーム全体でのストーリーがあまりに薄い!一応全体としての目標として「未踏遺跡を制覇しよう!」という目標はありますが、それに関するイベントがあまりに少ないため、本当にただおまけ程度に添えられた目標にしか見えません。「役人としていろんな人の役に立つため頑張ろう!」→課題をこなしながらふわゆる日常、と進んでいきながら、最後に急にストーリーが進んで、突然だけど未踏遺跡に突入するよ!というイメージ。

→「ただの気球では突入できない場所」とわかっているなら、初めから未踏遺跡の場所は示しておいて、初めにみんなで突入しようとする→失敗。「やっぱり気球ではダメだね」→「課題をこなしながら錬金レベルを上げて〜〜〜を作ろう!」と初めてに強い目的意識を持たしておけば未踏遺跡に対する印象がもう少し強くなったのかなと思う。

COMMENT

BADにいろいろ書きましたが、あくまで「もうちょっとこここうして欲しかったな」という個人的な我が儘で、全体としてはとても熱中して楽しくプレイできました!
さすがアトリエ!
調合システムも磨きがかかってこれからが楽しみです!
今作ではエスカとロージーの二人の視点を分けるために試行錯誤して時間を使ったのでしょうが、次作では主人公は一人でいいので、もうすこし採取地を増やしたり二週目で自由にあれこれできるようにしてもらえたら嬉しいです。
今作は二週前提で作られているのに二週目があまりにだるかったです。

今作は黄昏シリーズ二作目となっていますが、前作との話のつながりはほとんどないので、アトリエ初めての人にもオススメです!(ときどき前作のキャラの話が出てきますが、ただの世間話なだけなので知らなくても全然問題ないです)
また黄昏シリーズの謎が少しだけ見えてきたようで全然深くは追求されていないので、自作で謎の解明と世界の改善方法について深く追求していただけると嬉しいです。
できれば今作で黄昏世界の謎を解明して、自作でその世界をどう立て直していくのか、とストーリーをわけていただいたほうが深く楽しめたのではないかと思いますが、まぁこれも個人的な我が儘ですね。
次作も必ず買います!次作の発売を今から楽しみにしています。

 
プレイ時間:30時間以上60時間未満(クリア済)
ぽんぽこさん  [2013-07-15 掲載]

このレビューはオススメ? はい  いいえ

415人の方が下記のレビューはオススメと投票しています。
オリジナリティー グラフィックス サウンド 熱中度 満足感 快適さ (難易度)
3pt 3pt 3pt 4pt 2pt 4pt 2pt
総合点
62pt

GOOD!

・調合
素材の特性とスキルを組み合わせて、完成品の特性を引き出すという調合システムは、シンプルかつこだわれば奥が深く、バランスが良いと思う。

・キャラグラフィック
可愛い。

・アイテムが補給されるシステム
探索中に使ったアイテムは帰還すると補充されるので、遠慮なく使うことができる。
その代わり、探索にもちこめるアイテムはスロット制で所持制限あり。
威力と使用回数と利便性とで装備を練りこむ楽しみがある。

・快適性なインターフェイス
ロードは短く、ショートカット各種によって移動も快適。
システム・インターフェイス的な面でイライラさせる箇所が極めて少なく、それが熱中度をあげている。

・戦闘システム
マナケミアのように、六人でパーティーを組、戦闘する前衛三人を適時サポート攻撃やサポート防御で入れ替えながら戦う戦闘システム。六人パーティ制が面白い。

BAD/REQUEST

・目的意識が薄い
マリーなら「学園卒業」、トトリなら「母親探し」、メルルなら「王国の開拓・発展」と、スタート時に大目標が設定されていたので、それに向けて前進していこうというモチベーションがもてたし、進捗を感じる演出があって一歩一歩進んでいる実感があった。
対して今作は役人として目の前の仕事をこなしているだけで、その仕事もドキドキわくわくするようなものはなにもなく、まさに「お役所仕事」という感じのぬるさ。
一応「未踏遺跡」という存在がキーにはなっているが、序盤と終盤でしか絡んでこず、終盤もイベントが連続で起きてあっという間に終わってしまう。もうちょっとうまく未踏遺跡関連のイベントを配分できなかったものか。

・ストーリーが薄い
上記とも関連しているが、基本的には特になにもおこらない。
アトリエシリーズの特徴ではあるのかもしれないが、本当になにも起こらない。淡々と進む。
いままでのシリーズでは全体としては淡々ほんわかで進んでいたが、遠くの町にいけるようになったり中ボス的な存在がいたりで盛り上がるポイントはあったのだが、今作はストーリー的に盛り上がるような部分が本当にほとんどない。強いていうなら終盤のみは盛り上がるが、すぐにそのイベント群が終わる。


・主人公選択性が無意味
男主人公・女主人公が選べるが、上記のようにストーリー自体が薄いうえに、この二人がいつもつるんでいるため、システム的にもストーリー的にもほとんど差がない。また後述するが、システム的にも一周目でたいていのことができてしまうので、わざわざ二周する意味を感じない。
メッセージスキップはあるが遅い上に既読未読判別もないのでさらに二周する気が失せる。それでいてトゥルーEDは二周目以降限定なのが悪質。

・期限がゆるすぎて無意味に近い
シリーズに慣れているためだろうが、期限がゆるすぎる。
四ヶ月に一度目標が提示されるのだが、普通にプレイしているとたいてい期限まであまる。それでいて四ヶ月経つまでは次の目標が教えてももらえないので、定期的に適当に時間つぶしをしなくてはならなくなる。
最初に「〜年で終了」ということを提示されていないのも相まって、期限制にする意味をほとんど感じなくなってしまった。限られた期限でどこまで目標に近づけるか、どれだけ早く目標を達成するかがシリーズの醍醐味だったが、それをまったく感じなかった。それでいて無駄に時間を過ごすともったいない気がしてあまった時間を流すのに抵抗だけはある。
さらに最終年に入ると、入って早々にストーリー的な最終イベントが起こり、それを消化するとやりこみボス的なのを倒す以外にやることがなくなる。結果、一年のほとんどを無為に過ごすことになる。
これなら期限制はやめて普通のフラグ進行式の一本道にしたほうが良かったのでは?

・アイテム強すぎ
アイテム、特に攻撃アイテムが強すぎる。
錬金術ゲームなのでアイテムが強いのは特徴が出ていいとは思うし、アイテムを使えるのが主人公たちだけなので、個性化もできていると思う。シリーズ的にも代々ほかのRPGよりアイテムが強かった。
しかしそれでもシリーズの中でも強すぎる部類だし、それがgoodにも書いたアイテム自動補給制と合わさることで凶悪になりすぎている。完全に適当に爆弾を放り投げるゲームと化している。

・戦闘バランスと演出テンポ
goodでも書いたように、六人パーティーを戦闘中に適時入れ替えていくシステムはユニーク。しかし上記のアイテム無双のせいでこのシステムの面白さがほぼ死んでいる。そのうえ、サポート攻撃、サポート防御の演出が、一回一回はたいしたことがないものの頻発するためにテンポを崩している。これを避けるためにアイテム無双がより加速する。

・EDの達成感なし
ストーリーが薄く、最終年のほとんどほを無為にだらだら過ごした末にようやくEDとなるも、べつにEDでも特になにかあるわけでもないので、感慨もない。最初に大目標を設定するか、大ボスを倒してすぐにED行くかすればいいのに、なぜこんな達成感を感じない構成にしたのか意味がわからない。

・仲間を育てる楽しみが皆無
上記の通り、アイテムが強すぎるうえ、仲間全員に経験値が入る仕様のため「前回はこのキャラを育てていろんなイベント見たから、今回はこのキャラを育ててみよう」といったいろんなキャラを使い分ける楽しみがまったくない。普通にプレイしてるだけで一周で仲間全員の好感度がMAXになるし。

・意味を感じない黄昏の世界観
「終末へと向かっている世界」を舞台としているのだが、単に画面の色彩が暗いだけで、なぜ世界が破滅へ向かっているのか、どのように破滅へ向かっているのかがまったく表現されておらず、人々もいつものアトリエのようにのほほんあっけらかんと暮らしているし、生活水準の低下や生命の危機、治安の悪化などが描かれることもほとんどないため、ただ意味もなく画面の色彩が暗いだけとしか感じなかった。
映像的な意味での黄昏の色彩自体は評価してもいいが、映像に中身がまったく伴っていない。
終末へ向かう世界とはなにか、それをプレイヤーに感じさせるにはどうすればいいのか、終末感とアトリエシリーズの雰囲気の両立とはどうすれば可能なのか、もうちょっと真面目に考えて取り組んで欲しい。

COMMENT

アトリエシリーズ自体は全作の半分くらいはプレイしているが前作「アーシャのアトリエ」は未プレイ。

システム的には文句なし。
グラフィックもキャラは可愛いし悪くはない。
ただバランスやストーリーなどはもうちょっと真面目に作って欲しいといいたくなるレベル。
おなじシステム、おなじキャラクターでもやり方次第で数倍面白くできたはず。
結果的には「名作になるポテンシャルを秘めた凡作」
熱中度はそれなりに高いがクリア時点での満足度は低い。
アトリエシリーズの入門的作品にしたいという意図は感じるのだが、それでゲームの根底である「達成感」が損なわれては意味がない。
一周で満足させるのを目指したのか何回もくり返しプレイして最上を目指すように設計したいのかも曖昧で、バランスにしろキャラにしろ世界設定にしろ、あれもこれもと欲張ったら全部中途半端になってしまった印象。
全体を見渡して必要な部分といらない部分を見極めるディレクション能力に欠けた作品とスタッフだと感じた。
システムなどの土台は良いので、次に期待したい

   
プレイ時間:30時間以上60時間未満(クリア済)
うなぎさん  [2013-07-10 掲載]

このレビューはオススメ? はい  いいえ

Amazonレビュー

レビュー者: ame
レビュー日: 2015-06-09
アトリエシリーズ初めてですがハマリました。物語自体は特にワクワクもドキドキもしませんが、調合や錬金などでアイテムを作り出したり、決められた期間内にミッションをこなす事に夢中になりました。戦闘も作り出したアイテムや装備、連携攻撃を駆使し飽きることなく楽しめます。
 ゲームの性質上作業的になってしまうところは否めません。・・・が安価ですし問題ないかなと。

【PS3】エスカ&ロジーのアトリエ 〜黄昏の空の錬金術士〜
レビュー投稿フォーム

レビューを投稿する前に

レビューをご投稿して頂ける皆様には心より感謝しております。
あらかじめ下記注意事項のご確認をよろしくお願いいたします。

  • 投稿時、IPアドレス等も取得されます。
  • ゲーム関連会社・proxyサーバー・公共施設(ネットカフェ等)からの投稿が確認された場合、投稿内容に関係なく削除対象となります(多重や不正投稿の緩和のため)。ご自宅のパソコンからよろしくお願いします。
  • ルールにより、最低5時間以上プレイしてから投稿するようよろしくお願いします。(5時間未満が確認された場合、削除対象となります)
  • 改訂稿はこちらからよろしくお願いします。
  • 自分の名前(HN)が固定されていない方へ

「通りすがり」「匿名」「名無し」など……禁止です。

任意。非掲載時の連絡の際に使用されます。予期せぬ不備や事実誤認、誤って規約に抵触してしまい、それらによる削除依頼もありますので、アドレス記載を強く推奨します。(連絡するだけなのでフリーメールも可です)


ご自身のブログ等が無い方、レビュアー登録していない方は空欄。

PR URL>URLをご自由にご記入いただくことで、ブログ、おすすめのサイトやアフィリエイトなど、公序良俗に反しない範囲でリンクを設置することができます。
レビュアーID>レビュアー登録によりレビュアーIDが発行され、レビュアーの嗜好などを紹介したページへリンクされます。仮登録された方で本登録が完了 していない方は「仮登録中」とご記入ください。レビュアーID登録者はパスワードを記入しないようご注意ください。
レビュアー登録はこちら(別ウィンドウ)

注意事項
  • 「GOOD!」「BAD/Request」の欄は、何がどう良かったのか(悪かったのか)最低何かひとつでも”ゲーム中身”とその 理由を具体的に記載して下さい。例えば「グラフィックが良い」”のみ”の記載は、他にゲーム内容が書かれていなければ50文字以上でも「ゲーム内容記載漏 れに抵触」と削除依頼されます。この場合「どうグラフィックが良いのか」「どの部分でグラフィックスが良いと思ったのか」”中身”を記載して下さい。
  • 批判ではなく誹謗・中傷。他レビュアーに対する批判。ネタバレ等はしないようよろしくお願いします。(該当部分を削除する事もあります)

  入力文字数:0

  入力文字数:0

総評として該当ソフトの感想・自分の嗜好・プレイ環境や購入動機等


  入力文字数:0
点数に関する注意事項

ソフトに対する満足度に関わらず、項目に沿った判断で採点して下さい。 総合点計算機計算機
「廉価版や中古により、定価より安く買えた」「高く売れたから」などの理由で”加点”するのは禁止となっています


独自性。過去にない斬新なアイデア

綺麗な画像、ムービー、キャラクターなど

BGM、音楽、効果音など

飽きがなくどれだけ長く遊べるか

一通りプレイして面白かったか。総合的な評価

ゲームバランス、操作性や分かりやすさなど

プレイ時間:通算プレイ時間です。クリア時間ではありません
「クリア済」:原則「エンディングまでたどりついた」が基準です

「エスカ&ロジーのアトリエ 〜黄昏の空の錬金術士〜」の”特徴”や、”良い”と思ったものにチェックして下さい。

■ 投稿すると、掲載基準の規約(削除ガイドライン)や注意事項に同意したとしています。